外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平

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第二章 冒険の始まり(二日目)

第18話 探知スキル

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 その後、二匹のホーンラビットを討伐した。
 俺の討伐ポイントは6。ミレットは9だ。
 ミレットは、あと一匹討伐すればレベルアップ出来る。

「ここだね!」

「おお! 到着しました!」

 俺たちは、二階層へ続く階段に到着した。

「ミレット。どうする?」

「シンシアから受けたアドバイスですが、二階層はレベル2になってからの方が良いそうです」

「じゃあ、入り口に戻りながらホーンラビットを探して討伐しようか?」

「はい。そうしましょう!」

 俺の提案にミレットも賛成した。
 俺たちは来た道を戻る。

(あっちにいるな……)

 俺のスキル【気配察知】が仕事をしている。
 気配察知はパッシブスキルのようで、『なんとなーくだけど、あっちに何かいるな……』と感じることが出来る。

 距離や数はわからない。
 ぼんやりと感じるだけだ。

 それでも魔物から不意打ちを喰らわなくなるし、魔物を探すのにありがたいスキルだ。

 昨日、新人研修の後。
 先輩冒険者たちが、『気配察知持ちはいるか? ウチに入らないか?』とスカウトをしていた。
 先輩たちからしても有用なスキルなのだろう。

「ミレット。ここを左に曲がってみようか?」

 俺は気配を感じた場所で、通路を左に曲がろうと提案する。
 ミレットがちょっと心配そうな顔をした。

「大丈夫ですか? 迷いませんか?」

「うん。左に曲がって、ちょっと進んだらここに戻ってくるから大丈夫だよ」

「でしたら、左へ行ってみましょう」

 左へ曲がって進むと、五人組の冒険者パーティーがいた。
 どうやら俺が感じた気配は、彼らのようだ。

「先客がいるね。引き返そう」

 俺たちは通路を戻り、また出口へ向けて歩く。

 なるほどスキル【気配察知】は、魔物だけでなく人の気配も察知するのか……。
 まあ、それでも、獲物を求めて無闇に歩くよりはマシだろう。

 また、【気配察知】にひっかかった。
 右に何かいるな?

「右へ行ってみよう」

 通路を右に曲がり進むとホーンラビットがいた。

「見つけた!」

「やりましょう!」

 当然だ!
 俺は獲物へ向けてダッシュする!

 ホーンラビットとの距離を潰し、同じように盾でホーンラビットの相手をする。
 ミレットが魔法を撃ちやすい位置にホーンラビットを誘導する。

「撃ちます!」

「了解!」

 俺はサッと身をひるがえし、ホーンラビットから距離を取る。

「ファイヤーボール!」

 ミレットの杖の先からソフトボール大の火の玉が発射された。

 ゴウ!

 ファイヤーボールは、唸りを上げてホーンラビットに襲いかかった。
 ミレットが放ったファイヤーボールが、ホーンラビットの頭部に直撃し、ホーンラビットは煙になって消え魔石がドロップした。

 多分、これでミレットの討伐ポイントは10になったはずだ。
 レベル2にレベルアップ出来る。

「ミレット。レベルアップかな?」

「はい! 討伐ポイントが10貯まりました!」

 ミレットはニコニコ笑っている。
 嬉しそうだ。

「俺が見張っているからレベルアップしちゃいなよ」

 スキル【気配察知】に反応はない。
 突然、魔物に襲われる心配はないし、万一襲われたとしても一匹なら俺一人でも対応出来る。

 ミレットは、ちょっと考えてから返事をした。

「では、見張りをお願いします。ステータス! オープン!」

 俺はミレットに背を向けて、ステータスボードを見ないようにした。

 これでミレットはレベル2。
 俺はあと三匹討伐すればレベル2だ。
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