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八章
歌姫はここにいない
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「……妙だな」
ビリーは小首をかしげながら呟きました。いくら、中身は『女』とは言えないほどに色気のない性格をしているとは言っても、見た目だけなら大きな目が印象的な文句なしの美少女。このような仕種をすると実に可愛らしいのでありました。
場所は市警察署内の署長室。その部屋のなかで、まるで自分こそがこの部屋の主であるかのような『デカい態度』でソファーに座り込んでいるビリーが、携帯端末をいじりながらそう呟いたのでございます。
「何が妙だってんだ?」
と、こちらはまるで冬眠前のクマのように部屋のなかをウロウロと歩きまわっていたジャックがそう尋ねました。『尋ねた』と言うよりは、内心の苛立ちを吐き出すために言葉にして発したというほうが正確でしょう。何とも刺々しく、険悪な口調でありました。表情がまた、それに輪をかけて不機嫌の極。その表情と口調の相乗効果で、うぶな若い女の子でもあればたちまち泣き出してしまうのではないかと言うほどの物騒な雰囲気になっておりました。もちろん、ビリーは泣き出したりはしませんでした。見た目は清純可憐な乙女でも、神経の太さは軌道エレベータの吊り下げケーブル並みのビリーです。
上司の不機嫌さなどどこ吹く風。いつもとかわらない口調で淡々と事実を告げました。
「どうやら、クリス嬢はこの都市には住民登録されていないらしい」
「なに⁉」
「どう検索してもヒットしない。氏名や勤務先はもちろん、年齢、外見等、考えられるすべての要素で検索をかけてみたが、ひとつたりとヒットしない」
「どういうことだ?」
「つまり、クリス嬢は記録上はこの都市に存在しない、と言うことだ」
と、ビリーは実はわかりきったことを重々しい口調で告げるのでした。
ジャックは腕を組むのと、首をひねるのとを同時にやりながら尋ねました。首をかしげてなお、大切な帽子の角度がずいささかもずれないあたりが、いかにも『帽子命!』のジャックらしいところでありました。
「しかし、そんなことがあり得るのか? この霧と怪奇の都は実験封鎖都市だ。内部環境の正確なデータを取るために、住民の管理は他のどの都市よりも厳格に行われているはずだろう?」
ジャックらしからぬ科学的な言葉の羅列にうなずきながら、ビリーは答えました。
「それは確かにその通りだ。この霧と怪奇の都に生まれた人間、あるいは、外の世界からやってきた人間は即座に市のデータベースに登録され一生、管理されることになる。プライバシーも何もないが、『封鎖都市で生きる人間はどのような影響を受けるか』を知ることがこの都市の最大の実験目的である以上、致し方ないな。それに、良い面もある。この徹底した管理体制のおかげで少なくとも孤独死の心配だけはない。市のメインコンピュータが住民の異変を感じとれば、即座に医療班を手配するからな」
「そんな徹底した監視体制が敷かれているなら、犯罪だって未然に防げそうなもんだがな」
「残念ながらそうは行かない。コンピュータによる監視技術が発達すれば、それに伴いハッキング技術も進歩する。世界一流の科学者が集うこの霧と怪奇の都においては、コンピュータを欺くなど造作もない」
チッ、と、ジャックは忌々しそうに舌打ちの音を立てました。
「しかし、てえことは、誰かがクリス嬢のデータを消したってことか?」
「理論上は可能だ。事実、犯罪者が自分のデータをそっくり消す、と言う事件も過去にいくつか起こっている。しかし、今回の場合は『最初から登録されていない』という可能性を考えるべきだろうな」
「なんだと? さっき、お前が『この都市で生まれた人間は即座に登録される』と言ったばかりだろうがよ」
「たしかに言った。しかし、例外もあるのだ」
「例外?」
「そうだ。例えば、DV夫から逃れた女性が子供を産んだ場合だな。そのような場合はDV夫に所在を知られないよう、登録を逃れることがある」
