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12*朝に軽い運動するのって気持ちいいよね

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「で、お嬢、どこに向かってんですか?」

手を繋いで隣を歩いている悠二が不思議そうに聞いてくるからニッコリと笑って答えてあげる

「朝、日差しが綺麗でベランダに出てみたらね、南の木の向こう側からなんか声が聞こえたのよ。だからそれがなんなのか見に行くのっ!」

「そーなんすねぇ~何があるんでしょうね~」

「ふふっ楽しみだわ!」

そんなやりとりをして居たら二歩ほど後ろを歩いて居たノアが口を開く

「それは、もしかしたら騎士団が朝練してる声かも知れませんね」

「え?そうなの?」

「雛様の部屋の南の方に騎士団の使う運動場がありますので。多分そうかと。」

「へぇ~でも、ちょうどよかった!昨日の夜食べすぎたから少し動きたかったんです!夕飯がまだお腹にあるのかまだお腹減ってないから朝ご飯のためにお腹を減らさないと!」

るんるんと足取りを軽くして運動場に向かう

(良かった。付いてきて。)
内心、ホッと安堵した悠二は手を握る力を少し強めた






*****



「「行くぞーっ!いちっ、にっ、さんっ」」



ガタイのいい男たちがみんな号令に合わせて動いている

「朝だというのになんともむさ苦しい‥‥」

悠二がボソッと何か言ったが無視することにした。
キョロキョロと辺りを見渡して「あっ♡」と悠二の手を離して走って行く

「悠二ぃ!!木刀があるぞっ!!」

「お嬢~危ないから離れないでください!」

「雛様、危ないので近くに居てください」

悠二とノア同時に雛に注意する

「うぅ、すみません‥‥でもほら!せっかく木刀があるんだし!悠二、久々に手合わせしよう!」

きらきらした笑顔に悠二は物凄い嫌な顔をする

「いやですよ。お嬢に怪我させたら嫌ですし‥‥あ”」

しまったと思ったら最後チラッと雛を見ると笑顔で悠二を見据えている

「ほほ~ん?やりもしないのに私に勝てると?昔とは違うんだぞ?」

「でもお嬢!俺に勝てたことないじゃ無いですか!」

「それは!小学生と高校生だったら力の差があって当たり前だ!あの頃と一緒にするなよ!?私はあんたに勝つためにどれだけ練習したと思ってんだ!」

「あぁ~も~わかりましたよ、やりますよ!やればいいんでしょう!?」

悠二はやけくそになりつつ木刀を一本手に取る

「わかれば宜しい。あんたから一本取ってやる!」

雛はニットを脱いでロンティーの姿になる


「悠二様、本当にやるんですか?雛様も、やめた方が‥‥」

ノアの珍しく慌てたような声に朝練中だった隊士たちがぞろぞろと近くに寄ってくる

「なんだ?可愛い嬢ちゃんと見ねぇ顔の男だな。」
「おい、ノア副隊長があんなに焦ってるのは珍しいな」
「確かに。というか、ノア副隊長って神使様の護衛中じゃ‥‥」
「ま、まさか‥‥‥‥」


男たちのコソコソ話なんか目もくれず雛は悠二を見据えて集中力を高めている

悠二もいつでもいいと言うように雛を見てニコリと笑っている

「そのヘラヘラした顔の余裕をなくしてやる!」

「お嬢~いつでもいいですよ~」

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