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第1話 天の災厄
002 天の災厄Ⅱ
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自分の来ている服も違う。
ものすごくダサい服だ。初期プレイヤーが運営側の定めたそのような感じだ。
「ああ、えっと……。ここは一体どこだ?」
「はぁ? あんた何を言っているんだい。ここはセントラルパークの外れの草原だ。あんた、こんな所で何をしているんだ? ああ、もしかして、このゲームの初心者だったりするのかい?」
「いや、何でもない」
セントラルパーク――――
どこかで聞いたことのある名だ。あれは……そうだ、この世界はあの世界とそっくりだ。
エターナルファンタジー
そうだとするなら納得がいく。あのセントラルパーク。通称、セントラル。それにこの装備が雑魚すぎるのもこのせいだ。
自分が現在のレベルもすぐに分かる。
レベル10。
左手の人差し指と中指を揃えて下にスライドしてウインドを開き、アイテムや所持金を調べる。
うわぁ、相変わらず持ち物だけはすごいものだらけだな。
レアアイテムが仰山所有してやがる。
それに所持金が五億G以上。
これが五年間ログインしたままの俺のプレイヤー時間や履歴のたまものである。
「おい、ここからあのセントラルまで歩いてどのくらいかかる?」
立ち上がると、目の前にいる男に訊いた。
「そうですね。ここからだと大体三十分程度だと思いますけど……」
「分かった。ありがとう。世話になったな。俺はここで消える。じゃあな」
そう言って、俺はそのまま走り出した。
男は茫然としたまま立ちすくんで俺の後ろ姿を見つめていた。
ここのゲームタイトルを知れば大体の事は分かる。ゲームバランス、今後の展開、全ての計算を入れると今の俺では圧倒的に不利だ。
確かにいいアイテムや金は持っているとしても五年間もログインだけでそれ以上は何もしていない俺にとってアドバンテージみたいなものだ。
「このゲームは、狂ってやがる」
草原を駆け抜けていくと、レベルの低いオオカミのモンスターに出くわす。
俺は構わずに剣を抜いて、横腹を一直線に斬りつけ前へと止まらずに走り続ける。
ものすごくダサい服だ。初期プレイヤーが運営側の定めたそのような感じだ。
「ああ、えっと……。ここは一体どこだ?」
「はぁ? あんた何を言っているんだい。ここはセントラルパークの外れの草原だ。あんた、こんな所で何をしているんだ? ああ、もしかして、このゲームの初心者だったりするのかい?」
「いや、何でもない」
セントラルパーク――――
どこかで聞いたことのある名だ。あれは……そうだ、この世界はあの世界とそっくりだ。
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そうだとするなら納得がいく。あのセントラルパーク。通称、セントラル。それにこの装備が雑魚すぎるのもこのせいだ。
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うわぁ、相変わらず持ち物だけはすごいものだらけだな。
レアアイテムが仰山所有してやがる。
それに所持金が五億G以上。
これが五年間ログインしたままの俺のプレイヤー時間や履歴のたまものである。
「おい、ここからあのセントラルまで歩いてどのくらいかかる?」
立ち上がると、目の前にいる男に訊いた。
「そうですね。ここからだと大体三十分程度だと思いますけど……」
「分かった。ありがとう。世話になったな。俺はここで消える。じゃあな」
そう言って、俺はそのまま走り出した。
男は茫然としたまま立ちすくんで俺の後ろ姿を見つめていた。
ここのゲームタイトルを知れば大体の事は分かる。ゲームバランス、今後の展開、全ての計算を入れると今の俺では圧倒的に不利だ。
確かにいいアイテムや金は持っているとしても五年間もログインだけでそれ以上は何もしていない俺にとってアドバンテージみたいなものだ。
「このゲームは、狂ってやがる」
草原を駆け抜けていくと、レベルの低いオオカミのモンスターに出くわす。
俺は構わずに剣を抜いて、横腹を一直線に斬りつけ前へと止まらずに走り続ける。
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