203 / 255
第二部 絆ぐ伝説
第八話八章 結晶化世界
しおりを挟む
「……これは」
目の前に広がる光景にロウワンは言葉を失った。
ロウワン。
ビーブ。
トウナ。
プリンス。
野伏。
行者。
メリッサ。
セシリア。
ハーミド。
その場にいた全員が靄のなかに入り、その光景に見入っていた。そのあまりにも異界すぎる光景を。
そこは、すべてが混じりあった世界だった。見渡すかぎりすべての場所で動物と別の動物が、植物と別の植物が、動物と植物が、果ては、大地そのものがあまたの生き物たちと溶けあい、混じりあい、ひとつになっている。
いや、ひとつになる手前、世界のすべてがそれぞれの姿を保ったまま溶けあい、ひとつになろうとしている。まさに、その過程を切りとり、安置したかのような光景。大地どころか大気さえも他のすべてと混じりあい、異質なものに変化しているように思えた。そして――。
そのすべてが凍っていた。
結晶化していた。
あらゆる動物が、植物が、大地が、大気そのものが、他のすべてと溶けあったまま結晶となり、凍っている。すべての色は失われ、ただ透明な輝きだけに満たされている。
美しい。
たしかに、そう言っていい光景だった。
しかし、それは、この世の美しさではなかった。この世にあっていい美しさでもなかった。まさに、異界が入り込んだこの世ならざる美しさ。
そう言うべき光景だった。
「すごい! まさか、こんなことが起きているとは。これはなんとしても記事にして、大陸中の人々に伝えなくては……!」
あまりにも想像を絶する事態に新聞記者としての使命感を刺激されたのだろう。ハーミドが両腕を広げ、感極まった様子で叫んだ。その表情はみはや『恍惚』と言ってもいいほどのものだった。
「これは……これはいったい、なんだ⁉ パンゲアになにが起こったんだ⁉」
今度はプリンスが叫んだ。その顔には驚きやとまどいを越えて、怒りの表情が浮かんでいる。あまりにも理解できないものを目の当たりにして、感情が振り切れたのだ。
プリンスの声にロウワンが呻いた。
「これは……亡道の世界」
「なに⁉」
「そうだ。これは亡道の世界だ。騎士マークスの記憶のなかでみた千年前の世界。亡道の世界に侵食され、すべてがひとつになろうとしていたあの世界そのものだ!」
――どういうことだよ⁉ パンゲアが亡道の世界に呑み込まれたってのか⁉
ビーブがキイキイ鳴きながらそう叫んだ。
「あり得ない! この世界はいまもまだ天命の巫女さまの歌に包まれている。亡道の世界が侵入できるのはこの世に一カ所、天詠みの島だけのはずだ。そこから遠くはなれたパンゲアが亡道の世界の侵食を受けるなんて……そんなこと、あるはずがない」
でも、それでも……。
「これはたしかに、亡道の世界だ」
そう認めるしかないロウワンだった。
「しかし……」
野伏が不思議そうに口にした。その場にひざをつき、地面を拳でコツコツ叩いている。
「これは、なんだ? どういう状況だ? すべてが色を失い、結晶化している。どうしたらこんなことになるんだ?」
野伏のその声に答えたのはメリッサだった。美しい顔が結晶化した世界に劣らず蒼白になっている。その精神に受けている衝撃はあるいは、ロウワン以上だったかも知れない。
「これは……時が凍っている」
「なに⁉」
「時そのものが凍り、結晶化している! 時間的にわたしたちの世界から切りはなされているのよ! だから、わたしたちはこの世界に干渉できないし、この世界もわたしたちに干渉できない。そうでなかったらこの世界に足を踏み入れた瞬間、わたしたちも亡道の世界に侵食されて、この世界の一部にされていたはずよ」
「亡道の世界の侵食をとめるために時を凍らせた。そう言うことか?」
「だとしても……」
今度は、行者が言った。
「この世界には濃密な亡道の気配が満ちている。それなのに、靄の外からはまったく感じなかった。どうやら、この靄はパンゲアの異変から世界を守るためにあるらしいね」
「『時を凍らせる』っていうこと自体、意味がわからないんだけど」と、トウナ。
「いったい、誰にそんなことができるって言うの?」
「そうです! 人間にできることとは思えません」
セシリアもそう叫んだ。
セシリアは亡道の司や、亡道の世界についてはほとんど知らない。だからこそ、目の前の光景にまっすぐに衝撃を受ける。
「……アルヴィルダ」
ロウワンのその呟きに――。
全員の視線が集中した。
「アルヴィルダだ。かの人以外、こんなことができるはずがない」
「たしかに……パンゲアの教皇は代々の秘儀を受け継いでいると言われているわ。その教皇であるアルヴィルダならやれるかも知れないけど……」
それでも、やっぱり信じられない。
そう言いたげな口調でメリッサが呟いた。
「気をつけろ!」
野伏がいきなり叫んだ。
全員が、野伏の視線の先を見た。そこでは、ひとつの異変が起きていた。
ピキ、
ピキピキピキ、
そんな音、いや、音に聞こえる『なにか』を立てながら、結晶化から開放されようとしている部分があった。まるで、全体に氷が張りつき白く染まった樹木が、その氷がポタポタと音を立てて溶けて、本来の姿を取り戻すかのように、色を取り戻し、結晶から本来の姿へとかわりつつあった。
シャアアアッ!
