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第9章 氷の女王
107 氷の女王Ⅹ
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目を開けると、二人の口と口が重なり合っていた。
「‼」
「‼」
二人は驚く。
すぐにデミトロフは離れて、後退りして尻もちをつく。
――――い、今、何が起きたんだ?
――――唇の感触が暖かい……。
デミトロフは唇を手で触りながら確認する。
エミリーもまた、口元を押さえて顔を真っ赤にしながらデミトロフから視線を逸らす。
――――い、いい今のは……何だったの?
――――なんだか、熱いものが私の口に……。
――――で、でもそんなわけ……。
エミリーは混乱しかけている頭を回転させながら、考え続ける。
二人はしばらく呼吸が落ち着くまでその場で、心臓を落ち着かせ、精神を整えた。
「ジョ、ジョン様……」
「な、なんだ?」
「そ、その……」
「何もなかった。僕達の間には何もなかった」
「そ、そうですよね‼ な、何もありませんでしたよね!」
「そうだね」
二人の心拍は再び跳ね上がる。
どうしても平常心になるにはまだまだ未熟らしい。
「さて、私は狙撃の訓練をしますので、静かにしていてくださいね」
「わ、分かってる。終わったら教えてよね」
「はい。承知しております」
エミリーは床に落ちてある銃を持ち、薬莢の箱を手にすると、百メートル先にある的の狙撃ポイントに立った。
狙撃の準備をして、銃を床に置き、地面にうつぶせの状態で横になる。
スコープの調整、引き金の間隔、いつものように最低限のチェックを入れると、弾を装填する。
――――なんだか、いつもより的がぼやけて見えますね……。
――――頭を真っ白に……相手の頭を一撃で仕留める感覚で……。
エミリーはそう自分に言い聞かせながらスコープを覗き、的を絞る。
いつもの間隔のように引き金を引くだけ。
「‼」
「‼」
二人は驚く。
すぐにデミトロフは離れて、後退りして尻もちをつく。
――――い、今、何が起きたんだ?
――――唇の感触が暖かい……。
デミトロフは唇を手で触りながら確認する。
エミリーもまた、口元を押さえて顔を真っ赤にしながらデミトロフから視線を逸らす。
――――い、いい今のは……何だったの?
――――なんだか、熱いものが私の口に……。
――――で、でもそんなわけ……。
エミリーは混乱しかけている頭を回転させながら、考え続ける。
二人はしばらく呼吸が落ち着くまでその場で、心臓を落ち着かせ、精神を整えた。
「ジョ、ジョン様……」
「な、なんだ?」
「そ、その……」
「何もなかった。僕達の間には何もなかった」
「そ、そうですよね‼ な、何もありませんでしたよね!」
「そうだね」
二人の心拍は再び跳ね上がる。
どうしても平常心になるにはまだまだ未熟らしい。
「さて、私は狙撃の訓練をしますので、静かにしていてくださいね」
「わ、分かってる。終わったら教えてよね」
「はい。承知しております」
エミリーは床に落ちてある銃を持ち、薬莢の箱を手にすると、百メートル先にある的の狙撃ポイントに立った。
狙撃の準備をして、銃を床に置き、地面にうつぶせの状態で横になる。
スコープの調整、引き金の間隔、いつものように最低限のチェックを入れると、弾を装填する。
――――なんだか、いつもより的がぼやけて見えますね……。
――――頭を真っ白に……相手の頭を一撃で仕留める感覚で……。
エミリーはそう自分に言い聞かせながらスコープを覗き、的を絞る。
いつもの間隔のように引き金を引くだけ。
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