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第116話〜星獣戦隊・コスモレンジャー〜

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「お帰り……あ! 仲間が増えたんだね!」


 仮設基地に着くと、プレアデスが迎えてくれた。
 ボクらが戦っている間、ずっと避難してきた奴らの面倒見てやがったんだ。プレアデスもよく頑張ってやがる。
 むさ苦しくなってきた部屋を見て、プレアデスが提案した。


「これだけ増えちゃ、ここだと狭いな。もう一つ広い部屋に移動しよっか」

「じゃ、軽くそこで打ちあがろうぜ。いいだろ?」


 ソールさんは、疲れた顔をしたみんなを見て言う。


「まあ、ここまでよく頑張ったんだ。美味い飯でも食べよう」

「じゃあ、料理は任せて!」


 ボクらは近くの広い部屋に移動した。畳張りで座布団がいくつかあり、寝転がれるほどに広々としたスペースだ。
 すぐにプレアデスが、料理の支度を始めた。


「ところでポコよ。お前あの時どうやって助かったんだ?」


 ボクはポコが火の海に落ちてから、どうやって生き延びたかを尋ねた。
 ポコは答える。


「あの時僕も転身出来るようになり、星光団の一員となった……彗星の勇者、ポコとして。転身した時に現れたバリアのおかげで、溶岩に落ちてもへっちゃらだったんだ。僕のバリアでリゲルを守りながら、近くにあった洞穴へと脱出した。そこで、金色の光を見たんだ」

「金色の光……だと?」


 ——まさか。ボクとスピカを、〝試練の洞窟〟に導いた、あの光——守護神に、ポコも導かれていたのか。


「その後、あの大きな噴火があったんだ。その時ライムがやって来て、デネブを助けたのを見た。僕とリゲルはそのまま金色の光に包まれ、気付いた時には、不思議な泉のほとりにいたんだ。ゴマたちは大丈夫だったのかい?」


 ——話を聞いていたライムさんが下を向き、フーッと大きく息を吐いた。
 ボクは気にせずに、その時の事をポコに話す。


「あの時、ライムさんは改心したんだよ。そしてライムさんはボクだけじゃなく、ムーンさん、スピカ、ダイモスさんも助けてくれた。その後色々あって、あの時の戦いは丸く収まったんだよ。ま、お前が勇気出して戦ってくれたおかげだ。強くなりやがって、この野郎」

「ふふ、そういう事だったか。……あれからゴマも〝試練の洞窟〟で、守護神を味方につけたんだな。さっき言った不思議な泉にも、ゴマとスピカは訪れただろう。金色の光が僕を導いたのは、その〝試練の洞窟〟だったんだ。不思議な泉でリゲルと何日か休んだ後、僕は〝勇気の試練〟を乗り越え、守護神〝タナトス〟の加護を得られた」


 ——と、いうことは、もしかすると。
 最後の、ライムさんの幻影と戦った時に、姿を隠しながら一緒に戦っていた黒い影の正体は——。


「お前、あの時ボクらと一緒に戦ってたのは……」

「ああ、僕さ」


 ニッとポコは笑いながら言った。


「ばかやろ! そん時にそう言えよ!」

「ははは……。再会の楽しみは取っておきたかったのさ」

「でもな、心配してもろてるん忘れたらあかんで? みんなあんたの事死んだと思ってたんやさかいに。それから、リゲルはどないしたん?」


 スピカが頬を膨らませながら言う。


「それは反省してる。リゲルには、僕の試練が終わるのを待ってもらって、その後〝タナトス〟の力で一緒にニャンバラに行ったんだ。既に災害が起きていて、住民を避難させた後にゴマたちを探した。ニャンバリヴァイアとの戦いで、ようやくみんなと合流できた。あの時ガイアドラゴンが僕を導いてくれたんだ。超星機神グランガイアと合体出来るように、ね」

「なるほどな。ま、何にせよ無事で良かったぜ」

「ポコの変わり具合に、私もビックリしましたデスー! ……そうだ。ポコの〝奥さん〟、どうしてるんデスか?」


 話を聞いていたリゲルが、口を開く。
 それを聞いたポコは、顔色を変えた。


「そうだ、ユキは⁉︎」


 すかさず、ボクは答える。


「そうだ! 聞けよポコ! ユキは3匹の子供を無事産んだんだぜ!」

「な、本当か⁉︎」


 ——その時のポコの嬉しそうな顔は、今も忘れられねえ。
 スピカは、ポコの背中をポンと叩いた。


「せやさかい、早うこの戦い終わらして、子供と会いに行くんやで! パパ!」

「……ああ! 待ってろよ、ユキ! そして、まだ見ぬ我が子たち!」

「お待たせー! 料理出来たからテーブルに運んで行ってー!」


 プレアデスが両手に美味そうな魚料理を持って、部屋に入ってきた。ほくほくと湯気が上がり、美味そうな匂いが、部屋中に満ちていく。


「よしきた!」


 ♢


 13匹みんなで、プレアデスが作った数々の料理を腹一杯食った。

 ソールさん、ムーンさん、マーズさん、マーキュリーさん、ヴィーナスさん、スピカ、ポコ、フォボスさん、ダイモスさん、ライムさん、デネブ、リゲル、そしてボク——ここに居るネコたちはみんな、超星機神グランガイアが認めたんだ。
 ボクは言った。


「これを機に、ここにいる13匹全員〝星光団〟でいいじゃねえっすか?」

「……そうだな。ならば、新生・星光団——〝星獣せいじゅう戦隊・コスモレンジャー〟として、結成記念パーティーだ!」

「おうー‼︎」


 ソールさんの言葉で、改めて〝星獣戦隊・コスモレンジャー〟が結成された。
 最強の味方、超星機神グランガイアもついてくれた事だし、早く次の敵を討ち、ミラの企みを止めなきゃな。


「次は4匹目の厄災竜カラミティドラゴンだな……」

「それが、今も眠り続けていて、目覚める気配が無いのだ。今は下手に刺激しない方がいいかもしれない」


 ——4匹目の厄災竜カラミティドラゴン
 どんな奴かは全く未知だが、災害を起こさねえってんなら、ほっといても良いのかもな。


「じゃー、次はどうするの?」

「あのミラとかいう神と、どうやったらまた会えるか、だな」

「それに、ミラの企みを止めるにはどうしたらいいかの手掛かりが、今のところ全く無い状況ですね……」


 今後の作戦についてみんな頭を悩ませ始めた時、ライムさんは立ち上がって言った。


「ならば、グレに会いにいこう。ずっと祈りを捧げているはずだ」
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