20 / 193
第二十話 岡山ダンジョンの救世主
しおりを挟む
「今日はどうもありがとうございました。次回は部屋での買取りをお願いすると思います。また、よろしくお願いします」
丁寧な挨拶とともに、龍泉様は部屋を出て行かれた。遠ざかる足音を聞いて、ホッと一息ついた。
「中里支部長、コーヒーでもお飲みになりますか?」
一緒に龍泉様の対応をしていた常盤君が気を利かせて、声をかけてくれた。
「常盤君も一緒に小休止しますか?疲れたでしょう」
「そうですね、毎回貴重な物を鑑定させていただくので、気疲れしてるかもしれません。ではお言葉に甘えて、自分の紅茶とお菓子も持ってきますね」
そんな言葉とともに常盤くんが部屋を出て行った。
岡山ダンジョンは岡山県の中では一番ランクの高いダンジョンではあるが、人気の面では残念ながら全国的にも、そして岡山県の中でも低く低迷している。ダンジョン発生当時は、ここも岡山県民で上のランクを目指しダンジョンを完全攻略しようとする探索者で賑わっていたそうである。前任の支部長から引き継ぎの時に話を聞いたが、お伽話を聞いているような気持ちになった。
そんな上を目指す探索者も岡山ダンジョンを完全攻略した後は、Bランク以上のダンジョンに入るために他県へと遠征しなくてはならなくなる。そしてダンジョンの情報が広まるにつれて、高ランカーを目指すような探索者は、最初から大阪や京都のような低ランクから高ランクまでダンジョンが揃っている都市に移住するようになっていった。
私がここの探索者センターの支部長になって四月で丸一年が過ぎたが、今の岡山ダンジョンは、学生パーティが低階層のボス部屋での宝箱を狙って訪れるぐらいで、ダンジョンの深層を目指すような探索者はいなくなってしまっている。
私は岡山県の探索者センターの支部長の代表者になっている。Aランク以上のダンジョンがない県ではその県で一番ランクの高いダンジョンの支部長がその代表者になっている。四月と十月の年に二回、全国の支部長の代表者が集まって会議が開かれるが、取り立てて積極的に発言するようなことはなく、肩身の狭い思いをしている。
毎月行う岡山県の支部長会議でも、後輩である倉敷ダンジョンの探索者センター支部長の村上の顔が、ドヤ顔に見えてしまうほど病んでいるのかもしれない。どうすれば岡山ダンジョンに探索者を呼び込めるのかを考えているが、これという策もなく、どんどん憂鬱になっていった。
七月の第一水曜日に転機が訪れた。その日支部長室に突然常盤君が興奮した様子でやって来た。
「中里支部長、マジックアイテムが四つも提出されました。しかも、今までに出てきたことのないものまであります。買取り価格をどうすればいいのか分かりません」
詳しく話を聞くと、岡山ダンジョンに初めて来たAランク探索者が一人で買取り受付に表れて、大量の魔石やポーションとともに四つもマジックアイテムを提出したそうだ。しかもそのうちの一つは過去にどのダンジョンからも出てきたことのない大容量の収納の腕輪、それも時間経過のない収納道具である。私でも買取り価格をどう付けていいのかサッパリ分からない、オークションなら百億円の価格が付いてもおかしくないものだと思う。探索者協会の本部に連絡を入れ、買取り価格を決めてもらった。その価格は三億円、安すぎると思ったが、あくまでも買取りしたときの値段であって、探索者協会としてはこれ以上の価格は付けられないようだ。もしも買い取る場合にはオークションへの出品を勧めるように指示された。
部屋の中へ入ってこられた龍泉様は、少しこちらを警戒していたのかもしれない。買取り金額が高額の為に来ていただいたことを伝えると、警戒が薄れたのか落ち着きが出たように見えた。
常盤君が買取りの内訳を伝えていく中で、私が質問を入れていく。岡山ダンジョンはポーションが出現するダンジョンとして知られているが、最近は初級ポーションが全体で一日に二十本出るかどうかといったところである。それが龍泉様は一人で二十本以上のポーションを提出されている。しかもほぼ半分の十本が中級ポーションである。私が赴任して今までに二本しか出たことがない中級ポーションが、一日で十本である。
「龍泉様、中級ポーションは何処から入手したか、お教えいただけないでしょうか?」
