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水浴び
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ほどなくして俺は二匹の山鳩を弓にぶら下げ、洞穴への道を歩いていた。
この山の獲物は人馴れしておらず、簡単に仕留めることができた。
さきの悩みなど忘れ気分よく洞穴に戻ると、そこにミームの姿はなかった。
俺は焦る。
逃げたのか?
いくら手当てしたとは言え、足の傷は深かくまだ自由は効かない。あの足でこの山を歩き回ることはできないはずだ。
それに手も縛ったままだ。
そんな状態で洞穴を出るのは自殺行為で、獣の餌になるだけだ。
奴もそれぐらいは理解していると思っていた。
クソッ! これも俺の甘さか?
初めから全身括り付けておけばよかったのだ。
俺が狩りに出てからまだ1時間も経っていない。
そう遠くへは行けないはずだ。
大逆転の大事なネタを逃がしてたまるか!
俺は洞穴を飛び出した。
そしてすぐに奴を見つけてしまった。
白いミームは洞穴のすぐ側の川辺にいた。
どうやったのか服を脱いでおり、手を縛られて袖口を通せないためか腕に服を絡めていた。
服を濡らさないように頭上に掲げ、ソロソロと水の中に入ろうとしている。
やはり足はまだ完治しておらず、片足を引きずっていた。
どうも水浴びをしようとしているらしい。
俺は奴を見つけホッとしたが、その白い裸体を見てドキリとした。
細くスラリとしているが、胸の膨らみや腰から尻に掛けての柔らかい線はファームには無いものだ。
白く長い髪も最初は異様に思えたが、今見るとその容姿にしっくりくる。
見ているだけでなぜかドキドキしてしまい、心をくすぐられる様な気分になる。
ただ足にある矢の刺さった痕が痛々しかった。
奴は俺の存在に気付いておらず、木陰からその様子を見守ることにした。
ソロソロと川を進み腰辺りまで水に浸かるが、そこでキョロキョロと自分の身体を見回す。手が使えない為、洗い様が無いのだろう。
困った様子で声を上げている。
そのうち、水に濡らさないように出来るだけ服を脇に寄せ、ソロソロと手を下ろし身体を擦り洗い出す。
そういえば昨日の俺の吐き出した液が奴に付いたままだった。
それを落とす為に水浴びに来たのだと思い当たった。
最初はうまくいっていたが、案の定、途中で服が滑り落ち水に浸かってしまった。
奴は叫び声を上げ、あわてて服を引き上げるが既に服はずぶ濡れだった。
なんてドジなやつだ。
俺は吹き出してしまった。
濡れた服を悲しげに見ている姿をみて、ミームとは言えさすがに可哀想になってきた。
俺は奴に向かって歩き出す。
「おい、こっちに来い」
そう言って手招きする。
奴は突然現れた俺に驚き、濡れた服で慌てて裸身を隠す。
警戒心を剥き出しにして俺を訝しげに睨む。
「心配するな。手の縄を外してやるからこっちに来い。何もしないから」
そう言って俺は自分の手首を指し示し、パッと開いて縄を解く仕草をした。
それを理解したのか、奴は一言二言、俺の分からない言葉を発しながらも、猫が警戒しながら擦り寄るような慎重さで俺に近づいて来る。
手を差し出させ、きつい結び目の縄を解く。
目の前に白い肌があり、俺は若干それを意識しながらも奴の手を解放した。
手首に赤く残る縄の跡が痛々しい。
縄をほどき終えると、
「ほら、思う存分水浴びしてこい」
と顎で川を示す。
