60 / 61
60 みんなでゴハン。クロックムッシュ風
しおりを挟む
「何を作るんですかエフィルア様」
宿屋の大部屋にある共用の調理場。夕食の準備をする俺。
トカマル君は俺の頭の上から手元を覗き込んできて、ズリ落ちそうだ。
さて、フレンチトーストにしろクロックムッシュにしろ、材料はこれだけでは足りないから、あくまで別の何かだ。
とはいえ、モサモサのササミみたいな肉パンの場合、卵をしみ込ませて焼くだけだって美味しくなる。これに生ハムまで挟んでおけば、程よい塩気と風味も加わって十分美味しい料理になる。
とりあえずインベントリからボールを取り出し、卵にティーギを漬け込んでおく。インベントリには基本的な調理用具や少しばかりの調味料は常備している。
「卵か。こいつは貴重品だな、いいのかい?」
食いしん坊おじさんが横から俺の手元を覗き込んでいる。
トカマル君は俺の頭の上から覗きんで居るし、ロアさんは脇の下から鼻先を突き出そうとしている。なんだかとても狭い。
卵は肉に比べると貴重品ではあるが、普通に店にも売っている。
爬虫類系や鳥系の魔物を狩りに行った冒険者が見つけて持ち帰ってくるのだ。
ちなみに牛乳の入手方法を俺はまだ見つけられていない。
この世界の牛も山羊も凶悪凶暴。人間を襲って喰らう魔物だ。もちろん大人しく乳搾りをさせてくれるはずもなく。
唯一、精霊馬だけは家畜化されているが、残念ながら乳は出ない。
馬とは行っても元々は森の精霊ユニコーンで、それが長い時間をかけて人間のもとで暮らすようになった存在である。
ユニコーンの系譜だけあって、主人と定めた乙女の言う事しか聞かないから、必然的に御者や行商人は女性が勤める事が多かったりする。
大屋さんの馬車を引いている馬も、もちろんその種の精霊馬である
「あ、そういえば、失礼ですがレベルはどれくらいあります?」
「レベルか。まあ、20台前半だな。ってことはなにかい? その卵……」
「ゴルゴンの卵なのでギリギリ食べられますね」
「なんだよ、また良い材料を使ってやがんな兄さんは」
あまり強力な魔物の素材は、低レベルな人間には毒になる。
すぐに魔素中毒になる。
成長したゴルゴンの肉のだとレベル20台ではとても食べられないが、卵ならば問題ない。
卵が染み込むのに時間がかかるから、しばらく雑談。
フレンチトーストの場合、本当は一晩寝かせるとか言うけれど……
いや、だって、今食べたいし。
暇なのでおじさんの話を聞いてみる。
名前はバラガ。ソロの冒険者というわけではなく、この町で仲間と落ち合う予定らしい。
「ウチのは陽気なやつらだぜ。品はねぇがなっ。バッハッハ」
バラガおじさんは怪我をして、しばらく療養中だったようだ。
もう元気そうだけどね。
「なあ兄さん。それで、そろそろ、俺はハラペコでペッコペコなんだがなぁ」
「僕もです」「もちろん私も」
おじさんとトカゲさんとロアさんが揃って急かしてくるので、もう焼いてしまう事に。なるべくバターに近い風味の獣油を選んで、塩を少しだけまぶしてと。ああ、コショウが欲しいなぁ。
薬草の類なら普通に生えている物もあるのだから、コショウだって普通の植物として存在していてもおかしくないと思うのだが。これに関してはまだ情報のひとつも見つけられていない。
この世界にはネットもないし物流網だって貧弱。もし世界のどこかに普通に存在している食材ても、中々一般人の手元には届かないのだ。
街道にすら普通に魔物が跋扈しているのだから、流通機能が貧弱なのは仕方のないことだろう。
結局、自分で歩き回って探すしかないよな。
という感じで、とりあえず出来上がったぞ。
肉パンにゴルゴンの卵を染み込ませて、オークの生ハムを挟んでマイルドな油で焼いただけ。
出来ればチーズもあればな。半分に切ったパンの断面からトロリっとね。それに付け合せのレタスとトマト。はぁそんなのは贅沢すぎるな。とにかく皆でいただきましょうかっ。
