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ビースト共和国

お兄ちゃん役

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「お兄ちゃんには会わせられないよ。だってその方、人間だもん」

「人間……。そうか……。人間か。でもルパが決めたのなら僕は賛成する。これから強く生きなさい」

「うん。ありがとう、お兄ちゃん。大好きだよ」

「僕も、大好きだよ」

 僕はルパの兄になり切り、彼女に返答を返した。
 ルパはとても嬉しがってくれた。本当の兄もそんなふうに言いそうだと言う。

 海を眺めた後は夕食を得に向かった。最高級のお店に入り、三名で大金貨一枚を使うような場所だ。辺りには貴族のような方ばかりが座っている。真っ白なテーブルに綺麗なクロスが敷かれ、椅子も高級感漂う品だ。いるだけで緊張するが、こういうのも悪くない。

 高級な葡萄酒を開けてもらい、三人で飲む。

「か、乾杯……」

 ルパは葡萄酒が入ったグラスを震えながら摘まみ、ゆっくりと前に出す。

「乾杯」

 僕とミアはグラスをルパの持つグラスに当て、軽く音を鳴らした。

「ルパちゃんが葡萄酒を直接嗅ぐと匂いが強いと思うから、手で仰ぐようにして嗅いだ方が良いかも」

 ミアはルパに葡萄酒の楽しみ方を教える。

「わ、わかった」

 ルパはグラスの上で手を仰ぎ、香りを楽しんだあと、ほんの少し口に含む。

「うう……、し、渋い……。なんかすうすうする……」

「それがアルコールだよ。一気に飲まず、少しずつチビチビ飲むんだ。たまに、水を飲んでおくと悪酔いしないから、適度に楽しむんだよ」

「う、うん」

 ルパはもう一度葡萄酒を口中に含み、飲んだ。すぐに水を飲み、渋みを無くす。

 葡萄酒をチビチビ飲みながらチーズを摘まんでいると、前菜が置かれた。ルパの皿だけ、大盛りにしてもらい、通常の五倍はある。まあ、五人前と言うことだ。
 生ハムメロンを食した後、コーンスープを飲み、体を温めた。主菜の前に根菜類を挟み、気分を高めた後、ふわふわのステーキがやってくる。

「す、すっごい。ぷにぷに……。柔らかすぎて歯がいらないよー」

 ルパは肉を食しながら葡萄酒を飲む。息をぷはーッと吐き、頬を赤らめさせていた。

「お酒を飲みながらお肉を食べるの、なんか大人になった気がする……。頭がボーっとするけど、凄く楽しい。お兄ちゃんも楽しい?」

「うん、凄く楽しいよ」

 僕は葡萄酒のアルコールが飲んでいる間に燃えてしまうため、一向に酔えない。ルパに合わせるため、酔っているように言うしかなかった。

 ルパはお酒を飲みながら肉を食し、デザートを食しながらお酒を飲む。飲む量が少しずつ増えていき、ガラス瓶一本分を開けてしまった。さすがに飲み過ぎのような気もするが、彼女の限界量を知っておくのも仲間である僕の仕事だ。

「はぁ……。ふわふわする……。これが酔っ払った感覚……。えへへ、えへへ……」

 ルパははにかみながら頬に手を当て、超ご機嫌だった。

 夕食を得た後、僕はルパを背負いながら部屋に戻る。

「おにーちゃん。大好き。おーにちゃん、大好き……」

 ルパは尻尾を振りながら僕の背中に抱き着き、大好きを連呼してくる。僕も大好きだよと返すと、頬へのキスが止まらない。完全に酔っぱらっている。

 部屋に到着した後、お風呂に入ろうとするとルパは全裸になって部屋中を駆け回った。

「あはははー、すずしー、お兄ちゃん、追いかけっこしよー」

「ちょ、ルパ。走り回ったら危ないよ」

「大丈夫大丈夫、へぶっ!」

 ルパはこけてお尻を突き出した状態で倒れ込んだ。あまりに淫らな姿で、直視できない。ミアにルパを立たせてもらったあと、三人でお風呂に入る。

「ああーん、お兄ちゃん、抱っこ、抱っこしてよぉー」

 ルパは子供の用に僕に抱っこを要求してきた。

「い、いや、今はちょっと」

 僕の下半身が少々まずい状態なので、抱っこしてあげられない。

「なんでなんでー。もう、いい。私から抱き着いちゃうんだから」

 ルパは僕の男の象徴が臨戦態勢の状態で抱き着いてきた。臍下あたりに当たり、彼女の体に押し付ける形となる。

「ん……、なんか熱い……。お湯? なんかドクドクしている気がするけど……、まあいいや。お兄ちゃん、むぎゅー」

 ルパは酔っ払い蕩けた表情で抱き着いてくる。酔っぱらっている彼女に興奮しちゃっている悪いお兄ちゃんでごめんと謝りたいが、不可抗力なので、仕方がない。ルパの華奢な体をぎゅっと抱きしめる。

「ねえ、お兄ちゃん、どっちが長い間お湯に浸かっていられるか勝負しよう」

「え……。でも、その勝負はルパの分が悪いんじゃ……」

「じゃあ、私が勝ったら、チュウしてくれる……」

「な……、兄妹でチュウするなんて、何を考えているんだ」

「でも、私、お兄ちゃんが大好きなの……。今日でお別れしないといけないし……、私はもう大人だから……」

「だからと言って、ルパとキスするなんて……」

「お兄ちゃんは嫌なの?」

 ルパは少し悲しそうな表情になる。

「い、嫌じゃないよ。じゃあ、勝負しようか。僕が勝負で勝てばいいんだ」

「うん、そうだよ。お兄ちゃんが勝負で勝てばいいの。早速始めよう。用意、始め!」

 ルパは我慢対決を仕掛けてきた。熱さに耐性のある僕にそんな勝負を仕掛けてくるなんて、一体何が目的だ。

「お兄ちゃん……」

 ルパは僕の頬を持ちながら口づけしてきた。
 僕は不意を突かれた。勝負の中にキスをしてはいけないなんて言う制約はなかった。ルパの湿り、柔らかい唇が離れる。

「えへへ……。やっぱり口同士だとドキドキしちゃうね……」

「ルパ……。僕はいつまでお兄ちゃん役を続ければいいの……。いや、いつまでお兄ちゃん役を続けてもいいの……」

「今日中って言ったでしょ……。聞いてなかったの」

「そう、じゃあ、今日中は悪い妹とキスし放題ってわけか」

「ええー、妹とそんなにキスしたがるなんて、お兄ちゃん、気持ちわるーい。変態だー」

「悪かったね、変態で。じゃあ、お兄ちゃんを大好きになっちゃった悪い妹にお仕置きしないと」

 僕からルパにキスしようとしたら、後八センチと言う当たりでプルスがねじ込まれた。
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