8 / 26
八章 蘇らせる!
しおりを挟む
「五年前。地球回遊国家はまさに発展の一途にありました。船団の数はふくれあがり、受け入れられる難民の数は爆発的に増えていきました。肉体的な損傷を受けた人たちが劣等感を感じずにすむようにと仮装がはじめられ、瞬く間に船団中に広まりました。
そのことが評判となり、観光名所として世界中から観光客がやってくるようになりました。難民自立のためにペン一本で勝負できるマンガが、たとえ手足がなくても声さえ出ればなれる声優業が奨励され、日本から多くの人材を招いてジャパニメーションの生産が行われました。
一度、壁を越えると年ごとに規模は跳ねあがり、地球回遊国家の存在感は高くなっていきました。そして、ついに五年前。その功績が認められ、正式な独立国家とした認められたのです。永都陛下は世界から認められた正規の王として、地球回遊国家の初代国王として即位なされました」
「永都陛下と七海殿下。おふたりの願いが叶ったのね」
「はい。まさに、その通りです」
「でも、変ね」
ノウラは、不思議そうに小首をかしげた。
「あなたの話だと、地球回遊国家を主導してきたのは七海殿下の方なんでしょう? どうして、七海殿下が王にならなかったの?」
そう問われてゾマスは苦笑した。おかしくておかしくてならないと言う笑い方だった。
「永都陛下もそうおっしゃられたのです。国王には七海殿下こそが即位するべきだと。ですが……」
「ですが?」
「七海殿下は当たり前のようにお答えになられました。
『あたしは、現場を飛びまわって問題解決に精を出さなきゃいけないの。国に残ってチマチマ内政したり、他の国の政治家連中と会ってパーティーしたりしてる暇はないのよ。そんなことは、あんたがやりなさい』
そう言われて永都陛下も反論できず、ご自分が国王を引き受ける羽目になったのです」
ゾマスのその言葉に――。
ノウラも思わず吹き出していた。腹を抱えて笑いころげた。『世界で二番目の美女』と呼ばれるその美貌が思いきりくずれている。
ゾマスはひとしきり懐かしそうに笑っていたが、ふいに表情がかわった。惜しんでも惜しみきれないものを引きずりつづける。そんな表情だった。
「……その矢先です。七海殿下が亡くなられたのは」
「七海殿下が?」
ノウラも笑いを収めて尋ねた。
ゾマスは苦い思いを噛みしめるようにしてうなずいた。
「はい。せっかく、正式な国として認められ、いよいよこれからだ。そんなときに病に倒れられ、そのまま……。
永都陛下の落胆振りは見ていて胸が張り裂けそうなものでした。高校時代からずっと同じ理想を見、追いかけてきた人。その理想がついに実現し、これからさらに広めていこうとしていたその矢先に、急に亡くなられてしまったのです。それこそ、病に倒れる前日までお元気そのもののお姿で世界中を飛びまわっておられたというのに。
それだけに、永都陛下としてもショックが大きかったのでしょう。すっかり気力を失われ、別人のように老け込み、政務からも退いてしまわれました。いまではほとんどなにもなさらず、閣僚に任せきり。往年のお姿と比べるとさびしいかぎりです」
「それだけ、七海殿下の存在が大きかったということね」
「はい。永都陛下は本当に七海殿下のことを愛しておられましたから。もちろん、七海殿下も永都陛下のことを心から愛しておいででした。永都陛下にしてみれば自分の半身、いえ、自分の心臓を失ったようなお気持ちだったことでしょう」
そう語るゾマスの口調、そして、表情。長年にわたって永都と七海、ふたりの側に仕えてきた人物の語ることだけに胸に切なさが込みあげてきた。
――永都陛下はそれほどに七海殿下のことを愛していた。でも、それならなぜ、わたしとの婚姻を承知したの?
ノウラにしてみれば当然の疑問だった。
自分の国が、自分の父親が、妻を失った永都のもとに自分を送りつけようとしたのはわかる。
巨大なエネルギー生産国として台頭し、産油国の立場を脅かすことになった地球回遊国家。その地球回遊国家とつながりをつけて、自国の利益を守ろうというのだろう。あわよくばノウラの存在を通じて地球回遊国家を都合良く制御したい。
そう思っているにちがいない。もちろん、ノウラには、捨て去った国のためになにかをしてやろうなどという思いは欠片もないわけだが。
――だけど、永都陛下に、わたしと結婚するどんな理由があるというの?
ノウラのその思いに答えるように、ゾマスが言った。後悔の念が滲み出るような言い方だった。
「実は……ノウラさまにお詫び申しあげなくてはならないことがあります」
「お詫び? わたしに?」
「はい。実は、永都陛下にノウラさまとのご結婚を勧めたのは私どもなのです」
「あなたたちが?」
「はい。私どもは永都陛下にこのまま終わってほしくなかったのです。もう一度、かつてのあの活力に満ちたお姿を取り戻していただきたい。最後まで、地球回遊国家の偉大なる王として人生を全うしていただきたい。そう思っていたのです。
そして、ノウラさま。もしかしたら、あなたさまなら永都陛下を蘇らせてくださるかも知れない。そう思ったのです。だからこそ、ナフード王国から婚姻の話が持ち込まれたとき、一言のもとに拒否しようとした永都陛下を説得し、受け入れていただいたのです」
「そういうことだったの。でも、どうして、わたしに永都陛下を蘇らせられるなんて思ったの?」
ナフードの王宮で何度か話したことがあるだけなのに。
ノウラの疑問にゾマスは答えた。
「あなたさまは永都陛下のお気に入りだったのですよ」
「お気に入り?」
「はい。永都陛下はよくおっしゃっておられました。
『ナフード王国の姫君は高校時代の七海にそっくりだ』と。
いえ、もちろん、外見的に似ているという意味ではありません。日本人であられる七海殿下とアラブ人であられるノウラさまでは見た目はまるでちがいます。ですが、その精神、その魂においては双子のようだと。
ナフードの王宮においてたったひとり、数々の改革案を考案しては周囲に提示し、煙たがられ、それでもめけずにただひとり、奮闘している。そのお姿が七海殿下にそっくりだと、永都陛下はよく笑いながらおっしゃっていたものです。
だからこそ、私どもは、ノウラさまなら永都陛下に、かつて見た理想をもう一度、追いかける気にさせてくれるのでは。そう思ったのです」
「……そう」
「はい。しょせんは我々、臣下のエゴ。エゴによって永都陛下のお心を無視し、ノウラさまを七海殿下のかわりとするかのような婚姻を勧めてしまった。そのことはお詫びしなければならない。そう思っておりました」
ゾマスのその言葉に対し、ノウラはきっぱりと言った。
「詫びる必要なんてないわ」
「ノウラさま?」
「わたしは永都陛下にあこがれていた。まっすぐに理想を追いかけるその姿は人生の指標だった。永都陛下がいてくれたからこそ、わたしはナフードの王宮でたったひとり、自分の理想を追うことができた。そう。わたしは幼い頃から永都陛下に恋をし、その背中を追いかけてきた。でも……」
ノウラはまっすぐに前を見つめると、断固たる決意を込めて言った。
「わたしの恋した永都陛下は、あんな無気力な年寄りなんかじゃない。わたしは永都陛下の新しい妻として、なんとしても元の姿に戻っていただくわ」
そのことが評判となり、観光名所として世界中から観光客がやってくるようになりました。難民自立のためにペン一本で勝負できるマンガが、たとえ手足がなくても声さえ出ればなれる声優業が奨励され、日本から多くの人材を招いてジャパニメーションの生産が行われました。
一度、壁を越えると年ごとに規模は跳ねあがり、地球回遊国家の存在感は高くなっていきました。そして、ついに五年前。その功績が認められ、正式な独立国家とした認められたのです。永都陛下は世界から認められた正規の王として、地球回遊国家の初代国王として即位なされました」
「永都陛下と七海殿下。おふたりの願いが叶ったのね」
「はい。まさに、その通りです」
「でも、変ね」
ノウラは、不思議そうに小首をかしげた。
「あなたの話だと、地球回遊国家を主導してきたのは七海殿下の方なんでしょう? どうして、七海殿下が王にならなかったの?」
そう問われてゾマスは苦笑した。おかしくておかしくてならないと言う笑い方だった。
「永都陛下もそうおっしゃられたのです。国王には七海殿下こそが即位するべきだと。ですが……」
「ですが?」
「七海殿下は当たり前のようにお答えになられました。
『あたしは、現場を飛びまわって問題解決に精を出さなきゃいけないの。国に残ってチマチマ内政したり、他の国の政治家連中と会ってパーティーしたりしてる暇はないのよ。そんなことは、あんたがやりなさい』
そう言われて永都陛下も反論できず、ご自分が国王を引き受ける羽目になったのです」
ゾマスのその言葉に――。
ノウラも思わず吹き出していた。腹を抱えて笑いころげた。『世界で二番目の美女』と呼ばれるその美貌が思いきりくずれている。
ゾマスはひとしきり懐かしそうに笑っていたが、ふいに表情がかわった。惜しんでも惜しみきれないものを引きずりつづける。そんな表情だった。
「……その矢先です。七海殿下が亡くなられたのは」
「七海殿下が?」
ノウラも笑いを収めて尋ねた。
ゾマスは苦い思いを噛みしめるようにしてうなずいた。
「はい。せっかく、正式な国として認められ、いよいよこれからだ。そんなときに病に倒れられ、そのまま……。
永都陛下の落胆振りは見ていて胸が張り裂けそうなものでした。高校時代からずっと同じ理想を見、追いかけてきた人。その理想がついに実現し、これからさらに広めていこうとしていたその矢先に、急に亡くなられてしまったのです。それこそ、病に倒れる前日までお元気そのもののお姿で世界中を飛びまわっておられたというのに。
それだけに、永都陛下としてもショックが大きかったのでしょう。すっかり気力を失われ、別人のように老け込み、政務からも退いてしまわれました。いまではほとんどなにもなさらず、閣僚に任せきり。往年のお姿と比べるとさびしいかぎりです」
「それだけ、七海殿下の存在が大きかったということね」
「はい。永都陛下は本当に七海殿下のことを愛しておられましたから。もちろん、七海殿下も永都陛下のことを心から愛しておいででした。永都陛下にしてみれば自分の半身、いえ、自分の心臓を失ったようなお気持ちだったことでしょう」
そう語るゾマスの口調、そして、表情。長年にわたって永都と七海、ふたりの側に仕えてきた人物の語ることだけに胸に切なさが込みあげてきた。
――永都陛下はそれほどに七海殿下のことを愛していた。でも、それならなぜ、わたしとの婚姻を承知したの?
ノウラにしてみれば当然の疑問だった。
自分の国が、自分の父親が、妻を失った永都のもとに自分を送りつけようとしたのはわかる。
巨大なエネルギー生産国として台頭し、産油国の立場を脅かすことになった地球回遊国家。その地球回遊国家とつながりをつけて、自国の利益を守ろうというのだろう。あわよくばノウラの存在を通じて地球回遊国家を都合良く制御したい。
そう思っているにちがいない。もちろん、ノウラには、捨て去った国のためになにかをしてやろうなどという思いは欠片もないわけだが。
――だけど、永都陛下に、わたしと結婚するどんな理由があるというの?
ノウラのその思いに答えるように、ゾマスが言った。後悔の念が滲み出るような言い方だった。
「実は……ノウラさまにお詫び申しあげなくてはならないことがあります」
「お詫び? わたしに?」
「はい。実は、永都陛下にノウラさまとのご結婚を勧めたのは私どもなのです」
「あなたたちが?」
「はい。私どもは永都陛下にこのまま終わってほしくなかったのです。もう一度、かつてのあの活力に満ちたお姿を取り戻していただきたい。最後まで、地球回遊国家の偉大なる王として人生を全うしていただきたい。そう思っていたのです。
そして、ノウラさま。もしかしたら、あなたさまなら永都陛下を蘇らせてくださるかも知れない。そう思ったのです。だからこそ、ナフード王国から婚姻の話が持ち込まれたとき、一言のもとに拒否しようとした永都陛下を説得し、受け入れていただいたのです」
「そういうことだったの。でも、どうして、わたしに永都陛下を蘇らせられるなんて思ったの?」
ナフードの王宮で何度か話したことがあるだけなのに。
ノウラの疑問にゾマスは答えた。
「あなたさまは永都陛下のお気に入りだったのですよ」
「お気に入り?」
「はい。永都陛下はよくおっしゃっておられました。
『ナフード王国の姫君は高校時代の七海にそっくりだ』と。
いえ、もちろん、外見的に似ているという意味ではありません。日本人であられる七海殿下とアラブ人であられるノウラさまでは見た目はまるでちがいます。ですが、その精神、その魂においては双子のようだと。
ナフードの王宮においてたったひとり、数々の改革案を考案しては周囲に提示し、煙たがられ、それでもめけずにただひとり、奮闘している。そのお姿が七海殿下にそっくりだと、永都陛下はよく笑いながらおっしゃっていたものです。
だからこそ、私どもは、ノウラさまなら永都陛下に、かつて見た理想をもう一度、追いかける気にさせてくれるのでは。そう思ったのです」
「……そう」
「はい。しょせんは我々、臣下のエゴ。エゴによって永都陛下のお心を無視し、ノウラさまを七海殿下のかわりとするかのような婚姻を勧めてしまった。そのことはお詫びしなければならない。そう思っておりました」
ゾマスのその言葉に対し、ノウラはきっぱりと言った。
「詫びる必要なんてないわ」
「ノウラさま?」
「わたしは永都陛下にあこがれていた。まっすぐに理想を追いかけるその姿は人生の指標だった。永都陛下がいてくれたからこそ、わたしはナフードの王宮でたったひとり、自分の理想を追うことができた。そう。わたしは幼い頃から永都陛下に恋をし、その背中を追いかけてきた。でも……」
ノウラはまっすぐに前を見つめると、断固たる決意を込めて言った。
「わたしの恋した永都陛下は、あんな無気力な年寄りなんかじゃない。わたしは永都陛下の新しい妻として、なんとしても元の姿に戻っていただくわ」
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
【完結】この地獄のような楽園に祝福を
おもち。
恋愛
いらないわたしは、決して物語に出てくるようなお姫様にはなれない。
だって知っているから。わたしは生まれるべき存在ではなかったのだと……
「必ず迎えに来るよ」
そんなわたしに、唯一親切にしてくれた彼が紡いだ……たった一つの幸せな嘘。
でもその幸せな夢さえあれば、どんな辛い事にも耐えられると思ってた。
ねぇ、フィル……わたし貴方に会いたい。
フィル、貴方と共に生きたいの。
※子どもに手を上げる大人が出てきます。読まれる際はご注意下さい、無理な方はブラウザバックでお願いします。
※この作品は作者独自の設定が出てきますので何卒ご了承ください。
※本編+おまけ数話。
王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました
鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と
王女殿下の騎士 の話
短いので、サクッと読んでもらえると思います。
読みやすいように、3話に分けました。
毎日1回、予約投稿します。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
婚約者に裏切られた女騎士は皇帝の側妃になれと命じられた
ミカン♬
恋愛
小国クライン国に帝国から<妖精姫>と名高いマリエッタ王女を側妃として差し出すよう命令が来た。
マリエッタ王女の侍女兼護衛のミーティアは嘆く王女の監視を命ぜられるが、ある日王女は失踪してしまった。
義兄と婚約者に裏切られたと知ったミーティアに「マリエッタとして帝国に嫁ぐように」と国王に命じられた。母を人質にされて仕方なく受け入れたミーティアを帝国のベルクール第二皇子が迎えに来た。
二人の出会いが帝国の運命を変えていく。
ふわっとした世界観です。サクッと終わります。他サイトにも投稿。完結後にリカルドとベルクールの閑話を入れました、宜しくお願いします。
2024/01/19
閑話リカルド少し加筆しました。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる