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第61話※

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「ふぁ、あっあっ!ダメぇ、も、んんぅ・・・っ」

一体何時間こうしていたのか、もう、声は掠れ語彙はとっくに無くして私は彼に縋り付くしかなかった。

「裕美、可愛い。好きだよ。」

奥の奥まで一杯でもう溢れ出ている白濁を気にする余裕もなく、自分が今、どんな体制なのかも分からなくてただただ快楽に身を任せる。

「だめだよ、ちゃんと"見せて"あげないと。ホラ、裕美の大事なところが俺のをズッポリと咥えて離してくれない所を殿下にちゃんと、ね。」

そう言って、繋がっている所を見せつける様に足を絡ませて下からズンズンと突き上げてきて私は、気持ちよさに身を委ねるしかなかった。

「へん、りー!だめ、もう、もうっ!あっあっ、またイッちゃ・・・っあぁ!!」

プシャーっと、何度目かの潮を吹いて、フィンセントに浴びせてしまったが、恥ずかしがるよりも先にグッタリと倒れ込んだ。

そう、私は今、フィンセントの前でヘンリーに犯されている。


*****


事の始まりは、フィンセントが私を眠らせて人気の全く無い別荘に来た時に遡る。

私が意識を取り戻した時には、何故かフィンセントが椅子に縛られて、ベッドの脇に座らせていた。その目の前にヘンリーが座り、優しげな手つきでベッドに寝ている私を撫でながら話していた。

「・・・ですから、殿下には裕美を愛するのは無理なんですよ。」

一番初めに耳に入ってきた言葉で、ヘンリーの声だと確信して急いで目を開けた。

「そんな事はない!裕美だったら、たとえどんな姿をしていようと俺は愛している!それに、裕美が本当に愛しているのは俺だ!傷付いた裕美を誑かして取り入っただけのお前にはわからないだろうがな!」

いらだちを隠そうともしないフィンセントの声が部屋中に響いている。

「それはありえませんねぇ。あなた、私が記憶する限りじゃ、裕美に自主的に好意を伝えられた事、無いでしょう?私は毎日のように好きや愛してると言ってもらえますよ?それだけ、天と地ほど気持ちの差があるのが何故分からないんですか?」

呆れたような声色でヘンリーがフィンセントを諭す。
そんなやりとりを、ぼーっとした頭で聞いているとヘンリーと目が合った。

「裕美!起きましたか!」

そう言って、ヘンリーが優しく頭を撫でて頬にキスをしてくれた。

「ん、ちょっとまだ怠いけど・・・」

体を動かそうとしたが、思ったよりも体に力が入らない。そのせいで、ヘンリーにキスを返すことはできなかった。

「はぁ。薬を使うなんて卑劣な事、よく出来ますよね?あのろくでなし王女と同じ事して、裕美が戻ってくると本気で思ってるんですか?」

ヘンリーが静かに怒っているのがわかったが、その通り過ぎるので何も言わない。フィンセントも、それは分かっているようで気まず気に眉を顰めた。

「・・・・・・・もし、ダメだったとしても、二度も手放すものか。この家に閉じ込めて、俺以外と関わることもなにも無くして仕舞えばいい。」


なんと、フィンセントは追い込まれすぎて、私を軟禁してでも一緒にいたかったらしい。

「そんな事をして、余計に嫌われたりするって何で思えないんですか?」

「うるさいうるさいうるさい!!お前さえいなければこんな事にはなってなかったんだ!お前が全て邪魔して・・・お前さえ居なかったら、俺たちは・・・っ、ずっとうまく、いってたのに・・・っ、ぐ、」

ポロポロと涙を流して悔しそうに悲しそうに顔を顰めて言葉を詰まらせたフィンセントの気持ちが痛いほど伝わってきた。

私が最初の時、優しくされたからとホイホイとフィンセントに絆されて関係を持ってしまったからこそ、今、余計に拗れたんだ。最初に考えた通り、フィンセントとは婚約破棄するために動いて、ずっと冷たくしていたら変わっていたかもしれない。いや、変わっていた。少なくとも、フィンセントがこんな薬を使って、私を軟禁しようとすることはなかったはず。元々は、ヒロインにすごく一途な人だから、今は私にも一途に思ってくれているんだろう。

「・・・裕美、裕美は、本当にもう、俺のことはどうでもいいのか?たった一度の過ちで、俺たちはもう、戻れないのか・・?」

咄嗟に、どうでもいいなんて思ってないと言いそうになった。
でも、それを今言ったところで、何の慰めにもならない。それに、私は結局ヘンリーを選ぶ。それなら、何も言わない方が良いに決まっている。そう思っていても、小さく肩を揺らして、縋る声に私は申し訳なくて涙が出てきた。

「っ、」

そんな私を無言で見つめて、手をキュッと握っていてくれた。・・・・・・そんな時。ドクンっと、心臓が跳ねた。

「裕美!?大丈夫ですか?胸が苦しいんですか?」

「うっ・・・、はぁ、ん、ふ・・・」

私は、胸を押さえて体を縮こまらせて熱い息を吐き出す。この感覚・・・あの時と同じだ。

「・・・・殿下。まさか?」

苦しい、熱い、触って欲しい、奥に出して欲しい。そんな事で頭がいっぱいになる。近くにいるのに、ヘンリーの声が遠くに感じる。

「へん、り・・・あ、ついの・・・っ!」

布団が肌に擦れるだけで快感になってしまう。身体中が敏感で唾を飲み込むだけでもお腹の奥がジンっとしてしまう。

「・・・この前飲んだやつとは違う。命に関わる様なことは起こらない。ただ、媚薬効果は高い薬を飲ませた・・・。」

ヘンリーの目が怒りで赤くなっている。
それが霞む目でも見えて、ヘンリーの怒りが爆発する前にどうにかしないとと、快楽に痺れる頭で咄嗟に思った。

「へん、りー・・・」

弱々しく呼ぶと、ヘンリーはこちらを見てくれた。ダルさがある体を無理矢理起こして、ヘンリーにキスした。

「おこ、らない・・・で?」

フィンセントをここまで追い詰めたのは私だから。これは、私の罰だから。それに、何よりもヘンリーに誰かを傷付けてほしくない。

「っ、本当に・・・あなたって人は・・・。」

私が、ヘンリーの唇をぺろぺろと舐めてキスを促せば、深いキスをしてくれた。

「んぅ、んん・・・。ふぁ、へ、りー・・・んん・・・好き、触って・・・?全部、おねが・・っ、ヘンリー・・・っ」

ヘンリーの腕に自分の下を擦り付ける。
そんな少しの刺激でも、今にもイきそうになる。

「・・・・そうですね。俺たちが愛し合っていると殿下にちゃんと見せてあげないと。」

ニヤリと不敵に笑って、ヘンリーはゆっくり優しく私をベッドに押し倒した。

*****

そして、冒頭に戻る。

「裕美、好き?ココをグリグリされながら中、全部擦るの好き?」

「すきっ、ヘンリーの、好きっ!!あぁ、んう、あっ、あっ、あっ」

「俺も、気持ち良すぎて腰止まんない。ほら、こっち向いて。キスしよ?」

「ん、ふっ、うぅ・・・」

フィンセントはベッドの横で黙ったままこちらを見ている。唇を噛み締めていたのか、少し血が滲んでいる。最初のうちは、触るなと叫んだり抵抗もしていた様だけど、何時間も私達の愛し合っている姿を見て、私がヘンリーを心から信頼して受け入れているのを見て、何か諦めたような面持ちになっている。

「へん、り、もう、無理、ダメっ!」

絶対に、とっくに薬の効果なんか切れている。
それがわかっているが、何度も何度も何度も、気絶しそうになってはその時々で起こされる。

「仕方ない、ですね!」

奥まで突かれて、目の奥がチカチカする。
コレで最後、今日はコレで最後にして!そう思いながら、私はヘンリーに身を任せて縋りついた。

「あぁぁう、ふぁっ・・・うぅ・・・」

「はぁ、はぁ、」

二人とも絶頂を迎え、やっと、ベットにくたぁっと寝転がった。

「裕美、タガが外れてしまって・・・すみません。」

息が整ってくると、ヘンリーが申し訳なさそうに眉尻を下げながら謝ってきた。

「んーん。私の為だもん。ありがとう。大好きだよ、ヘンリー。」

頬に置かれていたヘンリーの手をとって、掌にキスをするとヘンリーから唇にキスされた。

「愛してます、裕美。」

「私も、ヘンリーの事愛してるよ。」

そんなやりとりをしている間に眠気が襲ってきて、瞼が重くなる。

「眠いですか?大丈夫、ちゃんと"処理"しておきますから、そのまま寝て下さい。」

「ん・・・ごめ・・・ん。すぅー・・・」

いつも後処理任せちゃって悪いなとか、今日は体がもう言うこと聞かないなとか、私はこの時、大事なことを忘れてそのまま泥のように寝てしまった。




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