「馬鹿かよ。くそうめぇよ。あーー、脳髄がしびれる、しびれて死ぬな」
「う~~ サクサクッの、フワフワっですね」
「はい、おーいしーです。あ、でも、僕のにはもう少しエフィルア様のトッピングを……」
ああそうだ、忘れていた。
トカマル君は冥界ジュエルサラマンダーという生き物だ。鉱物や宝石が大好物。それによって成長もするし、特殊能力を身につけたりもする。
「これでお願いしますっ」
そう言ってトカマル君が出してきたのは小さなルビーの原石だった。
真っ赤に燃えるトマトのような石だった。
これは、俺の魔力を注ぎ込んでから自前の簡易魔道炉に入れて軽めにチンする。
やりすぎるとプルプルになってしまうから、今日は少し柔らかくなる程度で良いだろう。
「ロアさんもいります?」
「もちろんじゃあないですか。当然にして無論の事ですよ」
というわけで2人の皿に、細切りにした半生ルビーをパラッとかける。
特に大きな味の変化があるわけではないけれど、魔力味? そんな感じのコクと深みが生まれる。
もちろん、魔素の供給には最高だ。
「おい、おいおいおい、なんだよ、俺にもかけてくれよ赤いその変なやつを」
バラガおじさんはそう言うが、それは無理な事だった。普通の人間が食べると間違いなく何かが起きる。少なくとも狂気化したり肉体がバランスの悪い変異をおこしたりはする。
「すみませんね、これは基本的に神獣用なんですよ。ロアさんはちょっと特殊な人なので少しは食べられますが」
「くあ~~、なんだよなんだよ。ん~、だがまあ良いか。これだけだってメチャクチャ美味いんだ。この卵も濃厚だし、生ハムの滑らかな舌触りだって普通のもんじゃないぜ。こりゃあどっかの王宮料理で使ってるもんだって言われても納得するね、俺は」
おや。バラガおじさんは大雑把な見た目と違って、繊細な舌をもっているのかもしれない。
その生ハムは確かに王国の守護神獣から貰ったものだからな。
しかし3人ともガツガツ食べるね。
ロアさんは狼の如くバクバクとあっという間に。
トカマル君は手乗りトカゲサイズで啄ばむように高速に。
バラガおじさんは、「くあ~ッ」とか、「うめぇ~」とか、「ふぁっふぁ」などと声を上げながら食べてゆく。
バラガおじさんの雄たけびが喧しいせいか、大部屋の皆さんの視線がさらにこちらに向いてくる。ちょっと気まずくなってきた。
そしてついに、一番近くにいた女性グループが立ち上がって俺達の前へ。
ああごめんなさい。うるさかったですね、このおじさんは。全然知らないおじさんなので煮るなり焼くなり好きに処罰を与えてもらってかまいませんよ。
そうやってバラガおじさんを差し出そうとする直前に、女性グループの1人が言った。
「あの、私たちも混ぜてくれませんか? 角ウサギの肉くらいしかないんですけど」
「あ、ずりぃっ。なら俺達も!」
「おいおい、じゃあウチもだ!」
ガヤガヤと集まってくる冒険者。
格安な大部屋に泊まっているだけあって、皆ほとんど貧乏冒険者のようだった。持っている食材も良いものではない。
しかし今日この中に、闇属性だからどうだのと言ってくるような人間はいなかった。それよりも美味いもの食おうぜといった感じである。結局、皆で食材を出し合っての賑やかな晩御飯となった。
宿屋の大部屋にある共用の調理場。夕食の準備をする俺。
トカマル君は俺の頭の上から手元を覗き込んできて、ズリ落ちそうだ。
さて、フレンチトーストにしろクロックムッシュにしろ、材料はこれだけでは足りないから、あくまで別の何かだ。
とはいえ、モサモサのササミみたいな肉パンの場合、卵をしみ込ませて焼くだけだって美味しくなる。これに生ハムまで挟んでおけば、程よい塩気と風味も加わって十分美味しい料理になる。
とりあえずインベントリからボールを取り出し、卵にティーギを漬け込んでおく。インベントリには基本的な調理用具や少しばかりの調味料は常備している。
「卵か。こいつは貴重品だな、いいのかい?」
食いしん坊おじさんが横から俺の手元を覗き込んでいる。
トカマル君は俺の頭の上から覗きんで居るし、ロアさんは脇の下から鼻先を突き出そうとしている。なんだかとても狭い。
卵は肉に比べると貴重品ではあるが、普通に店にも売っている。
爬虫類系や鳥系の魔物を狩りに行った冒険者が見つけて持ち帰ってくるのだ。
ちなみに牛乳の入手方法を俺はまだ見つけられていない。
この世界の牛も山羊も凶悪凶暴。人間を襲って喰らう魔物だ。もちろん大人しく乳搾りをさせてくれるはずもなく。
唯一、精霊馬だけは家畜化されているが、残念ながら乳は出ない。
馬とは行っても元々は森の精霊ユニコーンで、それが長い時間をかけて人間のもとで暮らすようになった存在である。
ユニコーンの系譜だけあって、主人と定めた乙女の言う事しか聞かないから、必然的に御者や行商人は女性が勤める事が多かったりする。
大屋さんの馬車を引いている馬も、もちろんその種の精霊馬である
「あ、そういえば、失礼ですがレベルはどれくらいあります?」
「レベルか。まあ、20台前半だな。ってことはなにかい? その卵……」
「ゴルゴンの卵なのでギリギリ食べられますね」
「なんだよ、また良い材料を使ってやがんな兄さんは」
あまり強力な魔物の素材は、低レベルな人間には毒になる。
すぐに魔素中毒になる。
成長したゴルゴンの肉のだとレベル20台ではとても食べられないが、卵ならば問題ない。
卵が染み込むのに時間がかかるから、しばらく雑談。
フレンチトーストの場合、本当は一晩寝かせるとか言うけれど……
いや、だって、今食べたいし。
暇なのでおじさんの話を聞いてみる。
名前はバラガ。ソロの冒険者というわけではなく、この町で仲間と落ち合う予定らしい。
「ウチのは陽気なやつらだぜ。品はねぇがなっ。バッハッハ」
バラガおじさんは怪我をして、しばらく療養中だったようだ。
もう元気そうだけどね。
「なあ兄さん。それで、そろそろ、俺はハラペコでペッコペコなんだがなぁ」
「僕もです」「もちろん私も」
おじさんとトカゲさんとロアさんが揃って急かしてくるので、もう焼いてしまう事に。なるべくバターに近い風味の獣油を選んで、塩を少しだけまぶしてと。ああ、コショウが欲しいなぁ。
薬草の類なら普通に生えている物もあるのだから、コショウだって普通の植物として存在していてもおかしくないと思うのだが。これに関してはまだ情報のひとつも見つけられていない。
この世界にはネットもないし物流網だって貧弱。もし世界のどこかに普通に存在している食材ても、中々一般人の手元には届かないのだ。
街道にすら普通に魔物が跋扈しているのだから、流通機能が貧弱なのは仕方のないことだろう。
結局、自分で歩き回って探すしかないよな。
という感じで、とりあえず出来上がったぞ。
肉パンにゴルゴンの卵を染み込ませて、オークの生ハムを挟んでマイルドな油で焼いただけ。
出来ればチーズもあればな。半分に切ったパンの断面からトロリっとね。それに付け合せのレタスとトマト。はぁそんなのは贅沢すぎるな。とにかく皆でいただきましょうかっ。
「馬鹿かよ。くそうめぇよ。あーー、脳髄がしびれる、しびれて死ぬな」
「う~~ サクサクッの、フワフワっですね」
「はい、おーいしーです。あ、でも、僕のにはもう少しエフィルア様のトッピングを……」
ああそうだ、忘れていた。
トカマル君は冥界ジュエルサラマンダーという生き物だ。鉱物や宝石が大好物。それによって成長もするし、特殊能力を身につけたりもする。
「これでお願いしますっ」
そう言ってトカマル君が出してきたのは小さなルビーの原石だった。
真っ赤に燃えるトマトのような石だった。
これは、俺の魔力を注ぎ込んでから自前の簡易魔道炉に入れて軽めにチンする。
やりすぎるとプルプルになってしまうから、今日は少し柔らかくなる程度で良いだろう。
「ロアさんもいります?」
「もちろんじゃあないですか。当然にして無論の事ですよ」
というわけで2人の皿に、細切りにした半生ルビーをパラッとかける。
特に大きな味の変化があるわけではないけれど、魔力味? そんな感じのコクと深みが生まれる。
もちろん、魔素の供給には最高だ。
「おい、おいおいおい、なんだよ、俺にもかけてくれよ赤いその変なやつを」
バラガおじさんはそう言うが、それは無理な事だった。普通の人間が食べると間違いなく何かが起きる。少なくとも狂気化したり肉体がバランスの悪い変異をおこしたりはする。
「すみませんね、これは基本的に神獣用なんですよ。ロアさんはちょっと特殊な人なので少しは食べられますが」
「くあ~~、なんだよなんだよ。ん~、だがまあ良いか。これだけだってメチャクチャ美味いんだ。この卵も濃厚だし、生ハムの滑らかな舌触りだって普通のもんじゃないぜ。こりゃあどっかの王宮料理で使ってるもんだって言われても納得するね、俺は」
おや。バラガおじさんは大雑把な見た目と違って、繊細な舌をもっているのかもしれない。
その生ハムは確かに王国の守護神獣から貰ったものだからな。
しかし3人ともガツガツ食べるね。
ロアさんは狼の如くバクバクとあっという間に。
トカマル君は手乗りトカゲサイズで啄ばむように高速に。
バラガおじさんは、「くあ~ッ」とか、「うめぇ~」とか、「ふぁっふぁ」などと声を上げながら食べてゆく。
バラガおじさんの雄たけびが喧しいせいか、大部屋の皆さんの視線がさらにこちらに向いてくる。ちょっと気まずくなってきた。
そしてついに、一番近くにいた女性グループが立ち上がって俺達の前へ。
ああごめんなさい。うるさかったですね、このおじさんは。全然知らないおじさんなので煮るなり焼くなり好きに処罰を与えてもらってかまいませんよ。
そうやってバラガおじさんを差し出そうとする直前に、女性グループの1人が言った。
「あの、私たちも混ぜてくれませんか? 角ウサギの肉くらいしかないんですけど」
「あ、ずりぃっ。なら俺達も!」
「おいおい、じゃあウチもだ!」
ガヤガヤと集まってくる冒険者。
格安な大部屋に泊まっているだけあって、皆ほとんど貧乏冒険者のようだった。持っている食材も良いものではない。
しかし今日この中に、闇属性だからどうだのと言ってくるような人間はいなかった。それよりも美味いもの食おうぜといった感じである。結局、皆で食材を出し合っての賑やかな晩御飯となった。
10
お気に入りに追加
804
あなたにおすすめの小説
異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
アイは鮎川 愛って言うの
お父さんとお母さんがアイを置いて、何処かに行ってしまったの。
真っ白なお人形さんがお父さん、お母さんがいるって言ったからついていったの。
気付いたら知らない所にいたの。
とてもこまったの。
勇者を否定されて追放されたため使いどころを失った、勇者の証しの無駄遣い
網野ホウ
ファンタジー
「勇者じゃないと言われて追放されたので、帰り方が見つかるまで異世界でスローライフすることにした」から改題しました。
※小説家になろうで先行連載してます。
何の取り柄もない凡人の三波新は、異世界に勇者として召喚された。
他の勇者たちと力を合わせないと魔王を討伐できず、それぞれの世界に帰ることもできない。
しかし召喚術を用いた大司祭とそれを命じた国王から、その能力故に新のみが疎まれ、追放された。
勇者であることも能力のことも、そして異世界のことも一切知らされていない新は、現実世界に戻る方法が見つかるまで、右も左も分からない異世界で生活していかなければならない。
そんな新が持っている能力とは?
そんな新が見つけた仕事とは?
