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第十一話 悲劇のデビュタント
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「何という事なのかしら! 本当に信じられない事ですよ!」
意気揚々と、綺麗な冠を被って、それはそれは似合うデビュタントの衣装を身にまとって、楽しそうに嬉しそうに、そしてちょっと緊張して王宮に行ったはずのお嬢様は、目を真っ赤にして泣いていた。
そしてサイヴァは信じられなかったのだが、お嬢様の被っていた冠が、お嬢様の頭のどこにも見当たらなかったのだ。
いったい何が起きたのだろう。
いったいお嬢さまがどんな不幸に見舞われたら、こんな事になるのだろう。
驚きのあまり手が止まったサイヴァであるが、素早く彼女のすねを蹴飛ばし、我に返らせたハンナが、取りあえず、色々あって疲れ果てているだろう、泣きぬれるお嬢さまを、お風呂に入れるべく動き出す。
「サイヴァ、お湯を」
「あ、はい!」
言われたサイヴァは厨房へ走り出す。泣いているお嬢様、かんかんに怒っているのが見てわかる奥様、そしてその奥様をなだめている旦那様。
いったい王宮で何が起きたらこんな事になるのだ?
サイヴァではなくてもそれは思ったに違いない。
だがとりあえず、自分はお風呂の支度である。お嬢様の肌は敏感だ、化粧をしたまま寝てしまうなんて事があったら、翌日の肌はぼろぼろだ。
お嬢さまをそんな状態にはさせられないので、とにかく急いでサイヴァは、お湯の入った缶を何度も運び、速やかにお風呂の支度を整えた。
「お嬢様、今日は色々あってお疲れでしょう、お風呂に入って、温かいお茶を飲んで、今日はゆっくりお休みになりましょう」
待っていた、傍仕えのメイドたちがお嬢様を慰めるようにいう。サイヴァは彼女たちの視線を感じ、速やかに頷いた。
無論、お風呂の支度が出来ている、という意味だ。
「お風呂もすぐにご用意できますから、お嬢様、疲れを癒して」
「ううう、ううっ、うっ」
お嬢さまはよほど悲しい事があったのか、涙が止まらないでいる。
サイヴァはそこで気が付いた。
お嬢さまの髪の毛、切り落とされている……という事にだ。
お嬢さまの長く艶やかな黒髪が、とても綺麗で綺麗で、こんなきれいな髪の毛他に見た事がない、と思う位の伸ばされた綺麗すぎる髪の毛が、変な所で、鋏でも使われたようにばっさりと、切り落とされているのだ。
これは、泣く。
お嬢さまではない誰か、別の女性でも、泣く。
長く伸ばされた、手入れの行き届いた髪の毛は、誰でも自慢になるほどのものなのに、誰がいったいこんな非道な事を、お嬢様に!
サイヴァが信じられない、という目を向けると、メイドたちが、視線を奥様の方に向ける。
「リリージュ、とりあえず、まずはお風呂に入って、お化粧を落としてきなさい」
旦那様が、気遣うような声でお嬢様に言う。
それからこう続けた。
「私は、マリージアに、何が起きたのか詳しく聞くから」
マリージアとは奥方様のお名前である。
奥方様は何があったのか、知っているという事なのだろう。
サイヴァは、お嬢様をお慰めするメイドたちを見送った後、これまた大急ぎで、厨房に向おうとした。
「サイヴァ」
その時彼女は旦那様に呼び止められる。
いったい自分は何をしたのだろう。特に問題になる事をしたわけじゃないのに。
今日だけだって、かなり頑張って、無事に代わりの冠を売ってくれる商人を探し出せたのだ、褒められる事はあっても、怒られる事はないだろう。
そう思ったのだが……
「聞きたい事があるんだ、とても大事な事でな」
旦那様が、真面目な顔で言う物だから、サイヴァは示されるままに、旦那様と奥方様のあとに続き、歩き出す事になった。
「サイヴァ、お前が足を泥まみれにして、何としてでも冠を売ってくれる商人を探そうとしてくれたのは、褒められるべき事に間違いないだろう、だが一体、どうやって条件を満たしたんだ?」
旦那様の仕事部屋に向かったサイヴァは、奥方様も難しい顔をしているため、なかなかな事を自分はしでかしたらしい、と察した。
だが何をやらかしたのか、そこがいまいちわからないのだ。
「条件とは……、あの、申し訳ございません、意味が、よくわからないのですが……」
「……デビュタントの会場に行くまで、特に大きな問題はなかったのですよ。冠が都合出来なかった令嬢が思ったよりも多かったからか、リリージュが一番美人でした。ですが」
奥方様が、苦々しいと言いたげな声で言う。
「王女様も、今年デビュタントのお年頃で、ちょうど今晩のデビュタントで、社交界デビューだったのです」
それはおめでたい事であって、問題にはならなかったのでは?
サイヴァの顔にはそんな疑問が、見事に浮かんでいたらしい。
「リリージュの冠が、王女様が被っていらした、隣の国の最高峰の細工師の芸術品よりも、見事だったのです」
「……」
「ああ、あなたに社交界の暗黙の了解を期待してはいけませんね。社交界では、目上のものよりも見事な装飾品をつけてはいけない、というのが暗黙の了解なのです」
つまり、リリージュお嬢さまが、運悪く王女様よりいい冠を持っていた、という事だろうか。
サイヴァは言葉の続きを促した。
「そして王女様は、リリージュの冠をこの上なく気に入り……今すぐに欲しい、と言い出したのです。リリージュも流石にそれは出来ない、と断ったのですが、王女様は自分の願いが聞き入れられないと察するや否や、鋏を使用人に用意させ……冠を編み込んだリリージュの髪を切り落としたのです」
なんて事をするんだ、普通じゃねえだろう、と思うのはおかしな事ではないだろう。
デビュタントのお嬢さまにとって、この日がどれだけ大事な日なのか、自分だって知っているのに、王女ともあろうものが、それを台無しにするなんて。
とてもじゃないが信じられない。
彼女の心の声はよく分かったのだろう。
旦那様が言う。
「そればかりではない」
まだ続きがあるのだろうか。
「王女様は、リリージュの冠の細工が、自分のものよりずっと見事な事に気付き、これを手に入れる際に介した商人を教えろ、と迫ってきてな」
「陛下に、商人を紹介しろ、さもなくば謀反の疑いありとして極刑にかす、といわれてしまったのです」
そんな滅茶苦茶な……サイヴァは開いた口がふさがらなかった。
だが彼等も大真面目だし、自分たちの進退が関わっているのだから、余裕はないだろう。
「という事で、サイヴァ。サイヴァが呼んだ商人は、どうやって呼べば来るのだろうか」
言われたサイヴァは途方に暮れた、どうやってって、そんなの自分が聞きたい。
今日は偶然、自分が、走り回っていた時に声をかけられたのだ。
呼び止められて、連れて行けと言われて、奥方様に紹介したら、来たのだ。
だから呼び出し方なんて知らない。
そんな思いがよく分かったのだろう。
旦那様もかなりの難題を突き付けている、といった顔をしている。
「なんでも、狸の国の宝石商、と言ったそうだろう」
「はい、そう言っていました」
「狸の国は麗しの国、宝石細工は隣の国の技術なんか子供の遊びのように、高度な物を作っていたと聞く。陛下は狸の国の宝石商、と聞いて、目の色を変えてしまったのだ。私たちはなんとしてでも、その商人が見つからなければ、ただでは済まない状況になってしまったんだ、サイヴァ」
サイヴァはそれでも言えないのだ、だって知らないのだから。
「走っていたら……」
彼女が、慎重に記憶を掘りだして、言うと、旦那様が身を乗り出した。
そして使用人に命じて、町の地図を広げさせる。
「どこを走っていたらなんだ?」
「ここの通りを、まっすぐ走って、それから脇に抜けて……」
サイヴァは出来る限り道を再現した。
それを見ても、旦那様は難しい顔のままである。
「あ、あの、明日もう一回、同じ道を通って探しに行ってもいいでしょうか」
「それで見つけられる事を、私たちは祈るよ」
「もしも見つからなかったら、あなたも王宮に連れて行かれると思ってね、サイヴァ。陛下は絶対に、狸の国の冠が、欲しいのでしょうから」
大変な事になった。
サイヴァは血の気が引いていき、そのままぱったりと倒れてしまった。
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そしてサイヴァは信じられなかったのだが、お嬢様の被っていた冠が、お嬢様の頭のどこにも見当たらなかったのだ。
いったい何が起きたのだろう。
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「サイヴァ、お湯を」
「あ、はい!」
言われたサイヴァは厨房へ走り出す。泣いているお嬢様、かんかんに怒っているのが見てわかる奥様、そしてその奥様をなだめている旦那様。
いったい王宮で何が起きたらこんな事になるのだ?
