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86 あやしい男
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あれから御礼の意味も込めて、何度か写真館で写真を撮り、山田さんから新しい服ができたと聞いたら子ども達もモデルになった。
そんな事が続いて数年経った頃、1人の男が山の中に入ってきた。村には神力で結界が張ってあり入る事はできなかったが、村の近くでしばらく様子を見る為か寝泊まりしようとしている。
クロモは蜘蛛に、その男の様子が見られるように頼んだ。
「くそー!!ここら辺だと思うんだが見つからない!こんな山奥で張り込みなんて最悪だ。」
クロモが蜘蛛を通して様子を見ると、1人でぶつぶつ言っている。やはり村を探しているようだ。
「あいつらの住んでいるところを探して、取材したら最高の記事になるぞ!俺をバカにした奴らを見返してやる!大儲けのチャンスだ。俺にもやっと運が回ってきたな。あの写真の女と男は、あの時の化け物と、逃げられた女だ。」
それを聞いてクロモは思い出した。桃が襲われそうになった時の男の1人だ。あの時は若かったが今では中年のオヤジだ。なんとなく面影がある。
「まだ懲りてないのか。もう一度痛い目に合わせてやる!」
クロモは、蜘蛛の姿になり男の前に飛び出した。
「おい!ここから去れ!!今すぐに去れば、命は助けよう。」
「うわーー!!!ば、化け物!!出たな!!!」
男は去るどころか、ナイフを取り出してクロモに投げつける。
クロモは、サッと避けた。
「このー!!これでどうだ!!」
次にオモチャの鉄砲を出して撃ってくる。
人に当たれば、オモチャと言えど痛いだろうが、当たる前に蜘蛛の糸をサッと出して弾を絡め取る。
「くっそー!!この化け物め!!」
ナイフや石など手当たり次第に投げてくる。
「そんな物は当たらない。ここから去れ!」
「うるさい!」
さらに暴れようとする男を糸でぐるぐる巻きにして、町の近くに放り投げた。
家に帰ったクロモは、桃にその事を話して注意するように言った。
「わかった。気をつけるね。村の人達にも、村の外には絶対出ないように言っておかなきゃ!」
「そうだな。多分、結界が破られるような事はないと思うが……。用心しておく方がいいだろう。」
「うん。クロちゃん達にも気を付けてもらおう。」
「そうだな。……もしかしたら、この先も、こんな事が起こるかもしれない。もう町には行かない方がいいな。」
「そうだね。その方がいいね。」
「あぁ。山田さん達に電話しておく。」
「うん。寂しいけど、皆んなの安全の方が大事だもん。」
「そうだな。あいつも諦めてくれたらいいが……。」
そこからクロモは、山田さんや写真館などに連絡入れた。
どちらも、すごく残念そうだったが、快く了解してくれ、何年経っても待っているから来る事があれば必ず寄ってほしいと言ってくれた。
山田さんには、桃が織った布を今あるだけ全部持って行き、宝石をかなり沢山売りお金を作り、本などを買い占めた。
他の山神達にも鳩を使って連絡をして、それぞれ注意してもらう事にした。
それから数日経った頃、また男がウロウロしていると蜘蛛から連絡があった。
クロモが様子を見ると今回は、5人で来ている。
それぞれがバラバラに動き回っている。
1人が結界に入った。本人は山の中を歩いているつもりだが、側から見たら同じ所で足踏みしているだけだ。
これが結界の力。だが、今回は5人もいる。他の誰かが結界に入ったのを見ていたら全く進んで無いのがバレてしまう。
俺が行って追い払ってもいいが、また必ず戻ってくるだろうし、この前は命は無いとか言ったけど、一応俺も山神だからな…さすがに命を取る事はできない。やっぱり、あの時に、切り取ってやればよかった!!
