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泥棒騒ぎ
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ルイ君の住む住宅へ行くと、人が集まって来ていた。ダンドンさんの姿も見える。
「ルイ君!大丈夫??」
声をかけながら近寄ると、昨日出て行った3人組が縄でぐるぐる巻きにされて座っていた。
「こいつらが、隣の空いてる家に入り込もうとしてたんだ。鍵がかかってて入れないから戸を壊そうとしてたから泥棒だと思って……。」
だから、ダンドンさんが呼ばれたんだろう。なんとも言えない顔で3人組をダンドンさんが見ている。
「なんでこんな事したの?」
ぐるぐる巻きでしょんぼりしている3人組に聞くと、
「………ぅわーーーーー!!」
「もぅ嫌だーー!!!」
「ごっごめんなさい!!」
号泣しながら叫んでいる。
ええ?何があったんだろう。泣くほど縄が食い込んでいるのかなぁ?
「お前達、よく分かっただろう。あの里で暮らすのは限界だったんだ。人間達が手伝ってくれていたからなんとかやっていけてたが、お前達だけで生活する事なんて無理だ!」
ダンドンさんに言われ、泣きながら、うんうんと頷いている。
「お、俺、人間を……ば、バカにしてた……けど、俺達だけ…では、むっ無理だった。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい………。」
いったい何があったんだろう。
よく見ると、服がボロボロになっていて怪我もしている。
「もぅ、ここの人達に迷惑かけたりしないな?」
3人ともぶんぶん音が聞こえるほど首を縦に振っている。
よく分からないが、相当反省するような体験をしたんだろう。
「皆さん、縄を解いていいですか?反省してるみたいですし。」
「いいんじゃないか。」
許可がおりたので、縄を解く。逃げようともせず、ただただ泣いていた。
軽トラの荷台に乗せて、助手席にダンドンさんに乗ってもらい、エルフの薬屋さんに連れて行く。
わざわざ店を開けてくれ、手当てもしてもらった。キールさんもハーブティーを淹れて持ってきてくれた。
少し落ち着いたようだ。たったの1日なのに、すごくやつれている。
あらためて何があったか聞くと、
「あの後、すぐに里に帰ったんだ。」
「でも、俺達狩もした事ねぇし、料理もできねぇし、腹減って食いもん探しに行ったら、魔物に襲われた。」
「な、なんとか逃げたけど、里の中まで追ってきて一晩中ウロウロと俺達を見張ってるようだった。」
「全く寝れなくて、腹も減って何かないかと外に出たら、針持った魔物がぶんぶん飛び回ってるし、1日しか経ってないのに、家に穴が空いて噛むヤツが入ってくるし……」
「魔物に襲われた時に俺が怪我して、走れなくなって……。」
「他の家にも行ってみたけど、どこも壊れかけてたり、荒らされたりしてた。」
「2人が肩を貸してくれて、なんとかここまで逃げてきたけど、あんな事言って出て行ったから、どーしていいか分からなくて、とりあえず寝たかったから、家を借りようとしたんだ。」
なるほどねぇ~。そりゃ恐怖体験だわ。それにしても何も出来ないのに、出て行くなんて……本当にバカだ!
「あの里は、エルフから魔物避けをもらって撒いていたんだ。狩に行く時も、腕や足に魔物避けの薬草を塗りこんで行かないとすぐに刺されたり噛まれたりする。薬草のお礼に、武器を作ってエルフに渡していたんだ。そんな事も知らずに里に帰って生活出来るはずないだろう!」
本当に、その通り!無知なうえに計画性ゼロ、自分の力量も分からないなんて………。
「ごめんなさい。俺達が悪かった。ここにおいてください。」
「本当に、ごめんなさい。俺が人間の奴隷になるから、ここに居ることを許してください!」
「俺達が、馬鹿だった、何でもするから、お願いします……うっ…ぐすっ…。」
また泣き始めてしまった。泣き声と一緒に、お腹もぐーぐーなっている。ほぼ、丸2日食べてないからお腹も空くはずだ。
そこに、ケーキ屋のハミルさんが残ったパンを持ってきてくれた。ファーナさんも、スープを作って鍋ごと持ってきてくれる。
「とりあえず、食べなさい。お腹空いてるんでしょ?」
ぐーーきゅるるるるるーーとお腹の虫が大騒ぎだ。
「ありがとう!」
「……俺達の為に……ありがとう。」
「ごめんなさい!本当にごめんなさい!!」
泣きながら、パンとスープを食べていた。
「明日の朝、皆さんに謝ろう。きっと許してくれるよ。」
私が言うと、ダンドンさんも一緒に謝ってやると言ってくれる。
3人とも親がいないそうだ。
1人は、人間の母とドワーフの父のハーフで、色々と言われる事が多かったらしくグレた。母親は寿命で亡くなり、父親は妻の死が悲しすぎて里を飛び出して行った。名前は、ハイドン。
2人目は、ドワーフの両親から生まれたが、母親が人間の男に恋をしてしまい、怒った父親が人間と母親を里から追い出してしまったそうだ。その後、父親は人間を憎むようになり、息子に散々人間の悪口を言いながら病気で亡くなった。名前は、ハゼドン。
3人目は、他にもドワーフの里があるのか、どこからかフラーっと赤ちゃんを抱いてやって来て、次の日には赤ちゃんだけ残して母親はいなくなった。名前は、ヒナドン。
なんとなく理由は分かったけど、自分が辛いなら相手に何をしてもいい理由にはならない!気の毒だなとは思うけどさ……。
それより、名前を聞いて吹き出しそうになって必死に耐えていた。内容は深刻なのに……名前……。ハゼドンは無いわ~。ヒナドンも。
ドワーフの男の名前は、最後にドンが付くらしい。女性は最後にナンが付く。
あぁ、笑う所じゃないけどハゼドン。また顔がちょっとハゼに似ている……。ごめんなさい。
そっと外に出て、軽トラに乗って窓を閉めて、笑ってしまった。お、お腹痛い~!ひーー、可笑しい!!涙出てくるーー!
久しぶりに大笑いして、スッキリした。ありがとうドワーフ3バカトリオの皆さん。そして名前を笑ってごめんなさい。
「ルイ君!大丈夫??」
声をかけながら近寄ると、昨日出て行った3人組が縄でぐるぐる巻きにされて座っていた。
「こいつらが、隣の空いてる家に入り込もうとしてたんだ。鍵がかかってて入れないから戸を壊そうとしてたから泥棒だと思って……。」
だから、ダンドンさんが呼ばれたんだろう。なんとも言えない顔で3人組をダンドンさんが見ている。
「なんでこんな事したの?」
ぐるぐる巻きでしょんぼりしている3人組に聞くと、
「………ぅわーーーーー!!」
「もぅ嫌だーー!!!」
「ごっごめんなさい!!」
号泣しながら叫んでいる。
ええ?何があったんだろう。泣くほど縄が食い込んでいるのかなぁ?
「お前達、よく分かっただろう。あの里で暮らすのは限界だったんだ。人間達が手伝ってくれていたからなんとかやっていけてたが、お前達だけで生活する事なんて無理だ!」
ダンドンさんに言われ、泣きながら、うんうんと頷いている。
「お、俺、人間を……ば、バカにしてた……けど、俺達だけ…では、むっ無理だった。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい………。」
いったい何があったんだろう。
よく見ると、服がボロボロになっていて怪我もしている。
「もぅ、ここの人達に迷惑かけたりしないな?」
3人ともぶんぶん音が聞こえるほど首を縦に振っている。
よく分からないが、相当反省するような体験をしたんだろう。
「皆さん、縄を解いていいですか?反省してるみたいですし。」
「いいんじゃないか。」
許可がおりたので、縄を解く。逃げようともせず、ただただ泣いていた。
軽トラの荷台に乗せて、助手席にダンドンさんに乗ってもらい、エルフの薬屋さんに連れて行く。
わざわざ店を開けてくれ、手当てもしてもらった。キールさんもハーブティーを淹れて持ってきてくれた。
少し落ち着いたようだ。たったの1日なのに、すごくやつれている。
あらためて何があったか聞くと、
「あの後、すぐに里に帰ったんだ。」
「でも、俺達狩もした事ねぇし、料理もできねぇし、腹減って食いもん探しに行ったら、魔物に襲われた。」
「な、なんとか逃げたけど、里の中まで追ってきて一晩中ウロウロと俺達を見張ってるようだった。」
「全く寝れなくて、腹も減って何かないかと外に出たら、針持った魔物がぶんぶん飛び回ってるし、1日しか経ってないのに、家に穴が空いて噛むヤツが入ってくるし……」
「魔物に襲われた時に俺が怪我して、走れなくなって……。」
「他の家にも行ってみたけど、どこも壊れかけてたり、荒らされたりしてた。」
「2人が肩を貸してくれて、なんとかここまで逃げてきたけど、あんな事言って出て行ったから、どーしていいか分からなくて、とりあえず寝たかったから、家を借りようとしたんだ。」
なるほどねぇ~。そりゃ恐怖体験だわ。それにしても何も出来ないのに、出て行くなんて……本当にバカだ!
「あの里は、エルフから魔物避けをもらって撒いていたんだ。狩に行く時も、腕や足に魔物避けの薬草を塗りこんで行かないとすぐに刺されたり噛まれたりする。薬草のお礼に、武器を作ってエルフに渡していたんだ。そんな事も知らずに里に帰って生活出来るはずないだろう!」
本当に、その通り!無知なうえに計画性ゼロ、自分の力量も分からないなんて………。
「ごめんなさい。俺達が悪かった。ここにおいてください。」
「本当に、ごめんなさい。俺が人間の奴隷になるから、ここに居ることを許してください!」
「俺達が、馬鹿だった、何でもするから、お願いします……うっ…ぐすっ…。」
また泣き始めてしまった。泣き声と一緒に、お腹もぐーぐーなっている。ほぼ、丸2日食べてないからお腹も空くはずだ。
そこに、ケーキ屋のハミルさんが残ったパンを持ってきてくれた。ファーナさんも、スープを作って鍋ごと持ってきてくれる。
「とりあえず、食べなさい。お腹空いてるんでしょ?」
ぐーーきゅるるるるるーーとお腹の虫が大騒ぎだ。
「ありがとう!」
「……俺達の為に……ありがとう。」
「ごめんなさい!本当にごめんなさい!!」
泣きながら、パンとスープを食べていた。
「明日の朝、皆さんに謝ろう。きっと許してくれるよ。」
私が言うと、ダンドンさんも一緒に謝ってやると言ってくれる。
3人とも親がいないそうだ。
1人は、人間の母とドワーフの父のハーフで、色々と言われる事が多かったらしくグレた。母親は寿命で亡くなり、父親は妻の死が悲しすぎて里を飛び出して行った。名前は、ハイドン。
2人目は、ドワーフの両親から生まれたが、母親が人間の男に恋をしてしまい、怒った父親が人間と母親を里から追い出してしまったそうだ。その後、父親は人間を憎むようになり、息子に散々人間の悪口を言いながら病気で亡くなった。名前は、ハゼドン。
3人目は、他にもドワーフの里があるのか、どこからかフラーっと赤ちゃんを抱いてやって来て、次の日には赤ちゃんだけ残して母親はいなくなった。名前は、ヒナドン。
なんとなく理由は分かったけど、自分が辛いなら相手に何をしてもいい理由にはならない!気の毒だなとは思うけどさ……。
それより、名前を聞いて吹き出しそうになって必死に耐えていた。内容は深刻なのに……名前……。ハゼドンは無いわ~。ヒナドンも。
ドワーフの男の名前は、最後にドンが付くらしい。女性は最後にナンが付く。
あぁ、笑う所じゃないけどハゼドン。また顔がちょっとハゼに似ている……。ごめんなさい。
そっと外に出て、軽トラに乗って窓を閉めて、笑ってしまった。お、お腹痛い~!ひーー、可笑しい!!涙出てくるーー!
久しぶりに大笑いして、スッキリした。ありがとうドワーフ3バカトリオの皆さん。そして名前を笑ってごめんなさい。
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