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第4章  ウエストシティの内戦

044  ウエストシティの内戦Ⅶ

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「はっきり言うと、私も不安」


「まあ、とにかく召喚した後の事は頼んだ。俺は金を払うからその後に召喚してくれ」


「分かった。やってみる……」


 二葉は小さく頷き、残りのタロットを懐に忍ばせてあるカードケースに戻す。


 裕也は店員を呼び、支払いを済ませ、飲み残しのコーヒーと牛乳以外は全てお盆に載せて持って行ってもらった。


 その後、二葉はテーブルの上に魔術師のタロットカードを置き、魔力を籠める。


「水星の魔術師・マーキュリー……」


 と、小声で召喚する。


 タロットは光りだし、すると二葉の隣に水色の長髪の美女が現れた。


 裕也を睨みつけ銃を突きつける。


「裕也、今朝、私の二葉に変な事をしなかったか?」


 ――――やはりそう来たか‼


 マーキュリーは、タロットの魔術師であり、正位置の意味は、起源、可能性、機会、才能、チャンス、感覚、創造である。逆位置の意味は、混迷、無気力、スランプ、裏切り、空回り、バイオリズム低下、消極性である。


 つまりは奇跡を起こせる奇術師でありながら相手を裏切り不幸にさせるカードでもある面倒な精霊だ。


「マーキュリー、今はそんな事をしている暇はない」


「ああ? 二葉、私にそんな言葉が言えるようになったな‼ どうなるのか分かっているんだろうなぁ?」


「そんなことはどうでもいい。それよりもここから抜け出す脱出ルートを作って欲しいだけ。お願いできる?」


「ちっ……。私を誰だと思っている。頼みはそれでいいんだな」


「うん。やってくれるよね」


 二葉はマーキュリーを見て微笑むと、マーキュリーは頬を赤らめ、そっぽ向いた。


「わ、分かったよ! やればいいんだろ!」


「ありがとう……」


「ふん」


 裕也はそんな二人を見て、思わず笑ってしまう。


「ああん? てめぇ、何笑っているんだよ⁉」


 マーキュリーは、再び裕也に銃を突きつけ、睨みつける。


「い、いやぁ……。お前にも可愛い所があるんだなぁと思って……」


「喧嘩売ってんのか?」
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