上 下
48 / 185

新しいスタート

しおりを挟む
 新しい家で一晩過ごして、パンとカフェ・オ・レで朝ごはんを済ませ、二日酔いでダウンしてる人がいないかチェックしながら、休憩所を出して回る。

 さすが、エルフもドワーフもお酒が残ってる人はいない。
 人間の皆さんは……。まぁ量が少なかったので動けない人はいなかったが、具合が悪そうな人が数人。体質的にお酒が合わないのかもしれない。今までお酒はほとんど飲んだ事がなく、昨日浮かれて飲み過ぎたようだ。次からはほどほどにしてもらおう。何でも過ぎるとよくないからね!

 途中スーパーに行き、食材など必要な物を大量に出しておく。並べるのはスーパーの皆さんにお願いした。
 食堂で必要な物がないか確認して、補充する。まだ新しい畑での収穫が難しいので、多めに出しておいた。
 ケーキ屋喫茶店にも寄って必要な物を出しておく。

 その後はひたすら休憩所を出していった。工場などの建物は中に休憩室を作ってあるので、畑や果樹園、牧場に必要だ。しかも広いので、片側だけでなく周りに全部出すから時間がかかる。
 やっと終わった頃には、もぅお昼だ。

 ハゼドンがキッチンカーで昼ごはんを届けに来ていた。
「どう?なんとかなりそう?」
「うん!喜んでもらえて嬉しい!他の車も全部使って配ってるんだ。」
「じゃあ、私にも一つください。」
「今日は、サンドイッチ、ハンバーガー、カレーライス、弁当がある。何にする?飲み物もあるぞ!」
「じゃあ、お弁当ください。飲み物は、冷たい緑茶で。」
「はーい、お待たせ!」
「ありがとう!」

 その場でジャーからホカホカご飯を入れてくれる。
 具はハンバーグに、ほうれん草の胡麻和え、玉子焼き、ポテトサラダ。美味しそうなお弁当だ!

 さっき出した休憩所に入って、エアコンをつける。今日は暑い。外の温度計は32℃、室内も30℃ある。
 冷えるまで、他の休憩所に行き、様子を見る。紙に書いて貼っておいたので、しっかりとエアコンがかかっている。
「どうですか?ゆっくり休憩出来そう?」
「おぅ!涼しくてホッとする。」
「良かったです。昼じゃなくても水分取ったり交代で休憩したりしてくださいね!」
「分かった。今日は特に暑いからなぁ~。辛いカレーが美味い!」

 休憩所に戻ると、2人ほど休憩所に入ってご飯を食べていた。仲間に入れてもらおう!

「ご一緒させてください。」
「もちろん!一緒に食べよう。」
 話しながらお弁当を食べる。やっぱり美味しい!
「畑の方はどうですか?」
「かなり頑張って植えているけど、今日一日で終わるかどーか…。」
「種からの野菜も多い。収穫できるのはかなり先だな。」
「そうですか。大変でしょうが、あまり無理せず、休憩しながらぼちぼちお願いします。」
「そーだな。ありがとう!」
  
 エアコンを入れておくから、交代で休憩しながら水分補給をするよう伝え、果樹園に行く。
 
 ほとんど何もないのではないかと心配していたが、私が鉢植えにした木や嵐の前に小さい木を大きな植木鉢に移してくれていたものが、結構あった。
 もしものためにと、スマホに写真を撮っていたので、それを見ながら全ての種類を出していった。これが神様の出してくれた木と一緒なのか分からないけど、ここにあるのをイメージして出すと同じものになると言ってくれていたから大丈夫だと信じたい!
 育ってから写した写真だから実がついているのもある。

 田んぼを見に行くと、田植え機がフル活動していた。苗を育てていたものを避難させてくれていて、それが植えられていく。小麦や大麦も蕎麦も植えてくれている。
 また、一からのスタートだけど、誰もが前向きに頑張ってくれている。

 銭湯に行き、問題がないか確認する。特に問題もなく、今日から利用出来るそうだ。タオルや脱衣カゴも避難させてくれていて、それを全部運んでくれていた。
 なんと、マッサージ機までトラックに積んで持ってきてくれていた。
 ファーナさんが私を見つけて来てくれる。
「陽菜さん、良い場所があって良かったですね!」
「本当に、良い場所ですよね。前の場所も好きだったから残念ですけど仕方ないですしね。」
「陽菜さんがいない間に、出来るだけ綺麗にしたんです。壊れている所は無理でしたが泥を流したり窓を開けて乾かしたり。」
「そうだったんですね!そこまで遠くないですから時々片付けに行ってもいいですね。」
「果樹園も、泥を除けて木を綺麗にしたんですよ。」
「ありがとうございます。もう少し落ち着いたら行ってみます。」

 嬉しい話しを聞けて良かった。1番初めの思い出の場所だから、やっぱり泥の中に埋まったままなのは悲しい。
 
 夜になったので、食堂に行ってみると、一度家に帰ってお風呂に入ったり、銭湯に行ったりしてサッパリしてから、唐揚げ定食と生ビールなどお酒を頼んで飲んでいる人が多くいた。
「くぅーーー!美味い!」
「これで明日も頑張れるぞ!」
「はぁー、幸せ。」
 あちこちで、仕事終わりの一杯を楽しんでいた。お酒を飲みながらトランプをしたりする人もいる。ルイ君がお酒を飲まないから夜の9時になるとバスを出して送ってくれる事になった。
 スーパーでお酒を貰って、食堂の料理をタッパーに詰めて、ケーキ屋でケーキとパンをもらい家に帰る人もいる。家族でゆっくりとするそうだ。
 唐揚げや、トンカツなど惣菜の持ち帰り用も明日から用意してくれる事になった。

 私は、ノンアルコールカクテルと唐揚げ定食を食べる。
 はぁー、美味しい。幸せだ。帰りにはパンを貰いに行こう!朝はクロワッサンが食べたいなぁ~。残ってるかなぁ?
 ケーキ屋に行くと、ベリームースのケーキが美味しそうで、喫茶店で食べて帰る事にした。
 アイスココアとケーキに癒されて、クロワッサンもゲット。
 さて、銭湯行って家に帰ろう~!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました

中七七三
恋愛
わたしっておかしいの? 小さいころからエッチなことが大好きだった。 そして、小学校のときに起こしてしまった事件。 「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」 その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。 エッチじゃいけないの? でも、エッチは大好きなのに。 それでも…… わたしは、男の人と付き合えない―― だって、男の人がドン引きするぐらい エッチだったから。 嫌われるのが怖いから。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

【完結】存在を消された『名無し』の私は、姫である双子の姉の代わりに隣国の狼王に嫁ぐことになりました。

蜜柑
恋愛
ルピア王国では双子は不吉な存在とされていた。姫リーゼロッテの双子の妹として生まれた少女は、名前を与えられず、存在を消され城の片隅で”口無し”と呼ばれながら下働きをしていた。一方、隣国テネス王国では、奴隷として扱われていた獣人族が反乱を起こし、王国を乗っ取った。その反乱王の狼族の王は、友好の証としてリーゼロッテを妻とするようにルピア王国に求めた。野蛮と噂される彼に嫁がせたくない国王は、「いない存在」である双子の妹を代わりに差し出すことにした。代わりに嫁いだ彼女は「リズ」と呼ばれ、隣国で生活するうちに本来の自分を取り戻していく。

【R18】幼馴染の魔王と勇者が、当然のようにいちゃいちゃして幸せになる話

みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。 ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで

二人静

幻夜
BL
    せつなめ三角関係 “ 死がふたりを分かつまで ” 互いを唯一無二に必要とする焔のような愛を垣間みたい方いらっしゃいませ・・・ あわせて歴史(曲解)創作の長編BLですが 事前知識なしで もちろんだいじょぶです 必要なときはその時々で補足をいれてまいります そして武闘集団『新選組』の面々なだけに 受けも攻めも男前です 江戸時代の(現代ではまだまだ足りない)男色にたいする積極的な価値観、 こと武家社会においては男色こそ自由恋愛の場であったことに触発された、 新選組の男前達をこよなく愛する作者による、偏愛に満ちあふれた“創作” ですので、 彼らの関係性は史実とは一切無関係でございます。その点を何卒お留め置きくださいませ。 同僚 × 同僚 (メインCP 沖田×斎藤) ☆親友未満はじまり  食えない男の代名詞みたいな攻めに、   はじめはひたすら振り回される受け(でも強気・・) &  年下 × 兄貴分/上司 (沖田×土方) ☆恋仲はじまり   弟分にベタ惚れでちょっとむくわれない健気な受け 戯れてることも多いですが、いちおう、きほん切なめシリアスベースです ※いずれR18展開になるため、はじめから指定してあります        ********************** 本小説での紹介事項 新選組・・・江戸時代幕末期の京都で活躍した、幕府側最強の剣客集団。       例外はあるものの、『局を脱するを許さず』が法度。       『士道に背きまじきこと』『違反した者は切腹』が大前提の、鉄の掟をもつ。 沖田総司・・・新選組一番隊組長(23) 当時は火の見櫓状態な五尺九寸(約一七八) 色黒で眼光鋭く肩の張り上がった筋骨型 斎藤一・・・新選組三番隊組長(21) 整って映える長身の五尺七寸(約一七三) やや色白ですらりとした肉体美の涼やかな美丈夫 土方歳三・・・新選組副長(30) 美しく均等のとれた背丈の五尺五寸(約一六七) 色白で役者のように優美な美男子 ※斎藤一に関しては実際には五番隊組長とされますが  ここでは通説となっている西村兼文の始末記に沿っています。 **********************

今更愛を告げられましても契約結婚は終わりでしょう?

SKYTRICK
BL
冷酷無慈悲な戦争狂α×虐げられてきたΩ令息 ユリアン・マルトリッツ(18)は男爵の父に命じられ、国で最も恐れられる冷酷無慈悲な軍人、ロドリック・エデル公爵(27)と結婚することになる。若く偉大な軍人のロドリック公爵にこれまで貴族たちが結婚を申し入れなかったのは、彼に関する噂にあった。ロドリックの顔は醜悪で性癖も異常、逆らえばすぐに殺されてしまう…。 そんなロドリックが結婚を申し入れたのがユリアン・マルトリッツだった。 しかしユリアンもまた、魔性の遊び人として名高い。 それは弟のアルノーの影響で、よなよな男達を誑かす弟の汚名を着せられた兄のユリアンは、父の命令により着の身着のままで公爵邸にやってくる。 そこでロドリックに突きつけられたのは、《契約結婚》の条件だった。 一、契約期間は二年。 二、互いの生活には干渉しない——…… 『俺たちの間に愛は必要ない』 ロドリックの冷たい言葉にも、ユリアンは歓喜せざるを得なかった。 なぜなら結婚の条件は、ユリアンの夢を叶えるものだったからだ。 ☆感想、ブクマなどとても励みになります!

もしも○○だったら~らぶえっちシリーズ

中村 心響
恋愛
もしもシリーズと題しまして、オリジナル作品の二次創作。ファンサービスで書いた"もしも、あのキャラとこのキャラがこうだったら~"など、本編では有り得ない夢の妄想短編ストーリーの総集編となっております。 ※ 作品 「男装バレてイケメンに~」 「灼熱の砂丘」 「イケメンはずんどうぽっちゃり…」 こちらの作品を先にお読みください。 各、作品のファン様へ。 こちらの作品は、ノリと悪ふざけで作者が書き散らした、らぶえっちだらけの物語りとなっております。 故に、本作品のイメージが崩れた!とか。 あのキャラにこんなことさせないで!とか。 その他諸々の苦情は一切受け付けておりません。(。ᵕᴗᵕ。)

妖しさんたちは無駄に美形揃いでした。

来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
料理のセンスは0だが美味しいモノを食べるのが大好きなOL、神崎菜乃葉(かんざきなのは)(27)。 恋人に振られた原因が「感情のドライさ」というほど無表情なタイプだが、表情筋が死にかけているだけで人並みな感情はある。だが、確かに物事に余り動じないタイプではあった。 菜乃葉はランチで麻婆豆腐を食べようと中華料理屋に入った途端に躓いて異世界へ。 その国の王である十尾狐の常盤(ときわ)が、「もう扉が閉まったため来年の異界開きまで待て」と言うので諦めてひとまずお世話になる事になるが、いつの間にか隣の国との揉め事に巻き込まれていく。 長生きし過ぎて恋愛感情を忘れかけてる王と、真面目で無表情なクールビューティーがくっつくまでのお話。

処理中です...