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第2部1章 死にキャラは学園生活を満喫します
10 好きっていえよ、バカ◆
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「ごめん、セシル。俺……」
「いや、いい。だから、ニルが謝る必要はない。俺も悪かった。何も言わず出ていってしまって。お前を無視して」
「……ほんと、死ぬかと思った」
「死ぬな……死んだら俺が困る。俺も死ぬぞ」
「わかってる……バカ、バカセシル。死なない」
「ああ、そうしてくれ」
会話は物騒だけど、そこに頑固として譲れないものがあるというか。死について、俺たちはよく知っていて、どれほど苦しい思いをしてきたか知っている。だから、ジョークだけどブラックジョークで。でも、真剣に受け止めてしまえば、それは喧嘩どころじゃすまないもので。
考えていたほど、俺たちは長く喧嘩できないし、そもそもただすれ違っていただけなんだと実感させられた。
心のどこかで、これくらいなら一日も経たないうちに、と思ってしまっていたのも事実だったが。
セシルに抱きしめられて、俺は彼の匂いと温度にまた安堵する。朝起きたとき、セシルがいなかったあの寒さは思い出したくもない。
「冷たいな、ニル」
「……あ、あはは。魔法使っちゃったから」
「…………使うなといったはずだぞ」
「でも、ほら。加減してるし、いつもより詠唱長めにやったし、大丈夫でしょ」
「冷たい」
はいはい、と俺は、セシルの背中を撫でながら息を吐く。セシル身体はやけどしそうなほど熱い。俺が冷たいせいなんだどうけど。それと確かに、俺の吐く息が白い。何でだろうか。
あれだけの魔法でも、心臓に負荷がかかった。それほどまでに、俺は弱ってしまっているのだ。魔法を使わなければ問題がないものの、やはり体には異常をきたしている。もし、あのとき心臓を貫かれることがなければ……もっと違う世界があったかもしれない。これは大きなハンデだ。
武器も何も持っていない時、対応できる唯一の手段として魔法があったのに。それすら失ってしまって。俺はどうすればいいのだろうか。
漠然とした不安が襲い掛かる中、空気をぶち壊すように、ぐぅうう、と腹のねが鳴る。それは、俺のだったかセシルのだったかはわからないが、俺たちは顔を見合わせてふはっ、と噴き出すように笑った。
「降りるのは、俺が手伝おう。もともと、昼休みだけ、ここに来ようと思っていたんだ。なのに、お前が迎えに来てしまったからな」
「なーに、俺が悪いみたいに言ってんの。てか、ここはそういう場所じゃないんだから。また、勝手に細工して」
「落ち着くんだ。ニルに告白した場所だから。あの時の熱を、気持ちを……ここに来れば思い出せると思ってな。それに、風が心地いい」
サアアと、タイミングよくふいた風は確かに涼しかった。緑の匂いを運んできて、ひらひらと木の葉を宙へと舞い上げる。学園が一望できるこの時計塔は、確かに心が安らぐ。俺たちの思いが通じ合った場所。
セシルにとって、そういう場所があることはいいことだと思う。
俺は、うん、とここからうっすらと見える皇宮を目を細めてみて耳に髪の毛をかける。
それから、セシルの魔法で下へと降りて、俺たちは急いで売店で昼飯を買って次の授業へと出た。放課後まで、あの二人には会わなかったが、今度お礼をしよう。親身……まではいかずとも、俺のことをそれなりに心配してくれたからだ。あの二人は、セシルがいないとすこーしだけ優しくなる。まあ、セシルが突っかかって二人の気を立てているのかもしれないけど。
そうして、何事もなく、俺たちは部屋に帰ってきた。昨日の事故からもうまる一日経つのかと思うと、長いようで短かった。一日も経たないうちに仲直りして、その速さには自分たちでも苦笑してしまうほど。だが、一つだけやりたいことというか、昨日の仕返しというか。謝罪もかねて、セシルにしたいことがあった。
「……に、ニル。どうした、今日は、ヤケに積極的で」
「昨日、セシルにつらい思いさせちゃったからね。今日は、俺がやる」