入手方法が特殊な場合には、秘密にする探索者がいると聞いたことがある。この聞き方で大丈夫か内心ビクビクしながら尋ねると、何でもないことのように多分宝箱からだと答えてくれた。多分という言い方が気になったので聞いてみたが、龍泉様は宝箱から出てきたポーションを確認していなかったようだ。初級ポーションと中級ポーションは色を見るとはっきりと違いが分かるほど色の濃さが違うのだが、あまり気にしていない様であった。
龍泉様の話の中で、驚きの情報として五階層のボス部屋の宝箱が銀色であったこと、そして十階層のボス部屋の宝箱が銅色であったこと、更に三階層の探索中に銀色の宝箱を見つけたことがあった。今までの常識を破るような高ランクの宝箱情報である。
このダンジョンでは、低階層で木の宝箱、中層で鉄の宝箱、そして最後のボス部屋で銅色の宝箱が出たことがあるらしいが、銀色の宝箱が出た情報は初めてである。しかも三階層の宝箱からはとんでもないマジックアイテムが出ている。幻の虹色の宝箱から出たといわれても驚かないほどの逸品である。それをラッキーという一言で済ませてしまう龍泉様はかなりの大物なのだろう。
更に、魔石を百五十個以上提出したのにも驚かされた。普通は三百匹以上の魔物を相手にしないと得ることのできない量である。ソロで探索したことを聞いて常盤君と二人で驚くと、大爆笑されてしまい、数分間腹を抱えて笑い続けていた。驚く方が普通だと思うのですが………。
次の日にも、龍泉様は銅色の宝箱をボス部屋攻略後に得て、マジックアイテムを二つ手に入れていた。しかも、またもや中級ポーションも五本宝箱の中に入っていたようである。
聞き忘れていた討伐数の情報も、倒した魔物全てが魔石をドロップするというとんでもない情報に変わり、この二日間の報告書を本部に提出したときに信じてもらえるのか甚だ疑問に思うようになった。今までの常識がどんどん塗り変えられていくそんな二日間であった。
そして次の日の金曜日は龍泉様はダンジョンにいらっしゃっていないようで、今週末に提出する報告書を書いていた。すると突然、後輩の倉敷探索者センター支部長の村上から電話がかかってきた。
「先輩、お疲れ様です。突然ですが、Aランク探索者の龍泉麟瞳様をご存知でしょうか?」
今、どう報告すればいいのか頭を悩ませていた張本人の事について聞きたいことがあるとのこと。いきなり買取り受付に百キログラムの肉を携えて表れたという。百キロのお肉を持ったまま、買取り受付の前で順番を待つ光景を思い浮かべておかしくなった。確かにダンジョンで得たドロップアイテムは一旦提出しなければいけないが、腕輪の収納を知らなければありえないことである。龍泉様が私に尋ねるように言われたとの事なので、腕輪の収納の事を含めて水木の二日間での出来事を村上に話した。情報を漏らさないように、できるだけ買取り受付も担当を決めて対応した方が良い事も伝えた。情報を漏らさないようにする事は大事なので最後に念押しした。
そして週が変わり、月曜日の今日もスキルオーブを二つも手に入れた龍泉様は、目を煌めかせながらスキルオーブの使い方を聞いてくる。しかも自分のスキルの情報までも教えてくれた。
この方は岡山ダンジョンの救世主になると確信した。信頼に応えられるように万全のサポートをしようと決心した。
まずは、龍泉様の事をよく調べなければなるまい。岡山の前は京都に居て、しかもパーティを組んでいたと先日話していた。支部長特権を活かして、京都時代の情報を閲覧してどうして岡山に来たのかを知ることから始めよう。
常盤君が戻ってきた。コーヒーを飲みながら今後の事について話し合おう。
丁寧な挨拶とともに、龍泉様は部屋を出て行かれた。遠ざかる足音を聞いて、ホッと一息ついた。
「中里支部長、コーヒーでもお飲みになりますか?」
一緒に龍泉様の対応をしていた常盤君が気を利かせて、声をかけてくれた。
「常盤君も一緒に小休止しますか?疲れたでしょう」
「そうですね、毎回貴重な物を鑑定させていただくので、気疲れしてるかもしれません。ではお言葉に甘えて、自分の紅茶とお菓子も持ってきますね」
そんな言葉とともに常盤くんが部屋を出て行った。
岡山ダンジョンは岡山県の中では一番ランクの高いダンジョンではあるが、人気の面では残念ながら全国的にも、そして岡山県の中でも低く低迷している。ダンジョン発生当時は、ここも岡山県民で上のランクを目指しダンジョンを完全攻略しようとする探索者で賑わっていたそうである。前任の支部長から引き継ぎの時に話を聞いたが、お伽話を聞いているような気持ちになった。
