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68 クロモ商店街
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次の日、早速出来上がった店で春太が村人から野菜などを買い取った。
お裁縫が得意な人は服を作ったり、綺麗なレースを編んだりと色々な物を買い取った。
クロモは、それらを町に持って行き、売る。
村の野菜はとても評判が良く、飛ぶように売れた。小物や服も可愛いと人気で、すぐに売り切れ、次はいつ手に入るか?と店の人に聞かれる人気ぶりだ。
村も急に人が増えたから、野菜などが余るほどあるわけではないが、買い取ってもらいお金をもらえる事が嬉しいらしく、皆んなそれぞれ、自分の得意な事を仕事にして頑張ろうとしてくれているようだ。
クロモの家で採れた沢山の野菜や果物は、村のスーパーで売る事になった。もちろん、村の野菜より味が良いし、季節関係なく色々な野菜や果物が手に入る。それを使ったお菓子をサクラが作り売る予定だ。
料理上手な村のおばちゃん達が食堂も開いてくれる事になり、お店で働く人も、買い物に来た人達もとても楽しみにしている。
もちろん、給料を払いそのお金で買い物をする。
とりあえず村で1ヶ月、試してみる事になった。
ついに、クロモ商店街オープンの日になった。
もちろん命名は桃だ。
朝早くから、スーパーには沢山のお客さんが押しかけていて、初めての買い物を楽しんでいた。
スーパーの横には、サクラのケーキ屋さんがあり、3つ子が働く事になった。
食堂も大人気だ。
1日が終わり、村人達に公民館に集まってもらい、要望や反省点を聞いた。
「今まで自分で選べなかったり、欲しくても余らなくて手に入らなかった物が買えて嬉しかった。」
「山神様、服を選べるようになると嬉しいです。今までは、サイズの合った物を着ていましたから、好きな色の服が着てみたい。」
「お金が足りなくなりそうです。欲しい物は沢山あるけど、急に沢山の野菜が収穫出来るわけではないですし。」
「そうだな。春太、何か気付いた事はあるか?」
「父様、村の人達も簡単な計算もできるようになってるから交代でスーパーで働いてくれると僕も助かる。」
「私達もずっとケーキ屋さんで働けるか分からないから、村の人達にも仕事を覚えてほしい。」
「食堂でも洗い物なら男の人でも出来るんじゃない?そしたら、お給料ももらえるし、欲しい物が買いやすくなると思うよ。」
「なるほど。では今から働きたい人は、働きたい場所の担当者と面接をしてもらおう。」
急遽、公民館が面接会場になった。源は、ゆきに顎で指示され食堂の列に並んでいた。
家に帰りサクラの美味しい晩御飯を食べて、桃に源の事を話した。
「んー、まぁ源にはゆきくらいのハッキリした子の方が合ってると思うし、そんなに心配しなくてもいいんじゃない?」
「そうか?ちょっと可哀想になってきてな。ほら、俺を切り付けてゆきに頭が上がらなかったから、まだ引きずってるのかもと思ってな。」
「んー、クロモ様が心配なら一緒に様子見てみる?」
「あぁ、頼む。」
源の家の蜘蛛を通じて様子を見てみる。
「なぁ、ゆき。なんで俺は食堂なんだ?」
「何?不満なの?」
「いや、不満じゃないけど……何でかな?と思って。」
「源は、計算苦手だし、食堂の洗い場なら時間が限られてるでしょ?その分、畑仕事や鶏の世話ができるじゃない。うちは子ども達がまだ小さいし、私も働きに行けないから、私達が食べる分はちゃんと頑張って確保してもらわなきゃ。」
「なるほど。確かに、そうだな。やっぱりゆきは凄いな!!」
「それに、私も家に沢山居てくれる方が嬉しいから。」
「………ゆき……。やっぱり、俺にはゆきはもったいないくらい素敵なお嫁様だ!!」
「ふふふ、そうでしょ?」
「うん!!」
「時々、食堂のレシピも覚えて来てね。」
「任せろ!!俺、頑張るよ!!」
「頼りになる旦那様で嬉しいわ。」
あぁ、完全に尻に敷かれてるな。本人気付いてないし、幸せそうだから、まぁいいか。
俺の娘、最強だったわ。
お裁縫が得意な人は服を作ったり、綺麗なレースを編んだりと色々な物を買い取った。
クロモは、それらを町に持って行き、売る。
村の野菜はとても評判が良く、飛ぶように売れた。小物や服も可愛いと人気で、すぐに売り切れ、次はいつ手に入るか?と店の人に聞かれる人気ぶりだ。
村も急に人が増えたから、野菜などが余るほどあるわけではないが、買い取ってもらいお金をもらえる事が嬉しいらしく、皆んなそれぞれ、自分の得意な事を仕事にして頑張ろうとしてくれているようだ。
クロモの家で採れた沢山の野菜や果物は、村のスーパーで売る事になった。もちろん、村の野菜より味が良いし、季節関係なく色々な野菜や果物が手に入る。それを使ったお菓子をサクラが作り売る予定だ。
料理上手な村のおばちゃん達が食堂も開いてくれる事になり、お店で働く人も、買い物に来た人達もとても楽しみにしている。
もちろん、給料を払いそのお金で買い物をする。
とりあえず村で1ヶ月、試してみる事になった。
ついに、クロモ商店街オープンの日になった。
もちろん命名は桃だ。
朝早くから、スーパーには沢山のお客さんが押しかけていて、初めての買い物を楽しんでいた。
スーパーの横には、サクラのケーキ屋さんがあり、3つ子が働く事になった。
食堂も大人気だ。
1日が終わり、村人達に公民館に集まってもらい、要望や反省点を聞いた。
「今まで自分で選べなかったり、欲しくても余らなくて手に入らなかった物が買えて嬉しかった。」
「山神様、服を選べるようになると嬉しいです。今までは、サイズの合った物を着ていましたから、好きな色の服が着てみたい。」
「お金が足りなくなりそうです。欲しい物は沢山あるけど、急に沢山の野菜が収穫出来るわけではないですし。」
「そうだな。春太、何か気付いた事はあるか?」
「父様、村の人達も簡単な計算もできるようになってるから交代でスーパーで働いてくれると僕も助かる。」
「私達もずっとケーキ屋さんで働けるか分からないから、村の人達にも仕事を覚えてほしい。」
「食堂でも洗い物なら男の人でも出来るんじゃない?そしたら、お給料ももらえるし、欲しい物が買いやすくなると思うよ。」
「なるほど。では今から働きたい人は、働きたい場所の担当者と面接をしてもらおう。」
急遽、公民館が面接会場になった。源は、ゆきに顎で指示され食堂の列に並んでいた。
家に帰りサクラの美味しい晩御飯を食べて、桃に源の事を話した。
「んー、まぁ源にはゆきくらいのハッキリした子の方が合ってると思うし、そんなに心配しなくてもいいんじゃない?」
「そうか?ちょっと可哀想になってきてな。ほら、俺を切り付けてゆきに頭が上がらなかったから、まだ引きずってるのかもと思ってな。」
「んー、クロモ様が心配なら一緒に様子見てみる?」
「あぁ、頼む。」
源の家の蜘蛛を通じて様子を見てみる。
「なぁ、ゆき。なんで俺は食堂なんだ?」
「何?不満なの?」
「いや、不満じゃないけど……何でかな?と思って。」
「源は、計算苦手だし、食堂の洗い場なら時間が限られてるでしょ?その分、畑仕事や鶏の世話ができるじゃない。うちは子ども達がまだ小さいし、私も働きに行けないから、私達が食べる分はちゃんと頑張って確保してもらわなきゃ。」
「なるほど。確かに、そうだな。やっぱりゆきは凄いな!!」
「それに、私も家に沢山居てくれる方が嬉しいから。」
「………ゆき……。やっぱり、俺にはゆきはもったいないくらい素敵なお嫁様だ!!」
「ふふふ、そうでしょ?」
「うん!!」
「時々、食堂のレシピも覚えて来てね。」
「任せろ!!俺、頑張るよ!!」
「頼りになる旦那様で嬉しいわ。」
あぁ、完全に尻に敷かれてるな。本人気付いてないし、幸せそうだから、まぁいいか。
俺の娘、最強だったわ。
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