上 下
81 / 143

第77話〜〝最強〟VS〝最強〟

しおりを挟む
 
 守護神たちのチカラで、星光団は完全復活したんだ——!


「……へっ、みんなが祈ってくれたおかげだぜ。ありがとよ! ……さあ、行くぞ‼︎」


 ボクは炎のオーラに包まれながらじっとボクらの様子を見ているライムに、剣を向けた。
 まずは、ステータス分析だ。


 悔恨と憤怒の業火 ライム 三毛♀Lv.200
 魔神ネコ
 属性……火、陰

 体力    9999/9999
 魔力     8720/8720
 攻撃力     9999
 防御力     9999
 敏捷性     9999

 耐性……全属性
 弱点……無し

 必殺……
 イラプション
 コピー
 転身封印光線

 超必殺……
 エクスプロージョン


「ソールさん、みんな! 気を付けてくれ! ステータスの数値がほぼ〝カンスト〟してやがる。こっちも全力で臨まなきゃ、即ゲームオーバーだ!」

「……ああ。こっちも戦力は揃ったんだ。絶対、負けない! ここで決着をつけ、ネズミたちの世界をニャンバリアンの支配から解放するんだ。行くぞ、みんな!」

「おう‼︎」


 星光団のみんなは身構え、戦闘態勢に入った。
 ——そうだ、ボク自身のステータスも見ておこう。


 力を授かりし暁闇の勇者 覚醒ゴマ 白黒♂     Lv.200
 勇者
 属性……陰、陽

 体力 9999/9999
 魔力 9999/9999
 攻撃力 9999
 防御力 9999
 敏捷性 9155
 魔法力 9999

 耐性……全属性、即死
 弱点……無し

 必殺……
 ギガ・ダークブレイク
 ホワイト・バーン
 アビスシュトローム
 エクスプロージョン
 デス・アースクエイク
 フルムーン・ヒール
 ブラック・ホール

 超必殺……
 ギガ・ダークブラスト


 ステータスがカンストしてるってのは、ボクも同じだった。守護神の力……、半端ねえ。

 ついに、最終決戦が始まる————!


 ♢


 ライムは再びじっと、ボクらの様子を見始めた。まるでこっちの態勢が整うのを待っているかのようだった。


「覚悟しやがれ、ライム!」


 ボクが突撃を始めると同時に、ライムも動き出し、巨大な火炎弾をぶつけてきた‼︎


「そんな攻撃、屁でもねえよ! 食らえ、ギガ・ダークブレイク‼︎」


 正直、ライムと対等に渡り合えるのはボクしかいねえ。言っちゃ悪りいがソールさんたちは、ボクの補助役くらいだと思ってる。
 つまり、ボクがやられちまったら、負け確定だ。


「ふんぬ‼︎」


 ガキン‼︎    という音と共に、ライムは太い腕でボクの一撃を受け止めた。
 ニヤリと笑うライム。ボクは、嫌な予感がした。


「気をつけろ! ゴマくん‼︎」


 ライムはその巨体で高く飛び上がり、剣を抜き、叫んだ。


‼︎」


 ……何だと⁉︎
 ライムは闇に包まれた剣で、ボクらがいる場所を水平に薙ぎ払った。


「ぐわぁああああ‼︎」

「きゃああああああ‼︎」


 ソールさんたちは、一瞬で壁際まで吹き飛ばされる。


「バカな‼︎    ボクの……ボクの技を、コピーしやがっただと⁉︎」


 ボクの必殺技、ギガ・ダークブレイクをパクりやがった。しかも、威力が数倍、跳ね上がってやがる……!
 ソールさんたちはすぐに態勢を立て直し、反撃しようとしている。


「クソ! なら、総攻撃だ。必殺剣・ライジングサン!」

「マジック・バレット‼︎」

「氷遁の術‼︎」

「フレイムブレード‼︎」

「ニャリバー・ランページレーザーや!」


 ボクは叫んだ。


「待ってくれ! 危ないぞ‼︎」


 ソールさんたちの総攻撃が、激しい閃光と共にライムに直撃する。——が、炎のオーラに全て吸収されていく。
 ライムは宙に飛び立ち、叫んだ。


「……必殺剣・ライジングサン‼︎」


 ライムの持つ剣が金色に光り輝き、ソールさんを直撃する——‼︎


「うわああああああ‼︎」


 のたうち回るソールさん。ほとんど即死級の一撃。
 ヴィーナスさんがすぐに回復魔法をかけたおかげで、何とか助かったようだ。だが……


「……マジック・バレット‼︎    氷遁の術! フレイムブレード‼︎」


 ライムは立て続けに、星光団のメンバーの必殺技を数倍の威力に増幅して繰り出す。
 その凄まじい技の数々は、壁をえぐりながら繰り返し反射し、守護神のバリアを突き破り、ボクらに次々と襲いかかった。


「ヴィーナス! 防いでくれ‼︎」

「無理よ‼︎     ああああああ‼︎」


 ライムは、笑みを浮かべながら剣をかざす。


「ニャリバー・ランページレーザー‼︎」


 剣がギラリと光ると、ほとんど即死級の威力の金色に輝くレーザーが放たれ、反射を繰り返して暴れ回り始めた。


「あかん! ウチの技、こんなエゲツない技やったんか! いやあああ‼︎」

「スピカ、ボクについて来い!」


 ボクはスピカの手を掴むと、壁を蹴り、岩を壊し、レーザーを避けて走り回った。
 一瞬、ソールさんたちが地面に倒れ伏しているのが見えた。……頼む、もう一度立ち上がってくれ、みんな!


「あかん、そっちは!」


 ——目の前の足場が無くなり、燃え盛る火の海に真っ逆さまに落ちるボクとスピカ。


「はっ……! クソ、スピカ‼︎    ボクを足蹴あしげにして崖に飛び移れ‼︎」

「アホ‼︎    そんな事出来るわけないやんかああああ‼︎」


 クソ……! スピカは、絶対死なせねえ‼︎


「助けてくれ、ミランダァァアアーー‼︎」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

孤独の魔女と独りの少女

徒然ナルモ
ファンタジー
遥かな昔、凡ゆる魔術 凡ゆる法を極め抜き 老いや衰退すらも超克した最強の存在 魔女達の力で、大いなる厄災は払われ 世界は平穏を取り戻してより 、八千年 …避けられぬと思われていた滅びから世界を救った英雄 又は神として、世界は永遠を生きる七人の魔女達によって統治 管理 信仰され続けていた… そんな中 救った世界を統治せず、行方をくらませた 幻の八人目の魔女が、深い森の中で 一人の少女を弟子にとったと言う 神話を生きる伝説と 今を生きる少女の行く末は、八千年前の滅びの再演か 新たな伝説の幕開けか、そんなものは 育ててみないと分からない 【小説家になろうとカクヨムにも同時に連載しております】

勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~ 「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」  国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。  ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。  その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。  だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。  城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。  この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。

ホラ寝る習慣ノート

野花マリオ
エッセイ・ノンフィクション
ホラ吹き落書きノートの続編。 1日1話を目指して怖い話を作る。 その1話作る上の制作過程を公開していく。 ホラ寝る習慣ノート。 公開日2024年09月01日から それ以外にも過去作られた怖い話の制作過程を公開していきます。 タイトル変更しました。 元タイトル ホラー習慣ノート

転移者と転生者と現地チート

シロ
ファンタジー
借金取りから逃げていた男の子と女の子はいつの間にか異世界に迷い込んでいた。危ないところを冒険者に助けられる。他に行く当てもなかった2人はそのまま冒険者と共に行くことを選択する。それが、この物語の始まりだった... 異世界を舞台に、冒険の旅が繰り広げられる

アサノっち的戦隊シリーズ・大阪戦隊ナニワレンジャー

アサノっち
ファンタジー
地底から、突如現れたワニ軍団。御堂筋たちは、天王寺長官に集められ、ナニワレンジャーとなって、大阪の街を守ることを決める。果たして、ナニワレンジャーは、ワニ軍団を倒すことが出来るのか?

処理中です...