そんな上を目指す探索者も岡山ダンジョンを完全攻略した後は、Bランク以上のダンジョンに入るために他県へと遠征しなくてはならなくなる。そしてダンジョンの情報が広まるにつれて、高ランカーを目指すような探索者は、最初から大阪や京都のような低ランクから高ランクまでダンジョンが揃っている都市に移住するようになっていった。
私がここの探索者センターの支部長になって四月で丸一年が過ぎたが、今の岡山ダンジョンは、学生パーティが低階層のボス部屋での宝箱を狙って訪れるぐらいで、ダンジョンの深層を目指すような探索者はいなくなってしまっている。
私は岡山県の探索者センターの支部長の代表者になっている。Aランク以上のダンジョンがない県ではその県で一番ランクの高いダンジョンの支部長がその代表者になっている。四月と十月の年に二回、全国の支部長の代表者が集まって会議が開かれるが、取り立てて積極的に発言するようなことはなく、肩身の狭い思いをしている。
毎月行う岡山県の支部長会議でも、後輩である倉敷ダンジョンの探索者センター支部長の村上の顔が、ドヤ顔に見えてしまうほど病んでいるのかもしれない。どうすれば岡山ダンジョンに探索者を呼び込めるのかを考えているが、これという策もなく、どんどん憂鬱になっていった。
七月の第一水曜日に転機が訪れた。その日支部長室に突然常盤君が興奮した様子でやって来た。
「中里支部長、マジックアイテムが四つも提出されました。しかも、今までに出てきたことのないものまであります。買取り価格をどうすればいいのか分かりません」
詳しく話を聞くと、岡山ダンジョンに初めて来たAランク探索者が一人で買取り受付に表れて、大量の魔石やポーションとともに四つもマジックアイテムを提出したそうだ。しかもそのうちの一つは過去にどのダンジョンからも出てきたことのない大容量の収納の腕輪、それも時間経過のない収納道具である。私でも買取り価格をどう付けていいのかサッパリ分からない、オークションなら百億円の価格が付いてもおかしくないものだと思う。探索者協会の本部に連絡を入れ、買取り価格を決めてもらった。その価格は三億円、安すぎると思ったが、あくまでも買取りしたときの値段であって、探索者協会としてはこれ以上の価格は付けられないようだ。もしも買い取る場合にはオークションへの出品を勧めるように指示された。
部屋の中へ入ってこられた龍泉様は、少しこちらを警戒していたのかもしれない。買取り金額が高額の為に来ていただいたことを伝えると、警戒が薄れたのか落ち着きが出たように見えた。
常盤君が買取りの内訳を伝えていく中で、私が質問を入れていく。岡山ダンジョンはポーションが出現するダンジョンとして知られているが、最近は初級ポーションが全体で一日に二十本出るかどうかといったところである。それが龍泉様は一人で二十本以上のポーションを提出されている。しかもほぼ半分の十本が中級ポーションである。私が赴任して今までに二本しか出たことがない中級ポーションが、一日で十本である。
「龍泉様、中級ポーションは何処から入手したか、お教えいただけないでしょうか?」
入手方法が特殊な場合には、秘密にする探索者がいると聞いたことがある。この聞き方で大丈夫か内心ビクビクしながら尋ねると、何でもないことのように多分宝箱からだと答えてくれた。多分という言い方が気になったので聞いてみたが、龍泉様は宝箱から出てきたポーションを確認していなかったようだ。初級ポーションと中級ポーションは色を見るとはっきりと違いが分かるほど色の濃さが違うのだが、あまり気にしていない様であった。
龍泉様の話の中で、驚きの情報として五階層のボス部屋の宝箱が銀色であったこと、そして十階層のボス部屋の宝箱が銅色であったこと、更に三階層の探索中に銀色の宝箱を見つけたことがあった。今までの常識を破るような高ランクの宝箱情報である。
このダンジョンでは、低階層で木の宝箱、中層で鉄の宝箱、そして最後のボス部屋で銅色の宝箱が出たことがあるらしいが、銀色の宝箱が出た情報は初めてである。しかも三階層の宝箱からはとんでもないマジックアイテムが出ている。幻の虹色の宝箱から出たといわれても驚かないほどの逸品である。それをラッキーという一言で済ませてしまう龍泉様はかなりの大物なのだろう。
更に、魔石を百五十個以上提出したのにも驚かされた。普通は三百匹以上の魔物を相手にしないと得ることのできない量である。ソロで探索したことを聞いて常盤君と二人で驚くと、大爆笑されてしまい、数分間腹を抱えて笑い続けていた。驚く方が普通だと思うのですが………。
次の日にも、龍泉様は銅色の宝箱をボス部屋攻略後に得て、マジックアイテムを二つ手に入れていた。しかも、またもや中級ポーションも五本宝箱の中に入っていたようである。
聞き忘れていた討伐数の情報も、倒した魔物全てが魔石をドロップするというとんでもない情報に変わり、この二日間の報告書を本部に提出したときに信じてもらえるのか甚だ疑問に思うようになった。今までの常識がどんどん塗り変えられていくそんな二日間であった。
そして次の日の金曜日は龍泉様はダンジョンにいらっしゃっていないようで、今週末に提出する報告書を書いていた。すると突然、後輩の倉敷探索者センター支部長の村上から電話がかかってきた。
「先輩、お疲れ様です。突然ですが、Aランク探索者の龍泉麟瞳様をご存知でしょうか?」
今、どう報告すればいいのか頭を悩ませていた張本人の事について聞きたいことがあるとのこと。いきなり買取り受付に百キログラムの肉を携えて表れたという。百キロのお肉を持ったまま、買取り受付の前で順番を待つ光景を思い浮かべておかしくなった。確かにダンジョンで得たドロップアイテムは一旦提出しなければいけないが、腕輪の収納を知らなければありえないことである。龍泉様が私に尋ねるように言われたとの事なので、腕輪の収納の事を含めて水木の二日間での出来事を村上に話した。情報を漏らさないように、できるだけ買取り受付も担当を決めて対応した方が良い事も伝えた。情報を漏らさないようにする事は大事なので最後に念押しした。
そして週が変わり、月曜日の今日もスキルオーブを二つも手に入れた龍泉様は、目を煌めかせながらスキルオーブの使い方を聞いてくる。しかも自分のスキルの情報までも教えてくれた。
この方は岡山ダンジョンの救世主になると確信した。信頼に応えられるように万全のサポートをしようと決心した。
まずは、龍泉様の事をよく調べなければなるまい。岡山の前は京都に居て、しかもパーティを組んでいたと先日話していた。支部長特権を活かして、京都時代の情報を閲覧してどうして岡山に来たのかを知ることから始めよう。
常盤君が戻ってきた。コーヒーを飲みながら今後の事について話し合おう。
22
お気に入りに追加
463
あなたにおすすめの小説
おおぅ、神よ……ここからってマジですか?
夢限
ファンタジー
俺こと高良雄星は39歳の一見すると普通の日本人だったが、実際は違った。
人見知りやトラウマなどが原因で、友人も恋人もいない、孤独だった。
そんな俺は、突如病に倒れ死亡。
次に気が付いたときそこには神様がいた。
どうやら、異世界転生ができるらしい。
よーし、今度こそまっとうに生きてやるぞー。
……なんて、思っていた時が、ありました。
なんで、奴隷スタートなんだよ。
最底辺過ぎる。
そんな俺の新たな人生が始まったわけだが、問題があった。
それは、新たな俺には名前がない。
そこで、知っている人に聞きに行ったり、復讐したり。
それから、旅に出て生涯の友と出会い、恩を返したりと。
まぁ、いろいろやってみようと思う。
これは、そんな俺の新たな人生の物語だ。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。
孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる
シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。
そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。
なんでも見通せるという万物を見通す目だった。
目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。
これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!?
その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。
魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。
※他サイトでも連載しています。
大体21:30分ごろに更新してます。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる