52 / 90
52 風香
しおりを挟む
つゆ子からも蜘蛛を通して妊娠したと報告があった。
その頃には、桃は男の子の双子を産んでいて、クロモは名前を付けるのに苦労した。
「うーーん、とりあえず男の子の双子だから……そうだ!九太と十太でどうだ?9番目と10番目だからな!」
「えー、九太はまだいいけど、十太って!せめて読み方を、とうたにしようよ。」
「そうだな。よし、『九太』と『十太』だ!」
小梅達も、小春が普通より早く育ち1人でお座りができるようになって村に帰って行った。その頃には小梅も2人目妊娠。
村では源の家の事が噂となり、村に移した祠に毎日村人達はお参りに行き、家の神棚には木彫りの蜘蛛が祀られ、クロモの神力がどんどん増えて行く。
その力は、少しづつだが村人やクロモの子ども達にも影響を与えていた。
桃は5月の爽やかな風が吹く頃、今度は女の子の3つ子を産み、ゆきは男の子を出産。
3つ子の女の子は『さつき』『みつき』『はづき』と名付けられた。
ゆきの子は、『太郎』と源が名付けた。
源の弟も産まれ『仁』と名付けられた。
村のお姉さんも無事に男の子を出産。村が子ども達でとても賑やかになった。
つゆ子も、太一の両親も、もぅ1組の夫婦も1週間毎に無事に出産した。
子が出来なかった夫婦は双子の男の子を産み、太一の母は、男の子と女の子の双子、つゆ子は女の子を出産した。
つゆ子の出産にサクラを連れて駆けつけたクロモが、大熊に村で神棚に蜘蛛の置物を置いて毎日村人が手を合わせてくれたら神力が増えたと言う話しをしたら、それを聞いた太一が両親と隣の夫婦にそれを伝えて、何故かシャケを咥えた木彫りの熊が神棚に祀られるようになった。
大熊の神力が増えたおかげで、子ども達もすくすくと早く成長し、初夏には、また出産ラッシュとなった。
村の子ども達は、早く成長するが15~18歳くらいで成長が止まり、そのまま少しづつしか歳をとらないらしい。
寿命も少し延びるので百歳くらいまで生きる事ができるが百歳でも見た目は30代にしか見えないとクロモが言っていた。
爺様や婆様は、クロモの事を忘れていたし、山神の嫁もおらず神力も少なくなっていたから、普通に歳をとってしまった。
今では、少しだけ若返り、曲がった腰がシャキッと伸びて、白髪も黒くなってきている。さすがに、子が産めるほど若返る事は出来ず、寿命も後30年ほどだそうだ。
村はクロモが少しづつ広げていて、春には牛を10頭ほど買って村で飼う事になった。
山羊に羊、豚も10頭づつオスとメスのペアで購入。
一組づつクロモの家でも飼う事になり、クロモの家もますます賑やかになってきた。
もちろん、桃の子ども達が動物達に林檎の皮や芯を食べさせてしまい、話すようになってしまった。
そこに桃が歌い、また一緒になって大合唱が始まり、ますます動物達も増えて、どんどん成長していった。
暑い夏が来る頃、つゆ子が約束通りに帰ってきた。
「父様、母様ただいまー!!」
「お帰りなさい。つゆ子。元気そうで良かった!」
「うん、元気。それでこの子が『風香』。」
「風香ちゃん、いらっしゃい!!さつき達~、風香ちゃんが来たよー!!3人がすごく楽しみにしててね、早く一緒に遊びたいってずっと言ってたんだ。」
「わぁーー!ねぇねぇふうちゃん、牛さん見せてあげるよ。」
「えっ?牛さんがいるの?」
「うん、こっちこっち!昨日ね、子牛が産まれてね、とっても可愛いんだ。」
「あっ豚さんもいるよー!」
きゃあきゃあと楽しそうに手を繋いで走っていった。
「つゆ子、2人目はそろそろか?」
「うん、こっちにいる間に産まれるかな?」
「そうか。ゆっくりしていけ。」
「それでね、父様。お願いがあります。大熊様は遠慮して言えないだろうから、私がお願いします。風香を大熊様の嫁に出してもいいですか?」
その頃には、桃は男の子の双子を産んでいて、クロモは名前を付けるのに苦労した。
「うーーん、とりあえず男の子の双子だから……そうだ!九太と十太でどうだ?9番目と10番目だからな!」
「えー、九太はまだいいけど、十太って!せめて読み方を、とうたにしようよ。」
「そうだな。よし、『九太』と『十太』だ!」
小梅達も、小春が普通より早く育ち1人でお座りができるようになって村に帰って行った。その頃には小梅も2人目妊娠。