「気持ちは嬉しいが、俺はニルを気持ちよくさせたいんだが」
「それは、こっちも思ってること。黙っててよ」
「……せっかく喋れるようになったのにか?」
正論すぎて、手が止まる。二段ベッドの下段、俺のベッドに押し倒したセシルの上に馬乗りして、俺はセシルを見下ろした。
部屋に入って荷物を置いたのを確認したのち、俺は犯行に及んだ。セシルは、油断していたし、俺はそういうことしないだろうと隙だらけのセシルを押し倒すことなんて俺にとっては簡単なことだった。そして、セシルはまんまと俺に押し倒され、珍しく焦ったように体をばたつかせていた。確かにいつもは、向かい合って合意の上でするのだが、今日は俺が上の気分だった。ああ、もちろん、セシルを抱くとかじゃなくて。
クッ、とセシルはした唇を噛んで、俺に恥辱に歪んだ夜色の瞳を向けた。その目で見つめられると、ゾクゾクと背筋が震えてしまう。いけないことをしている気分で、俺は興奮する。
馬乗りになったはいいものの、このままでは何もできないので、俺は少しずれて、ズボンの上からセシルの下半身を撫でる。わかりやすく、ピクッと体が動き、数回撫でただけで、それは熱を持ち、ズボンの中で膨張した。
「セシル、反応が早いよ?」
「……それはっ! ……ニルが、触るからだろ。誰だって、好きなやつに触られたらそうなる」
「素直でいい子。素直でいい子には、ご褒美を上げよう。ね? セシル君」
「に、ニル、言い方が……くっ、はっ……ニル、おい!」
カチャカチャとベルトを外し、ジッパーを下にずらすと、むわりと雄の匂いが広がった。下着の中でふくらみを主張しているそれを、俺はごくりとつばを飲んで下まで下げる。すると、ぶるんと勢いよくそれは顔を出した。
相変わらず、凶器だな……と、俺はいきり立ったそれに手を伸ばす。熱くてドクドクと脈打っている。もうすでに硬くて、大きいのにまだ大きくなるのかさらに上に向く。
これがいつも俺の中に入っていると思うと、興奮する……が、本当に全部入っているのだろか。実は、半分も入っていないんじゃないかと思う。俺のだって、別に小さいわけじゃないし、平均サイズで。
セシルのセシルとにらみ合っていてもらちが明かないし、こいつは喋らないので、俺は黙って扱くことにした。やわやわともみながら上下にしごいてやると、手の中のものがさらに熱と大きさを増す。
「……っ、ん……ニル……」
「気持ちよさそう、じゃん」
「……そうだな。ニルに触れられていると思うと、な……っ、は。だが、ニル。お前もいい顔しているぞ? 俺のを触って興奮しているのか?」
「……っ! うっさいなあ。黙って感じてなよ」
ぐりっと鈴口を強く押せばセシルの腰が浮き上がる。ぬちゃぬちゃと先走りを亀頭に塗りたくり、その滑りを使ってさらに激しく手を上下させる。割れ目からはひっきりなしに透明な液体がたらたらと流れ出す。喋れるようになったからって、急におしゃべりにならなくていい。黙って感じてくれれば、俺はそれで……
(違う、セシルの声聞きたいんだ)
俺だけが引き出せるセシルを、俺の手で。もっと、ずるずる引き出したい。見せてほしい。
すました完璧なセシルの顔を崩して。俺だけに見せてほしい。
手だけでは物足りないのか、なかなかいかない遅漏なセシルに腹が立ち、俺は仕方なく口ですることにした。前に何度かやったが、気を抜くとすぐに頭を押さえつけられて、喉まで突かれるので注意しないといけない。
俺は細心の注意を払いながら、セシルのペニスに頬ずりをし、視覚的に攻めることにした。セシルの顔がリンゴのように真っ赤になる。どうやら、効果は抜群らしい。
「どこで、そんなこと覚えてくるんだ」
「さあ。イメージトレーニング」
「お前の中で、俺はどうなってるんだ。ニル! はっ……クソ、覚えてろ」
「負け犬の遠吠えにしか聞こえないんだけど、ん……イってもいいからね。イクときは言ってほしいけど」
口に含みながら、時々ぺろぺろと舌を動かして刺激してやる。どうやら、こっちのほうがいいらしい。
俺はセシルのものを根元近くまで口に入れ、頭を動かして出し入れを激しくしたのち先端をぢゅっと吸い上げる。