植物。
動物。
大地。
そのどれもであり、そのどれでもない『それ』が声をあげて飛びあがった。プリンスめがけて襲いかかった。
「チイッ!」
考えるのはあと。まずは反撃。
その戦士の本能に従い、プリンスが剣を抜き放った。振るわれた剣は芸術的なまでになめらかな弧を描き、『それ』の身を両断した。しかし――。
「死なない⁉」
プリンスの驚愕の叫びがあがった。『それ』は我が身を両断されながら、死ぬどころか動きをとめることさえなかった。ふたつにされた身がそれぞれに動き、プリンスめがけて襲いかかる。その寸前、
斬!
音を立てて野伏の太刀が振るわれ、『それ』を斬り払った。さしもの理解不能の存在も妖怪殺しの野伏の太刀にはかなわず、その場にくずれ落ち、動きをとめた。
「こいつらは亡道の世界に侵食された異界の存在。こいつらを倒すめたには、ローラシアの化け物たちを相手にした武器でも足りない。より強力な、対亡道の世界に特化した武器でなければな」
「とにかく、戻りましょう」
メリッサが言った。胃のあたりに重いものを感じているような表情で。
「このまま、ここにいるのは危険よ」
その言葉に――。
全員が心からうなずいた。
靄の外に出たあと、行者がロウワンに尋ねた。相変わらず、あるかなしかのかすかな微笑を湛えた表情が事態を面白がっているように見える。
「それで、ロウワン。どうするんだい?」
「アルヴィルダに会う」
きっぱりと、迷うことなくロウワンは答えた。
「なにがあったにせよ、このまま放っておくわけにはいかない。アルヴィルダに会って、事実を確かめないと」
「キキキ、キイキイキイ」
――どうやって、行くんだよ? あれじゃあ、水も食い物も手に入れることはできないぞ。もっていけるだけの分じゃあ、すぐに尽きちまう。
「補給はおれが引き受ける」
ビーブの言葉にプリンスが答えた。
「補給隊を編成して送り届ける」
「できるか?」と、野伏。
「結晶化が溶ければ、補給隊はたちまち亡道の世界に呑み込まれてしまうぞ」
「『もうひとつの輝き』を甘く見ないで」
メリッサが言った。
「わたしたちはずっと、亡道の世界に対抗するための研究をつづけてきたのよ。侵食を防ぐ護符は作れる。効果範囲はせまいけど……それでも、身につけた人間を守ることはできる。対亡道の世界用の武器だって用意できるわ」
「おれも行くぞ!」
やけに陽気な声でそう叫んだのはハーミドである。
「こんな特ダネ、逃すわけにはいかないからな! 何がなんでも記事にして、大陸中の人間に届けてやる!」
結局、ロウワン、ビーブ、野伏、行者、メリッサ、ハーミドの六人で靄のなかに入り、大聖堂ヴァルハラを目指すことになった。急速に準備が進められ、もてるだけの水と食糧、それに、無線機をもっての出発である。あとあと必要になる水と食糧、その他の物資に関しては対亡道の世界用の護符と武器を装備した補給隊が届けてくれる手はずである。
「じゃあ、行ってくる。あとのことは任せた」
「ええ」
ロウワンたちはトウナたちにあとをたくし、靄のなかに入っていった。ミルク色の靄はあまりにも濃く、ほんの一歩、なかに入っただけてその姿は影も形も見えなくなる。
ロウワンたちを見送ったあと、トウナはプリンスとセシリアに向き直った。
「ロウワンたちは千年の未来を手に入れるために戦う。わたしたちの役目は、かの人たちの『戦う理由』を守ること。すぐに会議をはじめましょう。千年の時を懸けて人と人の争う必要のない世界を作る。その礎を用意するために」
トウナのその言葉に――。
プリンスとセシリアは無言でうなずいた。
断固たる覚悟を定めた表情で。
目の前に広がる光景にロウワンは言葉を失った。
ロウワン。
ビーブ。
トウナ。
プリンス。
野伏。
行者。
メリッサ。
セシリア。
ハーミド。
その場にいた全員が靄のなかに入り、その光景に見入っていた。そのあまりにも異界すぎる光景を。
そこは、すべてが混じりあった世界だった。見渡すかぎりすべての場所で動物と別の動物が、植物と別の植物が、動物と植物が、果ては、大地そのものがあまたの生き物たちと溶けあい、混じりあい、ひとつになっている。
いや、ひとつになる手前、世界のすべてがそれぞれの姿を保ったまま溶けあい、ひとつになろうとしている。まさに、その過程を切りとり、安置したかのような光景。大地どころか大気さえも他のすべてと混じりあい、異質なものに変化しているように思えた。そして――。
そのすべてが凍っていた。
結晶化していた。
あらゆる動物が、植物が、大地が、大気そのものが、他のすべてと溶けあったまま結晶となり、凍っている。すべての色は失われ、ただ透明な輝きだけに満たされている。
美しい。
たしかに、そう言っていい光景だった。
しかし、それは、この世の美しさではなかった。この世にあっていい美しさでもなかった。まさに、異界が入り込んだこの世ならざる美しさ。
そう言うべき光景だった。
「すごい! まさか、こんなことが起きているとは。これはなんとしても記事にして、大陸中の人々に伝えなくては……!」
あまりにも想像を絶する事態に新聞記者としての使命感を刺激されたのだろう。ハーミドが両腕を広げ、感極まった様子で叫んだ。その表情はみはや『恍惚』と言ってもいいほどのものだった。
「これは……これはいったい、なんだ⁉ パンゲアになにが起こったんだ⁉」
今度はプリンスが叫んだ。その顔には驚きやとまどいを越えて、怒りの表情が浮かんでいる。あまりにも理解できないものを目の当たりにして、感情が振り切れたのだ。
プリンスの声にロウワンが呻いた。
「これは……亡道の世界」
「なに⁉」
「そうだ。これは亡道の世界だ。騎士マークスの記憶のなかでみた千年前の世界。亡道の世界に侵食され、すべてがひとつになろうとしていたあの世界そのものだ!」
――どういうことだよ⁉ パンゲアが亡道の世界に呑み込まれたってのか⁉
ビーブがキイキイ鳴きながらそう叫んだ。
「あり得ない! この世界はいまもまだ天命の巫女さまの歌に包まれている。亡道の世界が侵入できるのはこの世に一カ所、天詠みの島だけのはずだ。そこから遠くはなれたパンゲアが亡道の世界の侵食を受けるなんて……そんなこと、あるはずがない」
でも、それでも……。
「これはたしかに、亡道の世界だ」
そう認めるしかないロウワンだった。
「しかし……」
野伏が不思議そうに口にした。その場にひざをつき、地面を拳でコツコツ叩いている。
「これは、なんだ? どういう状況だ? すべてが色を失い、結晶化している。どうしたらこんなことになるんだ?」
野伏のその声に答えたのはメリッサだった。美しい顔が結晶化した世界に劣らず蒼白になっている。その精神に受けている衝撃はあるいは、ロウワン以上だったかも知れない。
「これは……時が凍っている」
「なに⁉」
「時そのものが凍り、結晶化している! 時間的にわたしたちの世界から切りはなされているのよ! だから、わたしたちはこの世界に干渉できないし、この世界もわたしたちに干渉できない。そうでなかったらこの世界に足を踏み入れた瞬間、わたしたちも亡道の世界に侵食されて、この世界の一部にされていたはずよ」
「亡道の世界の侵食をとめるために時を凍らせた。そう言うことか?」
「だとしても……」
今度は、行者が言った。
「この世界には濃密な亡道の気配が満ちている。それなのに、靄の外からはまったく感じなかった。どうやら、この靄はパンゲアの異変から世界を守るためにあるらしいね」
「『時を凍らせる』っていうこと自体、意味がわからないんだけど」と、トウナ。
「いったい、誰にそんなことができるって言うの?」
「そうです! 人間にできることとは思えません」
セシリアもそう叫んだ。
セシリアは亡道の司や、亡道の世界についてはほとんど知らない。だからこそ、目の前の光景にまっすぐに衝撃を受ける。
「……アルヴィルダ」
ロウワンのその呟きに――。
全員の視線が集中した。
「アルヴィルダだ。かの人以外、こんなことができるはずがない」
「たしかに……パンゲアの教皇は代々の秘儀を受け継いでいると言われているわ。その教皇であるアルヴィルダならやれるかも知れないけど……」
それでも、やっぱり信じられない。
そう言いたげな口調でメリッサが呟いた。
「気をつけろ!」
野伏がいきなり叫んだ。
全員が、野伏の視線の先を見た。そこでは、ひとつの異変が起きていた。
ピキ、
ピキピキピキ、
そんな音、いや、音に聞こえる『なにか』を立てながら、結晶化から開放されようとしている部分があった。まるで、全体に氷が張りつき白く染まった樹木が、その氷がポタポタと音を立てて溶けて、本来の姿を取り戻すかのように、色を取り戻し、結晶から本来の姿へとかわりつつあった。
シャアアアッ!
植物。
動物。
大地。
そのどれもであり、そのどれでもない『それ』が声をあげて飛びあがった。プリンスめがけて襲いかかった。
「チイッ!」
考えるのはあと。まずは反撃。
その戦士の本能に従い、プリンスが剣を抜き放った。振るわれた剣は芸術的なまでになめらかな弧を描き、『それ』の身を両断した。しかし――。
「死なない⁉」
プリンスの驚愕の叫びがあがった。『それ』は我が身を両断されながら、死ぬどころか動きをとめることさえなかった。ふたつにされた身がそれぞれに動き、プリンスめがけて襲いかかる。その寸前、
斬!
音を立てて野伏の太刀が振るわれ、『それ』を斬り払った。さしもの理解不能の存在も妖怪殺しの野伏の太刀にはかなわず、その場にくずれ落ち、動きをとめた。
「こいつらは亡道の世界に侵食された異界の存在。こいつらを倒すめたには、ローラシアの化け物たちを相手にした武器でも足りない。より強力な、対亡道の世界に特化した武器でなければな」
「とにかく、戻りましょう」
メリッサが言った。胃のあたりに重いものを感じているような表情で。
「このまま、ここにいるのは危険よ」
その言葉に――。
全員が心からうなずいた。
靄の外に出たあと、行者がロウワンに尋ねた。相変わらず、あるかなしかのかすかな微笑を湛えた表情が事態を面白がっているように見える。
「それで、ロウワン。どうするんだい?」
「アルヴィルダに会う」
きっぱりと、迷うことなくロウワンは答えた。
「なにがあったにせよ、このまま放っておくわけにはいかない。アルヴィルダに会って、事実を確かめないと」
「キキキ、キイキイキイ」
――どうやって、行くんだよ? あれじゃあ、水も食い物も手に入れることはできないぞ。もっていけるだけの分じゃあ、すぐに尽きちまう。
「補給はおれが引き受ける」
ビーブの言葉にプリンスが答えた。
「補給隊を編成して送り届ける」
「できるか?」と、野伏。
「結晶化が溶ければ、補給隊はたちまち亡道の世界に呑み込まれてしまうぞ」
「『もうひとつの輝き』を甘く見ないで」
メリッサが言った。
「わたしたちはずっと、亡道の世界に対抗するための研究をつづけてきたのよ。侵食を防ぐ護符は作れる。効果範囲はせまいけど……それでも、身につけた人間を守ることはできる。対亡道の世界用の武器だって用意できるわ」
「おれも行くぞ!」
やけに陽気な声でそう叫んだのはハーミドである。
「こんな特ダネ、逃すわけにはいかないからな! 何がなんでも記事にして、大陸中の人間に届けてやる!」
結局、ロウワン、ビーブ、野伏、行者、メリッサ、ハーミドの六人で靄のなかに入り、大聖堂ヴァルハラを目指すことになった。急速に準備が進められ、もてるだけの水と食糧、それに、無線機をもっての出発である。あとあと必要になる水と食糧、その他の物資に関しては対亡道の世界用の護符と武器を装備した補給隊が届けてくれる手はずである。
「じゃあ、行ってくる。あとのことは任せた」
「ええ」
ロウワンたちはトウナたちにあとをたくし、靄のなかに入っていった。ミルク色の靄はあまりにも濃く、ほんの一歩、なかに入っただけてその姿は影も形も見えなくなる。
ロウワンたちを見送ったあと、トウナはプリンスとセシリアに向き直った。
「ロウワンたちは千年の未来を手に入れるために戦う。わたしたちの役目は、かの人たちの『戦う理由』を守ること。すぐに会議をはじめましょう。千年の時を懸けて人と人の争う必要のない世界を作る。その礎を用意するために」
トウナのその言葉に――。
プリンスとセシリアは無言でうなずいた。
断固たる覚悟を定めた表情で。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
トウシューズにはキャラメルひとつぶ
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。
小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。
あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。
隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。
莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。
バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。
こちら第二編集部!
月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、
いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。
生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。
そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。
第一編集部が発行している「パンダ通信」
第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」
片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、
主に女生徒たちから絶大な支持をえている。
片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには
熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。
編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。
この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。
それは――
廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。
これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、
取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。
【完】ことうの怪物いっか ~夏休みに親子で漂流したのは怪物島!? 吸血鬼と人造人間に育てられた女の子を救出せよ! ~
丹斗大巴
児童書・童話
どきどきヒヤヒヤの夏休み!小学生とその両親が流れ着いたのは、モンスターの住む孤島!?
*☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*
夏休み、家族で出掛けた先でクルーザーが転覆し、漂流した青山親子の3人。とある島に流れ着くと、古風で顔色の悪い外国人と、大怪我を負ったという気味の悪い執事、そしてあどけない少女が住んでいた。なんと、彼らの正体は吸血鬼と、その吸血鬼に作られた人造人間! 人間の少女を救い出し、無事に島から脱出できるのか……!?
*☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*
家族のきずなと種を超えた友情の物語。
月神山の不気味な洋館
ひろみ透夏
児童書・童話
初めての夜は不気味な洋館で?!
満月の夜、級友サトミの家の裏庭上空でおこる怪現象を見せられたケンヂは、正体を確かめようと登った木の上で奇妙な物体と遭遇。足を踏み外し落下してしまう……。
話は昼間にさかのぼる。
両親が泊まりがけの旅行へ出かけた日、ケンヂは友人から『旅行中の両親が深夜に帰ってきて、あの世に連れて行く』という怪談を聞かされる。
その日の放課後、ふだん男子と会話などしない、おとなしい性格の級友サトミから、とつぜん話があると呼び出されたケンヂ。その話とは『今夜、私のうちに泊りにきて』という、とんでもない要求だった。
「羊のシープお医者さんの寝ない子どこかな?」
時空 まほろ
児童書・童話
羊のシープお医者さんは、寝ない子専門のお医者さん。
今日も、寝ない子を探して夜の世界をあっちへこっちへと大忙し。
さあ、今日の寝ない子のんちゃんは、シープお医者んの治療でもなかなか寝れません。
そんなシープお医者さん、のんちゃんを緊急助手として、夜の世界を一緒にあっちへこっちへと行きます。
のんちゃんは寝れるのかな?
シープお医者さんの魔法の呪文とは?
化け猫ミッケと黒い天使
ひろみ透夏
児童書・童話
運命の人と出会える逢生橋――。
そんな言い伝えのある橋の上で、化け猫《ミッケ》が出会ったのは、幽霊やお化けが見える小学五年生の少女《黒崎美玲》。
彼女の家に居候したミッケは、やがて美玲の親友《七海萌》や、内気な級友《蜂谷優斗》、怪奇クラブ部長《綾小路薫》らに巻き込まれて、様々な怪奇現象を体験する。
次々と怪奇現象を解決する《美玲》。しかし《七海萌》の暴走により、取り返しのつかない深刻な事態に……。
そこに現れたのは、妖しい能力を持った青年《四聖進》。彼に出会った事で、物語は急展開していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる