上 下
63 / 185

救助

しおりを挟む
 話しを聞きながら待っていたら、思ったより早くハルー村の人達が到着した。
 ワーガが全速力で走ってくれたようだ。帰りはバスでルイ君が皆んなを乗せて来てくれた。
 
「作戦会議をします!とりあえず行ける所まで車で行き、そこから歩いて救助に行きましょう!オーガ達も来てくれてるから、荷物や歩けない人は背負って車まで戻って来ましょう!」
「任せとけ!!」
 ドーガ達が言ってくれる。頼もしい!!
「それと、ここで長袖長ズボンに着替えて、蚊取り線香を腰に付けてください!後、虫除けスプレーを全身に振りかけてください!」
 
 準備してもらって、バスに乗って出発する。途中の川は橋をかけて渡り、嵐の泥が固まってデコボコしてる道を山裾まで進む。
 私はルイ君と残り、自衛隊の車を出したりブルドーザーで道を平にしたりする。
 オーガ達が、ミイナやドワーフ、エルフ達をおんぶして山を駆け抜けてくれる。
 ルイ君にブルドーザーをお願いして綺麗にした所から道を出して行った。バスに乗り切れなかったオーガ達は走って来てくれ、なんとか全員おんぶで帰って来れそうだ。

 30分くらいで帰ってきた。やっぱりオーガ達はすごい!!
 そのまま自衛隊の車や、バスに乗ったりオーガにおんぶされたりしながらシェアハウスに行く。

 お風呂に入ってもらってる間に、隣にもう一つシェアハウスを出した。
 ダンドンさんに聞くと、3バカトリオのハゼドンのお母さんがその中にいた。ライルさんが知ってるエルフもいたと言っていた。

 とりあえず、綺麗にしてもらいご飯を食べてもらう。少し狭いけど一つのシェアハウスに集まってもらっている。ハルー村の人達は、隣のシェアハウスで汗を流したり着替えたりしてもらい、バスで帰ってもらう事にした。数名は、残ってくれるよう頼む。

「皆さん、何処か行くあてがありますか?」
「ないです。」
 即答。
 それならちょーどハルー村からオーガの里との間に住んでくれる人がいないかと思っていたから、ここに中間の村を作ろう!!
 ちょーど真ん中辺りだし、これからミイナみたいに助けを求めて来た人がいたら、ここで見つけられるかもしれない!

「皆さん、ここに住みませんか?食料は、畑を作ったりしてなんとかできますし、私達も手伝います。」
「え?本当にいいの?こんな所に住めるの??」
 ミイナが嬉しそうに聞いてくる。
「もちろんです。家も用意しますし、どうですか?ここの他にも二つほど管理してほしい家があるので、たまに掃除に行っていただけたら助かります!」
「そんな事でいいのなら……。」
 年配のエルフの女性が心配そうに言う。
「もちろんです。私達も助かりますし、住んでいただけませんか?」
「ありがとうございます!!」

 外に出て、アパートを2棟出しておく。シェアハウスの一つにも住んでもらえばいいし、大家族もいないようなので、これで大丈夫だと思う。
 布団などを出して回ってから、呼びに行った。
 シェアハウスには、独身の家族のいない人達が住むことになった。ミイナやターモもシェアハウスで暮らすらしい。
 アパートも半分ほど空いているし、もし、誰か来たら住んでもらえばいい。
 ワーガに頼んで、シェアハウスでキッチン、トイレなどの使い方を教えてもらっていたので大丈夫そうだ。
 
 朝早く出てきたのに、もう夕方だ。今夜はここに泊まって、明日はここに畑や果樹園を作ろう。人数も少ないから小さなものでいいし、車の運転も覚えてもらおう。
 毎日、ハルー村とオーガの里から食料を運んでもらってもいいかもしれない!
 そうしよう!!巨大なスーパーを出して両方の物を置いてもらえたら、ここまでくれば何でも揃う。宿屋も出しても良いかもしれない。ちょっとした旅行気分が味わえるかも!休みの日に家族でお出かけして泊まるとか楽しそうだ!お土産物も置こう!
 楽しくなってきた~!!

 朝から、ハイテンションで旅館や、お土産物屋さん、巨大スーパーを出して行く!
 ワーガに、ハルー村に行き私の計画を伝えてもらい、もう1人オーガに頼んでオーガの里に伝えに行ってもらう。
 朝ご飯の用意をして、旅館で食べる事にする。もちろん宴会場も完備だ!!
 ハルー村の人達にも手伝ってもらった。
 これからの事を説明すると、ぜひ頑張ってみたいと言ってくれる。
  
 食べ終わった人達から、ハルー村の人に頼んで畑を作ってもらう。
 その間に、お土産屋さんにお土産をドッサリ出す。
 使い道のわからない旗とか、木彫りのクマとか、貝殻のネックレスや、風鈴、ご当地キーホルダー、ご当地ボールペン、こけし、タヌキの置き物……私の知っている日本中の食べ物以外の土産を出しまくった。

 今まで、生活に必要だったり、勉強に必要だったりと、絶対にいる物だけを出してきたけど、こんな風に意味はないけど部屋を飾ったり、見てちょっと楽しくなったりする物も良いなぁと思った。

 だんだん楽しくなって、ぬいぐるみや、アロハシャツ、コスプレ衣装、お風呂に浮かべるアヒルまで出してしまった……。

 ミイナやターモと一緒にお土産を並べていく。
 大きな店にして良かった。統一感の全くない、雑貨屋さんみたいだ。まぁいいか……。
 ハルー村の焼き物や、レース編みのコースターなんかも並べたいなぁ~。
 
 昼ごはんは、旅行の厨房で大量の素麺を湯がいて、外で流しそうめんをする事にした。一回やってみたかったんだ~!これくらいの人数なら、なんとかなるだろう!3つレーンを出して、汁をお椀に入れて箸は使えない人が多いからフォークで挑戦してもらう!

「では、行きます!!」
 最初は、お手本代わりに私がやってみる。ハルー村の人に流してもらう。
 見事キャッチして、お汁につけてチュルチュルーと啜る。冷たくて、最高に美味しい!!
 
 流す人を交代しながら、ワイワイと流しそうめんを楽しんだ!
 子どもは、最後の受けるザルに溜まった素麺を食べていた。1番沢山食べれたんじゃないかな!

 缶詰のミカンやモモも流す。一口ゼリーもお楽しみで流したりと大盛り上がりだった。
 またハルー村や、オーガの里でも流しそうめん大会をしてみよう!!





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

おばあちゃん(28)は自由ですヨ

七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。 その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。 どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。 「おまけのババアは引っ込んでろ」 そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。 その途端、響く悲鳴。 突然、年寄りになった王子らしき人。 そして気付く。 あれ、あたし……おばあちゃんになってない!? ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!? 魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。 召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。 普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。 自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く) 元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。 外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。 ※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。 ※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要) ※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。 ※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?

mio
ファンタジー
 特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。  神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。 そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。 日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。    神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?  他サイトでも投稿しております。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...