「んぐ……っ、は……んん」
「ニルっ、で、出るから離せ!」
「ふ~ん、出るんだ」
「な、にが、したい」
「いいや? さっきは、イッてもいいっていったけど。やっぱり、イクなら、こっちがいいな……」
俺は、セシルが射精する寸前で口を離しぴとりと自分の尻の割れ目にあてた。セシルは、昂った熱が発散できず苦しそうにうめいている。これが一番つらいよな……と、俺は理解しつつも、やっぱりこっちで受け止めたかった。俺も限界。
「ま、待て、慣らしてないだろ」
「さっきトイレでしてきた」
「なっ!? 誰かに見つかったらどうする」
「北側の一番奥のトイレは人いないし。バレなかったから別にノーカン」
「……今度からは部屋でしろ。外ではするな、絶対にだ! 本当に、目を離すとお前は……」
呆れたように言うのでは、俺はむっとしつつも、許してもらうために、できるだけかわいくセシルに問いかける。
「ダメ?」
「…………っ、エッチで心配になる。ニルはかわいいからな。その声が誰かに聞かれていたと想像すると、そいつの耳を切り落としたくなる。というか、俺がしたいからするな」
「別に俺も、普通はしないからね? セシルがやってくれたほうが、い……し。今回が特別」
部屋に帰ってセシルを襲うなんて計画しなきゃできないから。まあ、恥ずかしいことしたし、言った自覚はあったが正直に話さなければフェアじゃないと思ったのだ。フェアもクソもあるか知らないけど。
俺はずれないようにセシルのを固定しつつ、自分の指で穴を広げながらゆっくり腰を下ろした。
「……は、ぁっ、ふ……あ、ああ!」
「ニル……」
「はぁ、ん……はあぁ……っ、うぅ」
「……絶景だな」
「そりゃ……っ、どーも」
ずぷずぷっと中に入り込んでいくそれを締め付けるが、やはり苦しいし圧迫感がすごい。見た目を裏切らない大きさで、質量で……額に汗が浮かぶ。
でも、苦しくて辛いのに、それでも気持ちよくて腰を止めようにも勝手に動いてしまう。だって、この先を俺は知ってるから。もっと奥までほしいけど、怖くてなかなか下まで下ろせない。浅いところを掠めて、ちゅこちゅこと小刻みに腰を動かすことしかできない。
口から洩れるのは次第に、苦しむ呻きから、快楽を拾い上げた淫らなものになっていく。甘ったるい、吐息をたっぷり含んだ、自分で言うのもなんだが艶のある声に。それでも、少し頑張って腰を落としてみると、さらに快感が広がっていく。ぐぷ、ぬぷぷ、と中に入っていくこの感覚がたまらない。しかし、足は限界で小鹿のようにプルプルと震えていた。シーツを足でつかんで、どうにか体勢を保っているがこんなの時間の問題で決壊する。もし、足を滑らせて一気に奥に入ったりしたら……
「じれったいな」
と、セシルがぽそりとこぼしたかと思えば、俺の腰をガッと掴んでそのまま俺を下に下ろした。
「あ、ああ、あああっ!」
一気に奥を穿かれ、俺は息ができなかった。今までにない衝撃というか、こんなの耐えきれない。緩くしか勃ち上がっていなかった俺のそれは、今の衝撃で、セシルの腹にぶちまけ、いまだ断続的に続く快楽にぷるぷると再び勃起し震えていた。
一気に奥まで到達し、その刺激で俺の腰は力を失い後ろに傾いた。目の前に星がチカチカと飛んで目の前が真っ白になる。一度イッて力の抜けた俺を支えるだけの力は残っておらず、セシルの上にぺちゃっと完全に倒れこんだ。
「俺が、やるって、いった」
「ああ、やってくれたじゃないか。だから、今度は俺の番だ」
「セシルは、今日お預けなの。俺がやるの……っ、俺が、セシルを気持ちよくさせるっていった……」
「腰が砕けたくせに何を言う。黙って、感じていろ……いや、いっぱい喘いでくれ、そのかわいい口で。な? ニル」
「俺、かわいくない……からっ。セシル、顔、絶対、よくない。ダメ、悪い顔してる!」
ヤバい、その顔はヤバい。
完全にスイッチが入った顔で、ろくでもないこと考えている。俺を気持ちよくすることしかない顔。頭いっぱい、俺しか考えていない顔。
嬉しいけど、今、身体にそれは毒だ。俺は、おずっとセシルの上から退こうとしたが、抜ける感覚にも体が反応してしまい、ペションとまた元の位置に戻ってしまう。その際も、中で擦れて気持ちいいが駆け巡る。
そんな俺を見て、セシルはうっとりと、だが次の瞬間には雄になって、俺の腰を再度掴む。やけどしそうなほど熱い手が、俺の腰に添えられて、身動きが取れない。逃げようがないのに、逃げようと必死な俺を、セシルは嬉しそうに見て笑う。
「や、待って。一回抜いてから……あ! はっああん!」
俺の腰を持ちなおし、上下に揺さぶるセシルに俺は何もできないままただ喘がされるしかない。ただただ気持ちよくて、奥にコツンコツンと当たるたびに甘ったるい声が漏れてしまう。唾液が口の端からこぼれて、顎を伝って落ちていく。
「セシル、そういえばっ……ああっ、防音、まほうっ、し、てっない!」
「ああ、それならさっきした。お前が俺のを気持ちよさそうにしゃぶっているときな」
「うそっ!? そんな余裕、何でっ」
「気づかなかったか? まだまだだな、ニル。だが、それだけ俺に集中してくれたってことだろ?」
「ああっ、んっ、ひぁあっ」
下から突きあげられれば、体を反らせるしかない。強烈な刺激に、セシルの声。全部が俺を抱きしめて、絡めて、愛でる。
ずぷずぷと抜き差しが繰り返され、俺はもう絶頂まであと一歩のところまで追い詰められていた。
「ニル……気持ちいいな」
「んん、あふ、あぅああ! やぁっ、ああ! そこ、いっ、からぁっ」
もうほとんど呂律が回っていないし、俺は自ら腰を振っていた。
セシルが腰を打ち付けているだけじゃない。俺が自ら、求めて、合わせて振っている。はしたない。嫌われないか心配だが、そんなこと気にする必要もないくらい、セシルは俺を求めてくれている。
ならば、少しくらい乱れてもいいだろう。
だって、止められないんだから。気持ちいことが好きで仕方ないから、自分がやらしいことをしてるのは知ってても身体は正直だから。もっと気持ちよくなりたいと本能のままに腰を振りたくってしまう。
そんな俺の腰を掴み、セシルはラストスパートに入ったのかいっそう激しく動く。
中にあるペニスも限界が近く大きくなっているのが伝わる。奥を抉られて気持ちいい。浅いところを擦って、前立腺をピンポイントで抉り上げるのがたまらない。自重で、ずっぽりハマってしまい、お腹もボコりとセシルの形になっている。
セシルもセシルで、気持ちよさそうに声を漏らしてる。俺で気持ちよくなっている。
「あ、ぁあ、あああ~~~~ッ!!」
「クッ……」
全身がビクビクしだして俺は絶頂を迎える。中が収縮して、セシルのを搾り取ろうとしているのが分かった。セシルも、ドクドクと脈打って、それから最奥で果てる。中にすり込ませるように、腰を揺らし、ぬちぬちとまだ少し硬いペニスを擦り付ける。その絶妙な動きにも体がぴくぴくと動いて仕方がなかった。
俺は、再度セシルに倒れ込むように抱き着いて、彼の肩で息を整える。
「せし……ぅ」
「まだ、戻ってこれていないか? かわいかったぞ、ニル」
「なんで、セシルは、そんなピンピンしてるの」
「それは、二回戦のお誘いか? 受けてたつぞ」
「……調子いいんだから。セシル、キス、あと、好きっていって」
よく回る口。
昨日まではその口から裏返ったトゲのある言葉が出てきたけど、今は俺をたっぷり甘やかす言葉と、でもちょっと意地悪な言葉がでてる。俺は、恥ずかしくて、彼の口をふさぐ口実を探して、ねだる。いや、キスしてほしかった。好きって、たくさん言って、その口でキスを。
セシルは、俺の頭を撫でて、優しく唇に自身のしっとりと濡れた唇を当てた。
「愛してる、ニル」
「好きじゃないの?」
「好きの最上級だろ? 愛してる、最高に愛おしい、俺のニル」
「……んっ、俺も、セシルのこと愛してる」
舌足らずにいってキスをする。今度は、舌を絡めて、ゆっくりと互いの唾液を交換するように。
結局この後二回戦に突入し、さらにさんざん喘がされたのは言うまでもない。翌日、腰と喉がぶっ壊れて、ゼラフとアルチュールに心配された。それで、セシルから俺を引きはがして、二人は噛みつくようにセシルを睨みつけていた。だが、いつもと違ってセシルはまんざらでもなさそうに、フッと笑ってマウントをとるように腕を組んでいた。それを見て、何やってんだと思ったが、いつものセシルが戻ってきたと、俺は内心嬉しくて仕方がなかった。