村では源の家の事が噂となり、村に移した祠に毎日村人達はお参りに行き、家の神棚には木彫りの蜘蛛が祀られ、クロモの神力がどんどん増えて行く。
その力は、少しづつだが村人やクロモの子ども達にも影響を与えていた。
桃は5月の爽やかな風が吹く頃、今度は女の子の3つ子を産み、ゆきは男の子を出産。
3つ子の女の子は『さつき』『みつき』『はづき』と名付けられた。
ゆきの子は、『太郎』と源が名付けた。
源の弟も産まれ『仁』と名付けられた。
村のお姉さんも無事に男の子を出産。村が子ども達でとても賑やかになった。
つゆ子も、太一の両親も、もぅ1組の夫婦も1週間毎に無事に出産した。
子が出来なかった夫婦は双子の男の子を産み、太一の母は、男の子と女の子の双子、つゆ子は女の子を出産した。
つゆ子の出産にサクラを連れて駆けつけたクロモが、大熊に村で神棚に蜘蛛の置物を置いて毎日村人が手を合わせてくれたら神力が増えたと言う話しをしたら、それを聞いた太一が両親と隣の夫婦にそれを伝えて、何故かシャケを咥えた木彫りの熊が神棚に祀られるようになった。
大熊の神力が増えたおかげで、子ども達もすくすくと早く成長し、初夏には、また出産ラッシュとなった。
村の子ども達は、早く成長するが15~18歳くらいで成長が止まり、そのまま少しづつしか歳をとらないらしい。
寿命も少し延びるので百歳くらいまで生きる事ができるが百歳でも見た目は30代にしか見えないとクロモが言っていた。
爺様や婆様は、クロモの事を忘れていたし、山神の嫁もおらず神力も少なくなっていたから、普通に歳をとってしまった。
今では、少しだけ若返り、曲がった腰がシャキッと伸びて、白髪も黒くなってきている。さすがに、子が産めるほど若返る事は出来ず、寿命も後30年ほどだそうだ。
村はクロモが少しづつ広げていて、春には牛を10頭ほど買って村で飼う事になった。
山羊に羊、豚も10頭づつオスとメスのペアで購入。
一組づつクロモの家でも飼う事になり、クロモの家もますます賑やかになってきた。
もちろん、桃の子ども達が動物達に林檎の皮や芯を食べさせてしまい、話すようになってしまった。
そこに桃が歌い、また一緒になって大合唱が始まり、ますます動物達も増えて、どんどん成長していった。
暑い夏が来る頃、つゆ子が約束通りに帰ってきた。
「父様、母様ただいまー!!」
「お帰りなさい。つゆ子。元気そうで良かった!」
「うん、元気。それでこの子が『風香』。」
「風香ちゃん、いらっしゃい!!さつき達~、風香ちゃんが来たよー!!3人がすごく楽しみにしててね、早く一緒に遊びたいってずっと言ってたんだ。」
「わぁーー!ねぇねぇふうちゃん、牛さん見せてあげるよ。」
「えっ?牛さんがいるの?」
「うん、こっちこっち!昨日ね、子牛が産まれてね、とっても可愛いんだ。」
「あっ豚さんもいるよー!」
きゃあきゃあと楽しそうに手を繋いで走っていった。
「つゆ子、2人目はそろそろか?」
「うん、こっちにいる間に産まれるかな?」
「そうか。ゆっくりしていけ。」
「それでね、父様。お願いがあります。大熊様は遠慮して言えないだろうから、私がお願いします。風香を大熊様の嫁に出してもいいですか?」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
しっかり者のエルフ妻と行く、三十路半オッサン勇者の成り上がり冒険記
スィグトーネ
ファンタジー
ワンルームの安アパートに住み、非正規で給料は少なく、彼女いない歴35年=実年齢。
そんな負け組を絵にかいたような青年【海渡麒喜(かいときき)】は、仕事を終えてぐっすりと眠っていた。
まどろみの中を意識が彷徨うなか、女性の声が聞こえてくる。
全身からは、滝のような汗が流れていたが、彼はまだ自分の身に起こっている危機を知らない。
間もなく彼は金縛りに遭うと……その後の人生を大きく変えようとしていた。
※この物語の挿絵は【AIイラスト】さんで作成したモノを使っています
※この物語は、暴力的・性的な表現が含まれています。特に外出先等でご覧になる場合は、ご注意頂きますようお願い致します。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる