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本編
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しおりを挟む宏臣の意識がある程度覚醒した時、前回の比にならない腰の痛みに悶絶した。色んな体位でセックスをした。
普段使わない筋肉を存分に使い、声を枯らしたのだから痛くて当然と言えば当然の結果。
羞恥心が極限に行く程に求めた。
重東が呼応するように求めれば求めるだけ好きだ、愛していると答えて応じてくれる。
恥ずかしさよりも欲しいものをくれる喜びが途中から勝り、最後の方は重東にとんでもないことを言っていた気すらする。
それでも決して重東は否定になるようなネガティブなワードやそれを興奮材料にしてやろうとはしなかった。
言える度に好き、大好き、愛してると言いキスを落とすだけ。貰えるのならと喜んでやってしまった。
隣で寝ている重東の整いすぎた綺麗で彫刻のような顔にもう恐怖はない。
自分をこうして誘拐し監禁している男なのに、絆されているのかもわからないが逃げようという気が起きなかった。
心地よい呼吸の音を聞きながらもう一眠りでも出来たら良いのかもしれないが、重東の寝ていても生理的に大きく逸り立つ棒が宏臣の脚に当たってもどかしい。
宏臣とて男だ。据え膳食わぬは男の恥というではないか。
寝ている体勢で、重東が起きることなくもどかしさでキュンと反応する場所を落ち着かせるか。
横を向きながら向かい合って寝ていた体勢から宏臣は反対報告へと寝返りをうつ。寝返りをうつ際には少しだけ腰の位置を下に持っていけばいい。
滑りを良くする為に、とローションを探したがお尻の筋肉が少しでも弛緩するだけで重東が出した精液とローションが混ざった液が流れてくる。
ほぼヤりすぎて気絶したように眠ってしまった状況ということだろう。
ローションが既に仕込まれているのと同じ状態のお尻に重東の肉棒を擦れば宏臣のナカが反応して重東を欲しがってしまう。
奥がまたナマでぐちゅぐちゅと音を立てて、容赦なくどちゅどちゅ突いて欲しい。
んッッ…………ふぅ、ん…んん……
腰を揺らしても、力の具合で挿入ってはくれない。
重東のが欲しいのに、ヌルヌルと穴を擦っていくだけ。
もどかしくて、宏臣は重東のモノを手探りで優しく掴みお尻へと持っていく。気持ちいい所にゆっくりと滑らないように手で導線を作り導けばゆっくりと飲み込むように重東のモノが挿入っていく。
自分の力量では半分程度で限界で、もう奥には入りそうにない。
…ぬちゅ……ッッ………ぬちゅ、ッッ……
ゆっくり、ゆっくりと流れるスローセックスに宏臣は物足りなさを感じる。だけど重東が寝ている今、その物足りなさを埋めてくれる存在は居ない。
可笑しいのだ。
薬は切れた、だからこそ朧気になった記憶も戻った。恐怖でしかなかったはずなのに。
何故、今。恐怖対象でしかなかった重東に発情し、その肉棒に依存するように腰を振っているのだろう。
いや、考えるのも馬鹿らしい。
『もっと気持ち良くなりたい。重東のペースでどちゅどちゅと容赦なくまるでオナホ扱いされてるみたいに突かれて、宏臣のナカに溢れる位精子を注いで欲しい。』
自分が壊れていくような感覚。腰の動きすら止める本当の恐怖に宏臣は、まだ元に戻れる可能性を捨てないでいたいと切願した。
…
自分の股間を使われていたら、流石に起きる。
重東自身、あまり眠りが深い方の人間ではなかった。故に少しの物音でも起きる。
宏臣が水を飲みに行ったあの瞬間だけは不意に来たストンと落ちるような眠りだったというだけ。
小さく喘ぎながら、必死に挿入しようと画策する姿もやっと挿入ったと嬉々として腰をゆっくり振る姿も、半分しか入らずに物足りなさをモジモジと動きながら伝えてくる姿も全部見ていたが重東は決して手を出さなかった。
今は宏臣の世界で、重東はディルドに徹する時間なのだ。
少しだけ宏臣の考えていることがわかるからこそなおのこと自分から手を出すことをしなかった。
『薬の影響は確かにあった』
その薬が途中で効力を失い自我が戻ったなんてこと重東が知る限りは無かった。
あったのなら容赦なく宏臣に与えた量の倍量は盛っていた。
何が原因なのかもわからない、行為中意識がトぶようにフワフワとする瞬間はあった。それが薬の余波なのかまだ効力があって、幼子の胎児の記憶のように一時的なものなのか。調べることも出来ないことは確かだった。
「…んんッッ……う、ぅう……ッッ」
宏臣が限界を迎えたのだろう。腰を振れずに泣き始めたのを感じた。
自分の中で、どうしたいのか二分割している最中なのだろう。
起きたら、組に戻り薬の影響を一度調べ直すほかない。
重東は寝た振りをしながら、挿入したまま宏臣を後ろから抱きしめ呼吸を合わせることで眠りにつかせた。
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