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第6話 2時間ぶりと7年ぶりの再会 サーラ視点(1)
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「「「「……………………」」」
足をもつらせながらやって来た、お父様、お母様、メリッサ。3人の表情はノアを見ると更に悪化して、目を激しく見開いたまま固まってしまった。
「……………………さ、サーラ……。なんなんだ、その生物は……」
「この子は、ノア。神獣ノアです」
十数秒後に、ようやく声を絞り出したサミお父様。お父様は――お母様とメリッサも正体を知りたがっているので、まずは神界から来た存在だと伝えた。
「聖女様のお力の、根源となる場所……。そこの、住人……。どっ、どうしてお前はそんな化け物と一緒にいるんだ!? どこで、そんな化け物を手なずけたのだ……!?」
「お前は――お前達はそれを、知っているはずだ。なぜなら7年前に、ボクの仮の姿を見ているんだからね。3週間」
そしてこうなった経緯を伝えようとしていたら、お父様が大声を上げ始め、それにノアが応えた。
「7年……。3週間…………。まさかっ!! あっ、あの時の!?」
「そうさ。レガイル山でサーラに救われ、大事に看病してもらった猫。お前達に『死ねばいいのに』や『部屋から出すな』と言われていた、曰く汚くて臭い子猫さ」
あの時は、お世話になったね――。ノアがそう告げると、3人の顔はますます青ざめてしまった。
「あ、あの猫が、おまえ――い、いやっ、貴方様だったなんて……。あ、あはははは……。ははははは……。と、当時は動物に、苦手意識がありました故……。し、失礼致し――」
「しょうもない言い訳を聞くつもりはない。サミ、エリザベル、メリッサ。ボクの大切な人を傷つけ、一線を越えてしまったお前達に、同じように選択肢を2つ与えてやる。好きな方を選べ」
お父様はどうにかしてご機嫌を取ろうとしていたけれど、当時ノアは間近で3人の言動を見て聞いている。なので一蹴されて、鋭いブルーの瞳がお父様達を見渡した。
※本日はお昼ごろに、もう1話投稿をさせていただきます。
足をもつらせながらやって来た、お父様、お母様、メリッサ。3人の表情はノアを見ると更に悪化して、目を激しく見開いたまま固まってしまった。
「……………………さ、サーラ……。なんなんだ、その生物は……」
「この子は、ノア。神獣ノアです」
十数秒後に、ようやく声を絞り出したサミお父様。お父様は――お母様とメリッサも正体を知りたがっているので、まずは神界から来た存在だと伝えた。
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「お前は――お前達はそれを、知っているはずだ。なぜなら7年前に、ボクの仮の姿を見ているんだからね。3週間」
そしてこうなった経緯を伝えようとしていたら、お父様が大声を上げ始め、それにノアが応えた。
「7年……。3週間…………。まさかっ!! あっ、あの時の!?」
「そうさ。レガイル山でサーラに救われ、大事に看病してもらった猫。お前達に『死ねばいいのに』や『部屋から出すな』と言われていた、曰く汚くて臭い子猫さ」
あの時は、お世話になったね――。ノアがそう告げると、3人の顔はますます青ざめてしまった。
「あ、あの猫が、おまえ――い、いやっ、貴方様だったなんて……。あ、あはははは……。ははははは……。と、当時は動物に、苦手意識がありました故……。し、失礼致し――」
「しょうもない言い訳を聞くつもりはない。サミ、エリザベル、メリッサ。ボクの大切な人を傷つけ、一線を越えてしまったお前達に、同じように選択肢を2つ与えてやる。好きな方を選べ」
お父様はどうにかしてご機嫌を取ろうとしていたけれど、当時ノアは間近で3人の言動を見て聞いている。なので一蹴されて、鋭いブルーの瞳がお父様達を見渡した。
※本日はお昼ごろに、もう1話投稿をさせていただきます。
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