クロモは、村まで行って怪しい奴がうろついているから外に出ないように言い、もう一度あの男達を追い払いに行った。
1人1人をぐるぐる巻きにして、町の木に蓑虫のようにぶら下げておいた。
そんな事が続いて数年経った頃、1人の男が山の中に入ってきた。村には神力で結界が張ってあり入る事はできなかったが、村の近くでしばらく様子を見る為か寝泊まりしようとしている。
クロモは蜘蛛に、その男の様子が見られるように頼んだ。
「くそー!!ここら辺だと思うんだが見つからない!こんな山奥で張り込みなんて最悪だ。」
クロモが蜘蛛を通して様子を見ると、1人でぶつぶつ言っている。やはり村を探しているようだ。
「あいつらの住んでいるところを探して、取材したら最高の記事になるぞ!俺をバカにした奴らを見返してやる!大儲けのチャンスだ。俺にもやっと運が回ってきたな。あの写真の女と男は、あの時の化け物と、逃げられた女だ。」
それを聞いてクロモは思い出した。桃が襲われそうになった時の男の1人だ。あの時は若かったが今では中年のオヤジだ。なんとなく面影がある。
「まだ懲りてないのか。もう一度痛い目に合わせてやる!」
クロモは、蜘蛛の姿になり男の前に飛び出した。
「おい!ここから去れ!!今すぐに去れば、命は助けよう。」
「うわーー!!!ば、化け物!!出たな!!!」
男は去るどころか、ナイフを取り出してクロモに投げつける。
クロモは、サッと避けた。
「このー!!これでどうだ!!」
次にオモチャの鉄砲を出して撃ってくる。
人に当たれば、オモチャと言えど痛いだろうが、当たる前に蜘蛛の糸をサッと出して弾を絡め取る。
「くっそー!!この化け物め!!」
ナイフや石など手当たり次第に投げてくる。
「そんな物は当たらない。ここから去れ!」
「うるさい!」
さらに暴れようとする男を糸でぐるぐる巻きにして、町の近くに放り投げた。
家に帰ったクロモは、桃にその事を話して注意するように言った。
「わかった。気をつけるね。村の人達にも、村の外には絶対出ないように言っておかなきゃ!」
「そうだな。多分、結界が破られるような事はないと思うが……。用心しておく方がいいだろう。」
「うん。クロちゃん達にも気を付けてもらおう。」
「そうだな。……もしかしたら、この先も、こんな事が起こるかもしれない。もう町には行かない方がいいな。」
「そうだね。その方がいいね。」
「あぁ。山田さん達に電話しておく。」
「うん。寂しいけど、皆んなの安全の方が大事だもん。」
「そうだな。あいつも諦めてくれたらいいが……。」
そこからクロモは、山田さんや写真館などに連絡入れた。
どちらも、すごく残念そうだったが、快く了解してくれ、何年経っても待っているから来る事があれば必ず寄ってほしいと言ってくれた。
山田さんには、桃が織った布を今あるだけ全部持って行き、宝石をかなり沢山売りお金を作り、本などを買い占めた。
他の山神達にも鳩を使って連絡をして、それぞれ注意してもらう事にした。
それから数日経った頃、また男がウロウロしていると蜘蛛から連絡があった。
クロモが様子を見ると今回は、5人で来ている。
それぞれがバラバラに動き回っている。
1人が結界に入った。本人は山の中を歩いているつもりだが、側から見たら同じ所で足踏みしているだけだ。
これが結界の力。だが、今回は5人もいる。他の誰かが結界に入ったのを見ていたら全く進んで無いのがバレてしまう。
俺が行って追い払ってもいいが、また必ず戻ってくるだろうし、この前は命は無いとか言ったけど、一応俺も山神だからな…さすがに命を取る事はできない。やっぱり、あの時に、切り取ってやればよかった!!
クロモは、村まで行って怪しい奴がうろついているから外に出ないように言い、もう一度あの男達を追い払いに行った。
1人1人をぐるぐる巻きにして、町の木に蓑虫のようにぶら下げておいた。
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