山神様への嫁入り

みーか

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「な、なんでこんなに人が集まっているんですか?」
「あぁ、多分目立ってしまったのだろうな。」
「何かしましたか?」
「………まぁ、騒ぎすぎだろうな。」

「あ、あの!アイドルの方ですか?」
「すごくカッコイイですね!」
「よければ案内しましょうか?」
「わっ、私が案内しますよ!!」
「ずるい!私が!!」
「ちょっとー!私が先に声かけたのよ!」
「そんなの関係ないわ!」
「ちょっと邪魔よ!どいて!!」
「イタッ!何するの!!」

 どんどん女性が増えてきて、あちこちで怒鳴り合いや、喧嘩が始まった。

「こっちです!さっ、早く!!」


「山田さん、助かった。ありがとう。」
「いえ、クロウ様が今日来られると連絡をいただきましたので、案内をさせていただこうかと、様子を見に来て良かったです。」
「本当に助かった。」
「皆様、目立ちますからね。他の女性の気持ちもわかります。……それで、こちらの方々がクロウ様のお友達の方々ですね?」
「は、はい。私は銀野と申します。」
「僕は白田です。」
「僕は大木です。よ、よろしくお願いします。」
「こちらこそ。私は山田香織です。クロウ様には大変お世話になっております。」

「さぁ、こちらです。」

 山田さんが車を用意して待っていてくれた。

「ぅうわーー!!初めて車に乗ります!!」
「私もです!早いですね!」
「こんなにフカフカの椅子があるなんて!!」
「ふふふふっ、車でそこまで喜んでいただけて嬉しいです。さぁ、もうすぐ到着しますよ。」

 携帯会社に着き、ささっと契約を済ませる。クロモは、大熊の分と桃の分も契約した。
 鳩達が仕事を奪われると震えていたので、町への連絡くらいにしか使わないと宥めるのに苦労した。

 その後、買い物に連れて行ってもらうと、あちこちにキャーキャー騒がれた。
 スカウトとかいう人からも声をかけられる事が多くあり、困った。
 女性からあまりに騒がれるので困っていると山田さんが結婚指輪と言うものがあると教えてくれた。全員結婚していると聞いて、教えてくれたのだ。左手の薬指に夫婦でペアの指輪をつけるのだそうだ。それが結婚しているという証拠になるという。

「宝石店に寄りましょうか?」
「ありがたい。お願いできますか?」
「はい。今日は1日空けてますので時間はあります。……そ、それでですね、最後に皆様と写真を撮っていただいてもよろしいですか?」
「写真ですか?」
「は、はい。あの、できれば写真館で撮影して、それをお店に飾りたいのですが……。だ、駄目でしょうか?」
「写真とは、なんですか?」
「あぁ、ほらお店に凄く本物そっくりな絵があると言っていただろう?あれの事だ。」
「あれは絵ではないのですよね?」
「そうだ。あれが写真だ。そのままの姿がソックリに絵のようになるんだ。」
「へぇー!すごい!!僕もその写真をしてみたいです!」
「山田さん、写真を撮るのはいいですが、それを店に飾っても仕方ないと思うのですが?」
「クロウ様!そんな事はございません!目の保養です!!店のほとんどのお客様は女性です。皆様の写真がドドーンと飾ってあれば最高の集客効果が得られます!!必ずです!!!」
「そっ、そうですか。今日は、色々とお世話になりましたし、そのくらいで良ければ良いですよ。皆んなもいいか?」
「「「はいっ!!」」」

 結婚指輪をそれぞれ選び、大熊の分のパンフレットも貰って、出来上がったら連絡をくれる事になった。

 その後、写真館に行きスタッフの女性達が寄ってたかって服を着せ替え、髪の毛をセットされ、1人づつの写真や全員での写真、さらには山田さんも個人的にと言って一緒に写真を撮った。

「はぁーーい、こっち見て~キャーキャー!!素敵よ~!そう、もっと睨みつけて~!!」
 
 野太い声のオッサンが頬を赤く染めて鼻息荒く、色んなポーズを要求しながらかなりの枚数撮影してくれた。

「はぁ~、いいわぁ。素敵!一枚脱いでみる?……あっ、もう少しシャツをずらして………いやーーん、セクシー!!」

 最後は服を脱がせようとしだして、鼻血を噴いて倒れたので終了になった。
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