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第九十話 岡山ダンジョンの続き?

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 壁の仕掛けを解き、開いた壁を僕を先頭に皆がくぐった。

「普通の迷宮の通路ですよね。岡山ダンジョンに続きがあるのでしょうか?」

 美姫の言うように、壁を越えた先には隠し部屋はなく、五メートル程の幅の通路が繋がっていた。探知が出来るほど近くに魔物はいないようだ。

「美姫、【遠見】と【鷹の目】のスキルで通路の先がどうなっているか見えないか?」
「枝分かれはしているようですが、見える範囲には何も無いです。進んでみるしか無さそうです」

 何が起こるか分からない。【全探知】スキルを持つ僕が先行して様子を探る。少し後に皐月、真姫、美姫、詩音の順番で進むが、ほとんど一塊になり左右と後のケアをしながら注意深く探索していく。僕は以前宝箱から出てきた自動マッピングツールを使う。どの道が正解なのか分からないから、慎重に進んで行こう。

「リーダー、魔物がいます。おそらくオーガ、一体だけです」
「確かに岡山ダンジョンの続きかもしれないな。ボス部屋の後にはそのボス部屋と似たようなゴブリンパーティが出てきていたからな。そう考えればオーガが三体までは出てくるかもしれないな。皆、どうする?オーガと戦うか?」
「ボス部屋では無傷で倒すことができました。出来る限り進んで見たいと思います」
「オレも戦いたいぜ」

 美姫と皐月はやる気になっているようだ。

「真姫と詩音はどうする?他のメンバーのことは考えなくていいぞ」
「私も大丈夫よ。戦うわ」
「同じくっす。頑張るっす」

 前に僕のことを戦闘狂と言っていたけど、皆の方がよっぽど戦闘狂だよ。

「まずは僕一人で戦ってみるよ。ボス部屋のオーガと比べて、強いか弱いかを判断するためにもそうさせてほしい」

 高速で接近し、風の刃で脚を狙う。身体を支えきれずオーガが倒れ込む。首を斬り落とした。ボス部屋と強さは変わらないようで、十分に通用する。その情報を皆で共有した。オーガが消えた後には魔石だけがドロップした。

「次は私の爆裂の矢を使ってみます。ボス部屋では二本で仕留めました。今回はどうでしょうか?」

 次に出会ったのも単独のオーガだった。予定通り、美姫の爆裂の矢がオーガを襲った。一撃目で大きなダメージを負わせることが出来た。

「美姫、二射目は必要なさそうだ。温存しておこう。詩音、止めを刺してくれ」

 剣に火魔法を纏わせて詩音が剣を振る。ダメージを負ったオーガは片膝をついている。心臓を一突きで黒い靄になり消えていった。魔石と角がドロップした。

 魔石以外もドロップするもんなんだね。

 次は皐月が攻撃を受け止め真姫と詩音で少しずつ削っていく。オーガは棍棒を力任せに振って来る。それを受け止め、いなし、押し返す。皐月はオーガにも力負けしない優秀なタンクに成長していた。真姫と詩音は魔法のマジックアイテムで攻撃を加え、少しずつ脚を削っていく。タンクがしっかりとオーガを引き付けているので、踏み込み削っていく。とうとうオーガが倒れ込んだ。真姫の槍が目を突き刺し討伐完了だ。

「皆、大丈夫そうだね。オーガの数が増えて来たら、ボス部屋と同じようにしていこう。三体なら、僕が一体で、美姫と詩音で一体、そして最後の一体を皐月と真姫で相手をして、先に倒した者が他のフォローに入る。四体以上の場合には避けて進もう。無理はしなくて良いと思うよ」
「了解しました。私がまず何体いるのか確認すれば良いですね」

 それからは複数のオーガにもエンカウントしたが、作戦通りにオーガを倒し探索を進めていった。自動マッピングツールで通ったところはチェックされているが、まだ次の階段は出て来ない。かなり広いフロアのようだ。少し休憩を入れることにする。

「交代で見張りをしながら休憩をしよう。しっかりと水分補給をしておくようにね。まずは僕と真姫で見張りをするから他の三人は休んでくれ。五分ずつ時間をとろう」
「麟瞳さんはやっぱり私と一緒にいたいようね。もう、しょうがないんだから」
「真姫が弱いから心配なだけだよ。別に他意はないから、変な勘違いはしないようにね」
「はっきり弱いって言うわね。もうちょっと言い方があるでしょ、乙女心が傷つくわ。せめて、か弱いから心配と言ってほしかったわ」

 真姫が何か言っているがスルーして、しっかりと見張りをする。無防備なところにオーガの強襲は恐すぎる。

 五分経ち、交代して休ませてもらう。ゴブリンパーティを相手にするよりもやはり疲れが出てきているようだ。もう少し探索をして、次への階段が見つけられないようなら引き返すことも考えておこう。自動マッピングツールがあるから通った道は分かる。続きはまた今度でも大丈夫だろう。

 それから一時間程進み、オーガとも何度も戦闘を繰り返し、そろそろ引き返そうかと思った時にボス部屋に辿り着いた。階段を降りることなくボス部屋に着いてしまった。どうなっているんだ。

 
 
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