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83 結婚指輪
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色々と精神的に疲れ果ててクロモは家に帰った。
「ただいま。」
「あっ、お帰り~!クロモ様。町はどうだった?」
「疲れた。」
クロモは桃に町での事を話した。桃は苦笑いしながら、山神はカッコイイからなぁ、今度は私が着いていく!とぶつぶつ言っていた。
数日後に、指輪が出来上がったと連絡が来たので、クロモ1人で受け取りに行く事になった。
「クロウ様!ようこそいらっしゃいました。素晴らしい指輪が出来上がっております。」
「ありがとう。」
「こちらになります。いかがですか?」
「桃が喜びそうだ。」
桃の笑顔を想像してにこっと笑ったら、女性店員数名が倒れた。
「えっ?大丈夫ですか?」
「あぁ……だ、大丈夫ですよ。しっかりしなさい!」
「す、すみません……。鼻血が……。失礼します!!」
「わ、私も……失礼します!」
倒れた店員の半分が鼻を押さえて奥に引っ込んでしまった。
指輪を他の山神達の分も受け取って、山田さんと待ち合わせた写真屋に行くと、満面の笑みの山田さんが待っていてくれた。
「こんにちは。わざわざすみません。先日のお写真が出来上がったのでクロウ様の分をお渡ししたくて。」
「そうですか。」
「他の皆様のお写真も、お渡ししてもいいでしょうか?」
「もちろんです。俺から渡しておきます。」
写真屋に入ると、カメラマンのおじさんがクネクネしながら駆け寄ってきた。
「いやぁーん、クロウちゃん!また会えて嬉しいわ~。」
「は、はぁ……。」
「これ、すごく素敵に撮れてるわよ~ん。」
かなり大きな写真にしてくれていて、かなりの枚数があった。
そのまま山田さんの店に行くと、壁一面に山神達の写真がデカデカと飾ってあった。
入ると同時に黄色い声が店中に響き渡り、買い物に来ていた人達もキャーキャー騒ぎだした。
「やだぁー、めっちゃラッキー!」
「今日来て良かった。」
「私、友達に自慢しよう~。」
「写真でしか見てなかったけど、本物の方が素敵ー!!」
「あ、あの、握手してください。」
「私も!!」
「実際に存在するなんて!!尊い!!」
「すみませんお客様。こちらの方は私どもの店の取引相手なので握手などはお断りさせていただきます。」
「「「「えぇー!!!」」」」
「申し訳ございません。さっ、クロウ様、奥にどうぞ。」
「あ、あぁ。」
桃の織った布を渡して、その場で指輪の箱を開けて左手の薬指にはめた。
山田さんが送ってくれるというので、外に出ると目ざとく指輪を見つけたお客達が大騒ぎしはじめた。
「えっ、結婚してるの?」
「うそ!!信じられない!!」
「あ、あの!もしかして他の写真の方もご結婚されてますか?」
「あぁ、皆結婚している。俺には子どももいるしな!」
「「「「ぎゃーーーー!」」」」
今度は絶望的な悲鳴が店に響き渡った。
「さっ、クロウ様こちらへ!」
山田さんに町のはずれまで車で送ってもらい、桃の所に急いで帰った。
桃は結婚指輪をすごく喜んでくれ、嬉しそうに何度もサクラに見せていた。可愛い!
桃の里に集合してもらい、指輪や写真を渡した。
「クロモ様!ここに飾ろうよ!」
「わかった。この高さでいいか?」
「うん。やっぱりいいね!なんだかずっとクロモ様に見られてるみたいでドキドキする!」
「なぁ、桃。今度一緒に行って2人で写真を撮ってもらおう。写真館に結婚写真というのが飾ってあった。結婚式の格好をして写真を撮るんだそうだ。」
「へぇー、そうなの?」
「もっと大きな写真にする事もできるそうだ。色々と撮ってもらおう。貸し衣装があって、色んな服を来たり髪型を変えたりして何枚も撮ってくれるそうだ。」
「えぇー!すごい!!やる!!」
「よし、明日の予約が取れるか聞いてみる。やはり、携帯電話は便利だな。」
写真館の予約も取れ、山田さんにも連絡した。山田さんは桃の織った布で作ったドレスを写真館に持って来てくれるそうだ。
さらに、2人の結婚写真を店に飾りたいと言っていた。
「ただいま。」
「あっ、お帰り~!クロモ様。町はどうだった?」
「疲れた。」
クロモは桃に町での事を話した。桃は苦笑いしながら、山神はカッコイイからなぁ、今度は私が着いていく!とぶつぶつ言っていた。
数日後に、指輪が出来上がったと連絡が来たので、クロモ1人で受け取りに行く事になった。
「クロウ様!ようこそいらっしゃいました。素晴らしい指輪が出来上がっております。」
「ありがとう。」
「こちらになります。いかがですか?」
「桃が喜びそうだ。」
桃の笑顔を想像してにこっと笑ったら、女性店員数名が倒れた。
「えっ?大丈夫ですか?」
「あぁ……だ、大丈夫ですよ。しっかりしなさい!」
「す、すみません……。鼻血が……。失礼します!!」
「わ、私も……失礼します!」
倒れた店員の半分が鼻を押さえて奥に引っ込んでしまった。
指輪を他の山神達の分も受け取って、山田さんと待ち合わせた写真屋に行くと、満面の笑みの山田さんが待っていてくれた。
「こんにちは。わざわざすみません。先日のお写真が出来上がったのでクロウ様の分をお渡ししたくて。」
「そうですか。」
「他の皆様のお写真も、お渡ししてもいいでしょうか?」
「もちろんです。俺から渡しておきます。」
写真屋に入ると、カメラマンのおじさんがクネクネしながら駆け寄ってきた。
「いやぁーん、クロウちゃん!また会えて嬉しいわ~。」
「は、はぁ……。」
「これ、すごく素敵に撮れてるわよ~ん。」
かなり大きな写真にしてくれていて、かなりの枚数があった。
そのまま山田さんの店に行くと、壁一面に山神達の写真がデカデカと飾ってあった。
入ると同時に黄色い声が店中に響き渡り、買い物に来ていた人達もキャーキャー騒ぎだした。
「やだぁー、めっちゃラッキー!」
「今日来て良かった。」
「私、友達に自慢しよう~。」
「写真でしか見てなかったけど、本物の方が素敵ー!!」
「あ、あの、握手してください。」
「私も!!」
「実際に存在するなんて!!尊い!!」
「すみませんお客様。こちらの方は私どもの店の取引相手なので握手などはお断りさせていただきます。」
「「「「えぇー!!!」」」」
「申し訳ございません。さっ、クロウ様、奥にどうぞ。」
「あ、あぁ。」
桃の織った布を渡して、その場で指輪の箱を開けて左手の薬指にはめた。
山田さんが送ってくれるというので、外に出ると目ざとく指輪を見つけたお客達が大騒ぎしはじめた。
「えっ、結婚してるの?」
「うそ!!信じられない!!」
「あ、あの!もしかして他の写真の方もご結婚されてますか?」
「あぁ、皆結婚している。俺には子どももいるしな!」
「「「「ぎゃーーーー!」」」」
今度は絶望的な悲鳴が店に響き渡った。
「さっ、クロウ様こちらへ!」
山田さんに町のはずれまで車で送ってもらい、桃の所に急いで帰った。
桃は結婚指輪をすごく喜んでくれ、嬉しそうに何度もサクラに見せていた。可愛い!
桃の里に集合してもらい、指輪や写真を渡した。
「クロモ様!ここに飾ろうよ!」
「わかった。この高さでいいか?」
「うん。やっぱりいいね!なんだかずっとクロモ様に見られてるみたいでドキドキする!」
「なぁ、桃。今度一緒に行って2人で写真を撮ってもらおう。写真館に結婚写真というのが飾ってあった。結婚式の格好をして写真を撮るんだそうだ。」
「へぇー、そうなの?」
「もっと大きな写真にする事もできるそうだ。色々と撮ってもらおう。貸し衣装があって、色んな服を来たり髪型を変えたりして何枚も撮ってくれるそうだ。」
「えぇー!すごい!!やる!!」
「よし、明日の予約が取れるか聞いてみる。やはり、携帯電話は便利だな。」
写真館の予約も取れ、山田さんにも連絡した。山田さんは桃の織った布で作ったドレスを写真館に持って来てくれるそうだ。
さらに、2人の結婚写真を店に飾りたいと言っていた。
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