俺が素直に縄を解いてくれたことが不思議だったのか、すこし訝しげな表情で俺をみながら川の中に戻っていった。
腰まで水に浸かり、俺に背を向け手で身体を摩っている。
俺は岩の上に寝そべり、奴が身体を洗う様子を見ていた。
まだ昼前で、日差しは明るく川面を照らしており、周りは木々の緑に取り囲まれている。
その中で水浴びをするミームの白い裸体は、陽を浴びて光り輝いている様に見える。
白く長い髪が燃えるように陽のひかりを反射していた。
その光景は、どう見ても美しかった。
奴の水浴びをする姿を、ずっと見ていたいと思ってしまった。
やがて水浴びを終えた奴は満足気な表情で戻って来ると、濡れた服や下着の薄布もゴシゴシと洗い出した。どうせ濡れてしまったので、洗濯もしてしまうらしい。
裸のままで洗濯する姿を見て、俺はドギマギしていた。自分の裸体が俺にどう見られているのか、あまり気にしていない様だ。
奴は洗い終えた服を身につけると俺を見返し、一言声をあげる。
もう用は済んだとの事らしい。
「よし、戻って飯にするか」
俺は岩の上から飛び降りて、仕留めた山鳩を見せる。
奴の顔が嬉し気に輝いた様な気がした。
洞穴に帰る途中、足を引きずり歩くのが遅い奴にしびれを切らし、俺は奴を肩に担ぎ上げた。
最初は驚きバタバタと俺の背を叩き暴れていたが、すぐに意図を察して大人しくなった。
奴の身長は俺の肩辺りまでしかなく、軽いだろうとは思っていたが、本当に軽くてびっくりしてしまった。
皮の服がグッショリと濡れており乾かさなくてはならない、包帯も取り換えたほうがいいなどと考えていた。
洞穴に入る直前でミームが騒ぎ出す。
「▲※◎!」
声をあげ、しきりと何かを指さしている。
俺は何事かと奴の指さす方をみるが、ただの繁みしかない。
仕方なく指さす方へ向かうと自分を下ろさせ、何かの植物を摘み出した。
適当ではなく特定の植物のみ選んで摘んでいる。
手のひらいっぱいそれを集めるとまた俺の元に戻ってきた。
何に使うのかわからないが気がすんだらしい。
俺はまた奴を担ぎ上げ洞穴にもどる。
薪をくべ熾火の火をおこすと、光が洞穴内に揺らぎ温もりが満ちてくる。
奴は地面に敷いていたマントを羽織ると、着ていた濡れた服を脱いで、火のそばで乾かしだした。
俺はミームの手を縛らなかった。
俺がいるときは監視できるから、武器さえしっかり管理しておけば問題ないだろう。
山鳩を焼くための準備を始める。
単純に塩をかけ火であぶるつもりだった。
仕留めた時に頭は落とし血抜きはしていたので羽をむしっていると、ミームが何か言いたそうにしきりと俺を見ている。
「どうした? なんか気にかかるのか?」
そういうと声を上げながら鳩と自分を交互に指さし、調理をする仕草をする。
自分が料理すると言っているらしい。
この山の獲物は人馴れしておらず、簡単に仕留めることができた。
さきの悩みなど忘れ気分よく洞穴に戻ると、そこにミームの姿はなかった。
俺は焦る。
逃げたのか?
いくら手当てしたとは言え、足の傷は深かくまだ自由は効かない。あの足でこの山を歩き回ることはできないはずだ。
それに手も縛ったままだ。
そんな状態で洞穴を出るのは自殺行為で、獣の餌になるだけだ。
奴もそれぐらいは理解していると思っていた。
クソッ! これも俺の甘さか?
初めから全身括り付けておけばよかったのだ。
俺が狩りに出てからまだ1時間も経っていない。
そう遠くへは行けないはずだ。
大逆転の大事なネタを逃がしてたまるか!
俺は洞穴を飛び出した。
そしてすぐに奴を見つけてしまった。
白いミームは洞穴のすぐ側の川辺にいた。
どうやったのか服を脱いでおり、手を縛られて袖口を通せないためか腕に服を絡めていた。
服を濡らさないように頭上に掲げ、ソロソロと水の中に入ろうとしている。
やはり足はまだ完治しておらず、片足を引きずっていた。
どうも水浴びをしようとしているらしい。
俺は奴を見つけホッとしたが、その白い裸体を見てドキリとした。
細くスラリとしているが、胸の膨らみや腰から尻に掛けての柔らかい線はファームには無いものだ。
白く長い髪も最初は異様に思えたが、今見るとその容姿にしっくりくる。
見ているだけでなぜかドキドキしてしまい、心をくすぐられる様な気分になる。
ただ足にある矢の刺さった痕が痛々しかった。
奴は俺の存在に気付いておらず、木陰からその様子を見守ることにした。
ソロソロと川を進み腰辺りまで水に浸かるが、そこでキョロキョロと自分の身体を見回す。手が使えない為、洗い様が無いのだろう。
困った様子で声を上げている。
そのうち、水に濡らさないように出来るだけ服を脇に寄せ、ソロソロと手を下ろし身体を擦り洗い出す。
そういえば昨日の俺の吐き出した液が奴に付いたままだった。
それを落とす為に水浴びに来たのだと思い当たった。
最初はうまくいっていたが、案の定、途中で服が滑り落ち水に浸かってしまった。
奴は叫び声を上げ、あわてて服を引き上げるが既に服はずぶ濡れだった。
なんてドジなやつだ。
俺は吹き出してしまった。
濡れた服を悲しげに見ている姿をみて、ミームとは言えさすがに可哀想になってきた。
俺は奴に向かって歩き出す。
「おい、こっちに来い」
そう言って手招きする。
奴は突然現れた俺に驚き、濡れた服で慌てて裸身を隠す。
警戒心を剥き出しにして俺を訝しげに睨む。
「心配するな。手の縄を外してやるからこっちに来い。何もしないから」
そう言って俺は自分の手首を指し示し、パッと開いて縄を解く仕草をした。
それを理解したのか、奴は一言二言、俺の分からない言葉を発しながらも、猫が警戒しながら擦り寄るような慎重さで俺に近づいて来る。
手を差し出させ、きつい結び目の縄を解く。
目の前に白い肌があり、俺は若干それを意識しながらも奴の手を解放した。
手首に赤く残る縄の跡が痛々しい。
縄をほどき終えると、
「ほら、思う存分水浴びしてこい」
と顎で川を示す。
俺が素直に縄を解いてくれたことが不思議だったのか、すこし訝しげな表情で俺をみながら川の中に戻っていった。
腰まで水に浸かり、俺に背を向け手で身体を摩っている。
俺は岩の上に寝そべり、奴が身体を洗う様子を見ていた。
まだ昼前で、日差しは明るく川面を照らしており、周りは木々の緑に取り囲まれている。
その中で水浴びをするミームの白い裸体は、陽を浴びて光り輝いている様に見える。
白く長い髪が燃えるように陽のひかりを反射していた。
その光景は、どう見ても美しかった。
奴の水浴びをする姿を、ずっと見ていたいと思ってしまった。
やがて水浴びを終えた奴は満足気な表情で戻って来ると、濡れた服や下着の薄布もゴシゴシと洗い出した。どうせ濡れてしまったので、洗濯もしてしまうらしい。
裸のままで洗濯する姿を見て、俺はドギマギしていた。自分の裸体が俺にどう見られているのか、あまり気にしていない様だ。
奴は洗い終えた服を身につけると俺を見返し、一言声をあげる。
もう用は済んだとの事らしい。
「よし、戻って飯にするか」
俺は岩の上から飛び降りて、仕留めた山鳩を見せる。
奴の顔が嬉し気に輝いた様な気がした。
洞穴に帰る途中、足を引きずり歩くのが遅い奴にしびれを切らし、俺は奴を肩に担ぎ上げた。
最初は驚きバタバタと俺の背を叩き暴れていたが、すぐに意図を察して大人しくなった。
奴の身長は俺の肩辺りまでしかなく、軽いだろうとは思っていたが、本当に軽くてびっくりしてしまった。
皮の服がグッショリと濡れており乾かさなくてはならない、包帯も取り換えたほうがいいなどと考えていた。
洞穴に入る直前でミームが騒ぎ出す。
「▲※◎!」
声をあげ、しきりと何かを指さしている。
俺は何事かと奴の指さす方をみるが、ただの繁みしかない。
仕方なく指さす方へ向かうと自分を下ろさせ、何かの植物を摘み出した。
適当ではなく特定の植物のみ選んで摘んでいる。
手のひらいっぱいそれを集めるとまた俺の元に戻ってきた。
何に使うのかわからないが気がすんだらしい。
俺はまた奴を担ぎ上げ洞穴にもどる。
薪をくべ熾火の火をおこすと、光が洞穴内に揺らぎ温もりが満ちてくる。
奴は地面に敷いていたマントを羽織ると、着ていた濡れた服を脱いで、火のそばで乾かしだした。
俺はミームの手を縛らなかった。
俺がいるときは監視できるから、武器さえしっかり管理しておけば問題ないだろう。
山鳩を焼くための準備を始める。
単純に塩をかけ火であぶるつもりだった。
仕留めた時に頭は落とし血抜きはしていたので羽をむしっていると、ミームが何か言いたそうにしきりと俺を見ている。
「どうした? なんか気にかかるのか?」
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