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15.神様、再び

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 翌朝目覚めて大急ぎで身支度を整えていると、ピンポーンと初めて家の呼び鈴が鳴る。出てみると神様降臨!家に入ってもらいお茶を出す。
「まさか、こんなに早く来る事になるとはのぉー。元気そうじゃな。」
「はい、元気です。」
「早速で悪いが、君の魔力を見せてもらうぞ。」
 神様は私の頭に手をかざして、顔を引きつらせる。
「………これほどとは。時間があまりないから、ここの世界の人の家とやらに案内してくれんか?」
「わかりました。では外に止めてある軽トラに乗ってください。」
「いや、ここから見えるなら、わしが連れて行く。」
 外に出て、住宅を指差すと神様の服を持つよう言われる。次の瞬間住宅の前に居た。……すごい!
「ほほぅー、なかなか立派じゃ。中を見せてくれ。」
 空いてる家を開けて見せると、ビックリしていた。家具に家電全て揃っている。ドヤ顔の私に、また顔を引きつらせながら畑の案内を頼まれる。
 またまた瞬間移動。

「ふむ、このままじゃダメな植物があるな。…ここの環境に合わせて……」
 杖を振ると、野菜が大きくなり収穫出来るような物もある。畑を囲ったフェンスも大きくなり畑も増えている。
「すごい……!」
 今度は神様のドヤ顔…!
「これで、大丈夫じゃ。次はこの植物を見て魔力と交換すると、成長が早くここの環境に合った植物が出てくる。ついでに、ここに無い野菜も植えておいたぞ。」
「ありがとう!あっちに果物の木も植えたんです。」
 神様が杖を振ると、果物の木もググッと大きくなり美味しそうな果物が沢山実っていた。この果物の木もここの環境に合わせてくれ、私の思い付かなかった色々な木や植物を沢山出してくれていた。
 さすが神様だ。色んな事が自由自在。頼りになる~。ちょっとお茶目な所も好きになってきた。
 よし、後から私の家の畑もお願いしてみよう!うちの野菜は種植えもあるから芽も出てないし、苗も小さいままだ。
 その後、住宅の近くに戻り、ファーナさんに出したテントや、ウッドデッキ、シャワールーム、元々のファーナさんの家や竈門などを全部消してもらい、畑の近くに大きな公民館のような建物を作ってもらった。もちろん、お風呂にキッチン、冷暖房完備!これで昼ごはんをここで食べたり、休憩したり、皆んなで話し合いをしたり、赤ちゃんも建物の中で寝かせて畑仕事をしたりと便利になるはず。ベビーベットや細々とした物は後から私が出したらいい。
 住宅の前にあったファーナさんの家が消えた所に、牧場を作ってくれた。かなり広い範囲を柵で囲い、住宅から1番離れてる所に牛舎や豚舎など建ててくれた。
 住宅の50メートル横には、鶏小屋も建てられ小屋の周りも、広くフェンスで囲い、自由に走り回れるようにしてくれた。
 そして、もう一度杖を振ると鶏やヒヨコがウロチョロしている。
 牧場の方も、餌になる草がサワサワと風に揺れている。その中を牛や馬、羊に山羊がのんびりと歩いたり、草を食べたりしている。豚は、遠くて見えないけど、豚舎の方にいるようだ。
「よし、君の家に戻ろうか。」
瞬間移動で、私の家の前。
「神様~、私の畑もここに適応できるようにお願いします!」
「もちろんじゃ!」
杖を振ると大好きな西瓜が食べ頃になっている!やったーー!
「そぅじゃ、説明書を読む時間もないだろうから、伝えておく。この丘は、地球で言う、蚊やアリ、蜂などが沢山おるんじゃ。だから草が生える貴重な土地じゃのに、ここに住む者がおらんのじゃ。丘の下の方にはなぜか魔物が出ないんじゃ。」
「………それは、最初に教えて欲しかったです。」
「いやぁー、あの時は魔物避けの魔力でここら辺一帯を覆っていたから忘れておった。ぶはははははは。」
「いや、笑い事じゃないですよ!もぅ!!」
「すまんすまん。ここのアリに噛まれたり蚊に刺されたりすると毒を持っておるから最悪死んでしまう事もあるんじゃ。」
「めっちゃ危険じゃないですか!!なんで、早く教えてくれなかったんですか!!!」
「いやぁ~……ついウッカリのぉ~。」
「…………」
「そのお詫びも兼ねて、来たんじゃ。」
 まだジトーーと睨んでいる私を見て、また焦りだした。
「…いや……、謝りに来ただけじゃないんじゃ、………あっ………ほれ、この家と畑一帯を魔物避けの魔力で覆っておこうと思ってな…。」
 これ、絶対今、思い付いたに違いない!こんなうっかりで、神様が務まるのか?………地球が心配だ。
「そろそろ帰らねばならん。わしもなかなか忙しいんじゃ。」
「今日は、色々とありがとうございました。また困った事があったら来てもらえますか?」
「いや、今回は特別じゃ。地球の一年に一回1時間来れるかどーかじゃな。あまり地球を離れると色々と不都合がある。しかし今回、せっかく来たのだからこの世界に監視カメラのような物を飛ばしておいた。これで地球から確認出来るぞ。」
「……最初に来た時に、飛ばしておいたらよかったのでは?」
「いやいや、あの時はシステムエラーでそれどころでは無かったじゃもん!」
「可愛く言っても騙されませんよ!ところで、機械は直りそうですか?」
「………じ、実は、あの後、全く動かなくなってしまった。」
「……………。」
「さて、修理もあるし、早く帰らねば…。さらばじゃ~。」
 神様、逃げたな~!
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