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第二章 ヒノデの国(上)
到着
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建物の高さはラファエル達が暮らしてきた街とそう変わらないが、その景観はまるで違っていた。まず、そのほとんどが木造建で、石造の建物なんてまず見当たらない。それに香りも全然違っていてラファエルにとって、否、ラファエルになった自分にとってそれはとても懐かしい匂いだった。
香りは五感の中で最も記憶に残るらしい、というのを病院で読んだことがある気がする。人が人を忘れる順番の中の一番最後、そして忘れた記憶を思い出すには香りが最も有効だろうということ。その本の通りだと思った。
和食の香りがする。炊けた米の香りが、海鮮に垂らしたと思われる醤油の香りが、味噌汁の香ばしくて塩辛い香りが、面白いくらい簡単に記憶の扉をこじ開けていく。
そこここを歩く和服らしき服装で歩く人たちや江戸時代的な町並みよりも余程鮮明にそれらが思い出させていく。記憶として止めていたその映像に、どんどん色が付いて、声が付いてくる。足元が、ぐらつく。
「エル」
ぱん、と弾けたように視界が開ける。
途端に町の雑踏が耳に入ってきて、ここが賑やかな場所だということを知った。
「どうした、具合でも」
「大丈夫だよ。驚いただけ」
アルフレッドが少し背を屈めてラファエルの顔を覗き込んでいた。へらりと笑って答えたが、この聡い男はそれで誤魔化されてくれるだろうか。だが疑問に思ったとしてもそれを突っ込んでは来ない、それが自分たちの関係だとラファエルは思っている。
「……そうか」
想像した通り、少し眉を顰めて思うところがある顔をするのにアルフレッドは何も聞かずに体勢を戻した。そのことに安堵しながらラファエルは改めてヒノデの国の玄関口である港町を見渡した。
ドラマで見る時代劇の風景と似たような景色が広がっていて、やはり服装も想像通り和服のようだ。草履や下駄で土を擦るように歩く音が独特で、ラファエルにとっては祭りの日のような音に聞こえるがアルフレッドにとってはその全てが初めて見るもので新鮮に映るだろう。
人の往来があまりない場所で二人で歩くこともせず町並みを眺めていれば、住人から何度か視線を貰って二人は今一度互いの服装と町の人々を見比べてそりゃあそうだろうと納得した。ラファエルもアルフレッドも完全な洋装だし、ラファエルに至っては全身を隠しているのだ。
数年前に外国との交流ができるようになったと言っても目立つ二人が並んでいればそれは視線も貰うだろうと頷き、立ち止まっていてもしょうがないと歩き出す。ラファエルの身長は男性の平均的なそれだが、アルフレッドがそれよりも頭ひとつ分高い。だから人に紛れても目立つのか度々視線を感じる。
「…見世物になった気分だ」
居心地悪そうなアルフレッドの言葉にラファエルが布の下で吹き出すように笑った。
「あは、確かに。でもこればっかりは仕方ないよ」
耳に届く言葉は全て聞き取れる。鎖国はしていても言語だけは同じだったことに驚きはあるが言語で苦労しないのは嬉しい誤算だった。客を呼び込む商人の声や町を行き交う住人の話す内容はどの場所にいても大して変わらないらしい。
「これからどうする?」
「とりあえず泊まるところ探そう。さっき船から降りてた人達に先越されちゃったら野宿かも」
「そいつはいただけねえな」
笑い合って、町並みを見る。けれどどこも似たような作りが多く、一目で何屋だとわかるのは飲食店や八百屋くらいか。それ以外にもわかるものはあるが、とりあえず宿屋は見当たらなくてさてどうしたものかと顎に手をやった時に甘辛い良い香りが鼻腔を擽った。
