山神様への嫁入り

みーか

文字の大きさ
上 下
57 / 90

57 爆買い

しおりを挟む
 大熊は、風香への欲求を我慢するために、風香が寝てからひたすら家を建てていたようだ。

 白狐も合流して、また建てた家の分だけ人を運んだ。

 とりあえず細かい所は、後から自分達でも作れるように、壁と床と屋根を作って行く事になった。

 毎日、5軒ほどは建てる事が出来るだろうし、一晩くらいなら広い家に泊めてもらえるから、白狐が毎日人を運ぶ事になった。
 
 怖がる家族5組をクロモが眠らせて村まで運び、村の人達にも家作りを手伝ってもらう。


 秋男や秋夜も手伝ってくれ、村にはどんどん人が増えていった。
 最初は、夫婦だけだったが、子どもが数人いる家族や、まだ結婚前の子達も、女の子だけ、男の子だけで生活できるように家を建てた。
 それでも、まだまだ村は余裕があり、村にきた人達もクロモの姿にも慣れ、クロモと桃の子ども達が村に来ると、皆んな一緒になって楽しそうに遊んでいた。15歳ほどになるとお互い意識し合う子も出てきている。

 雪が降る頃には、秋男や秋夜の子も産まれ、夏子も桃の所に帰って来て可愛い女の子を産んだ。女の子は、『椿』とクロモが名付けた。

 桃も、男の子の双子を産んでしばらくは妊娠せずに、子育てを楽しむ事にした。

 男の子と女の子の双子は『裕太』と『裕子』と名付けられ、3歳くらいの可愛い盛りだ。
 男の子の双子は、『冬一』『冬二』に決まった。

 三つ子の女の子達は、10歳くらいになり下の子達の子守りをよくしてくれるし、家事や動物のお世話など頑張ってくれている。
 花と九太と十太は、村で白狐の所から来た子から相手を見つけて結婚し、村で暮らしている。

 大熊と風香は、時々クロモが蜘蛛を使って見ているが、大熊がまだまだ幼い風香を大切にしていてくれている。風香は、多分それを知っていて抱きついたり、一緒に寝ようと布団に誘ったりしていて、大熊が赤面しながら固まっているのをよく見かける。

 桃は、久しぶりに町に行きたいとクロモにお願いして、子ども達の服などを買いに行く事になった。
 もぅ家の中の岩は、全てがキラッキラの宝石になっていて、少し砕いてクロモが売りに行ってみると、恐ろしい値段で売れた。家の周りの石ころも全て宝石になっていて、クロモの子ども達は、その石で遊んだりするのが普通だった。
 その石も、売ったら家が数軒建つほどの金額になり、桃の織物と合わせて大金持ちだ。

 桃は大金をバックに入れてクロモと三つ子と一緒に町に買い物に行った。

 2度目の町は、1度目より店も増えて、車なども多く走っている。

「ねぇ、クロモ様!まずは子ども服買いに行きたい。」
「わかった。こっちだ。」

 店に入ると、店員のおばさんが凄い勢いで来て接客してくれる。

「あらあらあら~、いらっしゃいませ!!クロウ様、お待ちしておりました!!!」
「あぁ、今日は妻を連れて来た。妻の買い物に付き合ってやってくれ。」
「かしこまりました。えっと………奥様は、どちらに?」
「あっ、私が妻の桃です。」
「んまぁーーー!可愛らしい奥様でございますね!!どのような物をお探しで?」
「えっと、1歳くらいの子ども服と2歳~10歳くらいまでそれぞれ男の子、女の子の服を見たいです。」
「え…………、はい、わかりました。では、こちらにどうぞ。」
「さつき、みつき、はづき気に入った服があったら言ってね!それと、妹や弟達や村の子ども達の分も沢山選んでほしいんだ。本格的に寒くなる前に、暖かい服や下着も探してね!」
「「「母様、わかった!」」」
「んまぁ~、可愛らしい娘さんですねぇ~。」
「親バカなのか、本当に可愛くって!」
「もぅ母様ったら!」

 クロモがいつも買いに来る時は、10枚くらいしか買わないが、どんどん増えた村の人数もあり桃は、店のほとんどの商品を購入し、次の子ども服の店でもほぼ買い占めた。
 クロモが荷物を木の上に置きに行っている間、桃達は大人用の服をこれまた片っ端から購入。

 桃が入った店は、出て行く時にはシャッターを下ろして閉めていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】

小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。 他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。 それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。 友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。 レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。 そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。 レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

番だからと攫っておいて、番だと認めないと言われても。

七辻ゆゆ
ファンタジー
特に同情できないので、ルナは手段を選ばず帰国をめざすことにした。

冷宮の人形姫

りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。 幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。 ※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。 ※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので) そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。

しっかり者のエルフ妻と行く、三十路半オッサン勇者の成り上がり冒険記

スィグトーネ
ファンタジー
 ワンルームの安アパートに住み、非正規で給料は少なく、彼女いない歴35年=実年齢。  そんな負け組を絵にかいたような青年【海渡麒喜(かいときき)】は、仕事を終えてぐっすりと眠っていた。  まどろみの中を意識が彷徨うなか、女性の声が聞こえてくる。  全身からは、滝のような汗が流れていたが、彼はまだ自分の身に起こっている危機を知らない。  間もなく彼は金縛りに遭うと……その後の人生を大きく変えようとしていた。 ※この物語の挿絵は【AIイラスト】さんで作成したモノを使っています ※この物語は、暴力的・性的な表現が含まれています。特に外出先等でご覧になる場合は、ご注意頂きますようお願い致します。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

処理中です...