戻り方があるかどうか分からないこの異世界でのスローライフ、スタートです。
異世界に飛ばされたけど『ハコニワ』スキルで無双しながら帰還を目指す
かるぼな
ファンタジー
ある日、創造主と言われる存在に、理不尽にも異世界に飛ばされる。
魔獣に囲まれるも何とか生き延びて得たスキルは『ハコニワ』という、小人達の生活が見れる鑑賞用。
不遇スキルと嘆いていたそれは俺の能力を上げ、願いを叶えてくれるものだった。
俺は『ハコニワ』スキルで元の世界への帰還を目指す。
王宮まかない料理番は偉大 見習いですが、とっておきのレシピで心もお腹も満たします
櫛田こころ
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞〜癒し系ほっこりファンタジー賞〜受賞作品】
2022/7/29発売❣️ 2022/12/5【WEB版完結】2023/7/29【番外編開始】
───────『自分はイージアス城のまかない担当なだけです』。
いつからか、いつ来たかはわからない、イージアス城に在籍しているとある下位料理人。男のようで女、女のようで男に見えるその存在は、イージアス国のイージアス城にある厨房で……日夜、まかない料理を作っていた。
近衛騎士から、王女、王妃。はてには、国王の疲れた胃袋を優しく包み込んでくれる珍味の数々。
その名は、イツキ。
聞き慣れない名前の彼か彼女かわからない人間は、日々王宮の贅沢料理とは違う胃袋を落ち着かせてくれる、素朴な料理を振る舞ってくれるのだった。
*少し特殊なまかない料理が出てきます。作者の実体験によるものです。
*日本と同じようで違う異世界で料理を作ります。なので、麺類や出汁も似通っています。
種から始める生産チート~なんでも実る世界樹を手に入れたけど、ホントに何でも実ったんですが!?(旧題:世界樹の王)
十一屋 翠
ファンタジー
とある冒険で大怪我を負った冒険者セイルは、パーティ引退を強制されてしまう。
そんな彼に残されたのは、ダンジョンで見つけたたった一つの木の実だけ。
だがこれこそが、ありとあらゆるものを生み出す世界樹の種だったのだ。
世界樹から現れた幼き聖霊はセイルを自らの主と認めると、この世のあらゆるものを実らせ、彼に様々な恩恵を与えるのだった。
お腹が空けばお肉を実らせ、生活の為にと家具を生み、更に敵が襲ってきたら大量の仲間まで!?
これは世界樹に愛された男が、文字通り全てを手に入れる幸せな物語。
この作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
1人だった少年は貴族と出会い本当の自分を知っていく
杜薛雷
ファンタジー
前世、日本という国で暮らしていた記憶を持つ子供リディルは、知識を使って母親と二人、小さな村で暮らしていた。
しかし前世の知識はこの世界では珍しいもの。どこからか聞きつけた奴隷商人がリディルの元にやって来た。
リディルを奴隷にしようとやって来た商人からリディルを守った母親は殺され、リディルは魔物に襲われて逃げた。
逃げた森の中をさ迷い歩き、森を抜けたときリディルは自分の生き方を、人生を大きく変えることになる一人の貴族令嬢と出会う...
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この作品が初めての投稿なので不安しかないです。初めは順調に投稿出来ても後々詰まってしまうと思うのでそこは気長に待ってくれると嬉しいです。
誤字脱字はあると思いますが、読みにくかったらすいません。
感想もらえると励みになります。気軽にくれると有り難いです。
『独りぼっちの少年は上級貴族に拾われる』から改名しました
魔神として転生した~身にかかる火の粉は容赦なく叩き潰す~
あめり
ファンタジー
ある日、相沢智司(アイザワサトシ)は自らに秘められていた力を開放し、魔神として異世界へ転生を果たすことになった。強大な力で大抵の願望は成就させることが可能だ。
彼が望んだものは……順風満帆な学園生活を送りたいというもの。15歳であり、これから高校に入る予定であった彼にとっては至極自然な願望だった。平凡過ぎるが。
だが、彼の考えとは裏腹に異世界の各組織は魔神討伐としての牙を剥き出しにしていた。身にかかる火の粉は、自分自身で払わなければならない。智司の望む、楽しい学園生活を脅かす存在はどんな者であろうと容赦はしない!
強大過ぎる力の使い方をある意味で間違えている転生魔神、相沢智司。その能力に魅了された女性陣や仲間たちとの交流を大切にし、また、住処を襲う輩は排除しつつ、人間世界へ繰り出します!
※番外編の「地球帰還の魔神~地球へと帰った智司くんはそこでも自由に楽しみます~」というのも書いています。よろしければそちらもお楽しみください。本編60話くらいまでのネタバレがあるかも。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる