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不審者?

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 そーーっと、カーテンの隙間から外を見る。暗くてよく見えないけど、月明かりで人影が畑の方で動いているのが分かった。
 しばらくバットを握りしめて様子を見ていると、玄関の方へ歩いてきた。
 ドンドンドンっ!と戸を叩く音が響く。
 めっちゃ怖いよぉ~!どーしよう。
 ドンドンドンっ!
「おい、誰かこの中にいるのか?わしはドワーフのダンドンだ!誰かいるのか?」
 ドワーフ……。奴隷にする為に、人拐いに来たんだろう。
 皆んなを守らなきゃ!そう思い、インターフォンで話しかける事にした。
『これ以上人間を連れて行く事は、許さない!!』
 いきなり建物から声がして、外の電気を点けた事でビックリしたようでその場にひっくり返った。
 インターフォンのカメラで見ると、人とそんなに背の高さも変わらないけど、髭もじゃで腕や太腿の筋肉がすごい!ムッチリしている。服らしい物を着ていて、腰にはナイフのような物がつけられている。靴っぽい物も履いている。人間より強そうだし、武器も持ってるし、生活環境もそれなりに良いんだろう。これがドワーフかぁ~。
「おっ、お前は人間か?」
『私は人間です。奴隷にしようとしても、ここら辺の人達は皆んなしっかりとした家に住んでいるから簡単には連れて行けないですよ!諦めてください!!』
「この硬い建物は、家なのか?」
『そうですよ!他の人もとっても頑丈な家に住んでます。帰ってください!』
「そこにあるのは、畑か?食べ物はあるのか?」
『…?畑ですよ。食べ物は困らないくらいにあります。』
 そんな事なんで聞くんだろう?
「……そうか。じゃあ、もぅ保護する必要は無いんだな。」
 ボソッと言って、帰ろうとする。
あれ?保護って言った??奴隷じゃないの?良いドワーフと悪いドワーフがいるの??
『あのぉー、人間を拐いに来たんじゃないの?』
「しばらく雨が降ってないし、食料が無いかもしれんから、様子を見に来ただけだ。こんな魔物だらけの所に大きな建物があるから見に来たんだ。」
『……私に危害を加える事はないですか?』
「そんな事はしない。奴隷でもない人間を叩いたりする事は絶対にない!約束だからな!」
『じゃあ、少し話しをしたいです。開けますから待っててください。』
 信じるしかない。ちょっと怖いけど戸を開けた。
 中に入ってもらおうと思ったけど、あまり綺麗な格好とは言えない。汚いからお風呂に入ってくれ!なんて言えないし、どーしよう……。玄関で立ち話するような内容じゃないし……。
 悩んでいると、ドワーフさんが私の服や玄関を見てビックリしている。
 よし、外に東屋を出そう。ちょっとオシャレな南国風にしてみよう!畑仕事の休憩にも使えるしちょーど良い。
 急に、建物が出てきて、さらに照明も点けたのでドワーフさんは固まってしまった。
「あの、座ってください。」
「…あ……あぁ。」
「ここは、魔物避けがしてあるから外でも大丈夫ですよ。」
 戸惑いながらも座ってくれ、少し待っててもらう。冷たい麦茶と、冷やしてあった西瓜を切ってテーブルに運ぶ。
「どーぞ。これは麦茶という飲み物です。こっちは西瓜で、種は食べても美味しくないので取って食べてくださいね。」
「ありがとう……。」
 毒見代わりに一口麦茶を飲んで、西瓜を食べる。それを見て、麦茶を一口飲んで、
「……………美味い!こんなに冷えた飲み物は初めてだ!」
 次に西瓜を食べ、
「甘い!!こんなに甘くみずみずしい物も初めて食べる!!」
 しばらく夢中で西瓜を食べていた。喜んでもらえ良かった。
「すまん、あんまり美味しくて夢中で食べてしまった。……わしは、ドワーフのダンドンだ。」
「私は、最近ここに神様に連れて来られた人間で、陽菜と言います。さっき、ダンドンさんは、人間を保護していると言ってましたよね?」
「そうだ。保護している。わしらが長生きだと知っているか?」
「はい、人間よりもかなり長生きだと聞きました。」
「そうだ。わしがまだ若い頃の話しだ。そうだな……、わしと出会った人間の男の、子どもの子どもの子どもの子どもの子どもの子ども……が今ここで生きている人間になる。」
 うーん、要するにすごーく昔だね。400年ほど昔になるのかなぁ??
「ちょっと待っててください。お茶のおかわり持って来ますね。」
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