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夏祭り

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 次の日も、交代で仕事をしながら夏祭りの準備をしてくれる。
 私も土産物を出したり、検索して花火を出したり、流しそうめんの竹を出して組んだり、そうめん汁の出汁をとったり、大釜を用意したり、出店で使う食料を出したりと大忙しだった。

 そして、忘れちゃダメなのが浴衣だ!!着付けの仕方が分からないから、ワンタッチで着れる浴衣や、甚平、扇子や団扇、髪飾りなども大量に出しておく。明日、来た人達にも着てもらう。
 写真屋さんとの話し合いをしたり、デジカメを沢山出して、撮りたい人は使って良い事にしたりと走り回って準備をした。

 公民館の木には、なぜかクリスマスのような飾り付けがしてあったり、カボチャのランタンがあったり、短冊に願い事が書いて木に吊るしてあったり、門松のような物が作られて避難所の入り口にあったりと、もぅ絵本に出てくる全ての行事がごっちゃ混ぜになっている。
 それも、この世界らしくて面白いなと思って、スマホで写真を撮っておいた。それぞれが、思いっきり楽しんでいるのが分かって、なんだか嬉しい。

 走り回って準備した二日間が過ぎ、今日は夏祭り。
 ハルー村の人達は、朝から浴衣や甚平姿で、出店の準備や最終の飾り付けをしてくれている。
 動物達のお世話を終わらせて、大急ぎで着替えてくれてる人もいる。
 私も、動きやすいように甚平にした。
 よーし楽しむぞー!!!

 朝準備が終わった頃には、中間の村の人達が到着。避難所の3階に着替えスペースが作ってあったので、ハルー村の人達に教えてもらいながら着替えてもらう。昼前にはオーガの里からも到着。

 全員着替え終わり、大人数で夏祭り開始だ!!
 流しそうめんは、明日にして、今日は祭りを楽しんでもらう。
 ハルー村見学ツアーもバスで予定している。

『皆さん、ハルー村夏祭りスタートです。避難所の前からハルー村見学のバスが出ます。是非、参加してください!さぁ、楽しみましょう~!!』
 アヤナンのノリノリ放送でスタートだ!

 私も夏祭り会場に行って、たこ焼き、焼きそば、フランクフルトを買い込んで食べる。
 めっちゃ美味しい~!!

 あちこちで楽しそうな声が響いている。子ども達が、ヨーヨーを持って歩いたり、スーパーボール掬いを楽しんだりしている姿は、日本と変わらない。
 大人達は、生ビール片手にたこ焼きや焼きそばを、食べながら店を手伝ってくれたり、交代時間になったら2階の空いたスペースでトランプをしたり、射的でムキになってはしゃいだりと大盛り上がりだ!

 ハルー村見学ツアーの人達が帰ってきて、中間の村やオーガの里しか知らない人達がビックリしていた。牧場の広さや、公民館の図書室、畑に果樹園。どれもすごいと、大興奮。ハルー村を目指して頑張ろうと決意していた。
 まだ行ってない人は見学ツアーに行き、2階のお土産コーナーや、蕎麦屋、ハゼドンのカレー屋も人だかりができている。

 輪投げの景品でもらった水鉄砲やけん玉を大事そうに持っていたり、綿菓子に大喜びしたり、ヨーヨー釣りで取ったヨーヨーをひたすらしたり、浮かぶ風船が嬉しくて手を離してしまったり、射的やクジの景品のおもちゃの指輪やネックレスを嬉しそうに身に付けている大人達がいっぱいだ!
 とっても楽しんでくれている。おもちゃなんてない世界だから、大人も嬉しくなってしまうようだ。

 本物かどーかより、見て綺麗と感じたら宝物だし、大人だっておもちゃで遊んでもいい。日本なら、あの人大丈夫?と変な目で見られたりするだろうけど、ここの人達は本気で楽しんでいる。
 あぁ、本当に素敵な世界だなぁ~。この世界に来れて良かった!

 ジーンと感動していると、ワーガが走ってきて一緒に回りたいと泣きついてくる。
「私はいいけど、ナナガさんは?」
「………撒いてきた。」
「いやいや、絶対すぐ見つかるから……。ナナガさんも一緒に3人で回ろう。」
 そう言っていたら、猛スピードでこっちに走ってきた。
「ワーガ!!何で逃げるの!!」
「うっ…………。ご主人様と一緒に回りたくて。」
「ナナガさん、一緒に3人で回らない?」
「ま、まぁいいけど……。」
 ごめんね、おじゃま虫で……。でも、ワーガも必死だし、少し一緒に回れば気も治るかもしれない。
「じゃあ、どこから行く?」
「俺、かき氷食べたい!」
「じゃあ、行こう!」

 かき氷を食べながら、ヨーヨー釣りをした。ナナガが上手で、私の分も取ってくれ、大はしゃぎした。
 輪投げでは、ワーガが一等に入れる事ができ、タコ焼き用のホットプレートをもらい大喜びしていた。
 射的では、ワーガがおもちゃのブレスレットをゲットして、私とナナガを交互に見て悩んでいるのが可笑しくて、ナナガと大笑いした。結局、もう一つワーガがゲットしてくれ、2人で色違いのブレスレットを付ける。おもちゃだけど、キラキラしてて綺麗だ。
 
 私は夜の用意があるから、途中で別れて花火の準備をする。
 打ち上げ花火も用意して、ヘルメットや防火服も準備した。今日の為に、数人で花火の打ち上げ方を勉強してもらった。上手くいきますように!!

 花火の為に、外に沢山のテーブルと椅子も用意してあり、打ち上げの30分前には放送もしてもらう。食べ物を買い込んでビール片手に花火を見てもらう予定だ。
 遮る物がないから、綺麗に見えるだろうし、かなりの迫力になると思う。
 花火も、有名な花火職人が作った物をスマホで検索して出したから、かなりの贅沢だ!!
 
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