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第二章 ヒノデの国(上)
暇つぶし※
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照り付ける太陽に船体にぶつかる波の音、それによって生まれる不規則な揺れ。船体は大きく端から端まで数えて四本の帆柱があり、その大きさの割りに風を受けて海上を進む速度には目を見張るものがあった。
客船でもあり交易用でもあるその船には客と船員とが入り乱れて、その船だけで小さな村が出来上がるのではないかと思う程だった。それ程大きな船の客室に二人はいた。
アルフレッドはベッドに腰掛け、ラファエルはその固い太腿に頭を乗せて波の揺れを感じながらぼんやりと木目調の天井を眺めた。
「…今何日目だっけ」
「三日目だな」
「…着くのは?」
「明後日の昼」
「明後日かーーー」
ラファエルは大きなため息と一緒に腕を伸ばして下からアルフレッドを見た。アルフレッドの愛用は身の丈程ある大剣だがそれ以外にも短剣や普通の剣も所持しており、ラファエルの頭上でそれらの手入れをしている。そう、暇なのだ。
港街からヒノデの国まで航路で順調にいけば5日程かかる。今はちょうどその真ん中に差し掛かったところなのだが、二人はというかラファエルは暇を持て余していた。最初の二日は船の大きさや船内の広さ、海の景色にはしゃいでいたが三日目になれば慣れてしまってご覧の有り様だった。
「飽きるのが早えよ」
「だって暇なんだもん」
「お前が行きたいっつったんだろ」
「そうだけど暇なものは暇」
「まあ船の上はやることねえしな」
「そうなんだよ。本でも買ってくれば良かった」
手にしていた短剣をテーブルに置いてアルフレッドの大きな手がラファエルの滑らかな髪を掬うように撫でた。
「じゃあヒノデの国から出るときは買っとけ。読めたらの話だけどな」
「残念交易が盛んになるようになって僕らの国の本も売ってますー。多分だけど」
子供のような言い方にアルフレッドは愉快そうに笑って今度はラファエルの顎を猫にするように指の背で撫でる。さすがに喉が鳴るようなことはないが目がきゅう、と細くなった。ただその指が首筋へと伸び始めると心地良さよりもくすぐったさが勝って息を吐き出すように笑い、体ごとアルフレッドの方へと向けて腹に顔を寄せる。
「暇潰しでもするか?」
少しだけかさついた指がラファエルの胸の辺りまで伸びた髪を梳いて日の光を集めたような金を耳に掛け、そのまま耳朶を擽る。露骨、とは言わないが太い指が耳の輪郭をゆっくりとなぞって耳裏を擦るのはどう考えてもそういった誘いでラファエルの眉の間に皺が寄った。
「……まだ昼なんだけど」
「それが?」
関係無いというようにアルフレッドの口角が上がって、それと対照的にラファエルは口をへの字に曲げた。けれどそれが拒否ではないなんてことはバレていて、耳朶を撫でていた指が輪郭を辿ってラファエルの瑞々しい唇へと触れた。
親指の腹が下唇を少し押して、ちらりと見えた白い歯の表面をなぞる。自然と体は少し上を向いて自ら受け入れるように口を開くとその間に指が入れられて吐息が漏れた。けれどそこから指が進むことはなく目線を上げるとラファエルを見下ろしていたアルフレッドの口が「舐めろ」そう動いた。
「……ん、ぁ…」
赤い舌を伸ばして、剣を扱うことに長けた指を舐める。なんの味もするはずがないのに甘いと感じた。
両手で自分よりも一回りは大きな手首を持って瞼を伏せながら指に舌を這わせていれば頭上で笑みが深くなる気配がして口から指が抜かれたと思うと今度は人差し指と中指が入ってきた。
「んん…っ」
「口の中まで熱いな、お前」
吐息混じりの低音が鼓膜を震わせ、器用な指がラファエルの舌を捕らえる。挟むみたいにして前後に擦られて、口からは吐息と隠せない声が溢れ出て海の音しか聞こえなかったはずの船室を満たしていく。舌を突き出すような姿は無様で滑稽に見えている筈なのに、アルフレッドの興奮が伝わってきて苦しさとは違う呼吸の乱れを感じた。「エル」熱の籠った声で呼ばれてラファエルは自然と両腕を伸ばし、アルフレッドは口から指を抜き去って濡れていない手でその腕を掴んで首へと回させる。
膝に座るなり呼吸を奪うように唇が重なった。
「ん、ぅ…っ、は、アルフ…っ」
片腕はラファエルを抱き締め、もう片方の腕は器用にラファエルの無駄に綺麗に着込まれた服を慣れたように乱していって、その白い肌に濡れた指先で触れる。アルフレッドの指が触れただけで身体は勝手に震えて唇からは切なげな声が漏れた。
食むように唇を甘噛みされてどちらともなく口を開けばすぐさま肉厚な舌が入り込んでくる。舌先同士で挨拶をするように触れ合い、そうしたらすぐに舌の側面を器用に擦られて唇の間から子犬のような声がこぼれ落ち、ラファエルの頬は羞恥で赤く色づく。
「ん、ふ…っ、ぁ、は…ぅ」
「…は、これだけでもうとろとろじゃねえか」
アルフレッドが顎を引いたことで唇が離れ、乱れた呼吸を整えようとするがそれを許さないとばかりに胸の尖りをぴん、と指先で弾いた。
「ぁうっ」
反射で漏れた声は痛み感じたから出た声ではないなんてことはラファエルが一番よくわかっていた。けれどどうしたってそこで快感を得てしまうことは慣れなくてアルフレッドを睨むのに、そんなものはどこ吹く風と鼻歌でも口ずさみそうな程上機嫌な男がそこにはいた。
「エル、膝立ちになれるか?」
「……やだ」
「エール」
そんなのどこから出すんだと聞きたくなるような声で名前を呼ばれ、その声と似たような表情で見つめられたらラファエルに拒否権なんて存在しない。ぐ、と目頭に力を入れていかにも不服ですなんて顔をしながらアルフレッドの肩に手を置いてゆっくりと腰を跨ぐようにして膝立ちになる。その様子を心底楽しそうにアルフレッドが見つめてくるものだから、ラファエルは更に居た堪れなくなった。
「いい子だ。ほら、これ噛んでろ」
そういって口元に持って来られたのは捲られたラファエルの服で、これからアルフレッドがすることを否が応でも意識してしまって体温が上がった気がした。震える唇を開いて服を噛むとアルフレッドの鋭い目元が柔らかく細められて指の背でラファエルの頬を撫でる。
「……声、出すなよ」
腰を抱き寄せられ体が密着する。肌に触れるのはアルフレッドの服と、髪と、そして熱く湿った吐息。甘く囁かれた言葉がその余韻を消すより早く背筋を震わせる快感がラファエルを襲った。
客船でもあり交易用でもあるその船には客と船員とが入り乱れて、その船だけで小さな村が出来上がるのではないかと思う程だった。それ程大きな船の客室に二人はいた。
アルフレッドはベッドに腰掛け、ラファエルはその固い太腿に頭を乗せて波の揺れを感じながらぼんやりと木目調の天井を眺めた。
「…今何日目だっけ」
「三日目だな」
「…着くのは?」
「明後日の昼」
「明後日かーーー」
ラファエルは大きなため息と一緒に腕を伸ばして下からアルフレッドを見た。アルフレッドの愛用は身の丈程ある大剣だがそれ以外にも短剣や普通の剣も所持しており、ラファエルの頭上でそれらの手入れをしている。そう、暇なのだ。
港街からヒノデの国まで航路で順調にいけば5日程かかる。今はちょうどその真ん中に差し掛かったところなのだが、二人はというかラファエルは暇を持て余していた。最初の二日は船の大きさや船内の広さ、海の景色にはしゃいでいたが三日目になれば慣れてしまってご覧の有り様だった。
「飽きるのが早えよ」
「だって暇なんだもん」
「お前が行きたいっつったんだろ」
「そうだけど暇なものは暇」
「まあ船の上はやることねえしな」
「そうなんだよ。本でも買ってくれば良かった」
手にしていた短剣をテーブルに置いてアルフレッドの大きな手がラファエルの滑らかな髪を掬うように撫でた。
「じゃあヒノデの国から出るときは買っとけ。読めたらの話だけどな」
「残念交易が盛んになるようになって僕らの国の本も売ってますー。多分だけど」
子供のような言い方にアルフレッドは愉快そうに笑って今度はラファエルの顎を猫にするように指の背で撫でる。さすがに喉が鳴るようなことはないが目がきゅう、と細くなった。ただその指が首筋へと伸び始めると心地良さよりもくすぐったさが勝って息を吐き出すように笑い、体ごとアルフレッドの方へと向けて腹に顔を寄せる。
「暇潰しでもするか?」
少しだけかさついた指がラファエルの胸の辺りまで伸びた髪を梳いて日の光を集めたような金を耳に掛け、そのまま耳朶を擽る。露骨、とは言わないが太い指が耳の輪郭をゆっくりとなぞって耳裏を擦るのはどう考えてもそういった誘いでラファエルの眉の間に皺が寄った。
「……まだ昼なんだけど」
「それが?」
関係無いというようにアルフレッドの口角が上がって、それと対照的にラファエルは口をへの字に曲げた。けれどそれが拒否ではないなんてことはバレていて、耳朶を撫でていた指が輪郭を辿ってラファエルの瑞々しい唇へと触れた。
親指の腹が下唇を少し押して、ちらりと見えた白い歯の表面をなぞる。自然と体は少し上を向いて自ら受け入れるように口を開くとその間に指が入れられて吐息が漏れた。けれどそこから指が進むことはなく目線を上げるとラファエルを見下ろしていたアルフレッドの口が「舐めろ」そう動いた。
「……ん、ぁ…」
赤い舌を伸ばして、剣を扱うことに長けた指を舐める。なんの味もするはずがないのに甘いと感じた。
両手で自分よりも一回りは大きな手首を持って瞼を伏せながら指に舌を這わせていれば頭上で笑みが深くなる気配がして口から指が抜かれたと思うと今度は人差し指と中指が入ってきた。
「んん…っ」
「口の中まで熱いな、お前」
吐息混じりの低音が鼓膜を震わせ、器用な指がラファエルの舌を捕らえる。挟むみたいにして前後に擦られて、口からは吐息と隠せない声が溢れ出て海の音しか聞こえなかったはずの船室を満たしていく。舌を突き出すような姿は無様で滑稽に見えている筈なのに、アルフレッドの興奮が伝わってきて苦しさとは違う呼吸の乱れを感じた。「エル」熱の籠った声で呼ばれてラファエルは自然と両腕を伸ばし、アルフレッドは口から指を抜き去って濡れていない手でその腕を掴んで首へと回させる。
膝に座るなり呼吸を奪うように唇が重なった。
「ん、ぅ…っ、は、アルフ…っ」
片腕はラファエルを抱き締め、もう片方の腕は器用にラファエルの無駄に綺麗に着込まれた服を慣れたように乱していって、その白い肌に濡れた指先で触れる。アルフレッドの指が触れただけで身体は勝手に震えて唇からは切なげな声が漏れた。
食むように唇を甘噛みされてどちらともなく口を開けばすぐさま肉厚な舌が入り込んでくる。舌先同士で挨拶をするように触れ合い、そうしたらすぐに舌の側面を器用に擦られて唇の間から子犬のような声がこぼれ落ち、ラファエルの頬は羞恥で赤く色づく。
「ん、ふ…っ、ぁ、は…ぅ」
「…は、これだけでもうとろとろじゃねえか」
アルフレッドが顎を引いたことで唇が離れ、乱れた呼吸を整えようとするがそれを許さないとばかりに胸の尖りをぴん、と指先で弾いた。
「ぁうっ」
反射で漏れた声は痛み感じたから出た声ではないなんてことはラファエルが一番よくわかっていた。けれどどうしたってそこで快感を得てしまうことは慣れなくてアルフレッドを睨むのに、そんなものはどこ吹く風と鼻歌でも口ずさみそうな程上機嫌な男がそこにはいた。
「エル、膝立ちになれるか?」
「……やだ」
「エール」
そんなのどこから出すんだと聞きたくなるような声で名前を呼ばれ、その声と似たような表情で見つめられたらラファエルに拒否権なんて存在しない。ぐ、と目頭に力を入れていかにも不服ですなんて顔をしながらアルフレッドの肩に手を置いてゆっくりと腰を跨ぐようにして膝立ちになる。その様子を心底楽しそうにアルフレッドが見つめてくるものだから、ラファエルは更に居た堪れなくなった。
「いい子だ。ほら、これ噛んでろ」
そういって口元に持って来られたのは捲られたラファエルの服で、これからアルフレッドがすることを否が応でも意識してしまって体温が上がった気がした。震える唇を開いて服を噛むとアルフレッドの鋭い目元が柔らかく細められて指の背でラファエルの頬を撫でる。
「……声、出すなよ」
腰を抱き寄せられ体が密着する。肌に触れるのはアルフレッドの服と、髪と、そして熱く湿った吐息。甘く囁かれた言葉がその余韻を消すより早く背筋を震わせる快感がラファエルを襲った。
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