38 / 90
38 ゆき
しおりを挟む
「ほら見て!クロモ様。とっても可愛い。すんごく美人になるよ!!」
「本当だな。よく頑張ったな桃。」
「うーん、でも痛みもほとんどないし、これなら本当に毎日でも産めちゃうよ。」
「ほら、桃。乳を飲ませるのですよ。」
「あっ、そうか!!えっと、どうするの?」
「おい、クロ!お前は出て行け!!」
「えぇーー!!……はいはい、分かりました。」
クロが出て行き、サクラも後片付けでバタバタしている中、ふゆが乳の飲ませ方を教えてくれる。赤ん坊が自分から乳を探して吸い始める。
その間に、クロモはすりおろしていた林檎を桃に食べさせてくれた。
「黒蜘蛛様。桃を甘やかしすぎです。」
「そ、そうか?」
「父親になられたのですから、もっとどっしりと構えておけばいいのです。」
「あ、あぁ。」
その後、オムツの替え方や服の着せ方などを本を見ながらクロモと2人でなんとかやってみる。
まさかのベビーベットもすぐに必要になり、クロが頑張って組み立ててくれた。
お腹が少し痛いかな?と思ってからわずか30分での出産。
心なしか大きくなったようにも見える。
「ねぇ、クロモ様!名前何にしようか?」
「そうだな、実は考えていたんだ。ゆきはどうだ?雪降ってるし、これからも子が増えるだろうから、名前も覚えやすくしようと思ってな。」
「ゆき、かぁ。うん、そうしよう。」
「お前は『ゆき』だぞ!」
「あぶ~!!」
「え?返事した??」
「いやいや、まさか……?」
桃の布団の横にベビーベットを置いて、クロモも一緒に寝る事にした。
3時間おきにゆきは泣いて、桃は眠気と戦いながら授乳をし、オムツ替えなどはクロモがしてくれる。
次の日も、授乳はするが間隔が空いてきた。それに昨日よりも確実に大きくなっている。
服もワンサイズ大きなのに着替えさせ、昼からも服のサイズを大きくした。
その日の夜は朝までぐっすり寝てくれた。
朝には首がすわり、よく笑うようになった。
こんにちは赤ちゃん情報によると、どうやらゆきは、1日で普通の赤ちゃん1ヶ月くらい成長しているようだ。
サクラやクロもゆきを可愛がってくれ、ゆきをおんぶしながら鶏の世話をしたり、ご飯を作ったり。
その間に、桃は機織りをしながら歌った。
山犬様がふゆを迎えに来て、成長の早さに驚いていた。
ふゆには子育ての事や出産の事、嫁としての心構えなど沢山の事を教えてもらった。
感謝の気持ちとして、お土産に、桃の織った反物を喧嘩にならないよう8反と林檎などの果物に野菜を沢山抱えて帰っていった。
桃の歌の力なのか、本当なら冬には実らない桃や葡萄、梨に栗などがクロモの家の周りでは毎日実をつける。夏野菜も畑で採れる。トマトなんて真っ赤でとても美味しい。ゆきが産まれてから、さらに果物や野菜が大きく美味しくなった気がする。
ゆきが産まれて10日、1人でお座りをして、離乳食を食べ乳離れした。
クロモは、我慢我慢の日々がやっと終わり、これで思う存分桃とイチャイチャできる!!と張り切って、ゆきを寝かしつけてから、久しぶりに幸せな夜を過ごした。
これからしばらく、桃との甘い生活が続くと思い、朝桃を起こしに行くと、グースカ寝たまま起きない。
こ、これはゆきの時と同じじゃないかーー!!!
なんて事だ!!まさかの一度で妊娠…………嬉しいけど泣きたい……。
本来なら子が産まれるまで5か月と聞いていたが2か月だった。産まれてからもかなりのスピードで成長しているから、我慢期間は短いけど………。はぁ~。
今まで嫁が居なかったから、このスピードなのかもしれない。仕方ないか。……切ない………。
昼頃起きて、やはり妊娠中だろうと桃は喜んでいた。
2人目は、小梅の相手だから男の子だろう。そして、ゆきと一緒に村に行く事になりそうだ。小梅と一年ほど一緒に生活してから結婚になるだろう。源は、時間がないからゆきとすぐ結婚する事になる。
「本当だな。よく頑張ったな桃。」
「うーん、でも痛みもほとんどないし、これなら本当に毎日でも産めちゃうよ。」
「ほら、桃。乳を飲ませるのですよ。」
「あっ、そうか!!えっと、どうするの?」
「おい、クロ!お前は出て行け!!」
「えぇーー!!……はいはい、分かりました。」
クロが出て行き、サクラも後片付けでバタバタしている中、ふゆが乳の飲ませ方を教えてくれる。赤ん坊が自分から乳を探して吸い始める。
その間に、クロモはすりおろしていた林檎を桃に食べさせてくれた。
「黒蜘蛛様。桃を甘やかしすぎです。」
「そ、そうか?」
「父親になられたのですから、もっとどっしりと構えておけばいいのです。」
「あ、あぁ。」
その後、オムツの替え方や服の着せ方などを本を見ながらクロモと2人でなんとかやってみる。
まさかのベビーベットもすぐに必要になり、クロが頑張って組み立ててくれた。
お腹が少し痛いかな?と思ってからわずか30分での出産。
心なしか大きくなったようにも見える。
「ねぇ、クロモ様!名前何にしようか?」
「そうだな、実は考えていたんだ。ゆきはどうだ?雪降ってるし、これからも子が増えるだろうから、名前も覚えやすくしようと思ってな。」
「ゆき、かぁ。うん、そうしよう。」
「お前は『ゆき』だぞ!」
「あぶ~!!」
「え?返事した??」
「いやいや、まさか……?」
桃の布団の横にベビーベットを置いて、クロモも一緒に寝る事にした。
3時間おきにゆきは泣いて、桃は眠気と戦いながら授乳をし、オムツ替えなどはクロモがしてくれる。
次の日も、授乳はするが間隔が空いてきた。それに昨日よりも確実に大きくなっている。
服もワンサイズ大きなのに着替えさせ、昼からも服のサイズを大きくした。
その日の夜は朝までぐっすり寝てくれた。
朝には首がすわり、よく笑うようになった。
こんにちは赤ちゃん情報によると、どうやらゆきは、1日で普通の赤ちゃん1ヶ月くらい成長しているようだ。
サクラやクロもゆきを可愛がってくれ、ゆきをおんぶしながら鶏の世話をしたり、ご飯を作ったり。
その間に、桃は機織りをしながら歌った。
山犬様がふゆを迎えに来て、成長の早さに驚いていた。
ふゆには子育ての事や出産の事、嫁としての心構えなど沢山の事を教えてもらった。
感謝の気持ちとして、お土産に、桃の織った反物を喧嘩にならないよう8反と林檎などの果物に野菜を沢山抱えて帰っていった。
桃の歌の力なのか、本当なら冬には実らない桃や葡萄、梨に栗などがクロモの家の周りでは毎日実をつける。夏野菜も畑で採れる。トマトなんて真っ赤でとても美味しい。ゆきが産まれてから、さらに果物や野菜が大きく美味しくなった気がする。
ゆきが産まれて10日、1人でお座りをして、離乳食を食べ乳離れした。
クロモは、我慢我慢の日々がやっと終わり、これで思う存分桃とイチャイチャできる!!と張り切って、ゆきを寝かしつけてから、久しぶりに幸せな夜を過ごした。
これからしばらく、桃との甘い生活が続くと思い、朝桃を起こしに行くと、グースカ寝たまま起きない。
こ、これはゆきの時と同じじゃないかーー!!!
なんて事だ!!まさかの一度で妊娠…………嬉しいけど泣きたい……。
本来なら子が産まれるまで5か月と聞いていたが2か月だった。産まれてからもかなりのスピードで成長しているから、我慢期間は短いけど………。はぁ~。
今まで嫁が居なかったから、このスピードなのかもしれない。仕方ないか。……切ない………。
昼頃起きて、やはり妊娠中だろうと桃は喜んでいた。
2人目は、小梅の相手だから男の子だろう。そして、ゆきと一緒に村に行く事になりそうだ。小梅と一年ほど一緒に生活してから結婚になるだろう。源は、時間がないからゆきとすぐ結婚する事になる。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
しっかり者のエルフ妻と行く、三十路半オッサン勇者の成り上がり冒険記
スィグトーネ
ファンタジー
ワンルームの安アパートに住み、非正規で給料は少なく、彼女いない歴35年=実年齢。
そんな負け組を絵にかいたような青年【海渡麒喜(かいときき)】は、仕事を終えてぐっすりと眠っていた。
まどろみの中を意識が彷徨うなか、女性の声が聞こえてくる。
全身からは、滝のような汗が流れていたが、彼はまだ自分の身に起こっている危機を知らない。
間もなく彼は金縛りに遭うと……その後の人生を大きく変えようとしていた。
※この物語の挿絵は【AIイラスト】さんで作成したモノを使っています
※この物語は、暴力的・性的な表現が含まれています。特に外出先等でご覧になる場合は、ご注意頂きますようお願い致します。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる