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第九章 グンマー連合王国
第211話 ウーラ広がる。馬賊ばらける
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翌日、ブンゴはすぐに第二騎士団団長ローデンバッハ子爵に馬賊の報告を行った。
オオミーヤの町では、みんな忙しく働き、喧噪の中で二人は立ち話だ。
「――それから、狐さんのアイデアですけど、空から馬賊のアジトを探すと良いと思うッス!」
ブンゴから行われた提案に、ローデンバッハ子爵は渋い顔で答えた。
「うーん……空から探すという作戦は素晴らしいが……。グースは、今、あちこちに飛んでいて忙しいからな……。すぐには無理だぞ」
「えっ!? 無理ッスか!?」
「グンマー連合王国だけじゃなくて、外国にも飛び始めた。増産はしているが、パイロットが足らないらしい」
「あー……」
異世界飛行機グースは、大人気であった。
アンジェロは、グンマー連合王国の都市間に定期便グースを飛ばし、諸外国には現地外交官との連絡用に数日に一回の頻度でグースを飛ばしていた。
機体の数よりもパイロットの養成が追いつかなくなっていた。
ブンゴもグースの使い勝手の良さは知っているので、文句は言えなかった。
「仕方ないッスね~。街道の見回りを増やすしかないッスね」
「そうだな。オオミーヤからも見回りを出そう」
ブンゴとローデンバッハ子爵が相談した結果、ブンゴはウーラの町から隣国イタロスのテュリンの街までを担当することになった。
「ウーラから西は、こっちに任せておけ。入植した農村も見回るようにする。ウーラから、イタロス方面は任せたぞ」
「ウッス!」
ブンゴは、ウーラの町に引き上げた。
それからブンゴと部下たちは、毎日サイターマ街道の見回りを行った。
朝、ウーラの町を出て、テュリンの街へ。
一日に何度も往復し、すれ違う商人やテュリンの街の人々に気軽に声をかけた。
「異常はないッスか?」
「荷物重そうッスね? 運んであげましょうか?」
「腹が減ったッス。旨いメシ屋知らないッスか?」
すると徐々にウーラに人が集まってきた。
集まってきた人々を、ブンゴは次々に受け入れた。
「商売をしたい? イイッスね~。やっちゃって下さい」
「畑を作りたい? イイッスね~。やっちゃって下さい」
「ここに住みたい? イイッスね~。やっちゃって下さい」
あれよ、あれよという間に、家が建ち、店が建った。
ウーラの町は、日ごとに大きくなるのであった。
そんなある日、オオミーヤの街から来た第二騎士団の見回り部隊が凶報を告げた。
「オイ! 農村が馬賊に襲われたぞ!」
「マジッスか!?」
ブンゴたちだけでなく、ウーラの町に住み始めた人たちも驚愕する。
ブンゴは隊長らしく落ち着いて被害を尋ねた。
「被害は、どんな感じッスか?」
「村の食料や金品が奪われた。だが、幸い死者は出なかったよ。馬の音が聞こえて、やばいと思った瞬間、村人たちは逃げたのさ」
オオミーヤから来た見回り部隊の隊長は、そばで見ていたかのように詳しく状況を話し出した。
いち早く馬賊の接近を察知した村人たちは、オオミーヤの街へ向かって走った。
ちょうどそこへ、農村の見回りを担当する部隊が現れ、村人たちを保護したのであった。
「は~、人が死ななくて、良かったッスね……」
「だな。俺は見回りなんて、どうかと思っていたが、役に立つんだなって思ったよ」
「そうッスね。それで、馬賊はどうなったんすか?」
「それがな……。見回り部隊が村に近づくと、逃げやがったらしい」
「後を追ったんスか?」
「後を追おうとしたが、馬賊のヤツラは、てんでバラバラの方向に逃げをうったらしい。結局、追跡は出来ず、馬賊のアジトはわからずじまいさ」
「あー……。ばらけるんッスねえ……」
第二騎士団の見回り部隊は、ケッテンクラートや六輪自動車タイレルに乗っている。
二台以上でチームを組んでいるが、馬賊がバラバラに逃げては追い切れない。
ブンゴは、空から馬賊を探す必要性を強く感じた。
「おっ! そうだ! ブンゴ! 馬賊対策でグースが臨時配備されるらしいぞ!」
「マジッスか!」
朗報にブンゴは喜ぶのであった。
オオミーヤの町では、みんな忙しく働き、喧噪の中で二人は立ち話だ。
「――それから、狐さんのアイデアですけど、空から馬賊のアジトを探すと良いと思うッス!」
ブンゴから行われた提案に、ローデンバッハ子爵は渋い顔で答えた。
「うーん……空から探すという作戦は素晴らしいが……。グースは、今、あちこちに飛んでいて忙しいからな……。すぐには無理だぞ」
「えっ!? 無理ッスか!?」
「グンマー連合王国だけじゃなくて、外国にも飛び始めた。増産はしているが、パイロットが足らないらしい」
「あー……」
異世界飛行機グースは、大人気であった。
アンジェロは、グンマー連合王国の都市間に定期便グースを飛ばし、諸外国には現地外交官との連絡用に数日に一回の頻度でグースを飛ばしていた。
機体の数よりもパイロットの養成が追いつかなくなっていた。
ブンゴもグースの使い勝手の良さは知っているので、文句は言えなかった。
「仕方ないッスね~。街道の見回りを増やすしかないッスね」
「そうだな。オオミーヤからも見回りを出そう」
ブンゴとローデンバッハ子爵が相談した結果、ブンゴはウーラの町から隣国イタロスのテュリンの街までを担当することになった。
「ウーラから西は、こっちに任せておけ。入植した農村も見回るようにする。ウーラから、イタロス方面は任せたぞ」
「ウッス!」
ブンゴは、ウーラの町に引き上げた。
それからブンゴと部下たちは、毎日サイターマ街道の見回りを行った。
朝、ウーラの町を出て、テュリンの街へ。
一日に何度も往復し、すれ違う商人やテュリンの街の人々に気軽に声をかけた。
「異常はないッスか?」
「荷物重そうッスね? 運んであげましょうか?」
「腹が減ったッス。旨いメシ屋知らないッスか?」
すると徐々にウーラに人が集まってきた。
集まってきた人々を、ブンゴは次々に受け入れた。
「商売をしたい? イイッスね~。やっちゃって下さい」
「畑を作りたい? イイッスね~。やっちゃって下さい」
「ここに住みたい? イイッスね~。やっちゃって下さい」
あれよ、あれよという間に、家が建ち、店が建った。
ウーラの町は、日ごとに大きくなるのであった。
そんなある日、オオミーヤの街から来た第二騎士団の見回り部隊が凶報を告げた。
「オイ! 農村が馬賊に襲われたぞ!」
「マジッスか!?」
ブンゴたちだけでなく、ウーラの町に住み始めた人たちも驚愕する。
ブンゴは隊長らしく落ち着いて被害を尋ねた。
「被害は、どんな感じッスか?」
「村の食料や金品が奪われた。だが、幸い死者は出なかったよ。馬の音が聞こえて、やばいと思った瞬間、村人たちは逃げたのさ」
オオミーヤから来た見回り部隊の隊長は、そばで見ていたかのように詳しく状況を話し出した。
いち早く馬賊の接近を察知した村人たちは、オオミーヤの街へ向かって走った。
ちょうどそこへ、農村の見回りを担当する部隊が現れ、村人たちを保護したのであった。
「は~、人が死ななくて、良かったッスね……」
「だな。俺は見回りなんて、どうかと思っていたが、役に立つんだなって思ったよ」
「そうッスね。それで、馬賊はどうなったんすか?」
「それがな……。見回り部隊が村に近づくと、逃げやがったらしい」
「後を追ったんスか?」
「後を追おうとしたが、馬賊のヤツラは、てんでバラバラの方向に逃げをうったらしい。結局、追跡は出来ず、馬賊のアジトはわからずじまいさ」
「あー……。ばらけるんッスねえ……」
第二騎士団の見回り部隊は、ケッテンクラートや六輪自動車タイレルに乗っている。
二台以上でチームを組んでいるが、馬賊がバラバラに逃げては追い切れない。
ブンゴは、空から馬賊を探す必要性を強く感じた。
「おっ! そうだ! ブンゴ! 馬賊対策でグースが臨時配備されるらしいぞ!」
「マジッスか!」
朗報にブンゴは喜ぶのであった。
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