上 下
2 / 61

2 本当は使えるインベントリの魔法

しおりを挟む
 冒険者ギルドでのいざこざのあと、俺は新人冒険者としての初仕事を紹介された。薬草採取だった。
 町の周囲に生えているモリモリ草という薬草を探して引っこ抜いてくれば良いらしい。

 とりあえずやってみるかな。仕事の正式な受注手続きをすませ、同時に冒険者登録もしてもらう。

 登録には名前が必要だそうだ。今の俺のステータス表には名前が無いのだが、さてどうしたものか。日本での氏名を使って良いものか?

「ちょっと悪目立ちしそうですね。せっかくまだ未登録なのですから、このあたりに馴染んだお名前にしておいた方が良いと思います」
 
 受付の娘は相変わらず感じが良く、なにかと俺を手助けしてくれる。結局、名前はこうしておいた。


【名前】未設定→ エフィルア
【職能】未設定→ 見習い冒険者

 
 こっちの世界基準で考えると、これはごく平凡な名前らしい。
 地球でいえば太郎とかジョンとかにあたる、そんな名前の異世界バージョンである。とにかく俺は名前と仕事をゲットする事になった。

 登録のあとには簡単な説明をいくつか受けて、そのあとすぐに薬草採集を始めるべく町の外へと向かう。
 まったくとんでもない状況に陥ってしまったものだが、とりあえずは目の前にある世界で生きていくことを考えたほうが賢明だろう。寝る場所とか、食べる物とか、大切なのはそういう物だ。


 町の外へ通じる門の前に差し掛かったとき、ふと1つの石像が目に入った。
 あの鳥だ。美しいペンギン鳥の形をした石像だ。こうして飾られているところを見ると、どうやら本当に偉い鳥らしい。

 そのまま門の前を通り過ぎようとすると、途中で門番の人に止められる。いろいろと検査をされたり、注意事項を聞いたり。

「いいか、はじめは遠くには行くなよ。特に森のほうは立ち入り禁止だ。冒険者ならFランク以上にならんと入れない。脅しじゃあねぇ。強力な魔物が出現するから近づくなよ」


 町の外には草原があり、小さな林があり、荒地もあった。南北に街道が伸びていて、少し離れた場所には鬱蒼とした大きな森も見えた。



 何はともあれ薬草採集を始める。
 だがしかし、これがなかなかに大変な仕事だった。
 まず薬草が見つからないのだ。とうぜん人目に付くところに生えている薬草はすでに誰かが採集しているし、そのうえ、この世界には魔物が出現するのだ。町のすぐ近くにだって大量に現れるのだ。

 町の北門から出てすぐに、狂った狼のような生き物を発見してしまう。
 それに応戦していたのは魔法使いらしき人間。杖から炎を発射していた。
 俺は比較的安全そうな南側へと移動する。

 ガサガサッと草が揺れるたびに逃げる俺。薬草探しが進まない。
 キョロキョロと周囲を警戒しながらも、それっぽい薬草を発見。
 これで、あってるよな? 外見の特徴は教えてもらってきたものの、いまいち判断がつかない。とりあえず持って帰ってみるしかないかと思い、それに手を触れると……  突然、薬草の横に半透明の画面のようなものが現れた。

【鑑定】
 モリモリ草: 生で食べると毒があるが、エッセンスを抽出し精錬すると回復薬となる。元気モリモリのモリモリ草。


 これは…… ?
 どうやらこの草の説明が表示されているようだった。

 俺は試しに他の草花や小石にも触れてみる。すると案の定、それぞれの簡単な説明文が目の前に表示されるのだった。

 ふうむ、これが鑑定魔法なのだろうな。
 俺は先ほどのステータス表示を思い出す。たしかあの中に【鑑定術】という表記があったはずなのだ。

 異世界ファンタジーではお馴染みの能力の1つだよな。調べたいものに触れたり意識を向けると、その説明が表示されるという感じだ。

 聖女たちはこの術を酷評していたが、俺には有用なもののように思える。
 鑑定術というのは、何なのだろうな? どこまでのことが調べられるのだろうか? などと考えていると、また透明の画面が現われた。

