上 下
27 / 185

到着

しおりを挟む
 まずは約束を守ってくれたダンドンさんにお礼を言った。
 ドワーフもエルフも車を見るのが初めてなのと、家や銭湯の大きな建物にビックリしているようだった。
 とりあえず、銭湯でドワーフもエルフも綺麗にしてもらい着替えてもらう事にした。それからバスで公民館へ移動してもらおう。
 ルイ君や、シェアハウスのおじさんに男のドワーフとエルフを銭湯に案内してもらい、体を洗う事を教えてもらう。お互いギクシャクしながらもなんとか動いてくれた。
 女のドワーフはおらず、エルフの女性10人ほどをファーナさんにお願いした。
 人間の人達は、痩せてはいるが動けないような事はないようなので、足を綺麗に洗い、シェアハウスのお風呂や、各家庭のお風呂を使ってもらう事にした。皆んな気にして集まってくれていたので、お風呂の使い方を教えてくれるようお願いした。
 その間に、私は大急ぎで大量の服とタオル、サンダルを出してそれぞれに配ってもらう。公民館には、入りきらない人数になるし、とりあえずここの説明も必要だろう。家は後で考えよう……。沢山人が入れる場所……あっ、体育館だ!

 スーパーの横に巨大な体育館を出した。そこから放送で、全員スーパーの横に大きな建物があるから集まるように言い、綺麗になった人から順に車で送ってもらうように頼む。
 しばらくすると、ルイ君がバスでドワーフやエルフの人達を連れて来てくれた。サーフ君もバスを出してくれているらしい。ルイ君も次の人達を迎えに行ってくれる。
 ドワーフもエルフも、全てにビックリしているようで固まっている。その中で、ダンドンさんが立ち直り話しかけてきた。
「こんな大きな建物見たことないぞ!それに、銭湯というのも凄かった!この服も素晴らしいな!!」
 大興奮なようだ。
「それは、良かった。奴隷の人達は皆んな連れて来てくれたんですか?」
「連れて来たぞ!あの日帰って、朝すぐにエルフの里に行き説明し、その日のうちにドワーフの里まで奴隷を連れて帰ってきた。今日、一緒にここまで送ってきた。魔物がいて危ないからな。」
「ありがとうございます。約束を守ってくれて嬉しいです。」
「……所で、この前の土産にもらった酒はもぅ無いのか?少し飲んだら、美味くて止まらなんだ!もぅ一度飲みたいなぁ~。」
 ダンドンさんの話しを聞いていたドワーフの人達は、夢見るような顔でうっとりしている。味を思い出しているのだろう。

「今夜、泊まって行きますか?お酒を出しますよ。エルフの方々は何が好きですか?」
「……私達は、果物や野菜が好きだ。酒も好きだ。ここに来る途中、ミントやセージが育ててあった、あれは貴様のか?」
「……貴様ではなく、陽菜という名前があります!ハーブは私が育ててますよ。」
「す、すまない。陽菜だな、分かった。後でミントを分けてもらえないだろうか?虫の魔物除けが減ってしまい帰りの分がない。」
「いいですよ。いくらでも!」
 そんな話しをしている間に、皆んな集まってくれたようだ。
 ダンドンさんに聞いたら、奴隷の人達にも昔の事、奴隷ではなくなりここに住める事を説明してくれたようだ。

「皆さん、今から家を案内します。ここでは、仕事をしてもらいます。どの仕事をするかで住む場所も変わるので、まずはこれを見てください。」
 大きなスクリーンを出して、今日見て回った時にビデオカメラで撮影した映像を流す。
 自分が大きなスクリーンに映っているのにビックリしてる。ドワーフとエルフもビックリしすぎて固まっている。

 家も簡単に説明しながら撮影したので、好きな所を選んでほしい。足りない分は、明日にでも出そう。今夜は、空いてる家や、住んでいるけど使ってない部屋などを工夫してもらおう。
「こんな風に生活してます。今夜ゆっくりと、どの仕事がしたいか考えてください。」
 人間の皆さんには、今夜の寝床確保に、向かってもらった。先住民の皆んなに頼んで、家の使い方を教えてもらう事にする。人数が多いので時間がかかる。もし、泊まる所がないようなら家を出すから教えほしいと言ってある。
「さぁ、ドワーフとエルフの皆さん。公民館に案内しますので着いて来てください。」
 公民館は、体育館の前にあるので、歩いて来てもらった。
 しばらく座ってくつろいでもらう事にする。今のうちに、新しい人達のご飯を用意しなきゃ!と、外に出るとファーナさんがちょうど軽トラで着いた所で、新しい人達のご飯の事は任せて任せてほしいと言ってくれた。スーパーから、大量に食材を軽トラに乗せている。

 今夜は、ドワーフとエルフに公民館に泊まってもらい、今から宴会をするから嫌でなければ手伝いに来てほしいと言い、恐ければ無理をする必要はないし、お酒を飲みに来るだけでもいいと伝えておいた。

 ファーナさんによると、なんとか寝る場所の確保はできたようだ。住宅が空いているから、寝るだけならなんとかなると教えてくれる。
 さて、私は宴会の準備だ!


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

おばあちゃん(28)は自由ですヨ

七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。 その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。 どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。 「おまけのババアは引っ込んでろ」 そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。 その途端、響く悲鳴。 突然、年寄りになった王子らしき人。 そして気付く。 あれ、あたし……おばあちゃんになってない!? ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!? 魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。 召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。 普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。 自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く) 元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。 外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。 ※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。 ※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要) ※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。 ※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?

mio
ファンタジー
 特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。  神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。 そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。 日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。    神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?  他サイトでも投稿しております。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...