「それも、ハッキング技術でやってのけるってことか」
「そうだ。ごく少数だが、その技術を売りにしているプロもいるにはいる」
「しかし、住民登録されてなかったら不便でしょうがねえだろうに。身の危険があるなら警察に保護を求めりゃいいものを、何でそうしねえんだ?」
「警官にやる気がないからではないか?」
ビリーにはっきりと本当のことを言われてジャックは思い切り顔をしかめました。警官という警官が皆、昼間っから酒を呑んだり、ゲームに没頭したりで捜査活動ひとつせず、挙げ句の果てには『何で警官になった』と問われて『働かずに給料をもらうためです』と堂々と答える、そんな状況にあってはビリーの言葉に反論するなど不可能でした。
ビリーはつづけました。
「別のケースとしては親自身が住民登録されていないという場合がある。先の理由によって住民登録されていないという場合もあるが、外の世界で犯罪を犯して逃げ込んできたものがまんまと不法侵入を果たした場合、当然、住民登録などされない。そんな親から生まれた子供もまた住民登録はされようがない」
「不法侵入した犯罪者だと? しかし、クリス嬢は何とか言う大昔の歌姫のひ孫だと言ってたぞ」
「クリスチーヌ、だな。調べてみたが当時はたしかに大変な人気だったらしい。しかし、まさにその絶頂期、一〇代半ばの若さで失踪。以来、いまにいたるまで行方不明のまま。それだけでも何かといかがわしいな。まして、クリスチーヌとクリス嬢の間には二世代にわたる人物が挟まっている。その間に何があってもおかしくはない」
「……その何とか言う大昔の歌姫が不法侵入した犯罪者と駆け落ちでもして、代々、住民登録されていない子供が生まれてきたとか?」
「その可能性も考えられなくはないな」
ビリーはそう答えてから溜め息をひとつ、付きました。大きなメガネをいじりながら尋ねます。
「しかし、ジャック。君はなぜ、そこまでクリス嬢にこだわる? わざわざクリス嬢の身辺を探るどんな理由があると言うんだ?」
「勘だよ」
ジャックはビリーの問いにそう答えました。その答えはあまりにも堂々としており、また真剣なものでしたので、思わず誰もが納得してしまいそうなものでした。
「あのクリス嬢は絶対におれが夜の川辺で会ったクリス嬢じゃねえ。まったくちがう別の誰かだ。何者かがクリス嬢に化けているのか、それとも、クリス嬢の意思を奪っているのか、それは分からねえがな。とにかく、クリス嬢のまわりに犯罪の匂いがぷんぷんしてるんだよ」
「それが『刑事の勘』というものか」
「ああ、そう言うことだ」
お前みたいな科学畑の人間にとっちゃあ『勘』なんて言ったって信用できねえだろうがな。
ジャックはそう付け加えました。
ですが、意外なことにビリーは真顔で首を横に振ったのでございます。
「いや、そんなことはないぞ。わたしは専門家の勘は信用することにしている。君が刑事の勘としてそう言うなら、わたしはそれを信用しよう」
ビリーのその答えにジャックの方が驚いたぐらいでした。
「おいおい、本気かよ?」
「もちろんだ。そもそも、『勘』とは何か。それは経験の蓄積だ。決して、第六感だの、未知の能力だのというものではない。人間の脳は本人が思っている以上に多くのことを記憶している。何百、何千という犯罪者に出会ってきた刑事の脳は、そのすべてを分類し、記憶することで『犯罪者特有のパターン』を記憶する。そして、そのパターンに一致する人物を見たとき、そのことを本人に知らせる。それが勘の正体だ。故に、君が『刑事の勘』としてクリス嬢に犯罪の匂いを感じるというのであれはそれは、君の脳がはっきりと犯罪のパターンを認識し、君自身に伝えていると言うことだ。わたしは科学者として人間の脳の能力を信じる。故に、君の勘も信じる。そう言うことだ」
「ふん。くどくどしくってよく分からねえが……要するに、お前はおれを信用している。そう言うことだな?」
ジャックの言葉にビリーはうなずきました。
「まさにそう言っている」
「……ふん。なら、けっこう。それで充分だ」
顔をそらし、頬をうっすらと赤く染めてそう答える暴れん坊ジャックとは、何とも『可愛い奴』なのでした。
ビリーは小首をかしげながら呟きました。いくら、中身は『女』とは言えないほどに色気のない性格をしているとは言っても、見た目だけなら大きな目が印象的な文句なしの美少女。このような仕種をすると実に可愛らしいのでありました。
場所は市警察署内の署長室。その部屋のなかで、まるで自分こそがこの部屋の主であるかのような『デカい態度』でソファーに座り込んでいるビリーが、携帯端末をいじりながらそう呟いたのでございます。
「何が妙だってんだ?」
と、こちらはまるで冬眠前のクマのように部屋のなかをウロウロと歩きまわっていたジャックがそう尋ねました。『尋ねた』と言うよりは、内心の苛立ちを吐き出すために言葉にして発したというほうが正確でしょう。何とも刺々しく、険悪な口調でありました。表情がまた、それに輪をかけて不機嫌の極。その表情と口調の相乗効果で、うぶな若い女の子でもあればたちまち泣き出してしまうのではないかと言うほどの物騒な雰囲気になっておりました。もちろん、ビリーは泣き出したりはしませんでした。見た目は清純可憐な乙女でも、神経の太さは軌道エレベータの吊り下げケーブル並みのビリーです。
上司の不機嫌さなどどこ吹く風。いつもとかわらない口調で淡々と事実を告げました。
「どうやら、クリス嬢はこの都市には住民登録されていないらしい」
「なに⁉」
「どう検索してもヒットしない。氏名や勤務先はもちろん、年齢、外見等、考えられるすべての要素で検索をかけてみたが、ひとつたりとヒットしない」
「どういうことだ?」
「つまり、クリス嬢は記録上はこの都市に存在しない、と言うことだ」
と、ビリーは実はわかりきったことを重々しい口調で告げるのでした。
ジャックは腕を組むのと、首をひねるのとを同時にやりながら尋ねました。首をかしげてなお、大切な帽子の角度がずいささかもずれないあたりが、いかにも『帽子命!』のジャックらしいところでありました。
「しかし、そんなことがあり得るのか? この霧と怪奇の都は実験封鎖都市だ。内部環境の正確なデータを取るために、住民の管理は他のどの都市よりも厳格に行われているはずだろう?」
ジャックらしからぬ科学的な言葉の羅列にうなずきながら、ビリーは答えました。
「それは確かにその通りだ。この霧と怪奇の都に生まれた人間、あるいは、外の世界からやってきた人間は即座に市のデータベースに登録され一生、管理されることになる。プライバシーも何もないが、『封鎖都市で生きる人間はどのような影響を受けるか』を知ることがこの都市の最大の実験目的である以上、致し方ないな。それに、良い面もある。この徹底した管理体制のおかげで少なくとも孤独死の心配だけはない。市のメインコンピュータが住民の異変を感じとれば、即座に医療班を手配するからな」
「そんな徹底した監視体制が敷かれているなら、犯罪だって未然に防げそうなもんだがな」
「残念ながらそうは行かない。コンピュータによる監視技術が発達すれば、それに伴いハッキング技術も進歩する。世界一流の科学者が集うこの霧と怪奇の都においては、コンピュータを欺くなど造作もない」
チッ、と、ジャックは忌々しそうに舌打ちの音を立てました。
「しかし、てえことは、誰かがクリス嬢のデータを消したってことか?」
「理論上は可能だ。事実、犯罪者が自分のデータをそっくり消す、と言う事件も過去にいくつか起こっている。しかし、今回の場合は『最初から登録されていない』という可能性を考えるべきだろうな」
「なんだと? さっき、お前が『この都市で生まれた人間は即座に登録される』と言ったばかりだろうがよ」
「たしかに言った。しかし、例外もあるのだ」
「例外?」
「そうだ。例えば、DV夫から逃れた女性が子供を産んだ場合だな。そのような場合はDV夫に所在を知られないよう、登録を逃れることがある」
「それも、ハッキング技術でやってのけるってことか」
「そうだ。ごく少数だが、その技術を売りにしているプロもいるにはいる」
「しかし、住民登録されてなかったら不便でしょうがねえだろうに。身の危険があるなら警察に保護を求めりゃいいものを、何でそうしねえんだ?」
「警官にやる気がないからではないか?」
ビリーにはっきりと本当のことを言われてジャックは思い切り顔をしかめました。警官という警官が皆、昼間っから酒を呑んだり、ゲームに没頭したりで捜査活動ひとつせず、挙げ句の果てには『何で警官になった』と問われて『働かずに給料をもらうためです』と堂々と答える、そんな状況にあってはビリーの言葉に反論するなど不可能でした。
ビリーはつづけました。
「別のケースとしては親自身が住民登録されていないという場合がある。先の理由によって住民登録されていないという場合もあるが、外の世界で犯罪を犯して逃げ込んできたものがまんまと不法侵入を果たした場合、当然、住民登録などされない。そんな親から生まれた子供もまた住民登録はされようがない」
「不法侵入した犯罪者だと? しかし、クリス嬢は何とか言う大昔の歌姫のひ孫だと言ってたぞ」
「クリスチーヌ、だな。調べてみたが当時はたしかに大変な人気だったらしい。しかし、まさにその絶頂期、一〇代半ばの若さで失踪。以来、いまにいたるまで行方不明のまま。それだけでも何かといかがわしいな。まして、クリスチーヌとクリス嬢の間には二世代にわたる人物が挟まっている。その間に何があってもおかしくはない」
「……その何とか言う大昔の歌姫が不法侵入した犯罪者と駆け落ちでもして、代々、住民登録されていない子供が生まれてきたとか?」
「その可能性も考えられなくはないな」
ビリーはそう答えてから溜め息をひとつ、付きました。大きなメガネをいじりながら尋ねます。
「しかし、ジャック。君はなぜ、そこまでクリス嬢にこだわる? わざわざクリス嬢の身辺を探るどんな理由があると言うんだ?」
「勘だよ」
ジャックはビリーの問いにそう答えました。その答えはあまりにも堂々としており、また真剣なものでしたので、思わず誰もが納得してしまいそうなものでした。
「あのクリス嬢は絶対におれが夜の川辺で会ったクリス嬢じゃねえ。まったくちがう別の誰かだ。何者かがクリス嬢に化けているのか、それとも、クリス嬢の意思を奪っているのか、それは分からねえがな。とにかく、クリス嬢のまわりに犯罪の匂いがぷんぷんしてるんだよ」
「それが『刑事の勘』というものか」
「ああ、そう言うことだ」
お前みたいな科学畑の人間にとっちゃあ『勘』なんて言ったって信用できねえだろうがな。
ジャックはそう付け加えました。
ですが、意外なことにビリーは真顔で首を横に振ったのでございます。
「いや、そんなことはないぞ。わたしは専門家の勘は信用することにしている。君が刑事の勘としてそう言うなら、わたしはそれを信用しよう」
ビリーのその答えにジャックの方が驚いたぐらいでした。
「おいおい、本気かよ?」
「もちろんだ。そもそも、『勘』とは何か。それは経験の蓄積だ。決して、第六感だの、未知の能力だのというものではない。人間の脳は本人が思っている以上に多くのことを記憶している。何百、何千という犯罪者に出会ってきた刑事の脳は、そのすべてを分類し、記憶することで『犯罪者特有のパターン』を記憶する。そして、そのパターンに一致する人物を見たとき、そのことを本人に知らせる。それが勘の正体だ。故に、君が『刑事の勘』としてクリス嬢に犯罪の匂いを感じるというのであれはそれは、君の脳がはっきりと犯罪のパターンを認識し、君自身に伝えていると言うことだ。わたしは科学者として人間の脳の能力を信じる。故に、君の勘も信じる。そう言うことだ」
「ふん。くどくどしくってよく分からねえが……要するに、お前はおれを信用している。そう言うことだな?」
ジャックの言葉にビリーはうなずきました。
「まさにそう言っている」
「……ふん。なら、けっこう。それで充分だ」
顔をそらし、頬をうっすらと赤く染めてそう答える暴れん坊ジャックとは、何とも『可愛い奴』なのでした。
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