「いや、いい。だから、ニルが謝る必要はない。俺も悪かった。何も言わず出ていってしまって。お前を無視して」
「……ほんと、死ぬかと思った」
「死ぬな……死んだら俺が困る。俺も死ぬぞ」
「わかってる……バカ、バカセシル。死なない」
「ああ、そうしてくれ」
会話は物騒だけど、そこに頑固として譲れないものがあるというか。死について、俺たちはよく知っていて、どれほど苦しい思いをしてきたか知っている。だから、ジョークだけどブラックジョークで。でも、真剣に受け止めてしまえば、それは喧嘩どころじゃすまないもので。
考えていたほど、俺たちは長く喧嘩できないし、そもそもただすれ違っていただけなんだと実感させられた。
心のどこかで、これくらいなら一日も経たないうちに、と思ってしまっていたのも事実だったが。
セシルに抱きしめられて、俺は彼の匂いと温度にまた安堵する。朝起きたとき、セシルがいなかったあの寒さは思い出したくもない。
「冷たいな、ニル」
「……あ、あはは。魔法使っちゃったから」
「…………使うなといったはずだぞ」
「でも、ほら。加減してるし、いつもより詠唱長めにやったし、大丈夫でしょ」
「冷たい」
はいはい、と俺は、セシルの背中を撫でながら息を吐く。セシル身体はやけどしそうなほど熱い。俺が冷たいせいなんだどうけど。それと確かに、俺の吐く息が白い。何でだろうか。
あれだけの魔法でも、心臓に負荷がかかった。それほどまでに、俺は弱ってしまっているのだ。魔法を使わなければ問題がないものの、やはり体には異常をきたしている。もし、あのとき心臓を貫かれることがなければ……もっと違う世界があったかもしれない。これは大きなハンデだ。
武器も何も持っていない時、対応できる唯一の手段として魔法があったのに。それすら失ってしまって。俺はどうすればいいのだろうか。
漠然とした不安が襲い掛かる中、空気をぶち壊すように、ぐぅうう、と腹のねが鳴る。それは、俺のだったかセシルのだったかはわからないが、俺たちは顔を見合わせてふはっ、と噴き出すように笑った。
「降りるのは、俺が手伝おう。もともと、昼休みだけ、ここに来ようと思っていたんだ。なのに、お前が迎えに来てしまったからな」
「なーに、俺が悪いみたいに言ってんの。てか、ここはそういう場所じゃないんだから。また、勝手に細工して」
「落ち着くんだ。ニルに告白した場所だから。あの時の熱を、気持ちを……ここに来れば思い出せると思ってな。それに、風が心地いい」
サアアと、タイミングよくふいた風は確かに涼しかった。緑の匂いを運んできて、ひらひらと木の葉を宙へと舞い上げる。学園が一望できるこの時計塔は、確かに心が安らぐ。俺たちの思いが通じ合った場所。
セシルにとって、そういう場所があることはいいことだと思う。
俺は、うん、とここからうっすらと見える皇宮を目を細めてみて耳に髪の毛をかける。
それから、セシルの魔法で下へと降りて、俺たちは急いで売店で昼飯を買って次の授業へと出た。放課後まで、あの二人には会わなかったが、今度お礼をしよう。親身……まではいかずとも、俺のことをそれなりに心配してくれたからだ。あの二人は、セシルがいないとすこーしだけ優しくなる。まあ、セシルが突っかかって二人の気を立てているのかもしれないけど。
そうして、何事もなく、俺たちは部屋に帰ってきた。昨日の事故からもうまる一日経つのかと思うと、長いようで短かった。一日も経たないうちに仲直りして、その速さには自分たちでも苦笑してしまうほど。だが、一つだけやりたいことというか、昨日の仕返しというか。謝罪もかねて、セシルにしたいことがあった。
「……に、ニル。どうした、今日は、ヤケに積極的で」
「昨日、セシルにつらい思いさせちゃったからね。今日は、俺がやる」
「気持ちは嬉しいが、俺はニルを気持ちよくさせたいんだが」
「それは、こっちも思ってること。黙っててよ」
「……せっかく喋れるようになったのにか?」
正論すぎて、手が止まる。二段ベッドの下段、俺のベッドに押し倒したセシルの上に馬乗りして、俺はセシルを見下ろした。