惹かれるようにそちらに意識を向けるとアルフレッドの袖を掴んでそちらに誘導する。
「、おい、どうしたエル」
「宿探しついでに買い食いしよ。あれ美味しそうじゃない?」
匂いをたどって向かった先にあるのは思った通り団子屋だった。店先で団子を炙って提供するタイプらしくみたらしやあんこの乗ったもの、中には五平餅のようなものもあり、これなら甘いものが得意ではないアルフレッドも食べらえるだろうと指差した。
「……これは、なんだ…?」
初めて目にする物にアルフレッドが首を傾げると団子を焼いていた頭に鉢巻を巻いた壮年の男性がにかっと歯を見せて笑った。
「へいらっしゃい!団子はいかが、うおおおなんだいあんたなんでそんな怪しいカッコしてんだい!」
「あ、お気になさらず」
「無理言うなってんだい。…なんだ、あんたらも外から来たクチかい?海の向こうにはトンチキな格好したヤツもいんだねえ」
「トンチキ」
「こいつの格好は気にすんな。で、これはなんだ?ダンゴとか言ってたな」
店主は外の、所謂二人のような外国客を見慣れているのかアルフレッドの容姿にも言葉にも驚くことはせず、むしろ待ってましたとばかりに手を叩いた。
「おうよ!こいつは団子っていってな、米から作られてる甘味よぉ!甘辛いみたらしにあっめえあんこ!こいつはちょっと変わり種でな、甘さは控えめだが醤油のしょっぱさがクセになんのよ!どうだい、一つ試し食いでもしてみるかい?」
そう言って店主は店先に並んでいるものから五平餅を一つ取って串に刺さっている二つのうち一つを取って皿に乗せ、アルフレッドに差し出す。
「…買うとは言ってねえぞ」
「こいつぁ試食だよ。金なんか取らねえさ」
「食べてみなよ、アルフ。多分美味しいよ」
皿を受け取るのに躊躇していたアルフレッドの代わりにラファエルが受け取ると鼻を布で隠していても醤油の良い香りがしてきて胃を刺激する。まだ少し警戒気味のアルフレッドに笑いながら串で刺して口元にまで持って行くとさすがに観念したのか諦めたように口を開いて一口で口内に収めた。
「……、…!」
初めて感じる食感にも味にも驚いているのだろう。あまり見たことのない顔で咀嚼している姿に口角が上がるが店主も似たような顔をしていた。
「適当なとこで飲み込んじまいな。でもしっかり噛んでからじゃねえと喉に詰まるから気をつけな」
それから程なくしてなんとか餅を飲み込んだアルフレッドが微妙な顔で店主を見る。
「確かに美味いが、難しいな」
「ははっ、まあ慣れねえのはしょうがねえさ!で、そっちの人はどうすんだい?」
「僕はあれがいいな、みたらし」
「お、みたらし団子に目をつけるたあ、あんた中々見所あるじゃねえか」
今度は皿にみたらし団子が乗せられるが今度は串から外されることはなく、ラファエルの手に渡る前に店主が人好きのする笑顔で何も乗っていない手のひらを見せた。その意図にラファエルは笑い「いくら?」問いかけると店主はヒノデの国での単価を告げる。
入国した際に換金は済ませている為困ることもなく料金を支払い、皿を受け取る。飴色に輝くそれに懐かしさを覚えながら片手で鼻から口を覆う布を下げるとアルフレッドの片眉が跳ね、店主が口をぽかんと開けた。
「わ、これすごく美味しい。出来立てだからかな」
三つ連なった団子のうちひとつを食べて目を細め、口内に広がった味に少しだけ胸が痛んだが気付かない振りをしてもうひとつ、もうひとつと食べ進めるとあっという間になくなってしまった。それが名残惜しくてもうひとつ食べようかなと視線を団子に向けるとアルフレッドの手が問答無用で下がっていた布を上げて口元を隠す。
「え、何?」