【鑑定術】
 接触した事物の情報を読み取ることが出来る魔法。
 ただし通常の使用では調べられる範囲は極めて限定的で、使用者がすでに知りえるような情報しか引き出すことは出来ない。
 これは万有魔碌世界の記憶へのアクセスの大部分が封じられている為だが、ただし特殊権限を持つ存在にとっては、この限りではない。


 なんだかややこしい説明書き表示されていた。
 おそらく【鑑定術】そのものの鑑定結果なのだろうが……。
 ふうむ。これを読む限り、鑑定術は使う人によって調べられる範囲が違ってくるのかもしれない。

 聖女たちは全く使えない魔法だと言っていたが、少なくとも俺にとっては有用な術のようである。
 とにかく、この草がモリモリ草であることは確認できたわけだ。

 さて、それじゃあモリモリ草を集めていくか。
 俺は記念すべき1つめの薬草を引き抜いた。

 これを10株集めるとギルドからの依頼を達成した事になる。それで報酬を貰えるそうだ。
 そして、こういった仕事を地道に積み重ねていれば、俺のような不審者でも少しは信頼度があがるのだそうだ。

 冒険者ギルドは階級制になっているらしく、それは全部で8段階。
 今の俺は所属したての最下層で、Gランクだ。
 G→F→E→D→C→B→A→ と上がっていき、Sランクが最上位。真正英雄と呼ばれる人々となる。Eまで上がれば国内の移動が自由にできると言っていたから、とりあえずそれくらいを目指そうかと思っている。


 さて、その後もどうにか薬草を見つけて引っこ抜く俺。
 いくつか集めたところで手がふさがってくる。
 入れ物も鞄も何も無いからどうしたものか。そう思っていると…… 
 またしても不思議な現象が発生する。

 今度は俺の手の先がグンニャリとした空間の中に消えたのだ。
 驚いて手を引き戻すと元通りだった。とくに怪我もなにもない。

 ふうむ、今度はあれか。
 もう1つ表示されていた術があったから、あれだろうな、【インベントリ】。
 こちらも異世界ファンタジーではお馴染みのやつなので、なんとなく意味は分かる。おそらく収納の魔法なのだろう。

 とりあえず試してみよう。
 モリモリ草を仕舞うイメージで謎空間に手を差し入れる。そして手を離す。
 ふむ、見事にモリモリ草が消えてなくなったな。

 もう一度、今度はモリモリ草を取り出すイメージで再び同じようにすると。
 何もない場所からパッと薬草を取り出すことが出来た。
 上手くいったようだ。

 とてつもなく便利な術だと思う。しかしおかしいな、聖女たちは使えない魔法だと言っていたが? これも鑑定術で調べておくか――

財産目録インベントリ
 結界を構築して、その内部に収納した物品を整頓する魔法。
 内部に仕舞った物の質量や体積は変わらないので、これ単独では利用価値は低い。質量や体積の軽減魔法などと組み合わせることで力を発揮することもあるが、基本的には整理整頓のために使われる。
 ただし、亜空間や異界への干渉能力がある者が使用する場合、質量や体積に囚われず、膨大な収納容量を実現することも可能になる。


 ふむ、なるほど。普通に使っただけだと、収納魔法というよりは整頓魔法なのだな。
 重さを軽減する術などを組み合わせたり、あるいは亜空間や異界に干渉する力があれば変わってくると。

