156 / 185
ユガ村
しおりを挟む
ルイ君が来て、ルールのおじいちゃんとビデオ通話を繋いでくれた。
画面越しに傷の状態を見ながらワーガやアルに指示を出してくれる。私にも必要な物を次々に出すように指示をしてくれ、なんとか木の破片を抜いて、傷口を洗い包帯を巻く事ができた。
目が覚めたら抗生物質を飲ませるように言って電話が切れた。
傷が多いのと、バイ菌が入ったからか、熱が出てきた。
そーっと村長が近づいてきて、ドアの隙間から覗いている。
「村長、とりあえず命は助かりましたよ。」
「そ、そうか。でも、目を覚ましたら俺達を食うかもしれん。」
「はぁ??命懸けで守ってくれたんですよ?目が覚めたら食べるって、そんな事あるわけないでしょう!!」
「…………。そーだな。」
「私は昼に、このオーガの家に行きました。沢山ご馳走を用意してもてなしてくれましたよ。人間と仲良くなりたいって、ずっと言ってました。」
「そ、そーか。」
「おい、俺も同じオーガだが、人を食べたりしない!」
「そうですよ。私の仲間には沢山オーガがいるけど、皆んな優しいです。私を守ってくれる人達ばかりですよ!」
「………。そーだな。俺が勝手に決めつけて酷い事ばかりしてきたのに、助けてくれたんだもんな。」
「そうですよ。他のオーガ達も、皆んな優しい人達ばかりですよ。」
もしかしたら、これで一緒に暮らせるようになるかもしれない。
少しして、目が覚めたユガに薬を飲ませ、またゆっくり寝てもらおうとしたけど、ここにいたら人間が怖がるから家に帰ると言い出した。
ふらふらしながら出て行こうとしてる所に、村長がきてユガを止める。
「助けてくれてありがとう。もぅ怖くはないし、俺達も出来ればこれから仲良くしていきたいと思ってる。怪我が治るまでは、安心してここで休んでくれ!」
「ほ、本当にいいのか?僕が怖くない?」
「あぁ、命の恩人だ。怖いことなんて無い!」
「嬉しいなぁ~。陽菜、僕、夢を見てるのかなぁ?」
「ユガ、これは現実だよ。」
「本当に、こんな日が来るなんて………。うっ!!」
無理して動いたから、傷が開いたようだ。
「横になって、安静にしていろ!」
ワーガに抱えられ布団に戻される。
村長と話しをしてみた。他のオーガやエルフや獣人族が近くに住んでいるから、ここで一緒に村を作らないか?と聞くと、自分達人間は、他の種族に酷い事をしてきた。それを許してくれるなら、お願いしたいと言うので、明日、オーガ達にも事情を説明して、ここで村を作らないか聞いてみる事にした。
その日は、ユガの看病をしながら公民館に泊まり、朝一にオーガ達の村に行った。
「ユガが命懸けで村長を守ったんです。だから、人間達のオーガに対する誤解は解けました。それでも一緒に暮らすのは無理ですか?」
「……。陽菜さんの話しを信じないわけではないが、一度様子を見てみたい。」
「そうですね。わかりました。アル、お願い。案内してもらえる??」
「わかった。ついて来てください。」
「私は、エルフや獣人族の人達に話しをしてくるね!」
ワーガに背負ってもらい、エルフの村に着く。エルフ達は、人間達と暮らしてみようと思うと言ってくれる。
獣人族の村は、かなり大きな村で食料が足りず困っていたから願ったり叶ったりだと、すぐに了承してくれた。
案内しながら村に戻り、家を出していく。
アルに案内されて来ていたオーガも、村長と話し合い、ここに暮らすと決めてくれた。
さて、忙しくなるぞ!!
畑も、田んぼもどんどん増やしていく。
食堂も作り、生活に必要な物を置くお店もドドーンと出した。
これでもか!と出したけど、まだまだ家も足りず、今日は公民館で寝泊まりする人達がいっぱいだ。
夕方頃、ルールのおじいちゃんが到着して、ユガの傷の手当てをしてくれる。
ルールのおじいちゃんと一緒に、沢山手伝いに来てくれていた。
もちろん、ハゼドンはレイナさんと一緒に来ていた。バカップル全開で、初めて見るオーガやエルフ達が固まっている。
ナダの事も気になり、レイナさんに聞いてみたら、オアシス村にはあれから来ていないそうだ。
監視カメラ映像を見ると、畑仕事に、薪運びなどを頑張っているナダの姿が映っていた。
次の日は、ひたすら家を出しまくり、かなり村らしくなってきた。この村は「ユガ村」に決定!!ユガがいたから実現した村だからね!
獣人族の村長に、近くにもぅ村はないか尋ねると、ここから少し行った所に、オーガ達が沢山暮らしている山があると教えてくれた。そこのオーガ達は、とても怒りっぽく、あまり近づかないようにしていたようだ。
明日、ワーガとナナガと一緒に行ってみる事になった。ゆきちゃんは、怒りっぽいオーガの所に連れて行くのは危険なので、ルイ君とお留守番だ。
ハゼドンが来てくれた事で、ここでの料理もすごく種類が増えて、美味しい物になった。バカップルだけど、料理の腕だけは確かな男なのだ!!バカップルだけどっ!!!
久しぶりにハゼドンのカレーを食べて大満足だ。やっぱり美味しい。
ルイ君も、悔しいけどハゼドンのカレーは美味しいからと2回もおかわりしていた。
ゆきちゃん用の甘口カレーをワーガが分けてもらい、こっちの方が好きだ!!とモリモリ食べて、ゆきちゃんが自分の分が無くなると大泣きしていた。
ワーガが焦って、ゆきちゃんのご機嫌取りをしていたのが面白かった。
画面越しに傷の状態を見ながらワーガやアルに指示を出してくれる。私にも必要な物を次々に出すように指示をしてくれ、なんとか木の破片を抜いて、傷口を洗い包帯を巻く事ができた。
目が覚めたら抗生物質を飲ませるように言って電話が切れた。
傷が多いのと、バイ菌が入ったからか、熱が出てきた。
そーっと村長が近づいてきて、ドアの隙間から覗いている。
「村長、とりあえず命は助かりましたよ。」
「そ、そうか。でも、目を覚ましたら俺達を食うかもしれん。」
「はぁ??命懸けで守ってくれたんですよ?目が覚めたら食べるって、そんな事あるわけないでしょう!!」
「…………。そーだな。」
「私は昼に、このオーガの家に行きました。沢山ご馳走を用意してもてなしてくれましたよ。人間と仲良くなりたいって、ずっと言ってました。」
「そ、そーか。」
「おい、俺も同じオーガだが、人を食べたりしない!」
「そうですよ。私の仲間には沢山オーガがいるけど、皆んな優しいです。私を守ってくれる人達ばかりですよ!」
「………。そーだな。俺が勝手に決めつけて酷い事ばかりしてきたのに、助けてくれたんだもんな。」
「そうですよ。他のオーガ達も、皆んな優しい人達ばかりですよ。」
もしかしたら、これで一緒に暮らせるようになるかもしれない。
少しして、目が覚めたユガに薬を飲ませ、またゆっくり寝てもらおうとしたけど、ここにいたら人間が怖がるから家に帰ると言い出した。
ふらふらしながら出て行こうとしてる所に、村長がきてユガを止める。
「助けてくれてありがとう。もぅ怖くはないし、俺達も出来ればこれから仲良くしていきたいと思ってる。怪我が治るまでは、安心してここで休んでくれ!」
「ほ、本当にいいのか?僕が怖くない?」
「あぁ、命の恩人だ。怖いことなんて無い!」
「嬉しいなぁ~。陽菜、僕、夢を見てるのかなぁ?」
「ユガ、これは現実だよ。」
「本当に、こんな日が来るなんて………。うっ!!」
無理して動いたから、傷が開いたようだ。
「横になって、安静にしていろ!」
ワーガに抱えられ布団に戻される。
村長と話しをしてみた。他のオーガやエルフや獣人族が近くに住んでいるから、ここで一緒に村を作らないか?と聞くと、自分達人間は、他の種族に酷い事をしてきた。それを許してくれるなら、お願いしたいと言うので、明日、オーガ達にも事情を説明して、ここで村を作らないか聞いてみる事にした。
その日は、ユガの看病をしながら公民館に泊まり、朝一にオーガ達の村に行った。
「ユガが命懸けで村長を守ったんです。だから、人間達のオーガに対する誤解は解けました。それでも一緒に暮らすのは無理ですか?」
「……。陽菜さんの話しを信じないわけではないが、一度様子を見てみたい。」
「そうですね。わかりました。アル、お願い。案内してもらえる??」
「わかった。ついて来てください。」
「私は、エルフや獣人族の人達に話しをしてくるね!」
ワーガに背負ってもらい、エルフの村に着く。エルフ達は、人間達と暮らしてみようと思うと言ってくれる。
獣人族の村は、かなり大きな村で食料が足りず困っていたから願ったり叶ったりだと、すぐに了承してくれた。
案内しながら村に戻り、家を出していく。
アルに案内されて来ていたオーガも、村長と話し合い、ここに暮らすと決めてくれた。
さて、忙しくなるぞ!!
畑も、田んぼもどんどん増やしていく。
食堂も作り、生活に必要な物を置くお店もドドーンと出した。
これでもか!と出したけど、まだまだ家も足りず、今日は公民館で寝泊まりする人達がいっぱいだ。
夕方頃、ルールのおじいちゃんが到着して、ユガの傷の手当てをしてくれる。
ルールのおじいちゃんと一緒に、沢山手伝いに来てくれていた。
もちろん、ハゼドンはレイナさんと一緒に来ていた。バカップル全開で、初めて見るオーガやエルフ達が固まっている。
ナダの事も気になり、レイナさんに聞いてみたら、オアシス村にはあれから来ていないそうだ。
監視カメラ映像を見ると、畑仕事に、薪運びなどを頑張っているナダの姿が映っていた。
次の日は、ひたすら家を出しまくり、かなり村らしくなってきた。この村は「ユガ村」に決定!!ユガがいたから実現した村だからね!
獣人族の村長に、近くにもぅ村はないか尋ねると、ここから少し行った所に、オーガ達が沢山暮らしている山があると教えてくれた。そこのオーガ達は、とても怒りっぽく、あまり近づかないようにしていたようだ。
明日、ワーガとナナガと一緒に行ってみる事になった。ゆきちゃんは、怒りっぽいオーガの所に連れて行くのは危険なので、ルイ君とお留守番だ。
ハゼドンが来てくれた事で、ここでの料理もすごく種類が増えて、美味しい物になった。バカップルだけど、料理の腕だけは確かな男なのだ!!バカップルだけどっ!!!
久しぶりにハゼドンのカレーを食べて大満足だ。やっぱり美味しい。
ルイ君も、悔しいけどハゼドンのカレーは美味しいからと2回もおかわりしていた。
ゆきちゃん用の甘口カレーをワーガが分けてもらい、こっちの方が好きだ!!とモリモリ食べて、ゆきちゃんが自分の分が無くなると大泣きしていた。
ワーガが焦って、ゆきちゃんのご機嫌取りをしていたのが面白かった。
13
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説
スマホ依存症な俺は異世界でもスマホを手放せないようです
寝転ぶ芝犬
ファンタジー
スマホ大好きなこの俺、関谷道長はある日いつものように新しいアプリを探していると何やら怪しいアプリを見つけた。早速面白そうなのでDLして遊ぼうとしてみるといつの間にか異世界へと飛ばされていた!
ちょっと待てなんなんだここは!しかも俺のスマホのデータ全部消えてる!嘘だろ俺の廃課金データが!!けどこのスマホなんかすごい!けど課金要素多すぎ!!ツッコミどころ多すぎだろ!
こんなことから始まる俺の冒険。いや、宿にこもってスマホばっかりいじっているから冒険してないや。異世界で俺強え無双?いや、身体能力そのままだから剣もまともに振れませんけど。産業革命で超金持ち?いや、スマホの課金要素多すぎてすぐに金欠なんですけど。俺のすごいところってただすごいスマホ持っているだけのような…あれ?俺の価値なくね?
現在、小説家になろうで連載中です。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
魔拳のデイドリーマー
osho
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生した少年・ミナト。ちょっと物騒な大自然の中で、優しくて美人でエキセントリックなお母さんに育てられた彼が、我流の魔法と鍛えた肉体を武器に、常識とか色々ぶっちぎりつつもあくまで気ままに過ごしていくお話。
主人公最強系の転生ファンタジーになります。未熟者の書いた、自己満足が執筆方針の拙い文ですが、お暇な方、よろしければどうぞ見ていってください。感想などいただけると嬉しいです。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました
ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。
会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。
タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。
魔法のトランクと異世界暮らし
猫野美羽
ファンタジー
曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。
おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。
それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。
異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。
異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる──
◆◆◆
ほのぼのスローライフなお話です。
のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。
※カクヨムでも掲載予定です。
【完結】ちびっこ錬金術師は愛される
あろえ
ファンタジー
「もう大丈夫だから。もう、大丈夫だから……」
生死を彷徨い続けた子供のジルは、献身的に看病してくれた姉エリスと、エリクサーを譲ってくれた錬金術師アーニャのおかげで、苦しめられた呪いから解放される。
三年にわたって寝込み続けたジルは、その間に蘇った前世の記憶を夢だと勘違いした。朧げな記憶には、不器用な父親と料理を作った思い出しかないものの、料理と錬金術の作業が似ていることから、恩を返すために錬金術師を目指す。
しかし、錬金術ギルドで試験を受けていると、エリクサーにまつわる不思議な疑問が浮かび上がってきて……。
これは、『ありがとう』を形にしようと思うジルが、錬金術師アーニャにリードされ、無邪気な心でアイテムを作り始めるハートフルストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる