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小包

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 次の日、バス8台でオーガ達の村に向かった。
 道路を出していたので、2時間ほどで到着した。
 最初にエルフの女性がいた村の近くに、家を出していく。
 耕運機、肥料、苗などを大量に出して畑作りを頑張ってもらった。
 公民館、スーパー、避難所も出していく。
 とりあえず必要な衣料品や、家電、調理道具、寝具、運んできた食料などを並べてもらう。
 
 私はワーガ、ルイ君と道路を出しながら真っ直ぐ川がある方向に車で向かった。川に到着し、橋を架ける。
 ルイ君の方向感覚が当てになるので、ルイ君の言うように道路を出して進む。
 さすがルイ君!トンネルの村に出た。
「なぁ、陽菜。さっきの川から真っ直ぐに山の方へ向かって、そこにもトンネルを出したら、オーガの里から中間の村の間くらいに出るんじゃないか?」
「ルイ君!天才!!」
「明日はトンネルを出す為に山登りをしよう!」
 ワーガも賛成してくれる。

 とりあえず川から山までの道路を出して、川向こうに戻る。

 それにしても私のネーミングセンスが……。面倒だからトンネルの村って呼んでしまったけど、このまま定着しそうだ。そうなると川向こう村になるのか?まぁ中間の村の時点でネーミングセンス無いな!とは思ったんだけど……。まぁいいか、諦めよう。考えるの大変だし。
 もぅトンネル村と川向こう村に私の中では決定だ。

 交代で必要な物を運んで住めるようにしていた。
 駐車場を出し、軽トラを中心に車も出していく。しばらくオーガの里から来た人達が住み込みで運転や、畑仕事を手伝ってくれるようだ。
 スーパーの外に苗を大量に出しておいた。
 住み込みの人達は、公民館で寝泊まりするそうだ。
 細々した事は、もう少ししてからにして、トンネル村に戻る。

 シェアハウスに帰り、今日の報告を聞きながらご飯を食べる。3バカトリオもシェアハウスにいてトンネル村を手伝ってくれている。
 リリガは、子どもの事が心配だと昨日オーガの里に帰った。
 
 家を決めるのもスムーズに決まり、こんなにいい所に住めるのかと喜んでいたと報告があった。
 ダンドンさんもライルさんも洗脳は全員解けただろうと言っていた。
 川向こう村に行ったのは、自分の娘や奥さん、姉や妹をあの方に引き渡した家族ばかりらしい。
 是非行かせてくれと泣きながら頼んでいたようだ。

 次の日、ワーガに背負ってもらい山を越えてトンネルを出してを5回繰り返したら、ちょうど中間の村とオーガの里との真ん中辺りに出た。
 私のトンネルを出すスピードも上がってきて、昼にはトンネルで繋がった。

 車で40分ほどで帰れる。
 川向こう村まで1時間半くらいだ。苗や肥料を出して足りない物を聞いて出していく。
 トンネルを出した事や、道路を辿るとトンネル村や、近くの橋に着く事も伝えておいた。
 エルフ、ドワーフの女性が山から出てきたら、ここの畑で採れた野菜や果物を食べさせるように言う。しばらく食べさせると正気に戻るから、必ず食べさせるように強く言う。

 今日は、早くトンネル村まで帰って、ゆっくりする予定だ。
 ここ数日、ずっとバタバタしていたからワーガもルイ君も私も疲れている。

 シェアハウスに帰ると、空からパラシュートが落ちてくる。
 パラシュートには、小包が付けられていた。
「あ、私宛だ!」
 中に入って、包みを開けると手紙と一緒に携帯電話が入っている。
 手紙を読むと、神様からだった。『ここを監視する機械から携帯の電波を出す事に成功した。この世界でのみ使える。検索は出来ない、通話のみだ。陽菜のスマホには繋がらないから陽菜も一台持つ事を勧める。今できる事はこれくらいしかない、すまない。』
と書いてある。急いで書いたようだ。
 携帯が20台入っていた。
 一台自分用にして、番号を登録する。他の携帯にも登録しておいた。
 自分の携帯だと分かるようにストラップをつける。携帯ストラップが懐かしい。
 他の携帯にも、違うストラップをつけて、裏に名前を書いたシールを貼る。
 それぞれの場所に持っていてほしいので、ハルー村に2つ、病院の辺り、その先、中間の村、オーガの里までの2箇所、オーガの里に2つ、トンネル村も広いから2つ、川向こう村、8台余るからルールのおばあちゃん、ライルさん、ダンドンさん、ダイルさん、ワーガ。後はまた村が増えたり広がった時用に置いておこう。
 
 とりあえず今いるワーガに渡す。私の名前が登録されているから、それを選んで電話のマークを押してもらう。
 ハルー村からかけても、トンネル村にいる人に繋がる事を説明すると感動して携帯に頭を下げていた。
 
 早くお風呂に入って、晩御飯を作った。ワーガも手伝ってくれる。
 皆んなが帰って来て、ゴーガ、ライルさん、ダンドンさんに携帯を渡す。ここに居る人達に使い方を説明して、2階に上がって、私は外に出て電話をかけてもらう。
『おぉ!聞こえる!』
 順番にかけてもらい、操作を覚えてもらった。

 ゴーガに、リリガとルールのおばあちゃんに一台づつ渡して説明してくれるように頼んだ。ゴーガは、トンネルに近い方に住んでいるし、リリガは1番奥の避難所近くだからちょうど良い!
 ゴーガは、大喜びしながら晩御飯を食べて、早速携帯を届けに行った。
 1時間ほどして、ルールのおばあちゃんから電話がきた。
 それから30分くらいしてリリガからも電話がかかってくる。
 本当に遠くから繋がる事に感動していた。
 ゴーガは、リリガの横からワーガに電話をかけて来て、わざわざ今から帰ると言っていた。電話をするのが嬉しくてしょうがないようだ。
 ゴーガ、可愛いなぁ~。



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