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§ 露顕
02
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「今日は戻っていいよ」
「これから打ち合わせじゃないんですか?」
昼食後、そのまま客先での打ち合わせに同行するのかと思っていたのだが、戻れと言われた。
「向こうで酒井と合流するから。あいつとはなるべく関わらないほうがいい」
エンジニアの酒井さんは、なにかにつけて女を目の敵にする、木村さん曰く、典型的な昭和の男なのだそう。背は小さく小太りで、モテない親父を絵に描いたようなタイプで、未だ独身。当然の如く、オフィス内の女の子たちからも嫌われている。また、彼は、木村さんの『天敵』なのよ、と、白石さんに教えてもらった。
私も、これまでに数回、酒井さんと客先へ同行したことがあるが、打ち合わせ終了後には御多分に洩れず「これだから女は……」「女のくせに……」と、吐き捨てられた。
仕事をしていれば、そんな不愉快はよくある話だ。敢えて報告をするまでもないと思っていたのだが、彼は、女性陣が酒井さんとの不要なトラブルを避けられるように、予定を組んでくれているらしい。
「わかりました」
彼のこんな気遣いは、私とて、とても嬉しく思う。
「ひとりで戻れる?」
「はい?」
突然何を言いだすのやら。
その思案顔はまるで、幼い子どもを心配する父親のようで。
そういえば、この人って、幾つなのだろう。名前と住んでいるあの部屋と、仕事以外、私はこの人のことをなにも知らない。
一度はあんなことがあった。脅されて変な賭けに乗せられてもいる。お互いのことも殆ど知らず、それでも毎日近くにいて、自然に馴染み寛いでいるって、なんだかとっても不思議。
物思いに耽っている私が不安げに見えたのか、彼はさらに心配そうな顔になった。
「瑞稀?」
「あ、大丈夫です。ちゃんとひとりで戻れます」
子どもじゃないんだから。まったく。
「そうだな、ここを真っ直ぐ言って、角を左に曲がって大通りに出たら、迷わずに戻れるだろう。もしわからなくなったら、その場で連絡しなさい」
大丈夫だって言っているのに……この父親は!
「ごちそうさまでした。ここで失礼します。松本さんもお気を付けて」
四十五度の角度に頭を下げ、踵を返そうとしたところで腕を掴まれた。
「あのさ、何度も言っているが、ここは会社じゃないんだよ? いいかげんその『松本さん』は止めないか? それから敬語もだ」
目を細めて私を睨むのが、演技だとは知っている。けれども。命令されるのは気に入らない。
「亮のばか! その偉そうな喋り方こそどうにかするべきよ!」
私も怒った振りをして、掴まれていた腕を払う。知らん顔でオフィスの方向へ歩き出し、背中でバイバイと手を振った。
偉そうで口煩いのと世話焼きは同義語か。オフィスへ戻る道すがら、彼の心配顔と怒った振りを思い出す。彼も今頃きっと、思い出し笑いをしているだろう。ひとりニヤニヤ笑いが止まらない。
オフィスへ戻ると、木村さんと白石さんがポットのお茶を飲みつつ、真剣そうな顔つきで話をしている最中だった。私に気づくと、ふたりは横目でちらちらとこちらを見ては、耳打ちをしている。佐藤くんは、まだ戻っていないらしい。
デスクに座り、資料を眺め午後の段取りを考えていると、白石さんが椅子から立ち上がり、女の子特有の甘ったるい声で話しかけてきた。
「河原さんって、松本さんと親しいんですかぁ?」
ついに来た。
「……いえ、べつに親しくは」
松本亮は、女子社員の憧れの的。話の輪に入らない私の耳にまで、彼の噂話が届くほどの大人気だ。あわよくばと狙っている女の子も多いと聞く。
そんな中、ほぼ毎日のランチタイムに、彼と消える私を、この子たちがいつまでも見過ごすはずはなく。遅かれ早かれ訊かれるだろうと思っていたが、ついにその時が来たらしい。内心ほくそ笑みながらも資料から目を離さずに素っ気ない返事をした。
「でも、いっつも松本さんとランチしてるじゃないですか? だから親しいのかな? って」
ついに好奇心を剥き出したふたりは、尋問の手を緩めるつもりはないようだ。
「時間の節約。打ち合わせのついでに食事をしているだけです」
「それだけ? 個人的な話とかはしないんですかぁ?」
「親しい間柄でもあるまいし。仕事先の上司と個人的な話なんてしませんよ」
「そんなことないでしょう? いくら上司だって、しょっちゅう話してたら普通親しくなりますよぉ」
白石さんの顔に浮かぶ不満の二文字に、ちょっと悪戯心が湧いて、私から質問してみた。
「そうかな? じゃあ、白石さんは松本さんと親しくなりたいんだ?」
「え? えへへ……わたしはそんな、違いますよぉ」
力一杯両手を振り回して否定しているわりに、身体反応は正直だ。頬が真っ赤に染まっている。
「白石さん、訊いても無駄よ。松本さんがこの人と親しくなんてなるわけないもの」
木村さんが、不愉快そうに脇から口を挟んできた。
「木村さん……」
「だって、そうでしょう? 誰だって親しくなりたい相手は選ぶわよ」
直接名指しをされているわけではない。しかし、松本さんが私なんかと親しくするはずがないでしょう、と、言いたいのは明白だ。ただ、見下すように冷ややかな笑みを浮かべた彼女の瞳に、嫉妬の炎が見えたのも確かで。
なるほど。あなたも同じなのね。
「それは……ちょっと言い過ぎ……」
白石さんは、木村さんの言葉を否定しきれない。もめ事に発展するのを恐れているのか、私と木村さんの顔を交互に見ているだけだ。
「昼休みもそろそろ終わりね。仕事に戻りましょう」
ふたりの考えていることは、想像の範疇を超えない。だから、この話を続ける意義は、もう無い。
松本亮は、何時爆発するかわからない、時限爆弾みたいなもの。今の状態を続けていたら、いずれどこかで爆発——つまり、私と彼との関係が明るみに出る。
松本亮は全女子社員憧れの王子様ナンバーワンだと聞いている。そんな彼に、社内で恋人——と覚しき相手が発覚したならどうなるかなんて、想像に難くない。
彼の相手が私であろうと他の誰であろうと同じだ。熱狂的なファンの女の子たちがおとなしく祝福するはずがない。我こそは、と、機会を窺っているお姉さま方だってたくさんいるのだ。その対象が辿る運命は——その先は想像するだけで恐ろし過ぎる。
運が悪いったらありゃあしない。こっちはただ恙なく仕事を終えたいだけなのに。
ランチの件を彼と相談しなくては。まったく。面倒ごとは、嫌いだ。
「これから打ち合わせじゃないんですか?」
昼食後、そのまま客先での打ち合わせに同行するのかと思っていたのだが、戻れと言われた。
「向こうで酒井と合流するから。あいつとはなるべく関わらないほうがいい」
エンジニアの酒井さんは、なにかにつけて女を目の敵にする、木村さん曰く、典型的な昭和の男なのだそう。背は小さく小太りで、モテない親父を絵に描いたようなタイプで、未だ独身。当然の如く、オフィス内の女の子たちからも嫌われている。また、彼は、木村さんの『天敵』なのよ、と、白石さんに教えてもらった。
私も、これまでに数回、酒井さんと客先へ同行したことがあるが、打ち合わせ終了後には御多分に洩れず「これだから女は……」「女のくせに……」と、吐き捨てられた。
仕事をしていれば、そんな不愉快はよくある話だ。敢えて報告をするまでもないと思っていたのだが、彼は、女性陣が酒井さんとの不要なトラブルを避けられるように、予定を組んでくれているらしい。
「わかりました」
彼のこんな気遣いは、私とて、とても嬉しく思う。
「ひとりで戻れる?」
「はい?」
突然何を言いだすのやら。
その思案顔はまるで、幼い子どもを心配する父親のようで。
そういえば、この人って、幾つなのだろう。名前と住んでいるあの部屋と、仕事以外、私はこの人のことをなにも知らない。
一度はあんなことがあった。脅されて変な賭けに乗せられてもいる。お互いのことも殆ど知らず、それでも毎日近くにいて、自然に馴染み寛いでいるって、なんだかとっても不思議。
物思いに耽っている私が不安げに見えたのか、彼はさらに心配そうな顔になった。
「瑞稀?」
「あ、大丈夫です。ちゃんとひとりで戻れます」
子どもじゃないんだから。まったく。
「そうだな、ここを真っ直ぐ言って、角を左に曲がって大通りに出たら、迷わずに戻れるだろう。もしわからなくなったら、その場で連絡しなさい」
大丈夫だって言っているのに……この父親は!