何事かと見上げるとアルフレッドはあからさまに溜息を吐いて、店主の方を顎で指す。その通りに顔を向けて、ラファエルは苦笑いした。
「……あんた…なんでそんなカッコしてんだい…」
心底わからないと言った風に呟かれた言葉にラファエルは「秘密です」と人差し指を口に当てた。
香りは五感の中で最も記憶に残るらしい、というのを病院で読んだことがある気がする。人が人を忘れる順番の中の一番最後、そして忘れた記憶を思い出すには香りが最も有効だろうということ。その本の通りだと思った。
和食の香りがする。炊けた米の香りが、海鮮に垂らしたと思われる醤油の香りが、味噌汁の香ばしくて塩辛い香りが、面白いくらい簡単に記憶の扉をこじ開けていく。
そこここを歩く和服らしき服装で歩く人たちや江戸時代的な町並みよりも余程鮮明にそれらが思い出させていく。記憶として止めていたその映像に、どんどん色が付いて、声が付いてくる。足元が、ぐらつく。
「エル」
ぱん、と弾けたように視界が開ける。
途端に町の雑踏が耳に入ってきて、ここが賑やかな場所だということを知った。
「どうした、具合でも」
「大丈夫だよ。驚いただけ」
アルフレッドが少し背を屈めてラファエルの顔を覗き込んでいた。へらりと笑って答えたが、この聡い男はそれで誤魔化されてくれるだろうか。だが疑問に思ったとしてもそれを突っ込んでは来ない、それが自分たちの関係だとラファエルは思っている。
「……そうか」
想像した通り、少し眉を顰めて思うところがある顔をするのにアルフレッドは何も聞かずに体勢を戻した。そのことに安堵しながらラファエルは改めてヒノデの国の玄関口である港町を見渡した。
ドラマで見る時代劇の風景と似たような景色が広がっていて、やはり服装も想像通り和服のようだ。草履や下駄で土を擦るように歩く音が独特で、ラファエルにとっては祭りの日のような音に聞こえるがアルフレッドにとってはその全てが初めて見るもので新鮮に映るだろう。
人の往来があまりない場所で二人で歩くこともせず町並みを眺めていれば、住人から何度か視線を貰って二人は今一度互いの服装と町の人々を見比べてそりゃあそうだろうと納得した。ラファエルもアルフレッドも完全な洋装だし、ラファエルに至っては全身を隠しているのだ。
数年前に外国との交流ができるようになったと言っても目立つ二人が並んでいればそれは視線も貰うだろうと頷き、立ち止まっていてもしょうがないと歩き出す。ラファエルの身長は男性の平均的なそれだが、アルフレッドがそれよりも頭ひとつ分高い。だから人に紛れても目立つのか度々視線を感じる。
「…見世物になった気分だ」
居心地悪そうなアルフレッドの言葉にラファエルが布の下で吹き出すように笑った。
「あは、確かに。でもこればっかりは仕方ないよ」
耳に届く言葉は全て聞き取れる。鎖国はしていても言語だけは同じだったことに驚きはあるが言語で苦労しないのは嬉しい誤算だった。客を呼び込む商人の声や町を行き交う住人の話す内容はどの場所にいても大して変わらないらしい。
「これからどうする?」
「とりあえず泊まるところ探そう。さっき船から降りてた人達に先越されちゃったら野宿かも」
「そいつはいただけねえな」
笑い合って、町並みを見る。けれどどこも似たような作りが多く、一目で何屋だとわかるのは飲食店や八百屋くらいか。それ以外にもわかるものはあるが、とりあえず宿屋は見当たらなくてさてどうしたものかと顎に手をやった時に甘辛い良い香りが鼻腔を擽った。
惹かれるようにそちらに意識を向けるとアルフレッドの袖を掴んでそちらに誘導する。
「、おい、どうしたエル」
「宿探しついでに買い食いしよ。あれ美味しそうじゃない?」
匂いをたどって向かった先にあるのは思った通り団子屋だった。店先で団子を炙って提供するタイプらしくみたらしやあんこの乗ったもの、中には五平餅のようなものもあり、これなら甘いものが得意ではないアルフレッドも食べらえるだろうと指差した。
「……これは、なんだ…?」
初めて目にする物にアルフレッドが首を傾げると団子を焼いていた頭に鉢巻を巻いた壮年の男性がにかっと歯を見せて笑った。
「へいらっしゃい!団子はいかが、うおおおなんだいあんたなんでそんな怪しいカッコしてんだい!」
「あ、お気になさらず」
「無理言うなってんだい。…なんだ、あんたらも外から来たクチかい?海の向こうにはトンチキな格好したヤツもいんだねえ」
「トンチキ」
「こいつの格好は気にすんな。で、これはなんだ?ダンゴとか言ってたな」
店主は外の、所謂二人のような外国客を見慣れているのかアルフレッドの容姿にも言葉にも驚くことはせず、むしろ待ってましたとばかりに手を叩いた。
「おうよ!こいつは団子っていってな、米から作られてる甘味よぉ!甘辛いみたらしにあっめえあんこ!こいつはちょっと変わり種でな、甘さは控えめだが醤油のしょっぱさがクセになんのよ!どうだい、一つ試し食いでもしてみるかい?」
そう言って店主は店先に並んでいるものから五平餅を一つ取って串に刺さっている二つのうち一つを取って皿に乗せ、アルフレッドに差し出す。
「…買うとは言ってねえぞ」
「こいつぁ試食だよ。金なんか取らねえさ」
「食べてみなよ、アルフ。多分美味しいよ」
皿を受け取るのに躊躇していたアルフレッドの代わりにラファエルが受け取ると鼻を布で隠していても醤油の良い香りがしてきて胃を刺激する。まだ少し警戒気味のアルフレッドに笑いながら串で刺して口元にまで持って行くとさすがに観念したのか諦めたように口を開いて一口で口内に収めた。
「……、…!」
初めて感じる食感にも味にも驚いているのだろう。あまり見たことのない顔で咀嚼している姿に口角が上がるが店主も似たような顔をしていた。
「適当なとこで飲み込んじまいな。でもしっかり噛んでからじゃねえと喉に詰まるから気をつけな」
それから程なくしてなんとか餅を飲み込んだアルフレッドが微妙な顔で店主を見る。
「確かに美味いが、難しいな」
「ははっ、まあ慣れねえのはしょうがねえさ!で、そっちの人はどうすんだい?」
「僕はあれがいいな、みたらし」
「お、みたらし団子に目をつけるたあ、あんた中々見所あるじゃねえか」
今度は皿にみたらし団子が乗せられるが今度は串から外されることはなく、ラファエルの手に渡る前に店主が人好きのする笑顔で何も乗っていない手のひらを見せた。その意図にラファエルは笑い「いくら?」問いかけると店主はヒノデの国での単価を告げる。
入国した際に換金は済ませている為困ることもなく料金を支払い、皿を受け取る。飴色に輝くそれに懐かしさを覚えながら片手で鼻から口を覆う布を下げるとアルフレッドの片眉が跳ね、店主が口をぽかんと開けた。
「わ、これすごく美味しい。出来立てだからかな」
三つ連なった団子のうちひとつを食べて目を細め、口内に広がった味に少しだけ胸が痛んだが気付かない振りをしてもうひとつ、もうひとつと食べ進めるとあっという間になくなってしまった。それが名残惜しくてもうひとつ食べようかなと視線を団子に向けるとアルフレッドの手が問答無用で下がっていた布を上げて口元を隠す。
「え、何?」
何事かと見上げるとアルフレッドはあからさまに溜息を吐いて、店主の方を顎で指す。その通りに顔を向けて、ラファエルは苦笑いした。
「……あんた…なんでそんなカッコしてんだい…」
心底わからないと言った風に呟かれた言葉にラファエルは「秘密です」と人差し指を口に当てた。
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