部屋に入って荷物を置いたのを確認したのち、俺は犯行に及んだ。セシルは、油断していたし、俺はそういうことしないだろうと隙だらけのセシルを押し倒すことなんて俺にとっては簡単なことだった。そして、セシルはまんまと俺に押し倒され、珍しく焦ったように体をばたつかせていた。確かにいつもは、向かい合って合意の上でするのだが、今日は俺が上の気分だった。ああ、もちろん、セシルを抱くとかじゃなくて。
クッ、とセシルはした唇を噛んで、俺に恥辱に歪んだ夜色の瞳を向けた。その目で見つめられると、ゾクゾクと背筋が震えてしまう。いけないことをしている気分で、俺は興奮する。
馬乗りになったはいいものの、このままでは何もできないので、俺は少しずれて、ズボンの上からセシルの下半身を撫でる。わかりやすく、ピクッと体が動き、数回撫でただけで、それは熱を持ち、ズボンの中で膨張した。
「セシル、反応が早いよ?」
「……それはっ! ……ニルが、触るからだろ。誰だって、好きなやつに触られたらそうなる」
「素直でいい子。素直でいい子には、ご褒美を上げよう。ね? セシル君」
「に、ニル、言い方が……くっ、はっ……ニル、おい!」
カチャカチャとベルトを外し、ジッパーを下にずらすと、むわりと雄の匂いが広がった。下着の中でふくらみを主張しているそれを、俺はごくりとつばを飲んで下まで下げる。すると、ぶるんと勢いよくそれは顔を出した。
相変わらず、凶器だな……と、俺はいきり立ったそれに手を伸ばす。熱くてドクドクと脈打っている。もうすでに硬くて、大きいのにまだ大きくなるのかさらに上に向く。
これがいつも俺の中に入っていると思うと、興奮する……が、本当に全部入っているのだろか。実は、半分も入っていないんじゃないかと思う。俺のだって、別に小さいわけじゃないし、平均サイズで。
セシルのセシルとにらみ合っていてもらちが明かないし、こいつは喋らないので、俺は黙って扱くことにした。やわやわともみながら上下にしごいてやると、手の中のものがさらに熱と大きさを増す。
「……っ、ん……ニル……」
「気持ちよさそう、じゃん」
「……そうだな。ニルに触れられていると思うと、な……っ、は。だが、ニル。お前もいい顔しているぞ? 俺のを触って興奮しているのか?」
「……っ! うっさいなあ。黙って感じてなよ」
ぐりっと鈴口を強く押せばセシルの腰が浮き上がる。ぬちゃぬちゃと先走りを亀頭に塗りたくり、その滑りを使ってさらに激しく手を上下させる。割れ目からはひっきりなしに透明な液体がたらたらと流れ出す。喋れるようになったからって、急におしゃべりにならなくていい。黙って感じてくれれば、俺はそれで……
(違う、セシルの声聞きたいんだ)
俺だけが引き出せるセシルを、俺の手で。もっと、ずるずる引き出したい。見せてほしい。
すました完璧なセシルの顔を崩して。俺だけに見せてほしい。
手だけでは物足りないのか、なかなかいかない遅漏なセシルに腹が立ち、俺は仕方なく口ですることにした。前に何度かやったが、気を抜くとすぐに頭を押さえつけられて、喉まで突かれるので注意しないといけない。
俺は細心の注意を払いながら、セシルのペニスに頬ずりをし、視覚的に攻めることにした。セシルの顔がリンゴのように真っ赤になる。どうやら、効果は抜群らしい。
「どこで、そんなこと覚えてくるんだ」
「さあ。イメージトレーニング」
「お前の中で、俺はどうなってるんだ。ニル! はっ……クソ、覚えてろ」
「負け犬の遠吠えにしか聞こえないんだけど、ん……イってもいいからね。イクときは言ってほしいけど」
口に含みながら、時々ぺろぺろと舌を動かして刺激してやる。どうやら、こっちのほうがいいらしい。
俺はセシルのものを根元近くまで口に入れ、頭を動かして出し入れを激しくしたのち先端をぢゅっと吸い上げる。
「んぐ……っ、は……んん」
「ニルっ、で、出るから離せ!」
「ふ~ん、出るんだ」
「な、にが、したい」
「いいや? さっきは、イッてもいいっていったけど。やっぱり、イクなら、こっちがいいな……」
俺は、セシルが射精する寸前で口を離しぴとりと自分の尻の割れ目にあてた。セシルは、昂った熱が発散できず苦しそうにうめいている。これが一番つらいよな……と、俺は理解しつつも、やっぱりこっちで受け止めたかった。俺も限界。
「ま、待て、慣らしてないだろ」
「さっきトイレでしてきた」
「なっ!? 誰かに見つかったらどうする」
「北側の一番奥のトイレは人いないし。バレなかったから別にノーカン」
「……今度からは部屋でしろ。外ではするな、絶対にだ! 本当に、目を離すとお前は……」
呆れたように言うのでは、俺はむっとしつつも、許してもらうために、できるだけかわいくセシルに問いかける。
「ダメ?」
「…………っ、エッチで心配になる。ニルはかわいいからな。その声が誰かに聞かれていたと想像すると、そいつの耳を切り落としたくなる。というか、俺がしたいからするな」
「別に俺も、普通はしないからね? セシルがやってくれたほうが、い……し。今回が特別」
部屋に帰ってセシルを襲うなんて計画しなきゃできないから。まあ、恥ずかしいことしたし、言った自覚はあったが正直に話さなければフェアじゃないと思ったのだ。フェアもクソもあるか知らないけど。
俺はずれないようにセシルのを固定しつつ、自分の指で穴を広げながらゆっくり腰を下ろした。
「……は、ぁっ、ふ……あ、ああ!」
「ニル……」
「はぁ、ん……はあぁ……っ、うぅ」
「……絶景だな」
「そりゃ……っ、どーも」
ずぷずぷっと中に入り込んでいくそれを締め付けるが、やはり苦しいし圧迫感がすごい。見た目を裏切らない大きさで、質量で……額に汗が浮かぶ。
でも、苦しくて辛いのに、それでも気持ちよくて腰を止めようにも勝手に動いてしまう。だって、この先を俺は知ってるから。もっと奥までほしいけど、怖くてなかなか下まで下ろせない。浅いところを掠めて、ちゅこちゅこと小刻みに腰を動かすことしかできない。
口から洩れるのは次第に、苦しむ呻きから、快楽を拾い上げた淫らなものになっていく。甘ったるい、吐息をたっぷり含んだ、自分で言うのもなんだが艶のある声に。それでも、少し頑張って腰を落としてみると、さらに快感が広がっていく。ぐぷ、ぬぷぷ、と中に入っていくこの感覚がたまらない。しかし、足は限界で小鹿のようにプルプルと震えていた。シーツを足でつかんで、どうにか体勢を保っているがこんなの時間の問題で決壊する。もし、足を滑らせて一気に奥に入ったりしたら……
「じれったいな」
と、セシルがぽそりとこぼしたかと思えば、俺の腰をガッと掴んでそのまま俺を下に下ろした。
「あ、ああ、あああっ!」
一気に奥を穿かれ、俺は息ができなかった。今までにない衝撃というか、こんなの耐えきれない。緩くしか勃ち上がっていなかった俺のそれは、今の衝撃で、セシルの腹にぶちまけ、いまだ断続的に続く快楽にぷるぷると再び勃起し震えていた。
一気に奥まで到達し、その刺激で俺の腰は力を失い後ろに傾いた。目の前に星がチカチカと飛んで目の前が真っ白になる。一度イッて力の抜けた俺を支えるだけの力は残っておらず、セシルの上にぺちゃっと完全に倒れこんだ。
「俺が、やるって、いった」
「ああ、やってくれたじゃないか。だから、今度は俺の番だ」
「セシルは、今日お預けなの。俺がやるの……っ、俺が、セシルを気持ちよくさせるっていった……」
「腰が砕けたくせに何を言う。黙って、感じていろ……いや、いっぱい喘いでくれ、そのかわいい口で。な? ニル」
「俺、かわいくない……からっ。セシル、顔、絶対、よくない。ダメ、悪い顔してる!」
ヤバい、その顔はヤバい。
完全にスイッチが入った顔で、ろくでもないこと考えている。俺を気持ちよくすることしかない顔。頭いっぱい、俺しか考えていない顔。
嬉しいけど、今、身体にそれは毒だ。俺は、おずっとセシルの上から退こうとしたが、抜ける感覚にも体が反応してしまい、ペションとまた元の位置に戻ってしまう。その際も、中で擦れて気持ちいいが駆け巡る。
そんな俺を見て、セシルはうっとりと、だが次の瞬間には雄になって、俺の腰を再度掴む。やけどしそうなほど熱い手が、俺の腰に添えられて、身動きが取れない。逃げようがないのに、逃げようと必死な俺を、セシルは嬉しそうに見て笑う。
「や、待って。一回抜いてから……あ! はっああん!」
俺の腰を持ちなおし、上下に揺さぶるセシルに俺は何もできないままただ喘がされるしかない。ただただ気持ちよくて、奥にコツンコツンと当たるたびに甘ったるい声が漏れてしまう。唾液が口の端からこぼれて、顎を伝って落ちていく。
「セシル、そういえばっ……ああっ、防音、まほうっ、し、てっない!」
「ああ、それならさっきした。お前が俺のを気持ちよさそうにしゃぶっているときな」
「うそっ!? そんな余裕、何でっ」
「気づかなかったか? まだまだだな、ニル。だが、それだけ俺に集中してくれたってことだろ?」
「ああっ、んっ、ひぁあっ」
下から突きあげられれば、体を反らせるしかない。強烈な刺激に、セシルの声。全部が俺を抱きしめて、絡めて、愛でる。
ずぷずぷと抜き差しが繰り返され、俺はもう絶頂まであと一歩のところまで追い詰められていた。
「ニル……気持ちいいな」
「んん、あふ、あぅああ! やぁっ、ああ! そこ、いっ、からぁっ」
もうほとんど呂律が回っていないし、俺は自ら腰を振っていた。
セシルが腰を打ち付けているだけじゃない。俺が自ら、求めて、合わせて振っている。はしたない。嫌われないか心配だが、そんなこと気にする必要もないくらい、セシルは俺を求めてくれている。
ならば、少しくらい乱れてもいいだろう。
だって、止められないんだから。気持ちいことが好きで仕方ないから、自分がやらしいことをしてるのは知ってても身体は正直だから。もっと気持ちよくなりたいと本能のままに腰を振りたくってしまう。
そんな俺の腰を掴み、セシルはラストスパートに入ったのかいっそう激しく動く。
中にあるペニスも限界が近く大きくなっているのが伝わる。奥を抉られて気持ちいい。浅いところを擦って、前立腺をピンポイントで抉り上げるのがたまらない。自重で、ずっぽりハマってしまい、お腹もボコりとセシルの形になっている。
セシルもセシルで、気持ちよさそうに声を漏らしてる。俺で気持ちよくなっている。
「あ、ぁあ、あああ~~~~ッ!!」
「クッ……」
全身がビクビクしだして俺は絶頂を迎える。中が収縮して、セシルのを搾り取ろうとしているのが分かった。セシルも、ドクドクと脈打って、それから最奥で果てる。中にすり込ませるように、腰を揺らし、ぬちぬちとまだ少し硬いペニスを擦り付ける。その絶妙な動きにも体がぴくぴくと動いて仕方がなかった。
俺は、再度セシルに倒れ込むように抱き着いて、彼の肩で息を整える。
「せし……ぅ」
「まだ、戻ってこれていないか? かわいかったぞ、ニル」
「なんで、セシルは、そんなピンピンしてるの」
「それは、二回戦のお誘いか? 受けてたつぞ」
「……調子いいんだから。セシル、キス、あと、好きっていって」
よく回る口。
昨日まではその口から裏返ったトゲのある言葉が出てきたけど、今は俺をたっぷり甘やかす言葉と、でもちょっと意地悪な言葉がでてる。俺は、恥ずかしくて、彼の口をふさぐ口実を探して、ねだる。いや、キスしてほしかった。好きって、たくさん言って、その口でキスを。
セシルは、俺の頭を撫でて、優しく唇に自身のしっとりと濡れた唇を当てた。
「愛してる、ニル」
「好きじゃないの?」
「好きの最上級だろ? 愛してる、最高に愛おしい、俺のニル」
「……んっ、俺も、セシルのこと愛してる」
舌足らずにいってキスをする。今度は、舌を絡めて、ゆっくりと互いの唾液を交換するように。
結局この後二回戦に突入し、さらにさんざん喘がされたのは言うまでもない。翌日、腰と喉がぶっ壊れて、ゼラフとアルチュールに心配された。それで、セシルから俺を引きはがして、二人は噛みつくようにセシルを睨みつけていた。だが、いつもと違ってセシルはまんざらでもなさそうに、フッと笑ってマウントをとるように腕を組んでいた。それを見て、何やってんだと思ったが、いつものセシルが戻ってきたと、俺は内心嬉しくて仕方がなかった。
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