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四話 仕事内容
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さて貴族は一月から社交界のシーズンに移るという物で、社交のシーズンのために貴族たちは、各々の領地にあるカントリーハウスから、都にあるタウンハウスへ行くのが年中行事の一つである。
カントリーハウスは、主がいない間に、大掃除をするものが、それはここではあまり関係がないだろう。
馬車で数日の旅の間に、サイヴァは自分のお仕えする事になった令嬢の事を、ある程度分かるようになっていた。
リリージュはなかなか自由奔放な女性で、そしてきらびやかに着飾ったものが大好きである。
メイドに対して求めている物の水準は厳しいが、暴力的な事をしたりはしないだけ、いいお嬢様と言っていいだろう。
ちょっと我儘なだけで……というのは、リリージュに使えているメイドたちの共通の認識のようだった。
さて馬車の長旅がようやく終わり、行く先々であれが欲しいこれが足りない、と言っていたお嬢様も、自分のみ慣れたタウンハウスについた時はうれしそうだった。
「ああ疲れたわ、お風呂に入りたいから用意をしてね」
「かしこまりました」
「かしこまりました、お嬢様。サイヴァ、荷物をさっさと運び終わらせて、お湯を用意しなさい」
「はい、ハンナさん」
サイヴァは積みあがるお嬢様の荷物を担ぎ上げながら、機嫌よく返事をした。荷物運びくらいだったら、村で死ぬほど重い物を持たされている。
だからサイヴァは慣れていた。よいくらせ、と軽々と荷物をいくつも持ち上げた彼女は、周りが驚いた眼を向ける事も何のその、そのまま軽快な足取りで、リリージュの後に続き、彼女の部屋に荷物を下ろす。
それをあっという間に数回行った後、サイヴァはエミリーという、先輩メイドに小声で聞いた。
「お湯ってどこで用意するんでしょうか」
「階下のキッチンよ」
「どのバケツで汲みに行けばいいのですか?」
「そこのバケツ」
サイヴァが示されたのは、綺麗に磨かれたバケツだった。きっとこれも使い終わったら、綺麗に磨く事になるのだろう。
だが、家中の銅の鍋を磨け、と年がら年中言われてきたサイヴァにとって、そんなバケツ一つ磨くのは、大した事じゃなかった。
そのため、意気揚々と階下に降りて、サイヴァはそこで忙しく立ち働く、たくさんのキッチンメイドの人たちに驚いた。
こんなに人がいるのか、と目を丸くしていると、やや大柄な女性が近付いてきた。
「何の用事だい、その身なりからしてお嬢様のメイドだろう」
「初めまして、サイヴァと申します。お嬢さまがお風呂に入りたいとおっしゃるため、お湯の準備をしに来たのですが、どこを使えばよいのでしょうか」
「ふん、おいお前たち、やっぱりお嬢様は、一番にお風呂だって言ったじゃないか! 今回も賭けは私の勝ちだね!」
「コック長に勝てるわけないじゃないですかー」
「コック長が一番、お嬢様の事に詳しいんですから!」
「あーあ。外れちゃった」
「……あの?」
「まあこれはキッチンメイドのいつものやり取りだから、気にしなくていいわよ、さてお湯だね? 実はそこの大鍋でもう、用意がしてあるんだよ、持って行きな」
「わあ、ありがとうございます! 一からお湯を沸かすものだと思っていて」
大柄で、二の腕まで袖をめくっている、歴戦練磨と言っても過言じゃなさそうなコックが、湯沸かし器を示す。
そこにはたくさんの綺麗なお湯が、湯気を立てているから、サイヴァはうれしくなって、また言った。
「本当にありがとうございます、それじゃあ持って行かせてもらいますね」
「その細腕で、階段の上まで重いバケツを運べるのかい?」
「私こう見えても、力仕事得意なんです」
コック長のからかうような声に、笑顔で返事を返したサイヴァは、これまた軽々と両手のバケツにお湯をたっぷり入れて、何も持っていないかのような身軽な動きで、一礼し、これまた荷物など何も感じさせない足取りで、階段を上がっていった。
「今回来たメイドは、なかなか根性がありそうだね」
コック長はそう言った後、キッチンメイドたちを見回し、こう言った。
「お嬢様が来ているから、今日はお嬢様のお好きなものを出すよ!」
「はい、コック長!」
「意外と早かったわね」
