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第13章 地下の洞窟
138 地下の洞窟Ⅳ
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デミトロフは肩の荷を下ろし、ハウロックを見ると諦めて口を開いた。
「似たような陣があったそうだ?」
「はぁ? 地下室にだぁ?」
「ああ、そうだ。エミリーが地下室で見つけたらしい。それも錬金術で作られた壁で人が通った後があったらしいぞ」
「なるほどなぁ……」
「あまり驚かないんだな」
「だって、一つや二つ増えたところで不思議じゃないと俺は思っているぜ」
「確かにな。この解読を終わらせないと、結局は地下を調べても意味ないからな」
「だが、これは逆に面白い事になりそうで俺は燃えるな」
ハウロックはニヤッと笑いながらペンを動かす。
二人は解読をどんどん進めるうちに少しずつこの本についての謎が明らかになってきた。
ノーマン・オリファンの本を一枚一枚バラバラにし、試行錯誤していく。
「どうやら当たりらしいな」
「ああ……。まさか、この本自体をバラバラにしないと解読できないなんて、思ってもいなかった」
「それでどうする、デミトロフ? このままにしておくか?」
「いや、こんな簡単に錬金術師と魔導士の本が簡単に解けるとは思っていない。他にも何かあると思う」
床一面に置かれた紙に大きな陣が描かれていた。
「だが、これは禁忌目録に反する陣であり、術。これを闇の集団が使うのに何か都合がいいのか?」
「俺にもこの陣が何を意味しているのかは分からない。例え、禁忌目録の可能性が高いとしてもこれが発動するには時間がかかるだろう」
「ん?」
デミトロフは何かに気づく。
「どうかしたか?」
「いや、この陣を描いた裏には何かヒントがあるんじゃないのかと思ってな……」
「やってみるぞ」
ハウロックは、すぐに一枚ずつ裏返しにして、同じように重ねてみる。
「どうだ?」
「ははは……」
ハウロックは、苦笑いをしながら天井を見上げる。
「陣じゃないけどそれなりの文字が浮かび上がりそうだ」
「似たような陣があったそうだ?」
「はぁ? 地下室にだぁ?」
「ああ、そうだ。エミリーが地下室で見つけたらしい。それも錬金術で作られた壁で人が通った後があったらしいぞ」
「なるほどなぁ……」
「あまり驚かないんだな」
「だって、一つや二つ増えたところで不思議じゃないと俺は思っているぜ」
「確かにな。この解読を終わらせないと、結局は地下を調べても意味ないからな」
「だが、これは逆に面白い事になりそうで俺は燃えるな」
ハウロックはニヤッと笑いながらペンを動かす。
二人は解読をどんどん進めるうちに少しずつこの本についての謎が明らかになってきた。
ノーマン・オリファンの本を一枚一枚バラバラにし、試行錯誤していく。
「どうやら当たりらしいな」
「ああ……。まさか、この本自体をバラバラにしないと解読できないなんて、思ってもいなかった」
「それでどうする、デミトロフ? このままにしておくか?」
「いや、こんな簡単に錬金術師と魔導士の本が簡単に解けるとは思っていない。他にも何かあると思う」
床一面に置かれた紙に大きな陣が描かれていた。
「だが、これは禁忌目録に反する陣であり、術。これを闇の集団が使うのに何か都合がいいのか?」
「俺にもこの陣が何を意味しているのかは分からない。例え、禁忌目録の可能性が高いとしてもこれが発動するには時間がかかるだろう」
「ん?」
デミトロフは何かに気づく。
「どうかしたか?」
「いや、この陣を描いた裏には何かヒントがあるんじゃないのかと思ってな……」
「やってみるぞ」
ハウロックは、すぐに一枚ずつ裏返しにして、同じように重ねてみる。
「どうだ?」
「ははは……」
ハウロックは、苦笑いをしながら天井を見上げる。
「陣じゃないけどそれなりの文字が浮かび上がりそうだ」
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