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第2章 ヒロイン襲来

10 誤解を解いて、もう一度酔わせて◇

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「ロブロイ・グランドスラム」
「……ッ、シェリー様」


 何で宿舎にいない? 何で公爵家の騎士団の内情が落ち着いたのに一緒に鍛錬に励んでいない?

 いいたいことは一杯あった。でも、それよりも、もっと大事なことがあるから、私はそこは咎めないことにした。彼は、たまに人の言うことを聞かないところがあるから。
 ロイは、私に呼ばれ少しビクッと身体を震わしたあと、その無表情で何を考えているか分からない顔を私に向けた。
 彼が見晴らしが良いといって教えてくれた丘の上で、私は彼と向き合っていた。キールの一件から二日ほど経った。その二日間、先ほどキールと話してきて、区切りをつけてきたが、その間も彼は私と一切顔を合わせようとしなかったし、喋りかけてもくれなかった。キールの言葉が本当なのでは? と思えてきて、不安で夜も眠れなかった。
 ロイは、私を見ると、気まずそうに目線を逸らした。
 本当に、私に飽きたんじゃないかって、そう思えてくるほどに。


「ねえ、ロイ。キールを、抱いたの?」


 私が、そう聞くとロイはハッと顔を上げて、唇を動かした。その顔は、どっちなのか分からなくて、私は目眩がする。本当だったら、何て言おうって、そこまで考えてこなかったから、余計に息苦しい。
 そうして、暫くの沈黙が流れ、ロイが消え入るような声で私に質問を投げてきた。


「誰、から聞いたんですか」
「……誰からって、キールに決まってるじゃない! ロイ、抱いたの!? あの子を抱いたの!? 答えなさい。これは命令よ。命令だから……だから……」


 私は、縋るように彼の胸をなぐって、服を掴んだ。
 ボロボロと溢れてきた涙は、止らなかった。矢っ張り、本当だったんじゃって、信憑性が高くなって、私は耐えられなかった。


「すみません、シェリー様……」
「矢っ張り本当だったんだね……」
「……」


 ロイは答えなかった。答えにくそうに、いいにくそうに、口をもごらせて、それから俯く。


「本当のこと言ってくれなきゃ分からない! 私は、わたしはっ……ロイのこと、すき、なのに……愛してるのに……私だけだった?」
「……シェリー様顔を上げて下さい」
「いや……っ」


 私がそう拒めば、ロイは無理矢理顔を上げさせ、私の唇を奪う。


「んんっ!」


 それから、何度も角度を変えて口付けされる。舌が入ってきて、私の口腔内を掻き回す。


「あっ、ふぅ、はぁっ」


 頭が真っ白になって、腰砕けになる。それから、力が抜けて地面に倒れそうになったところを、彼に支えて貰う。


「いきなり、なに……」
「俺が、貴方以外にこんなことすると思っているんですか」


と、ロイがいう。強い口調、何で信じてくれないんだって泣きじゃくるような声に私が顔を上げれば、そこには私に欲情した熱い視線を送るロイがいた。でも、そのワインレッドの瞳から、涙が零れそうで、私は思わず彼の頬に手を当てる。


「俺はあの女が嫌いだ」
「え、えっと、キールの?」


 いきなり、敬語がはずれ、私は困惑した。
 本気で嫌いだとでも言うように、ロイが言うものだから、頭がついていけなくて、「え、え?」と声を漏らすことしか出来ない。そんな私を見て、ロイは、少し口を曲げて私を見下ろす。私は、何だか流されそうになって、このままじゃいけないと、彼に聞く。


「……キールのこと、抱いてない……よね。そういうこと?」
「……」
「だから、キールのこと……抱いて、ないんだよねって、聞いてるの!」


 私は、ロイに近づき彼の腕を掴みそう言った。ロイは少し驚いたような表情を見せたがすぐにいつもの無表情に戻る。
 そして、彼は「はい」と短く答えてくれた。それを聞いて、私はほっとした。だが、彼が離れていた期間に感じた虚しさと不安がすぐに埋まるわけではない。
 彼も彼で、私からの疑いが晴れたことで、少しほっとしたような表情を見せる。じゃあ、何故キールといたのかと、また次の疑問が浮上した。


「どうして、キールと?」
「それは……貴方の敵を排除するためです」
「……敵? 排除? それってどういう」
「はい。あの日、キール様と会った日……シェリー様はもの凄く怯えていましたので、彼女がシェリー様の悩みの種なのではないかと思い、探りを入れていたんです」
「探りって、は、ハニートラップ的な?」
「……そしたら、彼女は俺を気に入ったとかいってシェリー様の足下にも及ばない胸を押しつけてきました。不快でした。本当に吐きけがする」
「ろ、ロイ?」
「まあ、おかげで、全く疑われることもなく、彼女の懐に潜り込めたわけですが。証拠を、キャロル殿下と、ライラ殿下に流したのも俺です」


と、私の言葉をさらっとスルーしながら、ロイはとんでもないことを言い出した。

 え、つまりロイは……キールの悪事を暴くためにキールを利用したというわけなのか。
 私はロイの言葉に唖然とする。だが、さすがというしかなかった。いや、それを通り越して相変わらず怖い。本当に、裏で何をやっているか分からないこだと改めて思った。
 それから、ロイはちらりと私を見て言う。子犬のような目を向けて。


「俺は、シェリー様の役に立てましたか?」
「別に、頼んではない……けど」
「シェリー様だけを思っていた」


 私は、ロイのワインレッドの瞳と目が合わせられず背けてしまう。
 すると、彼は私の手を優しく包み込んできた。その手はとても温かくて安心できた。
 ロイの手が離れると、今度は腰を掴まれ引き寄せられる。そのまま、ロイの胸の中にすっぽりと収まってしまった。久しぶりのこの感覚に、先ほどとは違う意味で私は涙が溢れそうになった。


「寂しかったんですよね。すみませんでした」
「ろ、ロイ……は、いつも何も言ってくれないから……不安だった、寂しかった」
「……はい」


 そう言うと、ロイは私をぎゅうっと強く抱きしめてくれた。
 すると、ロイはそのまま私の顎に手をかけ上を向かせキスをしてきた。これまたさっきとは違う優しいそ触れるだけのもの。
 そして、私はロイの首に抱きつきもっととせがみだした。すると、ロイはもう一度唇を重ねてくれる。 それが嬉しくて、幸せで、このまま時が止まればいいのにとさえ思った。そうして、ようやく離してくれたロイは満足そうに笑みを浮べた後一瞬顔を曇らせた。


「あの女と一緒いるだけで吐きけがしました。彼女は、シェリー様を陥れることばかりを考えていたので。その場で、その口を切り落として、皮を剥いでやりたかった。その首をシェリー様に献上しようかとも考えましたが……シェリー様はそれは望まないだろうと。そんな風に、あの女の側でつかえるフリをしているうちに、俺にはシェリー様しかいないのだと……改め思い、貴方に恋い焦がれ貴方に早く触れたいと思いました」
「ロイ……」
「俺には貴方しかいない。俺を酔わせることが出来るのはシェリー様だけだ」


 ロイは私を真っ直ぐに見つめそう言ってくる。
 ああ、なんて熱烈な愛の告白なんだろう。
 こんなにも愛されてると思うと、心の底から幸せを感じる。


「私もよ、ロイ……貴方だけが私の媚薬、私を酔わせて離さない最高のカクテル」
「シェリー様」


 私達はお互い見つめ合い、再び口づけを交わす。甘い香りが鼻腔を刺激し頭がくらくらしてくる。もう、何も考えられないくらい夢中になって私達は何度もキスを交わした。


「俺だけを見て、俺だけに酔って……貴方を手放す気はない一生ない。貴方は、俺だけのもの」


と、ロイが呟いたのを私は気づく余裕すらないぐらい彼に泥酔していると感じていた。
 キスが終わり、ぽやっとした目でロイを見つめていれば、彼は真剣な表情になり口を開いた。


「シェリー様、今すぐ貴方を抱かせて下さい」
「へ、へ!? い、今から」


 ギュッと抱き付いてきたかと思えば、甘えるような声でロイがそんなことを口にする。いきなりすぎて、頭が追いつかない。


「ど、どうして……」
「あの女の痕跡を今すぐ貴方に消して欲しい。貴方のものだって、俺を安心させて欲しい。それに、貴方を心配させた分、俺がシェリー様を安心させてあげたい……です」
「ろ、い……」


 熱い瞳。熱を帯びた声。そんな声で言われたら、頷くしかなかった。私だって、安心したいし、ロイを感じたい。欲求不満って思われるかも知れないけれど、少し離れていただけじゃないかって言われるかもだけど、それでも、ロイを感じたかった。
 ずるいし、私がロイに弱いってのを分かっていて、それを利用しているような、策士なロイ。分かってる、分かってるし、流されちゃいけないか持って思っている。
 でも、そんな彼がたまらなく好きだと思った。


「うん、いいよ。私もロイのこといっぱい感じたい」
「ありがとうございます」


 ロイは私を抱き上げ丘を下り、私の部屋まで連れて行くと、優しくベッドに下ろした。それはもう、割れそうな陶器を扱うくらい優しい手つきで。そして、私の上に覆い被さってきたロイ。
 私は、彼の首に腕を回し自らキスをした。ロイもそれに応えるように舌を絡めてくる。久々なせいか、それだけで身体が疼く。


「んっ……ふぁ、ろ、ロイ……ロイ」


 息継ぎの合間に、彼の名前を呼ぶ。


「シェリーさまっ……シェリー様の匂いだ。ああ、安心する。貴方の匂い」
「ふふっ、もうロイったら」


 今回のことはロイが勝手に動いて、何故か分からないけれど上手くいった出来事だったけど、それでもロイが自分で動いたとはいえ、キールといるのが苦痛だったんだろう。彼女は男に対してのスキンシップが激しいから。だから、私を愛してくれているロイとしては、キールの側にいるのが耐えられなかったのだろう。
 キールはそんなことに一切気づいていなかった。もっと、ちゃんとまわりをみなさいよっていいたいくらいに。
 キールのことが頭をよぎったけれど、私達の甘い時間に彼女は邪魔だと、私は頭の中から彼女を追いやって、ロイを抱きしめた。私の胸に顔が埋まったロイは少し苦しそうにして、私の胸から顔を離すと、私の頬に手を当ててきた。


「どうしたの?」
「いえ……シェリー様はやはり柔らかいと。シェリー様の胸じゃないと満足できません」
「何言って……!」
「あと、感度もいい」
「……! ば、馬鹿なこと言わないで!」
「俺は、シェリー様の胸、凄く好きです。俺の身体は、貴方じゃないと満足できない。だから、シェリー様も、俺じゃなきゃ満足出来ない身体になって?」


と、ロイは私の胸を揉んでくる。その刺激に、私は身を捩らせた。

 すると、ロイは私の胸の先端を口に含んできた。その瞬間、電流が走ったかのような感覚に陥る。
 久しぶりの感覚に、私もロイを求めてしまう。


「ああっ、や、ロイ……」
「シェリー様、もっと、もっと俺を求めて? もっと俺に溺れて」
「う、ん……もっと、もっと、ロイで一杯になりたい……お願い、もっと」


 もっと、ロイが欲しい。
 私は、自ら足を動かし、彼にすり寄せた。ジュンッとアソコが濡れているのが自分でも分かって、でも、はしたないって思っても腰が止らなかった。それを、ロイに気づかれ、彼はうっとりと私を見つめると、私にキスをしてきた。


「シェリー様、俺の事そんなに欲しい?」
「う、ぅん……」
「ハッ……何処までも、貴方は、俺を溺れさせようとするんですね」


 そう言うと、ロイは私の足の間に割って入り、私の秘部に手を這わしていく。下着越しだというのに、そこはもうぐしょぐしょになっていて、ロイの指が触れるだけでビクついてしまった。


「ああ……すごい、こんなに濡らして……シェリー様は本当に可愛いですね」
「そ、そんなこと……ひゃっ、あんっ」
「俺の指を美味しそうに飲み込んでいく……ああ、俺の指シェリー様に食べられちゃいました」
「ろ、ロイのゆびぃ……きもちいい」


 ロイは、私に見せつけるかのようにゆっくりと私の中に埋めていく。


「ほら、分かりますか。こんなにも貴方のここが、俺を求めている」
「いわないでぇ……」
「何故ですか? だって、事実でしょう」
「そ、そうだから」


 ロイに言われて、改めて自分がどれだけ彼を欲していたのかを思い知らされた気がする。ロイが欲しくて仕方がなかった。


「だから、早く……ちょうだいよ。ロイ」
「……ッ、ええ、あげますよ。貴方が望むだけ……俺を貴方に」
「んっ……んんっ」


 私の唇を塞ぎながら、ロイは自身のモノを私の中へと挿入してくる。ゆっくり入ってくるロイを感じて、私は歓喜の声をあげた。


「んんーッ! ふぁ、おっきいのぉ、入ってるぅ」
「っ、熱……気持ちいいです。俺のが奥まで入る度に、絡みついてくるみたいだ。それに、いつもよりキツい」
「あぁ、だってぇ、ひさしぶりだもん」
「っ、そんなに締め付けないで下さい。すぐにイっちゃいますよ」
「いいよ、出して……」
「本当に、貴方はッ! 何処まで、俺を溺れさせようとするんですか!」


 余裕なんてなくなったとでもいうように、ロイは激しく腰を動かし始めた。
 パンッパチュパチュンと卑猥な音が部屋に響き渡る。それが余計に私を興奮させた。


「ああっ、ろ、ロイ、ロイ……!」
「シェリー様、愛しています。ずっと、永遠に、俺は貴方のものです。だから、シェリー様も俺のものでいて下さい。俺に溺れて下さい!」


 懇願するようにいうロイ。


(もう、溺れているのよ……とっくに)


 私はそう脳で感じながら、彼を受け入れ続けた。


「ああっ、ロイ、イク、イッちゃう」
「はい、一緒に、俺ももう限界ですから。シェリー様ッ!」
「うん、私も、ロイのこと、あいし、てる」


 一段と強く抱きしめられ、彼の熱いものが中に注がれてくる感覚に身震いし、私はそのまま意識を手放してしまった。
 ロイで満たされている、そんな満足感と多幸感を抱いて、私は夢の中におちた時も彼の名前を呟いていた。


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