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第4章  ウエストシティの内戦

056  ウエストシティの内戦XIX

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 裕也はそのまま倒れ、意識を失った。


「手こずらせおって……さすが炎の魔導士の名は伊達じゃないって事だな」


 マーロスは歩み寄ってきて、再びブレスレットを赤く光らせると、獣を元の男の姿に戻した。


「ウェスト。こやつを地下牢にぶち込んどけ。そうだ、特製の魔封石で両手を固定しておけ。魔法や錬金術を使われたら厄介だからな」


「分かりました。教主様、もう一人の女の方はいかがいたしましょうか?」


「ふん。そんなのほおっておけ。何も出来ぬさ。私は軍との電話会談をして来る。後の事はよろしく頼むぞ!」


「承知しました。お任せください」


 ウェストは意識の失った裕也を持ち上げると、地下牢へと向かった。


「全く、派手にやってくれたわ。まぁ、これくらいは当然想定内か……」


 マーロスは不敵な笑みを浮かべて、一人、講堂の中で笑った。


 ――――賢者の石に黒魔法、これで十分な実験ができる。だが、白魔法が完成できなければ……。


 ――――いや、それは仮定に過ぎない。


 ――――まあ、それは研究の中でじっくりと味わさせてもらおう。


 マーロスは、自分の部屋である教主の部屋へと戻って行く。


 戦闘があった行動は、黒魔法を増幅させた賢者の石によって元の形に修復されていた。
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