 なるほどね…… ふむ、どう考えても今俺が試したみたやつは、質量も体積も消えうせているよ。収納したモリモリ草は完全に消えて、そして取り出せる状態だ。

 まあとりあえず、すごく便利。もはやこれだけで如何様いかようにも生きていけるように思える。

 この町の聖女もその仲間も、もう少し注意深くチェックすればよいものを。
 闇属性が好きじゃないからといって、はなからまともに見る気がなかったのかもしれないが。
 
 さて、次は…… どれくらいの収納容量があるのか試しておこうか。

 手近な石ころや土、折れた木の枝、葉についた水滴などなどを適当に収納してみる。どれも問題なく収納できた。しかも整理整頓された状態で瞬時に出し入れできる。

 生きた状態の虫は? これはだめだ。なにか、意志の力で反発されるような感覚がある。植物は大丈夫そうだ。強い自我があるものは収納できないのかもしれない。
 
 さらに手当たりしだいに身近なものを詰め込んでみるが 収納容量の限界も感じないが……

 いや、何度も繰り返していると徐々に身体がだるくなっている事に気がついた。疲労感に似た感覚。これはもしかすると魔力的なものを消耗した感覚かもしれない。

 あまり無駄に使いすぎない方が良かったか? などと思ったりもしたのだが、しかし少し休んでいると、そのだるさは数分もしないうちに回復してしまうのだった。

 再びインベントリ発動。繰り返し出し入れしてみる。ちょっとだるくなる。ちょっと休む。すぐ治る。
 ふむ、よく分からないが休めば大丈夫そうである。

 さて、モリモリ草の見分け方にも慣れてきたし、鑑定術とインベントリの使い方も覚えた。薬草採集の調子も上がってくる。
 よし、これなら10株は集められる気がするぞっ などと思った矢先の事だった。

 ウサギのような生き物が目の前に現われたのだ。その狂気に輝く目が爛々と光り、真正面から俺を捕らえている。

 魔物だ。すぐそこ、目の前にいる。
 ウサギに似た生き物だが、ひと回り大きく、その角はコンバットナイフのように凶悪な形状をしている。
 ギルドで見せてもらった資料に載っていた魔物だ。角ウサギジャッカロープだというやつだろう。
 
 ギルドの受付嬢は言っていた。俺のステータスなら十分に倒せる相手だと。
 特に俺は防御力が高いから、角ウサギくらいなら攻撃を受けても大怪我はしないだろうとも言っていたし、出合ったら倒してしまった方が懸命だとも言っていた。

 さて、こうして本当に出会ってしまったわけだが、こんなもん戦えるかぃと思ったのは言うまでもない。

 しかしウサギは俺を見つけるや否や、涎をダラダラと垂らしながら襲い掛かって来るのだった。ウサギの足はとても早かった。もはや逃げる事は不可能だと一瞬で悟らされる。

 観念して戦う事に。
 狂乱のウサギはナイフのような角を前に突き出して飛びかかってくる。
 俺はひぃッっと声を漏らしながらかわすっ だが避けきれない。俺の脇腹に突き刺さる角。これは痛い! と思ったのだが。
 ん? いや、刺さってはいない。すりむいた程度だ。
 どうやら俺の防御力とやらは本当に高かったようだ。

 体勢を崩した狂乱ウサギ。今度はチャンス到来。
 おりゃあ。その首元に全力チョップ。原始的な攻撃だが、武器も何も持っていないのだから仕方がない。もはやチョップする以外の選択肢は無い。そうに違いない。結果。
 
角ウサギジャッカロープのまるごと素材】
 肉は食用になる。角は微妙。魔素濃度の低い平原に広く生息する魔物で、繁殖力は絶大。

 そんなものを手に入れた。
 鑑定術を使って調べてみると、ざっくりとした情報が表示される。食べられるらしい。俺の今夜のゴハンになるかもしれない。

 ともあれ、俺は魔物狩りに初成功した。
 今日は薬草採集だけをやるつもりだったが、まあいいか。角もナイフっぽいから上手く加工すれば使えないこともないだろう?

 この初戦闘によって精神的に吹っ切れたのか、その後の薬草採集はさらに順調に進んだ。

 モリモリ草×17
 角ウサギジャッカロープのまるごと素材×2

 これで薬草は合計20株となった。ついでにウサギの魔物も合計3体倒したことになる。

「エフィルア様おつかれさまでしたー」
 ひと仕事終えた俺の足元で、小さなトカゲさんが声をだした。
 彼も途中から合流してくれて、薬草探しを手伝ってくれていたのだ。
 薬草を20株も集められたのは彼のおかげでもある。

「ありがとうトカゲさん。助かったよ」
 礼を言いながら、彼の丸っこい鼻先をつつく。くすぐったそうにするトカゲさん。
 それから、パクッ と俺の指先に食い付いた。食いついたというか? しゃぶりついた? 
 ゴクゴク ゴクリと喉を鳴らしている。指先がくすぐったい。

「プハァッ 美味しいィ。ありがとうございます。やっぱり魔神様ですね」

 よく意味が分からなかったのだが、俺の指先からは何かがこぼれ出ていたらしい。
 魔素というものらしいが。


「ふぃ~、流石に魔神様の魔素は激烈ですね。漲ってきます。びっくりです」
 そんなことを言うトカゲさん。
 そして、それまで儚げだった彼の身体に何かが満ちていくのが見えた。小さな身体は少し膨張したようにさえ見える。  


「ふあぁ~、これだけで一気にレベル4まで上がりましたっ。特に魔力値の伸びが凄いです」
 トカゲさんニッコリ。そして得意気な顔。レベルが上がったらしい。
 彼の話によると俺の魔力は栄養満点で、成長盛りの精霊トカゲには最高の食べ物になるらしい。
 

 そして、魔力を分け与えたことでもうひとつ変化があった。
 彼は俺の眷属になったらしい。なぜだいトカゲさん。

「そもそもトカゲさんてさ、魔神様とやらを探していたのでは?」
「え?! そうですけど。でも、魔神様が魔神様ですから」

 相変わらず良く分からないトカゲさんだが、とにかく彼は俺の眷属となった。
 これは人間式の表現では契約精霊とも言うらしい。
 俺は彼に魔力を提供し、彼は俺のお仕事を手伝ってくれるのだという。

 今はとりあえず俺の頭の上に乗っている。

「そういえばトカゲさん、名前を聞いてなかったけれど」
「えっと、まだないです。生まれてきたばっかりですから。冥界から地上に特殊転生してきたのが昨日なんですよ」

「冥界ねぇ」
「僕、冥界ジュエルサラマンダーなんです」

 そういう種族らしい。そういわれても良く分からないが。 
 ともかくトカゲさんが言うには、彼もかなり遠い場所から渡ってきたらしい。
 地上に生まれたのは昨日。なんと今時点で生後1日である。
 
 冥界にいた頃の記憶は曖昧だという。時空を渡り、完全に新しい生命として生まれ直しているそうだ。なにやら大変そうだ。

「そういえばトカゲさん。冒険者ギルドでのことなんだけど、不思議な偉い鳥を連れてきてくれたのはキミなのだよね?」

「ええっとー、たぶんそうです。困ったなーって思ってたら、このあたりで奉られていそうな特別な存在を感じて、それで手助けしてもらったんです。親切な神獣で助かりました」

「そうかそうか。それじゃあキミにも神獣さんにも何かお礼でもしなくちゃいけないね。俺なんぞ何が出来るのかは分からないけれど」

「僕はもう魔素を貰いましたから十分ですよ、エフィルア様。あ、でも……もし出来たら、僕の名前も付けてくれませんか? そのほうがこの世界での僕の存在が強固になると思うんです」

「ん? 名前? まあそれくらい良いけどね。そうだな例えば…… トカゲだから…… トカマルとか?」

「おおおっ トカマルですか! 何だか勇ましくてかっこいいですね!」
 あ、ごめん、なんか勢いで名づけてしまったけれど、良かったのだろうか?
 やたらめったら喜んで、俺の頭の上で小躍こおどりしているトカマル君であった。

 まあいいか。キミは今日からトカマル君だ。
 異空間の出身同士、共にこの地を生き抜こうではないか。

 そんな感じで俺達は町へと戻る道を歩き始めた。
 今日はもう帰ることにしよう。トカマル君も一緒にな。

 ギルドで受けた説明によると、確か精霊や神は人間の町に入っても大丈夫だったはずなのだ。あの受付の女の子はトカマル君の姿も見ていたようで、そう教えてくれた。
 町に入ることが出来ないのは亜人、獣人。これは絶対に許可されないそうだ。魔物は論外。ドワーフとエルフは用相談。種族による扱いの違いはかなり明確なようだった。

 そんなわけで町の門を通り抜けようとするのだが、

「おい小僧、なめてんのか。なんだその頭の上の謎生物は。お前1人でも十分に不審者なのに、さらに変なものを連れ帰ってるんじゃねぇよ」

 門番の人に止められた。なぜだ、精霊なのになぜだ。
 念のため確認してみる。

「精霊? 精霊だとぉ? そいつがか? 見たことねぇぞ、そんな精霊…… ったく、しょうがねぇな。ちょっと待ってろ」 
 
 門番の人は守衛塔へ行って、誰かを呼んできた。
 上司のようだ。爺さんである。妙な道具を持ってきてトカマル君を調べ始めた。

「んあ、確かに精霊っぽいの。お主との契約の痕跡も認められる。通ってよし」
「えええぇ、ちょっと、いいんすか? よりによってコイツの連れですよ? 絶対怪しいですって」

「うるさいのう、規定どおりやっとるからっ、わし調べたから。あとは冒険者ギルドにでも行って、正式な手続きとらせときゃええわい」

 爺さんは事務的な対応の人っぽかった。ヤル気もイマイチだった。今に限って言えば俺にはありがたい人である。門番としての資質は無いのかもしれないが。

「ちっ! くそが! おらっ いつまでも突っ立ってないでギルドへ行けやボウズ」

 いっぽう若い方の門番は思い切り感情を乗せるタイプだった。
 2人合わせてちょうど良いのか? いや、違うかもしれない。

 そういえばもう1つ気になっていたのだが、なんだかやたらと子供扱いされるよな? 流石にそんな年齢ではないと思うのだが?

 いや、まてよ? もしかして若返っている? こころなしか背も少しちいさくなっているような気がしてきた。うーーん、まあ何処かで鏡でも見れば分かるだろう。
 

 なにはともあれ町には返ってこれた。
 ギルドで今日の依頼の報告をして、トカマル君の登録でもしようではないか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転移! 幼女の女神が世界を救う!?

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
アイは鮎川 愛って言うの お父さんとお母さんがアイを置いて、何処かに行ってしまったの。 真っ白なお人形さんがお父さん、お母さんがいるって言ったからついていったの。 気付いたら知らない所にいたの。 とてもこまったの。

勇者を否定されて追放されたため使いどころを失った、勇者の証しの無駄遣い

網野ホウ
ファンタジー
「勇者じゃないと言われて追放されたので、帰り方が見つかるまで異世界でスローライフすることにした」から改題しました。 ※小説家になろうで先行連載してます。 何の取り柄もない凡人の三波新は、異世界に勇者として召喚された。 他の勇者たちと力を合わせないと魔王を討伐できず、それぞれの世界に帰ることもできない。 しかし召喚術を用いた大司祭とそれを命じた国王から、その能力故に新のみが疎まれ、追放された。 勇者であることも能力のことも、そして異世界のことも一切知らされていない新は、現実世界に戻る方法が見つかるまで、右も左も分からない異世界で生活していかなければならない。 そんな新が持っている能力とは? そんな新が見つけた仕事とは? 戻り方があるかどうか分からないこの異世界でのスローライフ、スタートです。

異世界に飛ばされたけど『ハコニワ』スキルで無双しながら帰還を目指す

かるぼな
ファンタジー
ある日、創造主と言われる存在に、理不尽にも異世界に飛ばされる。 魔獣に囲まれるも何とか生き延びて得たスキルは『ハコニワ』という、小人達の生活が見れる鑑賞用。 不遇スキルと嘆いていたそれは俺の能力を上げ、願いを叶えてくれるものだった。 俺は『ハコニワ』スキルで元の世界への帰還を目指す。

王宮まかない料理番は偉大 見習いですが、とっておきのレシピで心もお腹も満たします

櫛田こころ
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞〜癒し系ほっこりファンタジー賞〜受賞作品】 2022/7/29発売❣️ 2022/12/5【WEB版完結】2023/7/29【番外編開始】 ​───────『自分はイージアス城のまかない担当なだけです』。 いつからか、いつ来たかはわからない、イージアス城に在籍しているとある下位料理人。男のようで女、女のようで男に見えるその存在は、イージアス国のイージアス城にある厨房で……日夜、まかない料理を作っていた。 近衛騎士から、王女、王妃。はてには、国王の疲れた胃袋を優しく包み込んでくれる珍味の数々。 その名は、イツキ。 聞き慣れない名前の彼か彼女かわからない人間は、日々王宮の贅沢料理とは違う胃袋を落ち着かせてくれる、素朴な料理を振る舞ってくれるのだった。 *少し特殊なまかない料理が出てきます。作者の実体験によるものです。 *日本と同じようで違う異世界で料理を作ります。なので、麺類や出汁も似通っています。

種から始める生産チート~なんでも実る世界樹を手に入れたけど、ホントに何でも実ったんですが!?(旧題:世界樹の王)

十一屋 翠
ファンタジー
とある冒険で大怪我を負った冒険者セイルは、パーティ引退を強制されてしまう。 そんな彼に残されたのは、ダンジョンで見つけたたった一つの木の実だけ。 だがこれこそが、ありとあらゆるものを生み出す世界樹の種だったのだ。 世界樹から現れた幼き聖霊はセイルを自らの主と認めると、この世のあらゆるものを実らせ、彼に様々な恩恵を与えるのだった。 お腹が空けばお肉を実らせ、生活の為にと家具を生み、更に敵が襲ってきたら大量の仲間まで!? これは世界樹に愛された男が、文字通り全てを手に入れる幸せな物語。 この作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

1人だった少年は貴族と出会い本当の自分を知っていく

杜薛雷
ファンタジー
 前世、日本という国で暮らしていた記憶を持つ子供リディルは、知識を使って母親と二人、小さな村で暮らしていた。 しかし前世の知識はこの世界では珍しいもの。どこからか聞きつけた奴隷商人がリディルの元にやって来た。  リディルを奴隷にしようとやって来た商人からリディルを守った母親は殺され、リディルは魔物に襲われて逃げた。 逃げた森の中をさ迷い歩き、森を抜けたときリディルは自分の生き方を、人生を大きく変えることになる一人の貴族令嬢と出会う... ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  この作品が初めての投稿なので不安しかないです。初めは順調に投稿出来ても後々詰まってしまうと思うのでそこは気長に待ってくれると嬉しいです。 誤字脱字はあると思いますが、読みにくかったらすいません。  感想もらえると励みになります。気軽にくれると有り難いです。 『独りぼっちの少年は上級貴族に拾われる』から改名しました

魔神として転生した~身にかかる火の粉は容赦なく叩き潰す~

あめり
ファンタジー
ある日、相沢智司(アイザワサトシ)は自らに秘められていた力を開放し、魔神として異世界へ転生を果たすことになった。強大な力で大抵の願望は成就させることが可能だ。 彼が望んだものは……順風満帆な学園生活を送りたいというもの。15歳であり、これから高校に入る予定であった彼にとっては至極自然な願望だった。平凡過ぎるが。 だが、彼の考えとは裏腹に異世界の各組織は魔神討伐としての牙を剥き出しにしていた。身にかかる火の粉は、自分自身で払わなければならない。智司の望む、楽しい学園生活を脅かす存在はどんな者であろうと容赦はしない! 強大過ぎる力の使い方をある意味で間違えている転生魔神、相沢智司。その能力に魅了された女性陣や仲間たちとの交流を大切にし、また、住処を襲う輩は排除しつつ、人間世界へ繰り出します! ※番外編の「地球帰還の魔神~地球へと帰った智司くんはそこでも自由に楽しみます~」というのも書いています。よろしければそちらもお楽しみください。本編60話くらいまでのネタバレがあるかも。

処理中です...