「ごちそうさまでした。ここで失礼します。松本さんもお気を付けて」
四十五度の角度に頭を下げ、踵を返そうとしたところで腕を掴まれた。
「あのさ、何度も言っているが、ここは会社じゃないんだよ? いいかげんその『松本さん』は止めないか? それから敬語もだ」
目を細めて私を睨むのが、演技だとは知っている。けれども。命令されるのは気に入らない。
「亮のばか! その偉そうな喋り方こそどうにかするべきよ!」
私も怒った振りをして、掴まれていた腕を払う。知らん顔でオフィスの方向へ歩き出し、背中でバイバイと手を振った。
偉そうで口煩いのと世話焼きは同義語か。オフィスへ戻る道すがら、彼の心配顔と怒った振りを思い出す。彼も今頃きっと、思い出し笑いをしているだろう。ひとりニヤニヤ笑いが止まらない。
オフィスへ戻ると、木村さんと白石さんがポットのお茶を飲みつつ、真剣そうな顔つきで話をしている最中だった。私に気づくと、ふたりは横目でちらちらとこちらを見ては、耳打ちをしている。佐藤くんは、まだ戻っていないらしい。
デスクに座り、資料を眺め午後の段取りを考えていると、白石さんが椅子から立ち上がり、女の子特有の甘ったるい声で話しかけてきた。
「河原さんって、松本さんと親しいんですかぁ?」
ついに来た。
「……いえ、べつに親しくは」
松本亮は、女子社員の憧れの的。話の輪に入らない私の耳にまで、彼の噂話が届くほどの大人気だ。あわよくばと狙っている女の子も多いと聞く。
そんな中、ほぼ毎日のランチタイムに、彼と消える私を、この子たちがいつまでも見過ごすはずはなく。遅かれ早かれ訊かれるだろうと思っていたが、ついにその時が来たらしい。内心ほくそ笑みながらも資料から目を離さずに素っ気ない返事をした。
「でも、いっつも松本さんとランチしてるじゃないですか? だから親しいのかな? って」
ついに好奇心を剥き出したふたりは、尋問の手を緩めるつもりはないようだ。
「時間の節約。打ち合わせのついでに食事をしているだけです」
「それだけ? 個人的な話とかはしないんですかぁ?」
「親しい間柄でもあるまいし。仕事先の上司と個人的な話なんてしませんよ」
「そんなことないでしょう? いくら上司だって、しょっちゅう話してたら普通親しくなりますよぉ」
白石さんの顔に浮かぶ不満の二文字に、ちょっと悪戯心が湧いて、私から質問してみた。
「そうかな? じゃあ、白石さんは松本さんと親しくなりたいんだ?」
「え? えへへ……わたしはそんな、違いますよぉ」
力一杯両手を振り回して否定しているわりに、身体反応は正直だ。頬が真っ赤に染まっている。
「白石さん、訊いても無駄よ。松本さんがこの人と親しくなんてなるわけないもの」
木村さんが、不愉快そうに脇から口を挟んできた。
「木村さん……」
「だって、そうでしょう? 誰だって親しくなりたい相手は選ぶわよ」
直接名指しをされているわけではない。しかし、松本さんが私なんかと親しくするはずがないでしょう、と、言いたいのは明白だ。ただ、見下すように冷ややかな笑みを浮かべた彼女の瞳に、嫉妬の炎が見えたのも確かで。
なるほど。あなたも同じなのね。
「それは……ちょっと言い過ぎ……」
白石さんは、木村さんの言葉を否定しきれない。もめ事に発展するのを恐れているのか、私と木村さんの顔を交互に見ているだけだ。
「昼休みもそろそろ終わりね。仕事に戻りましょう」
ふたりの考えていることは、想像の範疇を超えない。だから、この話を続ける意義は、もう無い。
松本亮は、何時爆発するかわからない、時限爆弾みたいなもの。今の状態を続けていたら、いずれどこかで爆発——つまり、私と彼との関係が明るみに出る。
松本亮は全女子社員憧れの王子様ナンバーワンだと聞いている。そんな彼に、社内で恋人——と覚しき相手が発覚したならどうなるかなんて、想像に難くない。
彼の相手が私であろうと他の誰であろうと同じだ。熱狂的なファンの女の子たちがおとなしく祝福するはずがない。我こそは、と、機会を窺っているお姉さま方だってたくさんいるのだ。その対象が辿る運命は——その先は想像するだけで恐ろし過ぎる。
運が悪いったらありゃあしない。こっちはただ恙なく仕事を終えたいだけなのに。
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