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§ 勝負の行方
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気怠い身体を朝風呂で癒やし、身支度を調えてからありつくのは、憧れの旅館の朝食。
仲居さんが慌ただしく配膳している食卓を眺める。ご飯に味噌汁、定番あじの開き、ふっくら卵焼きに煮物もあればお浸しに漬物の小鉢、と、品数豊富だ。
ここでも亮は、本領を発揮。魚の骨も満足に取れないのか、と、呆れながらも、丁寧に骨を取り除き、自分の皿と交換してくれる。
口から飛び出す小さなお小言も手の出し方も、祖母にそっくりだ。
朝食を終えて早々に、旅館を出発した。今日は昨日よりも天気がいい。朝の空気は冷たいが、この日差しだ。昼間は暖かくなって観光にはもってこいだろう。
湖を周遊する道路を少し走った先の駐車場へ車を停め、山へと登るロープウェイに乗った。
少しずつ高さを増すにつれ、視界が開けていく。鏡面の如く輝く豊かな水を湛える芦ノ湖。湖畔に点在する温泉街から上り立つ湯煙が、人の温もりを感じさせてくれる。
もうすぐ冬が来ることを知らせる少し茶色がかかった濃緑色の常緑樹と、紅や黄色の紅葉に彩られた山々。そして、澄んだ青い空。混み合う車内にいることも忘れて、美しさに見蕩れていた。
「これからどうするの?」
「そうだな、少し散策しようか」
駅に到着してロープウェイを降りた瞬間に、散策の意味がわかった。
亮が選んだ私の服装は、ジーンズに薄手のダウンジャケット、そして足元はスニーカーと、動きやすそうなスタイル。山の上の気温は下界よりも低く、薄くて軽いダウンジャケットも大正解だ。そういえば、私の荷造りも亮がしたのだった。つまり、この散策も事前に計画されていたのだ。
散策という名目のそれは、案の定、登山としか思えなかった。運動嫌いの私にとって遙か彼方の山頂を見上げ、なにが散策だ、と、悪態をつく。
昨夜あれだけたっぷり虐められたのだ。いくら温泉で癒やしたからといって、足腰に響いていないわけがないじゃないか。
「疲れている? あの程度でか? おまえ、それ、体力無さ過ぎだろう?」
「…………」
あの程度ってどの程度だ。今日の予定を考慮しての簡略バージョンだったと豪語する亮を睨みつけても、暖簾に腕押し。笑っているだけだ。悔しい。
整備された道を、手を引かれながら歩く。思ったほど歩き難くもなければ、途中の階段に少々閉口するだけで、一周してもさほどの距離もない。
心に燻っていた不満はいつの間にか消え失せ、遠くに見える山々に目を奪われて立ち止まり、海が見えれば嬉しくて、その場に座り込んで眺めた。
あっちを見たりこっちを見たり、突然興味を惹かれては、亮の手を振り払って走り出す。淡々と歩く亮を振り返り、手に隠し持った落ち葉を浴びせかけもした。
「やだ。もう歩けない」
終いには、歩き疲れてしゃがみ込む。なんだかんだともう二時間近く遊んでいただろう。三百六十度の大パノラマに感動し、写真もたくさん撮影して、大満足で帰りのロープウェイに乗り込んだ。
昼食は湖畔のお洒落なカフェで済ませ、腹ごなしと称してまた散歩。好い加減疲れてはいるけれど、敷地内の美しく整備された洋風庭園は、素通りしてはもったいないほどに美しかった。
「ねえ、変なこと訊いてもいい?」
「なに?」
欄干に寄りかかり、そよぐ風にきらきらと揺れる湖面に視線を向けた。
「人を愛するって、どんな感じなのかな? って」
背後にいる亮の腕が、ぎゅっと抱き締めるように私の腰に回された。
「そうだな……。こんな感じって単純に言葉にできるものじゃないけれど、おまえとはずっとこうしていたいと思う。答えにはなっていないな……」
「……うん」
同じ方向を眺めているだろう亮が耳元で淡々と語る言葉に、心が熱くなる。
「瑞稀は? どんな感じ?」
亮に背を預け、腰に回された腕に自分の腕を重ねた。目を閉じて、亮の温もりを感じる。
「私……アメリカにいたとき、一緒に暮らしていた人がいたの」
恋人だった彼、安藤智史が、私の前から姿を消して、もう五年もの月日が流れた。
智史はカリフォルニアの兄のところにいた頃に知り合った留学生。私が男の子たちに絡まれているときに助けてくれたのが、啓と智史だった。
日本人の少ないエリアで暮らしていた物珍しさと、日本語が通じる気楽さで、私たちはすぐに打ち解けた。図書館やカフェを巡り、スポーツイベントに熱狂し、と、気がつけばいつも三人で過ごすようになり、休みの日には小旅行にも出かけた。
そんな中、私は、繰り返される智史の愛の言葉を信じるようになり、受け入れてしまったのだ。
一年半ほど経った後、結婚を申し込まれたのを機に世話になった兄の家を出て、彼のアパートで暮らしはじめた。
彼の卒業と同時に入籍を済ませ、式は近くの教会で挙げようと準備も始めていた。早々に仕事を決めてきた彼に、前祝いと称して友人たちがサプライズパーティーをプレゼントしてくれ大いに飲み騒いだ。
楽しかった。彼と過ごす時間は有意義で、趣味嗜好から性格に至るまで、望まれるまま自分を彼の色に染めることすら、苦痛だとも思わなかった。
けれども、卒業式の後、両親への報告と結婚式の予定を具体的に詰めるために、一旦帰国する彼を空港で見送ったのを最後に、二度と彼の顔を見ることができなくなった。
彼が、消えたのだ。
帰国してからも暫くの間は、毎日連絡が取れたが、ある日ぷっつりと、連絡が途絶えそれっきり。携帯の番号は無くなり、メールを送っても返事はない。そのうち、アドレスまで捨てられてしまったのか、メールも戻ってくるようになった。
啓も、私を励ましながら、彼の知っている限りの相手に連絡をし、行方を捜してくれたが、わかったのは勤務予定だった会社に辞退の連絡がされていることだけ。住んでいたアパートも知らぬ間に解約され、私は仕方なく兄の家へ戻った。
帰国し、直接彼の実家も訪ねた。けれども、インターフォン越しに彼はいないと言われただけで、消息を知る手がかりは、一切得られなかった。
仲居さんが慌ただしく配膳している食卓を眺める。ご飯に味噌汁、定番あじの開き、ふっくら卵焼きに煮物もあればお浸しに漬物の小鉢、と、品数豊富だ。
ここでも亮は、本領を発揮。魚の骨も満足に取れないのか、と、呆れながらも、丁寧に骨を取り除き、自分の皿と交換してくれる。
口から飛び出す小さなお小言も手の出し方も、祖母にそっくりだ。
朝食を終えて早々に、旅館を出発した。今日は昨日よりも天気がいい。朝の空気は冷たいが、この日差しだ。昼間は暖かくなって観光にはもってこいだろう。
湖を周遊する道路を少し走った先の駐車場へ車を停め、山へと登るロープウェイに乗った。
少しずつ高さを増すにつれ、視界が開けていく。鏡面の如く輝く豊かな水を湛える芦ノ湖。湖畔に点在する温泉街から上り立つ湯煙が、人の温もりを感じさせてくれる。
もうすぐ冬が来ることを知らせる少し茶色がかかった濃緑色の常緑樹と、紅や黄色の紅葉に彩られた山々。そして、澄んだ青い空。混み合う車内にいることも忘れて、美しさに見蕩れていた。
「これからどうするの?」
「そうだな、少し散策しようか」
駅に到着してロープウェイを降りた瞬間に、散策の意味がわかった。
亮が選んだ私の服装は、ジーンズに薄手のダウンジャケット、そして足元はスニーカーと、動きやすそうなスタイル。山の上の気温は下界よりも低く、薄くて軽いダウンジャケットも大正解だ。そういえば、私の荷造りも亮がしたのだった。つまり、この散策も事前に計画されていたのだ。
散策という名目のそれは、案の定、登山としか思えなかった。運動嫌いの私にとって遙か彼方の山頂を見上げ、なにが散策だ、と、悪態をつく。
昨夜あれだけたっぷり虐められたのだ。いくら温泉で癒やしたからといって、足腰に響いていないわけがないじゃないか。
「疲れている? あの程度でか? おまえ、それ、体力無さ過ぎだろう?」
「…………」
あの程度ってどの程度だ。今日の予定を考慮しての簡略バージョンだったと豪語する亮を睨みつけても、暖簾に腕押し。笑っているだけだ。悔しい。
整備された道を、手を引かれながら歩く。思ったほど歩き難くもなければ、途中の階段に少々閉口するだけで、一周してもさほどの距離もない。
心に燻っていた不満はいつの間にか消え失せ、遠くに見える山々に目を奪われて立ち止まり、海が見えれば嬉しくて、その場に座り込んで眺めた。
あっちを見たりこっちを見たり、突然興味を惹かれては、亮の手を振り払って走り出す。淡々と歩く亮を振り返り、手に隠し持った落ち葉を浴びせかけもした。
「やだ。もう歩けない」
終いには、歩き疲れてしゃがみ込む。なんだかんだともう二時間近く遊んでいただろう。三百六十度の大パノラマに感動し、写真もたくさん撮影して、大満足で帰りのロープウェイに乗り込んだ。
昼食は湖畔のお洒落なカフェで済ませ、腹ごなしと称してまた散歩。好い加減疲れてはいるけれど、敷地内の美しく整備された洋風庭園は、素通りしてはもったいないほどに美しかった。
「ねえ、変なこと訊いてもいい?」
「なに?」
欄干に寄りかかり、そよぐ風にきらきらと揺れる湖面に視線を向けた。
「人を愛するって、どんな感じなのかな? って」
背後にいる亮の腕が、ぎゅっと抱き締めるように私の腰に回された。
「そうだな……。こんな感じって単純に言葉にできるものじゃないけれど、おまえとはずっとこうしていたいと思う。答えにはなっていないな……」
「……うん」
同じ方向を眺めているだろう亮が耳元で淡々と語る言葉に、心が熱くなる。
「瑞稀は? どんな感じ?」
亮に背を預け、腰に回された腕に自分の腕を重ねた。目を閉じて、亮の温もりを感じる。
「私……アメリカにいたとき、一緒に暮らしていた人がいたの」
恋人だった彼、安藤智史が、私の前から姿を消して、もう五年もの月日が流れた。
智史はカリフォルニアの兄のところにいた頃に知り合った留学生。私が男の子たちに絡まれているときに助けてくれたのが、啓と智史だった。
日本人の少ないエリアで暮らしていた物珍しさと、日本語が通じる気楽さで、私たちはすぐに打ち解けた。図書館やカフェを巡り、スポーツイベントに熱狂し、と、気がつけばいつも三人で過ごすようになり、休みの日には小旅行にも出かけた。
そんな中、私は、繰り返される智史の愛の言葉を信じるようになり、受け入れてしまったのだ。
一年半ほど経った後、結婚を申し込まれたのを機に世話になった兄の家を出て、彼のアパートで暮らしはじめた。
彼の卒業と同時に入籍を済ませ、式は近くの教会で挙げようと準備も始めていた。早々に仕事を決めてきた彼に、前祝いと称して友人たちがサプライズパーティーをプレゼントしてくれ大いに飲み騒いだ。
楽しかった。彼と過ごす時間は有意義で、趣味嗜好から性格に至るまで、望まれるまま自分を彼の色に染めることすら、苦痛だとも思わなかった。
けれども、卒業式の後、両親への報告と結婚式の予定を具体的に詰めるために、一旦帰国する彼を空港で見送ったのを最後に、二度と彼の顔を見ることができなくなった。
彼が、消えたのだ。
帰国してからも暫くの間は、毎日連絡が取れたが、ある日ぷっつりと、連絡が途絶えそれっきり。携帯の番号は無くなり、メールを送っても返事はない。そのうち、アドレスまで捨てられてしまったのか、メールも戻ってくるようになった。
啓も、私を励ましながら、彼の知っている限りの相手に連絡をし、行方を捜してくれたが、わかったのは勤務予定だった会社に辞退の連絡がされていることだけ。住んでいたアパートも知らぬ間に解約され、私は仕方なく兄の家へ戻った。
帰国し、直接彼の実家も訪ねた。けれども、インターフォン越しに彼はいないと言われただけで、消息を知る手がかりは、一切得られなかった。
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