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帰る場所

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生活面で話し合うなり彼女の好きにするなり、これから暮らす場所もある程度決めないといけないことに面倒くさいとため息がでそうになったが、

今後を親父に問えば彼女との新居は既に有り家具から何から全てセットしているそうだ。

あとは自分の私物を持ち込むだけだと言われ、手回しのはやさと部屋のキーと住所を渡してくる親父に少しばかし驚かされた。

結婚式も終わり、私服に着替え帰る用意をしていた彼女に新居の部屋のキーと住所を、来る気持ちになればいつでも住むといいと言って渡す。

「…はい、では明日からでもいいですか?」

彼女はキーを握りしめて言いにくそうに俺をみる。

「あぁ…いつでも、勝手に使え、今日から表立てと言えど妻だからな。」

「はい、ありがとうございます。」

俺の言葉に彼女は少しばかし笑みをみせ会釈をして消えていった。

彼女のような女性は、生まれて28年初めて出会うタイプだった。

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