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「シオン、シューアは……。」
「…母さんは貧民街で暮らしていたけど、病気で……。ニーン国では子どもの俺1人では食べる事も難しくて俺はアニマ国に逃げて、孤児院に拾ってもらいました。」
「……そうか……、もぅシューアには会えないのだな……。そうか……。」
リーオンさんはしばらく静かに泣いていた。
「だがシオン、君を残してくれた。そして巡り合わせてくれた!私はシオンの父親だ。これからは2人で暮らしていこう。」
「……まだ実感がないな……。俺は王族になる気もないしアニマ国で、この孤児院で生活したい。助けてくれたメイトさん達に恩返しがしたいんです!」
「もちろんだ。私も王族に戻るつもりもニーン国へ帰るつもりもない。それに私はシオンも知ってるだろ?あんな牢の中にいたんだ。そこら辺の土の上でも贅沢だと思ってしまう。私と暮らすのは嫌か?」
「……嫌じゃないです。」
「私を受け入れてもらえるならアニマ国で孤児院の手伝いをしながら暮らしていこう。」
「うん!」
「シオン、私とも血のつながりができたな!」
アニマ国王が嬉しそうに笑ってそう言ってくれた。
「本当だ!」
「これからは遠慮なく私はここに甥っ子とその子であるシオンに会いに来る事ができるな!わははははは!!」
「……国王様、そろそろ城に帰らないと城の者達が困ってますよ。」
「コイン、そう細かい事は言うな!一度は戻る。」
「そうしてください。俺も城の兵士から苦情を言われるのが辛いので……。」
「………はぁ~、わかった。」
「とにかく、リーオン様はしばらく体を慣らしてください。俺はニーン国の人達がどうなったかを確認して来ます。」
「シオン、私の事は父さんと呼んでくれないか?すぐにとは言わないが、とりあえず様付けはやめてくれ。」
「………わかった。…と、父さん行ってくるよ。」
「あぁ、いってらっしゃい!!……ありがとう……。」
「……行ってくる。」
変な感じだな。でも、なんだか俺の父親ってのが、しっくりくる。やっぱり、本当の父さんなんだろう。
先に孤児院に行って、リーオンさん……俺の父さんの事について説明した。
メイトさん達は、家族が居て良かったと喜んでくれ、これからも遠慮なくここで暮らしたら良いと言ってくれた。
ついでに、ジンさんに会いに行くと、少し引きずってはいるけど、自分の足で歩いていた。もう少ししたら、違和感なく足があった時と同じように歩けるだろうとトーマスさんが言っていた。良かった~。
ニーナの様子も見に行くと、お母さんがかなり良くなっていて、孤児院の食事の準備や畑も少しずつ手伝ってくれているようだ。ニーナも嬉しそうに一緒になって手伝っていた。
さっきメイトさんが近くに家を何軒も建てているから、完成したらニーナとお母さんは、そっちに移るらしい。クーンとケーンは孤児院にいるけど、ジンさんもリナと一軒家に移る予定だそうだ。このまま孤児院に居てもらってもいいけど、これから奴隷にされていた人達や、人間達も孤児院が必要になるだろうから、子ども達の為に孤児院の部屋を空けておくそうだ。回復した子から孤児院に来るらしい。
孤児院の周りも何もない広い場所だったけど、今はかなり家が建ってきている。トーマスさん達の家も、もうすぐ完成するそうだ。
それと畑の横には、城から来てくれている兵士の皆んなや、コインさん達が寝泊まりできる寮も建設中だ。寮には、食堂もあってトーマスさんの奥さんや娘さん達が働くようだ。近くに家が沢山建つからそこからも働きたい人達が集まるだろうとメイトさんが言ってた。俺のアニマ国王に任されている畑の手伝いも近所の人達が働きに来てくれるだろう。かなり広大な畑だし、俺が居ない間も少しづつ広げてくれていたから人手はほしいからありがたい!
それに、人数がかなり増えている。その分の食料は、いくらでも必要だ。まだなんとかなっているけど、充分ではない。
アニマ国の人達は皆んなで、できる事を精一杯してくれている。ニーン国の人達もそれが分かっているから、感謝しているし何か自分にもできる事はないかと動ける人達は、頑張ってくれているそうだ。
あとは、あの貴族達だ。少しはマシになったかなぁ?
「…母さんは貧民街で暮らしていたけど、病気で……。ニーン国では子どもの俺1人では食べる事も難しくて俺はアニマ国に逃げて、孤児院に拾ってもらいました。」
「……そうか……、もぅシューアには会えないのだな……。そうか……。」
リーオンさんはしばらく静かに泣いていた。
「だがシオン、君を残してくれた。そして巡り合わせてくれた!私はシオンの父親だ。これからは2人で暮らしていこう。」
「……まだ実感がないな……。俺は王族になる気もないしアニマ国で、この孤児院で生活したい。助けてくれたメイトさん達に恩返しがしたいんです!」
「もちろんだ。私も王族に戻るつもりもニーン国へ帰るつもりもない。それに私はシオンも知ってるだろ?あんな牢の中にいたんだ。そこら辺の土の上でも贅沢だと思ってしまう。私と暮らすのは嫌か?」
「……嫌じゃないです。」
「私を受け入れてもらえるならアニマ国で孤児院の手伝いをしながら暮らしていこう。」
「うん!」
「シオン、私とも血のつながりができたな!」
アニマ国王が嬉しそうに笑ってそう言ってくれた。
「本当だ!」
「これからは遠慮なく私はここに甥っ子とその子であるシオンに会いに来る事ができるな!わははははは!!」
「……国王様、そろそろ城に帰らないと城の者達が困ってますよ。」
「コイン、そう細かい事は言うな!一度は戻る。」
「そうしてください。俺も城の兵士から苦情を言われるのが辛いので……。」
「………はぁ~、わかった。」
「とにかく、リーオン様はしばらく体を慣らしてください。俺はニーン国の人達がどうなったかを確認して来ます。」
「シオン、私の事は父さんと呼んでくれないか?すぐにとは言わないが、とりあえず様付けはやめてくれ。」
「………わかった。…と、父さん行ってくるよ。」
「あぁ、いってらっしゃい!!……ありがとう……。」
「……行ってくる。」
変な感じだな。でも、なんだか俺の父親ってのが、しっくりくる。やっぱり、本当の父さんなんだろう。
先に孤児院に行って、リーオンさん……俺の父さんの事について説明した。
メイトさん達は、家族が居て良かったと喜んでくれ、これからも遠慮なくここで暮らしたら良いと言ってくれた。
ついでに、ジンさんに会いに行くと、少し引きずってはいるけど、自分の足で歩いていた。もう少ししたら、違和感なく足があった時と同じように歩けるだろうとトーマスさんが言っていた。良かった~。
ニーナの様子も見に行くと、お母さんがかなり良くなっていて、孤児院の食事の準備や畑も少しずつ手伝ってくれているようだ。ニーナも嬉しそうに一緒になって手伝っていた。
さっきメイトさんが近くに家を何軒も建てているから、完成したらニーナとお母さんは、そっちに移るらしい。クーンとケーンは孤児院にいるけど、ジンさんもリナと一軒家に移る予定だそうだ。このまま孤児院に居てもらってもいいけど、これから奴隷にされていた人達や、人間達も孤児院が必要になるだろうから、子ども達の為に孤児院の部屋を空けておくそうだ。回復した子から孤児院に来るらしい。
孤児院の周りも何もない広い場所だったけど、今はかなり家が建ってきている。トーマスさん達の家も、もうすぐ完成するそうだ。
それと畑の横には、城から来てくれている兵士の皆んなや、コインさん達が寝泊まりできる寮も建設中だ。寮には、食堂もあってトーマスさんの奥さんや娘さん達が働くようだ。近くに家が沢山建つからそこからも働きたい人達が集まるだろうとメイトさんが言ってた。俺のアニマ国王に任されている畑の手伝いも近所の人達が働きに来てくれるだろう。かなり広大な畑だし、俺が居ない間も少しづつ広げてくれていたから人手はほしいからありがたい!
それに、人数がかなり増えている。その分の食料は、いくらでも必要だ。まだなんとかなっているけど、充分ではない。
アニマ国の人達は皆んなで、できる事を精一杯してくれている。ニーン国の人達もそれが分かっているから、感謝しているし何か自分にもできる事はないかと動ける人達は、頑張ってくれているそうだ。
あとは、あの貴族達だ。少しはマシになったかなぁ?
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