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第二十二話 ホーンラビットのお肉を求めて

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 朝はいつも通り綾芽と鍛練した。今日の予定は倉敷ダンジョンでのウサギ肉の確保である。さっさと用意し出発する。とにかく混むのだこのダンジョンは。家を出る前にサバだけ置いていけと母さんに言われた。今日の晩御飯はサバ料理のようだ。

 ダンジョン着が九時、平日なのに既に結構な数の探索者がいる。お肉の力恐るべし、着替えを終えて受付へ行く。受付で探索者証を出すと帰りもこちらに来て買取りの手続きをして下さいとの事、岡山ダンジョンの中里さんから連絡が来ているようだ。いつも通り着替えのバッグと武器ケースを預けてダンジョンへ。リュックは一応背負っておいた。

 今日は六階層へ転移する。人が多いがやれないことはなさそうだ。当然ホーンラビット狙いだ。頭突きラビットもビッグラビットも美味いだろうが、この前食べたのはホーンラビットだ。その料理を綾芽のパーティメンバーに食べさせるために取ってきてという綾芽からの指令を受け今日は来たのだ。

 物欲センサーが働いているのか本命になかなか出会わない。ビッグラビットばかり十匹ほど狩った後、ようやくホーンラビットと接敵する。突っ込んで来るところを半身になって躱し首を真向斬り。魔石と角をドロップした。肉が欲しいんだよ、肉が。角じゃあ無いんだ。ま~儲かるけどね。

 六階層と七階層を隈なく探索して、お目当てのお肉を二匹分ゲットした。角は四本も手に入れたけどね。あれ?角のドロップって珍しいって言っていたよね。そして、頭突きラビットのお肉は二キログラム無いことも判明した。皮無しの状態で丸ごとドロップしても一キログラムくらいだったよ。

 これで今日のノルマは達成したが、折角別室での買取りをしてもらうので期待に応えるようにウルフを狙いましょう。ウルフは群れているから数を倒せる。

 八階層へと降りる階段でちょっと早めのお昼の弁当を食べて頑張ります。

 八階層から十五階層までウルフを狩りまくったよ。相変わらずウルフは人気が無いな。人がいない分やりたい放題出来た。ありがたい。

 十六階層でボアを少々倒してストックの肉を補充してから、転移の柱を使ってダンジョンの外へ出て来た。

 昨日はダンジョンに入ってないので忘れていた。武具店へ急いで行き刀のメンテナンスを頼む。特に問題はないとの事でクリーニングだけしてもらって買取りに向かった。

 ダンジョンに入るときの受付に行き、買取りの旨を伝えて部屋へ移動する。ちょっとした罪悪感を感じたが、好意はしっかり受けてその分僕の出来ることで返せば良いと思う。

 部屋には一之瀬さんがいた。彼女も僕専用の受付嬢らしい。秘密を知っているので腕輪等を使っても問題ないとのことである。

「ではこちらにドロップしたものをお出し下さい」

 指定された場所にドロップ品をこれでもかと出していく。頑張ったんだよ期待に応えるために。一之瀬さんそんなに引かないでね。

「ホーンラビットの肉とボアの肉は全部持ち帰ります。それ以外はすべて買取りでお願いします」

 持って行くときが大変だったからかお疲れの様子で帰ってきた。

「魔石からです。頭突きラビットが一個50円で4個で200円、ホーンラビットが一個80円で16個で1280円、ビッグラビットが一個100円で20個で2,000円です。角無しウルフが一個100円で212個で21,200円、角有りウルフが一個150円で33個で4,950円です。そしてスモールボアが一個100円で4個で400円、ラッシュボアが一個150円で2個で300円です。魔石の買取り金額が合計で30,330円です」
 
ここはウルフで稼げるんだよね。

「次にお肉にいきます。ラビット系はどれも100グラム100円でホーンラビットを除いて18キログラムありましたので18,000円です。ウルフ系は100グラム80円で240キログラムありましたので192,000円です。ボア系は6キログラムありましたがお持ち帰りということで内訳に入れていません」
「あのー、ウルフの肉をこんなに引き取って大丈夫なんですか?」
「龍泉様個人で考えると多く思うかもしれませんが、例えば500グラムに分けて売るとすれば240キログラムなので480パック出来ます。たった480人しか手にできないんですよ。県内のスーパーにも卸していますからすぐに売り切れます」
 
 確かにそういわれれば納得する。

「では続けます。ホーンラビットの毛皮が一枚500円で4枚で2,000円、ビッグラビットの毛皮が一枚800円で5枚で4,000円、ウルフ系の毛皮は一枚1,000円で67枚で67,000円、ラッシュボアの皮が一枚で2,000円です。最後にホーンラビットの角が一本10,000円で4本で40,000円、ウルフの角が一本15,000円で8本で120,000円です。すべての合計が475,330円になります。その買取り金額から税金分の15パーセントを引いて404,031円になります。こちらが買取りの内訳になります。よろしければサインをお願いします」

もう此処だけ攻略してたら一生困らないね。難易度は低いけど高収入が得られる。確かに人気が出るよね。

「岡山にこんなに儲かるダンジョンが他にあるんですか?」
「龍泉様はソロなので全額自分の儲けになりますが、五人パーティだと今日の龍泉様の買取り金額で一人八万円です。更にこんなにドロップ品はありませんし、肉も沢山は持って帰れませんから良くても一人二万円くらいになると思いますよ。後儲かるダンジョンということですが、岡山ダンジョンで龍泉様は買取り価格の合計が三億四千万円くらいと聞いていますが」

 そうでした。マジックアイテムを買取りに出せば三億円越えなんだよね。

「その情報は共有されているんですか?」
「一部の者だけです。岡山県のダンジョンの偉い方々と岡山と倉敷の担当受付、後は全国のトップの方達ではないでしょうか。まあ査定をしているところを見られますからうすうす気づく人もいると思います」

 カードへの入金と刀の封印措置をしてもらい、預けたものを受け取って更衣室へ移動、更衣室は混んでいたが順番を待って着替えて家に帰った。

 晩御飯はサバの味噌煮がメインの和食でした。美味しく食べながらホーンラビットの肉を二匹分確保したことを伝えた。綾芽に感謝されたよ。




 
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