「そんなにお湯を持ってこられたなんて、すごいじゃない」
「故郷ではもっと重たい水瓶に、いっぱいに水を入れて運んだんです」
タウンハウスの二階にあるのが、お嬢様の部屋である。
そこにしつらえられている、お風呂にお湯を持ってきたサイヴァは、他のメイドたちから感心された。
彼女たちからしてみれば、重たく熱いバケツを、二つも簡単に運んでくるサイヴァは、なかなか仕事ができるメイドに見えた事だろう。
「これを後何回繰り返せばいいんですか?」
「五回くらいね」
「わかりました、お湯が冷めないうちに持ってきます」
「ころんじゃいやよ」
「転ばないように注意して運びます」
メイドの先輩たちのからかいにも、サイヴァは笑顔で答え、また階段を降りて行く。
そして、瞬く間にバケツを五回運び、次にサイヴァに与えられた仕事は、
「お嬢様の衣類を片付けている他の先輩の、手伝いをする事」
だった。
彼女はここで、やっとお嬢様の衣類を取り扱うメイドたちに加わり、荷解きの手伝いに移った。
「これを開けて」
「これを運んで、そっちそっち」
「これを上に持ち上げて」
「次はこれを持ってきてね」
先輩メイドたちは、新たな後輩が、見た目に合わない力持ちで、どんな仕事でもニコニコと笑って行うため、これはいいぞ、と重宝する事にしたらしい。
サイヴァは衣装部屋とお嬢様の私室を何度も行き来し、荷物を運んだり衣装を運んだり、化粧道具を綺麗に並べ直したり、お嬢さまがくつろげるようにクッションを整えたりと、なかなかせわしく立ち働いていた。
先輩たちは、熟練の動きを見せて、衣装部屋で衣装を仕分けたり、種類別に並べ直したり、帽子の形を整えたり、衣装の汚れがないか確認したりしている。
とてもではないが、重たい衣装を持ち運びする時間はなさそうなので、サイヴァがそれらを運ぶ事は、何も支障がなかった。
そんな風に、お嬢様のお風呂が終わるまでに荷解きを全て終わらせたメイドたちは、顔を見合せて、お嬢様の御着替えを手伝う事にした。
サイヴァはどうすればいいのか、新人の下っ端であるため何もわからなかったが、
「お茶の支度を持ってきてちょうだい」
そう言われたので、これまた仕事が楽だな、と思いながら、階下へ行き、コック長がお嬢様の行動パターンを見越していたのか、用意されていたお茶の用意を持って、階段を上る事になった。
カントリーハウスは、主がいない間に、大掃除をするものが、それはここではあまり関係がないだろう。
馬車で数日の旅の間に、サイヴァは自分のお仕えする事になった令嬢の事を、ある程度分かるようになっていた。
リリージュはなかなか自由奔放な女性で、そしてきらびやかに着飾ったものが大好きである。
メイドに対して求めている物の水準は厳しいが、暴力的な事をしたりはしないだけ、いいお嬢様と言っていいだろう。
ちょっと我儘なだけで……というのは、リリージュに使えているメイドたちの共通の認識のようだった。
さて馬車の長旅がようやく終わり、行く先々であれが欲しいこれが足りない、と言っていたお嬢様も、自分のみ慣れたタウンハウスについた時はうれしそうだった。
「ああ疲れたわ、お風呂に入りたいから用意をしてね」
「かしこまりました」
「かしこまりました、お嬢様。サイヴァ、荷物をさっさと運び終わらせて、お湯を用意しなさい」
「はい、ハンナさん」
サイヴァは積みあがるお嬢様の荷物を担ぎ上げながら、機嫌よく返事をした。荷物運びくらいだったら、村で死ぬほど重い物を持たされている。
だからサイヴァは慣れていた。よいくらせ、と軽々と荷物をいくつも持ち上げた彼女は、周りが驚いた眼を向ける事も何のその、そのまま軽快な足取りで、リリージュの後に続き、彼女の部屋に荷物を下ろす。
それをあっという間に数回行った後、サイヴァはエミリーという、先輩メイドに小声で聞いた。
「お湯ってどこで用意するんでしょうか」
「階下のキッチンよ」
「どのバケツで汲みに行けばいいのですか?」
「そこのバケツ」
サイヴァが示されたのは、綺麗に磨かれたバケツだった。きっとこれも使い終わったら、綺麗に磨く事になるのだろう。
だが、家中の銅の鍋を磨け、と年がら年中言われてきたサイヴァにとって、そんなバケツ一つ磨くのは、大した事じゃなかった。
そのため、意気揚々と階下に降りて、サイヴァはそこで忙しく立ち働く、たくさんのキッチンメイドの人たちに驚いた。
こんなに人がいるのか、と目を丸くしていると、やや大柄な女性が近付いてきた。
「何の用事だい、その身なりからしてお嬢様のメイドだろう」
「初めまして、サイヴァと申します。お嬢さまがお風呂に入りたいとおっしゃるため、お湯の準備をしに来たのですが、どこを使えばよいのでしょうか」
「ふん、おいお前たち、やっぱりお嬢様は、一番にお風呂だって言ったじゃないか! 今回も賭けは私の勝ちだね!」
「コック長に勝てるわけないじゃないですかー」
「コック長が一番、お嬢様の事に詳しいんですから!」
「あーあ。外れちゃった」
「……あの?」
「まあこれはキッチンメイドのいつものやり取りだから、気にしなくていいわよ、さてお湯だね? 実はそこの大鍋でもう、用意がしてあるんだよ、持って行きな」
「わあ、ありがとうございます! 一からお湯を沸かすものだと思っていて」
大柄で、二の腕まで袖をめくっている、歴戦練磨と言っても過言じゃなさそうなコックが、湯沸かし器を示す。
そこにはたくさんの綺麗なお湯が、湯気を立てているから、サイヴァはうれしくなって、また言った。
「本当にありがとうございます、それじゃあ持って行かせてもらいますね」
「その細腕で、階段の上まで重いバケツを運べるのかい?」
「私こう見えても、力仕事得意なんです」
コック長のからかうような声に、笑顔で返事を返したサイヴァは、これまた軽々と両手のバケツにお湯をたっぷり入れて、何も持っていないかのような身軽な動きで、一礼し、これまた荷物など何も感じさせない足取りで、階段を上がっていった。
「今回来たメイドは、なかなか根性がありそうだね」
コック長はそう言った後、キッチンメイドたちを見回し、こう言った。
「お嬢様が来ているから、今日はお嬢様のお好きなものを出すよ!」
「はい、コック長!」
「意外と早かったわね」
「そんなにお湯を持ってこられたなんて、すごいじゃない」
「故郷ではもっと重たい水瓶に、いっぱいに水を入れて運んだんです」
タウンハウスの二階にあるのが、お嬢様の部屋である。
そこにしつらえられている、お風呂にお湯を持ってきたサイヴァは、他のメイドたちから感心された。
彼女たちからしてみれば、重たく熱いバケツを、二つも簡単に運んでくるサイヴァは、なかなか仕事ができるメイドに見えた事だろう。
「これを後何回繰り返せばいいんですか?」
「五回くらいね」
「わかりました、お湯が冷めないうちに持ってきます」
「ころんじゃいやよ」
「転ばないように注意して運びます」
メイドの先輩たちのからかいにも、サイヴァは笑顔で答え、また階段を降りて行く。
そして、瞬く間にバケツを五回運び、次にサイヴァに与えられた仕事は、
「お嬢様の衣類を片付けている他の先輩の、手伝いをする事」
だった。
彼女はここで、やっとお嬢様の衣類を取り扱うメイドたちに加わり、荷解きの手伝いに移った。
「これを開けて」
「これを運んで、そっちそっち」
「これを上に持ち上げて」
「次はこれを持ってきてね」
先輩メイドたちは、新たな後輩が、見た目に合わない力持ちで、どんな仕事でもニコニコと笑って行うため、これはいいぞ、と重宝する事にしたらしい。
サイヴァは衣装部屋とお嬢様の私室を何度も行き来し、荷物を運んだり衣装を運んだり、化粧道具を綺麗に並べ直したり、お嬢さまがくつろげるようにクッションを整えたりと、なかなかせわしく立ち働いていた。
先輩たちは、熟練の動きを見せて、衣装部屋で衣装を仕分けたり、種類別に並べ直したり、帽子の形を整えたり、衣装の汚れがないか確認したりしている。
とてもではないが、重たい衣装を持ち運びする時間はなさそうなので、サイヴァがそれらを運ぶ事は、何も支障がなかった。
そんな風に、お嬢様のお風呂が終わるまでに荷解きを全て終わらせたメイドたちは、顔を見合せて、お嬢様の御着替えを手伝う事にした。
サイヴァはどうすればいいのか、新人の下っ端であるため何もわからなかったが、
「お茶の支度を持ってきてちょうだい」
そう言われたので、これまた仕事が楽だな、と思いながら、階下へ行き、コック長がお嬢様の行動パターンを見越していたのか、用意されていたお茶の用意を持って、階段を上る事になった。
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