サイヴァではなくてもそれは思ったに違いない。
だがとりあえず、自分はお風呂の支度である。お嬢様の肌は敏感だ、化粧をしたまま寝てしまうなんて事があったら、翌日の肌はぼろぼろだ。
お嬢さまをそんな状態にはさせられないので、とにかく急いでサイヴァは、お湯の入った缶を何度も運び、速やかにお風呂の支度を整えた。
「お嬢様、今日は色々あってお疲れでしょう、お風呂に入って、温かいお茶を飲んで、今日はゆっくりお休みになりましょう」
待っていた、傍仕えのメイドたちがお嬢様を慰めるようにいう。サイヴァは彼女たちの視線を感じ、速やかに頷いた。
無論、お風呂の支度が出来ている、という意味だ。
「お風呂もすぐにご用意できますから、お嬢様、疲れを癒して」
「ううう、ううっ、うっ」
お嬢さまはよほど悲しい事があったのか、涙が止まらないでいる。
サイヴァはそこで気が付いた。
お嬢さまの髪の毛、切り落とされている……という事にだ。
お嬢さまの長く艶やかな黒髪が、とても綺麗で綺麗で、こんなきれいな髪の毛他に見た事がない、と思う位の伸ばされた綺麗すぎる髪の毛が、変な所で、鋏でも使われたようにばっさりと、切り落とされているのだ。
これは、泣く。
お嬢さまではない誰か、別の女性でも、泣く。
長く伸ばされた、手入れの行き届いた髪の毛は、誰でも自慢になるほどのものなのに、誰がいったいこんな非道な事を、お嬢様に!
サイヴァが信じられない、という目を向けると、メイドたちが、視線を奥様の方に向ける。
「リリージュ、とりあえず、まずはお風呂に入って、お化粧を落としてきなさい」
旦那様が、気遣うような声でお嬢様に言う。
それからこう続けた。
「私は、マリージアに、何が起きたのか詳しく聞くから」
マリージアとは奥方様のお名前である。
奥方様は何があったのか、知っているという事なのだろう。
サイヴァは、お嬢様をお慰めするメイドたちを見送った後、これまた大急ぎで、厨房に向おうとした。
「サイヴァ」
その時彼女は旦那様に呼び止められる。
いったい自分は何をしたのだろう。特に問題になる事をしたわけじゃないのに。
今日だけだって、かなり頑張って、無事に代わりの冠を売ってくれる商人を探し出せたのだ、褒められる事はあっても、怒られる事はないだろう。
そう思ったのだが……
「聞きたい事があるんだ、とても大事な事でな」
旦那様が、真面目な顔で言う物だから、サイヴァは示されるままに、旦那様と奥方様のあとに続き、歩き出す事になった。
「サイヴァ、お前が足を泥まみれにして、何としてでも冠を売ってくれる商人を探そうとしてくれたのは、褒められるべき事に間違いないだろう、だが一体、どうやって条件を満たしたんだ?」
旦那様の仕事部屋に向かったサイヴァは、奥方様も難しい顔をしているため、なかなかな事を自分はしでかしたらしい、と察した。
だが何をやらかしたのか、そこがいまいちわからないのだ。
「条件とは……、あの、申し訳ございません、意味が、よくわからないのですが……」
「……デビュタントの会場に行くまで、特に大きな問題はなかったのですよ。冠が都合出来なかった令嬢が思ったよりも多かったからか、リリージュが一番美人でした。ですが」
奥方様が、苦々しいと言いたげな声で言う。
「王女様も、今年デビュタントのお年頃で、ちょうど今晩のデビュタントで、社交界デビューだったのです」
それはおめでたい事であって、問題にはならなかったのでは?
サイヴァの顔にはそんな疑問が、見事に浮かんでいたらしい。
「リリージュの冠が、王女様が被っていらした、隣の国の最高峰の細工師の芸術品よりも、見事だったのです」
「……」
「ああ、あなたに社交界の暗黙の了解を期待してはいけませんね。社交界では、目上のものよりも見事な装飾品をつけてはいけない、というのが暗黙の了解なのです」
つまり、リリージュお嬢さまが、運悪く王女様よりいい冠を持っていた、という事だろうか。
サイヴァは言葉の続きを促した。
「そして王女様は、リリージュの冠をこの上なく気に入り……今すぐに欲しい、と言い出したのです。リリージュも流石にそれは出来ない、と断ったのですが、王女様は自分の願いが聞き入れられないと察するや否や、鋏を使用人に用意させ……冠を編み込んだリリージュの髪を切り落としたのです」
なんて事をするんだ、普通じゃねえだろう、と思うのはおかしな事ではないだろう。
デビュタントのお嬢さまにとって、この日がどれだけ大事な日なのか、自分だって知っているのに、王女ともあろうものが、それを台無しにするなんて。
とてもじゃないが信じられない。
彼女の心の声はよく分かったのだろう。
旦那様が言う。
「そればかりではない」
まだ続きがあるのだろうか。
「王女様は、リリージュの冠の細工が、自分のものよりずっと見事な事に気付き、これを手に入れる際に介した商人を教えろ、と迫ってきてな」
「陛下に、商人を紹介しろ、さもなくば謀反の疑いありとして極刑にかす、といわれてしまったのです」
そんな滅茶苦茶な……サイヴァは開いた口がふさがらなかった。
だが彼等も大真面目だし、自分たちの進退が関わっているのだから、余裕はないだろう。
「という事で、サイヴァ。サイヴァが呼んだ商人は、どうやって呼べば来るのだろうか」
言われたサイヴァは途方に暮れた、どうやってって、そんなの自分が聞きたい。
今日は偶然、自分が、走り回っていた時に声をかけられたのだ。
呼び止められて、連れて行けと言われて、奥方様に紹介したら、来たのだ。
だから呼び出し方なんて知らない。
そんな思いがよく分かったのだろう。
旦那様もかなりの難題を突き付けている、といった顔をしている。
「なんでも、狸の国の宝石商、と言ったそうだろう」
「はい、そう言っていました」
「狸の国は麗しの国、宝石細工は隣の国の技術なんか子供の遊びのように、高度な物を作っていたと聞く。陛下は狸の国の宝石商、と聞いて、目の色を変えてしまったのだ。私たちはなんとしてでも、その商人が見つからなければ、ただでは済まない状況になってしまったんだ、サイヴァ」
サイヴァはそれでも言えないのだ、だって知らないのだから。
「走っていたら……」
彼女が、慎重に記憶を掘りだして、言うと、旦那様が身を乗り出した。
そして使用人に命じて、町の地図を広げさせる。
「どこを走っていたらなんだ?」
「ここの通りを、まっすぐ走って、それから脇に抜けて……」
サイヴァは出来る限り道を再現した。
それを見ても、旦那様は難しい顔のままである。
「あ、あの、明日もう一回、同じ道を通って探しに行ってもいいでしょうか」
「それで見つけられる事を、私たちは祈るよ」
「もしも見つからなかったら、あなたも王宮に連れて行かれると思ってね、サイヴァ。陛下は絶対に、狸の国の冠が、欲しいのでしょうから」
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