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52 束の間の楽しみ
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3人でしばらく考え込んだけど、良いアイデアが浮かばない。
「とにかく、あちらの出方をみてみますか?」
「うむ、そうだな。だが、作戦だけはしっかりと立てておこう。」
「俺も、対処法は必ず必要になると思う。」
「よし、騎士団長を呼んでくれ。」
しばらくして、とてもがっしりとした虎人族の団長が来てくれ、4人で色々と話し合い、決めた事は他の騎士たちにも伝えてくれる事になった。
多分、あまり時間がない。大急ぎで団長が走って行った。
「私も、シオンと共に行こう。その場で指示が出せるように。」
王様と一緒の馬車に、トーマスさんと緊張しながら乗り込んで、孤児院までもう一度作戦確認しながら進んだ。
孤児院に着いたら、皆んなが大騒ぎになった。
「あああああ、おおおおおお王様………。うう、うちの主人が以前に大変な失礼を………。」
「父が酔っ払ってご迷惑を……。本当にすみません!!」
「いや、楽しい時間であった。また一緒に飲もうメイト!」
「はははははいっ!!次は飲み過ぎないように気をつけます!!」
「王様、俺の家や畑を見に行かないか?」
「是非案内してくれ。」
それから、王様にもらった土地で作った畑や、作ってもらった家を案内して、今晩から俺の家に泊まってもらう事にした。
ご飯は、リーナさん達が作りに来てくれる事になった。トーマスさんの奥さんも手伝ってくれていて、孤児院の食事を作ってからでも十分に余裕があるそうだ。
王様は、いつも俺達が食べているものが食べたいとリーナさんに言っていた。
その夜は、俺の畑で取れた野菜たっぷりのシチュー、サラダ、胡桃入りのパン、デザートに人参ケーキを作ってくれ、王様は凄く喜んで美味しい美味しいと沢山食べてくれた。
それを見てリーナさん達も凄く嬉しそうだ。メイトさんが安物ですが…と、ワインとつまみを持ってやって来て、トーマスさん、さらにポンタさんやコインさん、城からの兵士のホクスさん達も加わって、少しだけと言いながら宴会が始まった。
王様も、嬉しそうに一杯だけと大きなグラスにワインを注いでもらい、乾杯していた。
「もぅ……仕方ないわね。」
と、文句を言いながらもリーナさん達がパパッとおつまみをさらに作ってくれ、クーン達までおつまみに釣られて乱入し、2時間ほど楽しい時間を過ごした。
何が起こるかわからないから、早めに切り上げて、寝る事になった。
次の日も特に何も起こらず、なんと王様が畑仕事がしてみたいと言い出して、一緒に汗を流した。
「やはり体を動かして働くと言う事は気持ちの良いものだな。」
「王様、こんな事していいのか?」
「はははは、悪い事ではないのだからいいじゃないか。それにどんな経験も決して無駄にはなるまい。」
「そうか。今日のご飯はめちゃくちゃ美味しいと思うよ。」
「そうだな。確かに腹が鳴るなんて経験は初めてだ。わははははははっ!!」
家に戻って風呂に入っている間にリーナさん達が特に気合いを入れて食事を作ってくれた。
今夜は炊き込みご飯、味噌汁、焼き魚などの和風メニューだ。
昨日で慣れたのか、メイトさんや兵士の皆んなも一緒に食べたいと酒瓶を持ってやって来た。
皆んなでワイワイとした食事に王様は、大喜びで炊き込みご飯を三杯もおかわりして食べていた。
こんなに楽しい日が続けば良いなと思っていたけど、ニーン国の貴族達がアニマ国に来ているとの報告が次の日の朝早くに兵士から伝えられた。
王様は、かなり離れた場所で馬車の中から映像を見てもらう事になった。
『おい!!早く門を開けろ!!』
『そうだ!早くしろ!!私を誰だと思っている!!』
『獣の国に入ってやろうと言っているんだ、さっさと入れろ!!』
『食べ物をよこせ。』
『何をグズグスしている!!俺様は上流貴族だぞ!』
「とにかく、あちらの出方をみてみますか?」
「うむ、そうだな。だが、作戦だけはしっかりと立てておこう。」
「俺も、対処法は必ず必要になると思う。」
「よし、騎士団長を呼んでくれ。」
しばらくして、とてもがっしりとした虎人族の団長が来てくれ、4人で色々と話し合い、決めた事は他の騎士たちにも伝えてくれる事になった。
多分、あまり時間がない。大急ぎで団長が走って行った。
「私も、シオンと共に行こう。その場で指示が出せるように。」
王様と一緒の馬車に、トーマスさんと緊張しながら乗り込んで、孤児院までもう一度作戦確認しながら進んだ。
孤児院に着いたら、皆んなが大騒ぎになった。
「あああああ、おおおおおお王様………。うう、うちの主人が以前に大変な失礼を………。」
「父が酔っ払ってご迷惑を……。本当にすみません!!」
「いや、楽しい時間であった。また一緒に飲もうメイト!」
「はははははいっ!!次は飲み過ぎないように気をつけます!!」
「王様、俺の家や畑を見に行かないか?」
「是非案内してくれ。」
それから、王様にもらった土地で作った畑や、作ってもらった家を案内して、今晩から俺の家に泊まってもらう事にした。
ご飯は、リーナさん達が作りに来てくれる事になった。トーマスさんの奥さんも手伝ってくれていて、孤児院の食事を作ってからでも十分に余裕があるそうだ。
王様は、いつも俺達が食べているものが食べたいとリーナさんに言っていた。
その夜は、俺の畑で取れた野菜たっぷりのシチュー、サラダ、胡桃入りのパン、デザートに人参ケーキを作ってくれ、王様は凄く喜んで美味しい美味しいと沢山食べてくれた。
それを見てリーナさん達も凄く嬉しそうだ。メイトさんが安物ですが…と、ワインとつまみを持ってやって来て、トーマスさん、さらにポンタさんやコインさん、城からの兵士のホクスさん達も加わって、少しだけと言いながら宴会が始まった。
王様も、嬉しそうに一杯だけと大きなグラスにワインを注いでもらい、乾杯していた。
「もぅ……仕方ないわね。」
と、文句を言いながらもリーナさん達がパパッとおつまみをさらに作ってくれ、クーン達までおつまみに釣られて乱入し、2時間ほど楽しい時間を過ごした。
何が起こるかわからないから、早めに切り上げて、寝る事になった。
次の日も特に何も起こらず、なんと王様が畑仕事がしてみたいと言い出して、一緒に汗を流した。
「やはり体を動かして働くと言う事は気持ちの良いものだな。」
「王様、こんな事していいのか?」
「はははは、悪い事ではないのだからいいじゃないか。それにどんな経験も決して無駄にはなるまい。」
「そうか。今日のご飯はめちゃくちゃ美味しいと思うよ。」
「そうだな。確かに腹が鳴るなんて経験は初めてだ。わははははははっ!!」
家に戻って風呂に入っている間にリーナさん達が特に気合いを入れて食事を作ってくれた。
今夜は炊き込みご飯、味噌汁、焼き魚などの和風メニューだ。
昨日で慣れたのか、メイトさんや兵士の皆んなも一緒に食べたいと酒瓶を持ってやって来た。
皆んなでワイワイとした食事に王様は、大喜びで炊き込みご飯を三杯もおかわりして食べていた。
こんなに楽しい日が続けば良いなと思っていたけど、ニーン国の貴族達がアニマ国に来ているとの報告が次の日の朝早くに兵士から伝えられた。
王様は、かなり離れた場所で馬車の中から映像を見てもらう事になった。
『おい!!早く門を開けろ!!』
『そうだ!早くしろ!!私を誰だと思っている!!』
『獣の国に入ってやろうと言っているんだ、さっさと入れろ!!』
『食べ物をよこせ。』
『何をグズグスしている!!俺様は上流貴族だぞ!』
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